JP-2026076483-A - カール部付き金属カップ
Abstract
【課題】横方向圧縮力に対しての耐変形性が向上したカール部を備えていると共に、ヒートシールによる蓋材(フィルム)の装着にも適したカール部付き金属カップを提供する。 【解決手段】上端に開口が形成されている金属カップ1において、前記上端開口の全周にわたって、外方に突出しているカール部13が設けられており、該カール部の最外面部Xにおけるカップ板厚tが、0.1mm<t<0.3mmの条件を満足していると共に、カール部13の上面には、フラットな部分17が形成されていることを特徴とする。 【選択図】図2
Inventors
- 篠島 信宏
- 村瀬 健
- 田中 章太
- 佐藤 江利華
Assignees
- 東洋製罐株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (3)
- 上端に開口が形成されている金属カップにおいて、 前記上端開口の全周にわたって、外方に突出しているカール部が設けられており、該カール部の最外面部におけるカップ板厚tが、0.1mm<t<0.3mmの条件を満足していると共に、前記カール部の上面には、フラットな部分が形成されていることを特徴とする金属カップ。
- 前記カール部の幅W 0 に対して、前記フラットな部分の幅W 1 が30~70%の範囲にある請求項1に記載の金属カップ。
- 前記カール部の幅W 0 が3~15mmの範囲にあり、前記カール部の深さdが1~5mmの範囲にある請求項2に記載の金属カップ。
Description
本発明は、開口上端にカール部が形成されたカール部付き金属カップに関する。 喫飲などのために使用されるカップ形状の器としては、従来、紙やプラスチック製のものが広く使用されていた。これらの素材から成形された器は、軽量であり、しかも成形容易であるため、安価であり、使い捨ての用途に適しているからである。しかしながら、近年における資源の枯渇、ゴミ問題などの環境上の観点から、金属カップが注目されている。金属カップは、紙やプラスチック製のカップに比して、強度や耐久性が高く、繰り返し使用に適しており、資源の枯渇化やゴミの発生を大幅に抑制することができるからである。 ところで、金属カップは、鋭利な開口端部を有しており、安全性に問題がある。飲料喫飲後の金属カップは、極めて雑に取り扱われ、鋭利な端部が人体に接触する場合が多いからである。このため、金属カップの上端には、丸められたカール部が形成され、鋭利な端部が人体に触れないようにされている(例えば特許文献1参照)。 しかしながら、上記のカール部は、横方向の圧縮力に弱く、変形し易いという問題がある。例えば、カール部を強く握った場合にも変形してしまうことがある。 また、このようなカール部を備えた金属カップは、ヒートシールによる蓋材の装着に適しておらず、飲料等の内容物を充填した後の販売形態に制限を受けてしまう。蓋材が装着されていないため、購入後に家庭などへの持ち帰りが困難となってしまうからである。 特表2015-506842号公報 本発明の金属カップの全体の形態を示す概略側断面図である。図1の金属カップが有するカール部の部分拡大側断面図。 図1において、全体として1で示す本発明の金属カップは、上端が開口している筒状胴部3と、筒状胴部3の下端を閉じている底部5とからなっている。 底部5は、フラットであってもよいが、通常、環状の接地部7を有しており、この接地部7の外側が、屈曲しているチャーム部9により筒状胴部3の下端に連なっており、接地部7の内側が、底上げ状態になっていることが好適である。底部5がこのような形態を有することにより、この金属カップ1の設置状態(立設状態)が、より安定に保持されることとなる。 また、スタック性が確保できるように、図1に示されているように、筒状胴部3の上端開口径D0が、筒状胴部3の下端の外径D1よりも大きく設定されていることが好ましい。これにより、空の金属カップ1を積み重ねることができるので、搬送や保管に有利である。 このような形態の金属カップ1において、構成素材である金属は、種々の金属ないし合金材であってよく、例えば、アルミニウム、銅、鉄或いは、これらの金属を含む合金、さらにはブリキなどの錫めっき鋼板や化成処理を施したアルミニウム板などの表面処理鋼板であってよい。一般的には、スチール、ステンレススチール、アルミニウムもしくはアルミニウム合金などが好適であるが、特に軽量性や加工性などの観点から、アルミニウム若しくはその合金が好適である。 さらに、金属カップ1の内面は、有機樹脂被覆が積層されていてもよい。有機樹脂被覆としては、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料などの塗料に由来する被覆や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂であり、耐腐食性や、過酷な成形加工に際しての表面荒れなどを抑制するために設けられるものであり、通常、20μm以下の薄い膜である。 また、上記のような有機樹脂被覆は、印刷特性や耐腐食性、耐傷付き性を確保するため、金属カップ1の外面に設けられていてもよい。 図1と共に、図2の部分拡大図を参照して、上述した形態の金属カップ1においては、筒状胴部3の上端に、外方に向かって凸となっているカール部13が全周にわたって形成されている。即ち、このようなカール部13を形成することにより、金属製の鋭利な端部13aが人体に接触することが有効に防止される。 本発明では、このカール部13の最外面部Xでのカップ板厚tが、0.1mm<t<0.3mmの条件を満足している。即ち、通常の公知の金属カップは、絞り加工に加え、薄肉化を伴うしごき加工が1段或いは複数段行われる。このことから理解されるように、しごき加工を経て得られる金属カップでは、上記最外面部Xでの板厚tは、かなり厚肉となっている。このように最外面部Xを厚肉とすることにより、横方向の圧縮力に対して高い耐変形性を確保することができる。 例えば、この板厚tが、上記範囲よりも薄いと、横方向の圧縮力に対して変形し易くなってしまい、例えば、カール部13を多少強く握った程度で変形してしまう。また、この板厚tが上記範囲を超えて厚くなると、強度自体は高くなるが、薄肉化が大きく制限されることとなり、しごき加工が制限され、金属カップ1のハイトHが小さくなってしまうなどの不都合を生じる。 尚、前記底部5の中心Oでの板厚t0は、この金属カップ1の成形に用いる素板の厚みに相当する。このため、カール部13の最外面部Xでのカップ板厚tは、板厚t0(即ち、素板の厚み)の50~80%の範囲にあることが薄肉化とカール部13の強度とのバランスの上で好ましい。また、この金属カップ1内に入れられた飲料を喫飲し易いという点で、金属カップ1のハイトHは、100~200mm程度の範囲にあることが好適である。 さらに、本発明では、上記カール部13の上面に、フラット部17が形成されていることが重要である。このようなフラット部17を形成しておくことにより、ヒートシール蓋材の装着が可能となる。フラット部17が設けられていないと、ヒートシールバーによる加熱圧着が困難であるが、フラット部17を設けることにより、ヒートシールバーによる圧着面積が大きくなるため、ヒートシール蓋材の装着が可能となるわけである。ヒートシール蓋材としては、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂のフィルムであれば、その材質は制限されないが、一般的には、オレフィン系樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルのフィルムが好適に使用される。 本発明において、上記フラット部17の幅W1は、カール部13の全体の幅W0に対して30~70%、特に40~60%程度の範囲にあることが好ましい。この幅W1の割合が小さいと、ヒートシールが困難となる傾向があり、また、成形(カール部13の成形)も困難になることがある。また、幅W1の割合が大きすぎると、カール部13の強度低下を招きやすい。 尚、カール部13の全体幅W0とは、図2から理解されるように、カール部13の内側部と筒状端部3の上端との間に生じる変曲点Qと、カール部13の最外面部Xとの間隔を意味する。 さらに、本発明においては、上述したフラット部17によるヒートシール性を損なわずに、カール部13の横方向及び高さ方向の強度を最大限に高めるために、カール部13の全体幅W0が3~15mmの範囲にあり、深さdが1~5mmの範囲にあることが好適である。即ち、幅W0や深さdが過度に大きい場合或いは過度に小さい場合の何れにおいても、横方向強度や高さ方向強度が低下する傾向がある。 このような金属カップ1は、例えば、金属製の薄肉の素板(内面となる側には、前述した有機樹脂被覆が形成されていてよい)を用いての打抜き、絞りにより、上端に、前述した幅W0よりも大きな水平フランジが形成された有底筒状体を形成し、次いで、この水平フランジを保持したままの状態で、再絞り-しごき加工を行い、必要に応じて再絞りを複数回行い、次いで底部についてドーミング加工を行い、カール部13の代わりに水平フランジが形成されている形態のカップを得る。このカップについて、洗浄乾燥を行った後、必要に応じて、外面塗料の焼付、仕上げニス塗布焼付などにより外面に有機樹脂被覆を形成し、さらに、塗料により有機樹脂被覆を形成する場合には、外面塗料の塗布及び焼き付けを行い、最後に水平フランジの部分にカール加工を行い、カール部13を備えた本発明の金属カップ1が得られる。 なお、フラット部17の形成において、上記製法に限らず、前述した幅W0よりも大きな水平フランジが形成された有底筒状体を形成し、次いで、この水平フランジフラットの一部分にカール加工を行い、フラット部17を形成し、フラット部17を保持したままの状態で、再絞り-しごき加工を行ってもよい。 上述した本発明の金属カップ1は、カール部13が変形し難く、例えばスポーツ観戦などに際して販売される飲料用として好適に使用される。 また、カール部13にフラット部17が設けられているため、飲料などの内容物を充填した後、ヒートシールにより蓋材を装着し、販売することもできる。例えば、5℃以下の低温で容器に充填され、10℃以下の低温で保存され、且つ短期間で消費される乳酸飲料のようなチルド飲料を、上記のような金属カップ1に充填し、ヒートシール蓋材を装着して販売することもできる。