JP-2026076485-A - ボールねじ用ナットの製造方法
Abstract
【課題】従来技術と比較してナットに形成される循環溝を高精度に形成できるボールねじ用ナットの製造方法を提供する。 【解決手段】複数の転動体が転動する螺旋溝と、螺旋溝の一端から他端へ転動体を戻す循環溝18と、を有するボールねじ用ナットの製造方法であって、循環溝形成工程と、螺旋溝形成工程と、を備える。循環溝形成工程では、循環溝18の凹部と対応する凸部42が形成され、かつナットのブランク9の径方向の内側に配置された第一金型40に対してブランク9の外径を縮径させることにより、ブランク9の内周面12に循環溝18を形成する。循環溝形成工程では、ブランク9の径方向の外側に配置された第二金型50を軸方向に移動させることなく径方向の内側に移動させることにより、ブランク9の外周面13を押圧し、ブランク9の内周面12を第一金型40に押し付ける。 【選択図】図4
Inventors
- 中村 誠司
- 井上 俊哉
- 弓場 秀平
Assignees
- 日本精工株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (7)
- 複数の転動体が転動する螺旋溝と、前記螺旋溝の一端から他端へ前記転動体を戻す循環溝と、を有するボールねじ用ナットの製造方法であって、 前記循環溝の凹部と対応する凸部が形成され、かつ前記ナットのブランクの径方向の内側に配置された第一金型に対して前記ブランクの外径を縮径させることにより、前記ナットの内周面に前記循環溝を形成する循環溝形成工程と、 除去加工によって、前記内周面に前記螺旋溝を形成する螺旋溝形成工程と、 を備え、 前記循環溝形成工程では、前記ブランクの径方向の外側に配置された第二金型を軸方向に移動させることなく径方向の内側に移動させることにより前記ブランクの外周面を押圧し、前記ブランクの内周面を前記第一金型に押し付けることにより、前記循環溝を形成する、 ボールねじ用ナットの製造方法。
- 前記循環溝形成工程では、前記第二金型と、前記ブランクの軸方向から前記第二金型に外挿される第三金型と、により形成されるカム機構によって、前記第二金型を径方向の内側に移動させる、 請求項1に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
- 前記循環溝形成工程では、前記第二金型の一度の移動により複数の前記循環溝を同時に形成する、 請求項1に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
- 前記循環溝形成工程では、前記ブランクの軸方向の端部に配置され、前記ブランクを軸方向から押圧することにより前記ブランクの軸方向への移動を規制する押さえ部を配置した状態で前記循環溝を形成する、 請求項1に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
- 前記押さえ部は、弾性部材を含み、前記弾性部材の弾性力によって前記ブランクを軸方向に押圧する、 請求項4に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
- 前記第二金型の内周面のうち前記凹部と対応する位置には、径方向の外側に向かって凹む逃げ部が形成されている、 請求項1に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
- 前記循環溝形成工程の後に、前記ナットの前記内周面及び前記外周面の少なくとも一方に対して除去加工を行う除去工程をさらに備える、 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
Description
本発明は、ボールねじ用ナットの製造方法に関する。 従来、ナットとねじ軸と複数の転動体とを有するボールねじにおいて、複数の転動体を循環させる回路構造の一つとして、主経路(主軌道)用の溝とは別に、ナットの内周面に設けられた戻り経路(戻り軌道)用の循環溝を備えた構造が知られている。このようなボールねじにおいて、ナットの内周面に循環溝を直接形成する方法が種々提案されている。 例えば特許文献1には、複数のボールが転動する螺旋溝(ボール転動路)と、ボールを螺旋溝の終点から始点へ戻し循環させる循環溝(ボール循環路)と、を有するボールねじ用ナットの製造方法が開示されている。このナットの製造方法は、循環溝と対応する凸部が形成されたパンチと、ナットのブランクの外周面をしごくことによりブランクの外径を縮径させる絞りダイスと、を備える。特許文献1に記載の技術によれば、絞りダイスによりブランクを縮径させてパンチに押し付けることにより、ナットの内周面に循環溝を形成できる、とされている。 国際公開第2024/090170号 実施形態に係るボールねじを示す模式的な断面図。実施形態に係るボールねじ用ナットの製造方法の流れを示すフロー図。ナットの製造方法における循環溝形成工程の概要を示す断面図。ナットの製造方法における循環溝形成工程の概要を示す断面図。ナットの製造方法における循環溝形成工程の概要を示す斜視図。ナットの製造方法における金型取外し工程の概要を示す断面図。図4のVII-VII線に沿う断面図。 本発明の実施形態について図面を参照して説明する。一実施形態において、ボールねじ10は、例えば、車両の電動ブレーキ装置やオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、工作機械の位置決め装置などの各種機械装置に組み込まれ、電動モータなどの駆動源の回転運動を直線運動に変換して、被駆動部(作動部)を動作させる用途に用いられる。電動ブレーキ装置としては、モータによって駆動されるボールねじを介して制動力を付与するEMB(Electro-Mechanical Brake)、モータによって駆動されるボールねじを介して油圧式ブレーキの油圧を制御するEHB(Electro-Hydraulic Brake)など、様々なタイプが適用可能である。ボールねじ10は、上記以外の機械装置にも適用可能である。 以下の説明において、軸方向、径方向、および周方向とは、特に断らない限り、ボールねじ10(ナット1)の中心軸線Cに沿った方向、ボールねじ10(ナット1)の径方向、及び、ボールねじ10(ナット1)の中心軸線C周りの方向をそれぞれいう。 (ボールねじ) 図1は、実施形態に係るボールねじ10を示す模式的な断面図である。 ボールねじ10は、回転運動を直進運動に変換する装置である。図1に示すように、ボールねじ10は、ねじ軸2と、ナット1(請求項のボールねじ用ナット1)と、ねじ軸2とナット1との間に配置される複数の転動体3と、を備える。 ねじ軸2は、シャフト本体20と、シャフト本体20の外周面に設けられた螺旋状のねじ溝(外周螺旋溝21)と、を有する。一例において、ねじ軸2の少なくとも一部が金属製である。外周螺旋溝21は、切削加工や塑性加工(例えば転造加工)等をシャフト本体20の外周面に施すことにより形成されている。外周螺旋溝21の形成において、追加的に研削加工を施すことができる。外周螺旋溝21の断面形状は、例えば、2つの円弧を含むゴシックアーチ又はサーキュラアークである。 ナット1は、筒状を有するナット本体11と、ナット本体11の内周面12に設けられた螺旋状のねじ溝(内周螺旋溝15(請求項の螺旋溝))と、を有する。ナット1の内方にねじ軸2が挿通して配置される。一例において、ナット1の少なくとも一部が金属製である。内周螺旋溝15は、切削加工や塑性加工等をナット本体11の内周面12に施すことにより形成されている。内周螺旋溝15の形成において、追加的に研削加工を施すことができる。内周螺旋溝15の断面形状は、ねじ軸2の外周螺旋溝21の形状に対応し、例えば、ゴシックアーチ又はサーキュラアークである。 複数の転動体3は、ねじ軸2とナット1との間に配置される。転動体3は、例えば玉である。一例において、複数の転動体3は、金属製(鋼など)又はセラミックス製である。ねじ軸2とナット1とが組み合わされた状態において、ねじ軸2に形成された外周螺旋溝21と、ナット1に形成された内周螺旋溝15と、が対向配置されることによって螺旋状の転動路25が形成される。転動体3は、ねじ軸2とナット1との間の相対回転に伴って、この転動路25の中を移動する。 ナット1の内周面12には、内周螺旋溝15に加え、複数(本実施形態では4個)の循環溝18が形成されている。循環溝18は、詳しくは後述する製造方法により、ナット1の内周面12に一体的に形成される。循環溝18は、ナット1とねじ軸2とにより形成された螺旋状の転動路25の一端と他端とを連結し、無限循環回路を構成する。そして、複数の転動体3がこの無限循環回路内に充填されることで、転動体3が無限循環回路内を無限循環する。ナット1の径方向内側から見て、循環溝18は、例えば湾曲したS字状に形成されている。循環溝18は、転動体3の進行方向と直交する断面視において、転動体3の球面に対応した断面U字状に形成されている。循環溝18の最大深さは、内周螺旋溝15の最大深さに比べて大きく設定される。例えば、循環溝18の深さは、ねじ軸2とナット1とが組み合わされた状態において、ねじ軸2のねじ山を転動体3が乗り越えることができる程度に設定される。 転動体3は、転動路25内を移動しつつねじ軸2の周りを回って転動路25の一端(終点)に至り、そこで循環溝18の一方の端部から循環溝18に案内される。循環溝18に案内された転動体3は、後続の転動体3に押されて動き、循環溝18の他方の端部に移動する。そして転動体3は、循環溝18の他方の端部から転動路25の他端(始点)に戻されるようになっている。転動路25の始点と終点とは、ねじ軸2とナット1との相対回転方向に応じて入れ替わる。このように、ねじ軸2とナット1との相対回転に伴って、転動路25及び循環溝18を含む循環経路(循環回路)を転動体3が連続的に循環することができる。 (ボールねじ用ナットの製造方法) 次に、上述のボールねじ10用のナット1の製造方法の一例について図2から図7を参照して説明する。図2は、実施形態に係るボールねじ用ナット1の製造方法の流れを示すフロー図である。 図2に示すように、ナット1の製造方法は、循環溝形成工程ST01と、除去工程ST02と、螺旋溝形成工程ST03と、を備える。循環溝形成工程ST01は、縮径工程ST12と、金型取外し工程ST13と、を有する。 図3及び図4は、ナット1の製造方法における循環溝形成工程ST01の概要を示す断面図である。図3及び図4は、循環溝形成工程ST01のうち縮径工程ST12の概要を示している。図5は、ナット1の製造方法における循環溝形成工程ST01の概要を示す斜視図である。図6は、ナット1の製造方法における金型取外し工程ST13の概要を示す断面図である。図7は、図4のVII-VII線に沿う断面図である。 図3に示すように、まず、円筒状に加工されたナット1のブランク9(内周転動溝及び循環溝18が形成される前の状態のナット本体11)を用意する。なお、上述のナット本体11とブランク9とは実質的に同じ部品であるが、説明の便宜上、以下の説明では内周面12に循環溝18が形成される前のものをブランク9と言い、循環溝18が形成された後のものをナット本体11と言う場合がある。 次に、縮径工程ST12を実施する。縮径工程ST12では、所定の金型装置に対してブランク9を配置する。図3及び図5に示すように、本実施形態において、循環溝形成工程ST01(縮径工程ST12)で使用される金型装置は、ブランク9の径方向の内側に配置される第一金型40と、ブランク9の径方向の外側に配置される第二金型50及びカムスライダ60(請求項の第三金型)と、を有して構成される。 縮径工程ST12では、まず、ブランク9の径方向の内側及び外側に第一金型40及び第二金型50をそれぞれ配置する。 第一金型40は、複数の分割パンチ41と、パンチベース44と、パンチ押さえ部材45と、を有する。分割パンチ41は、ナット1に形成される循環溝18の個数(本実施形態では4個)と同じ個数だけ設けられ、各循環溝18と対応する位置に配置されている。各分割パンチ41には、各循環溝18の凹部に対応した凸部42が形成されている。この凸部42がブランク9の内周面12に押し付けられて形状が転写されることにより、循環溝18が形成される。よって、分割パンチ41ごとに凸部42の位置が異なる。パンチベース44は、複数の分割パンチ41よりも径方向の内側に設けられている。パンチベース44は、各分割パンチ41の位置を規制するとともに、分割パンチ41に作用する荷重を受け止める。パンチ押さえ部材45は、分割パンチ41の上端面に接触するように配置されている。縮径工程ST12では分割パンチ41に上方への荷重が生じるため、パンチ押さえ部材45によって分割パンチ41の上方への移動を抑制している。パンチ押さえ部材45は、例えば油圧クッション等である。なお、パンチ押さえ部材45の構成は油圧クッションに限定されない。 第二金型50は、複数の分割ダイ51を有する。本実施形態において、分割ダイ51は、ナット1に形成される循環溝18の個数(本実施形態では4個)と同じ個数だけ設けられ、ブランク9の外周部において各循環溝18と対応する位置に配置されている。さらに、各分割ダイ51の内周面のうちブランク9に形成される各循環溝18と対応する位置には、径方向の外側に向かって凹む逃げ部55が形成されている。よって、分割ダイ51ごとに逃げ部55の位置が異なる。分割ダイ51の内周面がブランク9の外周面13と当接するように、各分割ダイ51が配置される。なお、逃げ部55は、循環溝18と同等の形状(例えばS字状)に形成されてもよい。 図3に示すように、ブランク9は、金型装置の一部であるホルダ81と押さえ部80とで軸方向に挟持されることにより、軸方向の位置決めがなされている。ホルダ81は、ブランク9の軸方向における一端部(図3では下方の端部)に配置され、ブランク9を支持している。押さえ部80は、ブランク9の軸方向における他端部(図3では上方の端部)に配置されている。押さえ部80は、ブランク9を軸方向の下方へ向かって押圧することにより、ブランク9の軸方向への移動を規制している。押さえ部80は、例えばゴム材やバネ等の弾性部材を含んで形成されてもよい。一例として、押さえ部80は、ブランク9の端面に接する剛体部分と、この剛体部分をブランク9側へ向けて押圧する弾性部材(バネ等)と、を有してもよい。この場合、押さえ部80は、弾性部材の弾性力によってブランク9を軸方向に押圧するように構成されてもよい。或いは、押さえ部80は、弾性部材の代わりに油圧機構を用いることによりブランク9を軸方向に押圧してもよい。この場合、油圧クッション等を採用することで、押さえ部80に弾性力を模擬するような動作を行わせてもよい。 第一金型40、第二金型50、ホルダ81及び押さえ部80がブランク9に対して所定の位置に設置された状態で、次に、第二金型50に対して軸方向の一方側(図3の上方側)から、カムスライダ60を第二金型50に対して外挿する。 カムスライダ60は、円筒状に形成されている。カムスライダ60は、軸方向から第二金型50に外挿される。カムスライダ60の内周部には、第二金型50への挿入方向側へ向かうにつれて内径が拡大する平面状のテーパ面60aが形成されている。また、分割