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JP-2025527197-A5 -

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Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20230720

Description

本発明は、ワイヤ状、チューブ状、又は棒状の半製品を製造するための銅-亜鉛鍛錬用合金、銅-亜鉛鍛錬用合金製の半製品、及びそのような半製品の製造方法に関する。銅-亜鉛鍛錬用合金とは、一般に、銅-亜鉛合金製の鍛錬材を意味する。 3~5重量%の鉛を含む銅-亜鉛合金は、機械加工性に優れ、熱間成形及び冷間成形にも非常に適している。従って、鉛含有の銅-亜鉛合金は、例えば自動車業界、建築技術、機械製造、電子機器や電子部品、通信における接続部やコンポーネントのために、また水道設備の継手として多くの用途に使用される。 銅-亜鉛鍛造用合金内の鉛のポジティブな作用は、鉛が組織内で単独で微粒子として存在し、その微粒子がチップブレーカとして作用することに基づいている。機械加工中に、鉛は、部材の強い局所変形と、それに伴う局所の温度上昇により、液相として存在する。液体状の鉛は応力を吸収できないので、負荷を伝達する脆弱したマトリックスに応力が集中することになり、それによってチップブレーキングが起こりやすくなる。これに加え、機械加工中に、鉛は材料と工具との間のトライボロジー層の中に取り込まれ、それが効果的な潤滑につながり、ひいては摩擦及び摩耗が減少することになる。さらに、鉛は溶解度が低いため、導電性への影響は全く生じない。このことは、特に電気的用途に使用される材料に有利である。また、銅-亜鉛合金での鉛は、明らかな結晶粒微細化を生じさせることも知られている。このことは、特に棒形半製品の真直度や寸法精度に有利である。高い寸法精度は、電子ワイヤを圧着する場合も必要である。さらに、鉛は低価格でもある。 しかしながら、鉛は環境にとって有害である。鉛は微量な量でも摂取すると人間の体内に蓄積され、健康被害を引き起こすおそれがある。そのため、EU、米国、中国、その他の国々では、銅合金内の規制値が常に引き下げられ、鉛入り黄銅の代わりに、鉛を削減した又は鉛フリーの機械加工可能な銅合金を使用する努力がなされている。規制値は、例えばRoHS(指令2011/65/EU)などのEU指令において、1000ppm(0.1%)Pbが上限として定められている。そのような低い鉛含有量でも、材料の良好な機械加工性を確保するために、さまざまな合金元素が鉛の代替として提案される。 多数の文献から、鉛の代替としてビスマス(Bi)を使用して、機械加工性を向上させることが周知である。粒界に沿ったBiの膜形成と、それに伴う応力亀裂及び熱間亀裂の脆弱性を緩和するため、さらなる元素の添加が提案される。これについては、特に、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5が参照される。しかしながら、Biは、一方で入手困難な稀少金属であり、他方では銅材料の資材サイクル内で高温脆性を引き起こすことから、望ましくない。 さらに、特許文献6から、0.1~1.5重量%のSi、0.03~0.4重量%のAl、0.01~0.36重量%のP、0.05~0.5重量%のSn、0.001~0.05重量%の希土類を含む銅-亜鉛合金が周知である。この合金は、α組織、β組織、場合によりγ組織を形成することにより、機械加工が容易である。Alを含有することにより、望ましくないAlリン化物が生じる。γ相とAlリン化物はチップ形成を改善するが、工具の寿命を悪化させる。さらに、希土類を含むことにより、組織の脆化につながると考えられる。これらの合金は、鋳物部品及び熱間鍛造部品に使用される。 合金内で脆弱なリン化物を形成するリンを鉛の代わりに使用することは、さらに、58.5~63.5重量%のCu、0.4~1.0重量%のSi、0.005~0.19重量%のP、0.003~0.25重量%のPb、残部亜鉛、ならびにその他の任意元素を含む材料についての特許文献7において説明される。0.005~0.19重量%のPを添加してリン化物を形成し、0.4~1.0重量%のSiを添加してα相とβ相を強化することは、この場合、機械加工が容易な材料につながる。しかし、鉛がもたらす組織への結晶粒微細化の効果を達成するためには、最大0.19重量%のP含有量では少なすぎる。 韓国特許第10-0555854号公報韓国公開特許第10-2006-096877号公報特開2005-290475号公報特開2014-122427号公報特開2006-083443号公報欧州特許第2194150号明細書国際公開第2020/261604号 本発明は、ワイヤ状、チューブ状、又は棒状の半製品を製造するための銅-亜鉛鍛錬用合金に関し、重量%において以下の組成、すなわち、Cu:58.0~66.0%、Si:0.15~1.2%、P:0.20~0.38%、Sn:任意で最大0.5%、好ましくは最大0.3%、Al:任意で最大0.05%、Fe:任意で最大0.3%、Ni:任意で最大0.3%、Pb:任意で最大0.25%、好ましくは最大0.10%、Bi:任意で最大0.1%、Te、Se、In:任意でそれぞれ最大0.1%、B:任意で最大0.01%、残部Zn及び不可避不純物を含み、不可避不純物の割合は0.2重量%よりも少ない。この合金は、球状のα相、β相、及びリン化物粒子からなる組織を有している。リン化物粒子は、好ましくは銅及び/又は亜鉛含有のリン化物を含むか、銅及び/又は亜鉛含有のリン化物である。α相とβ相の合計に対するβ相の割合は、少なくとも20体積%、好ましくは少なくとも22体積%、多くとも60体積%、好ましくは多くとも40体積%である。ケイ素は、α相にもβ相にも存在している。21000μm2の面積には、0.5~1μmの相当直径を持つリン化物粒子が50~700個、1~2μmの相当直径を持つリン化物粒子が10~300個、及び2~5μmの相当直径を持つリン化物粒子が3~45個存在している。β相の割合ならびにSi、P、Pbの割合は、この合金が以下の条件、すなわち、107.378-2.25255・[Beta]-64.1438・[Si]-115.18・[P]-30.7071・[Pb]+0.017965・[Beta]・[Beta]+24.6217・[Si]・[Si]+66.7257・[P]・[P]+0.542512・[Beta]・[Si]+1.36208・[Beta]・[P]+43.4012・[Si]・[P]<37を満たすように選択されている。ここで、[Beta]はβ相の割合を体積%で示し、[Si]はケイ素の割合を重量%で示し、[P]はリンの割合を重量%で示し、[Pb]は鉛の割合を重量%で示している。 このとき、本発明は、合金の機械加工性を損なうことなく、銅-亜鉛合金中のPbの割合をできる限り削減するという考え方に基づいている。この目的のために、合金にはSiとPが適切に添加され、またβ相の割合は、一方で有利な機械加工特性が生じ、他方では合金の熱間成形及び冷間成形が損なわれないように、かつ合金から製造される半製品が優れた真直度を有するように調整される。さらに、特に鋳造時及び熱間成形時のプロセス制御は、結果的に望ましい特性が生じるように選択される。 球状のα相は、半製品の良好な真直度と寸法安定性の前提条件である。α相は熱間成形後にβ相から生じる。従って、β相は鋳造状態において微細でなければならない。驚くべきことに、P含有量が多くなるに伴い、β相からなる元の基本マトリックスの鋳造組織の明らかな結晶粒微細化が生じることが示された。鋳造組織及び後続の成形組織の十分な結晶粒微細化を達成するには、少なくとも0.20重量%のPを添加することが必要である。このことは、α-β黄銅の結晶粒微細化に対する2~3重量%のPbの効果と同様である。β晶の一次結晶の際、残留溶融物にPが蓄積され、それによってβ相の細分化を引き起こす。凝固中には、リン化物とβ相からなる共融混合物が生じる。β相からなる基本マトリックスの結晶粒微細化に加え、α晶の結晶粒微細化も観察される。Pによる鋳造組織のこの結晶粒微細化は、熱間成形を容易にし、熱間成形後の組織にも継続し、結果的に最終状態の結晶粒微細化につながる。Pの割合が少なくとも0.20重量%の場合、最終状態においてリン化物粒子は、α相とβ相の両方に存在している。好ましくは、この合金は、少なくとも0.22重量%のPを含んでいる。0.38重量%を上回るP含有量では、個々のリン化物が凝固して長い網状の形状を形成することによって、鋳造状態で粗大なリン化物が生じる。これらの粗大なリン化物は粒界を湿らせ、熱間成形中に溶融して、材料に亀裂を引き起こす。これに加え、延性も低下する。 しかしながら、例えば固定鋳型(Standkokille)での鋳造などで、合金の鋳造時に冷却速度が低下しすぎると、この種の望ましくない効果は、P含有量が0.38重量%未満でも発生する可能性がある。必要な高い冷却速度は、例えば水冷鋳型による連続鋳造などで実現される。このようにして、P含有量が0.20~0.38重量%の場合、リン化物粒子はすでに鋳造状態で球状になり、微細分散されて組織内に存在することになる。次に、そのような鋳造製品は、620~700℃、好ましくは630~680℃の温度で良好に熱間鍛造可能であり、材料に亀裂は生じない。 さらに、球状のα相のためには、熱間成形後の材料の冷却は制御しながら行うことが必要である。550℃~350℃の温度範囲において、冷却速度は、少なくとも毎分30℃(℃/分)、好ましくは少なくとも毎分40℃、多くとも毎分60℃、好ましくは多くとも毎分50℃でなければならない。鋳造状態で微細なβ相を伴う、均等に微細分散されたリン化物は、熱間成形中にマトリックス内で溶解し、次に、熱間成形時の冷却プロセス中に新たに形成される。このようにして、最終的に、鋳造状態におけるリン化物の特徴的な分布が、最終状態の組織に反映される。従って、最終状態におけるリン化物の分布及びα相の球状形状は、合金の化学的組成によって決定されるだけではなく、鋳造時及び熱間成形時のプロセス制御によっても決定される。そのため、最終状態におけるリン化物の特徴は、特定のプロセス制御が製品に残す指紋のようなものである。最終状態におけるリン化物の分散は、以下のように特徴づけることができる。21000μm2の面積には、0.5~1μmの相当直径を持つリン化物粒子が50~700個、1~2μmの相当直径を持つリン化物粒子が10~300個、及び2~5μmの相当直径を持つリン化物粒子が3~45個存在している。リン化物粒子の相当直径とは、リン化物粒子と同じ面積の円の直径であると理解される。少なくとも0.5μmの相当直径を持つリン化物粒子の大部分は、多くとも2μmの相当直径を持っている。好ましくは、0.5~2μmの相当直径を持つリン化物粒子の割合は、少なくとも0.5μmの相当直径を持つすべてのリン化物粒子の数の少なくとも70%である。特に好ましくは、この割合は少なくとも80%である。さらに、少なくとも0.5μmの相当直径を持つすべてのリン化物粒子の少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%が、多くとも1μmの相当直径を有している場合は有利である。0.5μmより小さい相当直径を持つリン化物粒子、又は5μmより大きな相当直径を持つリン化物粒子が合金内に存在することは排除されていない。このとき、5μmより大きな相当直径を持つリン化物粒子の数は、2~5μmの相当直径を持つリン化物粒子の数の多くても30%、好ましくは多くても15%である。 機械加工時に分離箇所として作用し、それによりチップブレーキングを支援する脆弱な組織成分は、合金の機械加工性にとって有利である。β相は脆弱であり、機械加工性に有利である。β相の割合の増加は、Zn含有量の上昇によって、及び/又はケイ素の添加によって達成することができる。これは、ケイ素がβ相を安定化させるからである。さらに、α相の延性を低下させると、良好な機械加工性にとって有利であること