JP-2026076493-A - 基布、エアバッグ、および基布の製造方法
Abstract
【課題】製造において二酸化炭素排出量を低減できる基布を提供する。 【解決手段】基布は、基材と、アクリル系樹脂塗料を含み、基材の表面をコーティングするコーティング層と、を備える。 【選択図】図1
Inventors
- 服部 亜胡
- 浅井 敏彦
- 木村 優
- 今井 泰史
Assignees
- 豊田合成株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (10)
- 基布であって、 基材と、 アクリル系樹脂塗料を含み、前記基材の表面をコーティングするコーティング層と、 を備える、基布。
- 請求項1に記載の基布であって、 前記アクリル系樹脂塗料は、2液型である、基布。
- 請求項2に記載の基布であって、 前記アクリル系樹脂塗料は、硬化剤としてイソシアネートを含まない、基布。
- 請求項3に記載の基布であって、 前記硬化剤は、主鎖が脂肪族であって官能基としてエポキシ基を有する化合物を含み、 前記化合物における前記エポキシ基の数は、3~4である、基布。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の基布が用いられた、エアバッグ。
- 基布の製造方法であって、 基材と、アクリル系樹脂塗料を準備する準備工程と、 前記基材の表面に、前記アクリル系樹脂塗料を塗布してコーティング層を形成する塗布工程と、 を備える、基布の製造方法。
- 請求項6に記載の基布の製造方法であって、 前記アクリル系樹脂塗料は、2液型である、基布の製造方法。
- 請求項7に記載の基布の製造方法であって、 前記アクリル系樹脂塗料は、硬化剤としてイソシアネートを含まない、基布の製造方法。
- 請求項8に記載の基布の製造方法であって、 前記硬化剤は、主鎖が脂肪族であって官能基としてエポキシ基を有する化合物を含み、 前記化合物における前記エポキシ基の数は、3~4である、基布の製造方法。
- 請求項6~9のいずれか一項に記載の基布の製造方法であって、 前記準備工程で準備される前記アクリル系樹脂塗料の粘度は、20000mPa・s~200000mPa・sである、基布の製造方法。
Description
本開示は、基布、エアバッグ、および基布の製造方法に関する。 表面にコーティングが施された基布が種々提案されている。例えば特許文献1には、コーティング剤としてシリコーン系塗料が塗布された基布が開示されている。 特開2003-175789号公報 本開示の一形態における基布の製造方法の手順を示すフローチャートである。耐環境性試験の結果を示す表である。 A.実施形態: 本開示における基布は、車両に搭載されるエアバッグに用いられる。エアバッグは、車両の衝突が検知または予知された場合に、インフレータから供給されるガスにより膨張展開し、乗員へ加えられる衝撃を低減する。エアバッグは、袋状の外観形状を有する。エアバッグは、1枚または複数枚の基布が縫合されることにより、製造される。 基布は、基材と、コーティング層とを含む。基材は、合成繊維を含む織布である。合成繊維は、例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アラミド系樹脂などから製造される。ポリアミド系樹脂は、例えばナイロン6,6である。ポリエステル系樹脂は、例えばポリエチレンテレフタレートである。 コーティング層は、基材の表面をコーティングする。コーティング層により、基布内に供給されたガスが基材の繊維の隙間を通過し外部に流出することが抑制される。本開示におけるコーティング層は、アクリル系樹脂塗料を含む。本実施形態におけるアクリル系樹脂塗料は、2液型である。他の実施形態におけるアクリル系樹脂塗料は、1液型である。本開示において、2液型アクリル系樹脂塗料は、硬化剤を含むアクリル系樹脂塗料を意味し、1液アクリル系樹脂塗料は、硬化剤を含まないアクリル系樹脂塗料を意味する。アクリル系樹脂塗料は、増粘剤を更に含んでもよい。 主剤は、アクリル酸エステルを含む。アクリル酸エステルは、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチルなどである。主剤は、アクリル酸エステルに乳化剤と反応開始剤とを加え、乳化重合することにより製造される。乳化重合のために用いられる乳化剤は、例えばアニオン系、ノニオン系、カチオン系などである。 硬化剤は、主鎖が脂肪族であって、官能基としてエポキシ基を有する化合物を含む。そのような化合物は、例えばポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテルなどである。化合物中のエポキシ基の数は、3~4であることが好ましい。硬化剤は、主鎖が芳香族である化合物を含まないことが好ましい。本実施形態における硬化剤は、イソシアネートを含まない。他の実施形態における硬化剤は、イソシアネートを含む。 本実施形態において、アクリル系樹脂塗料の塗布前の粘度は、20000mPa・s~200000mPa・sであることが好ましい。粘度は、B型粘度計(東機産業製)にNo.4のロータを取り付け、温度23℃、回転速度1.0rpm~20rpmの条件で計測される。粘度は、増粘剤の添加によって調整される。 B.基布の製造方法: 図1は、本開示の一形態における基布の製造方法の手順を示すフローチャートである。基布の製造方法は、準備工程(P110)と、塗布工程(P120)とを含む。エアバッグの製造工程における一工程として行われる。 準備工程(P110)において、基材とアクリル系樹脂塗料とを準備する。2液型アクリル系樹脂塗料の主剤と硬化剤とは、予め混合されている。準備工程(P110)において、アクリル系樹脂塗料の粘度が調整されてもよい。 塗布工程(P120)において、基材にアクリル系樹脂塗料が塗布される。塗布は、例えば塗布装置を用いてナイフコーティングにより行われる。塗布工程(P120)により、基材の表面にコーティング層が形成される。 C.2液型アクリル系樹脂塗料と、1液型アクリル系樹脂塗料との比較: 図2は、耐環境性試験の結果を示す表である。本実施形態により得られる実施例1の基布と、他の実施形態により得られる実施例2の基布を用いて、耐環境性試験を行った。実施例1の基布は、2液型アクリル系樹脂塗料を用いて製造した。具体的には、主剤としてアクリル酸エステルおよび乳化剤からなるアクリルエマルションと、反応開始材と、消泡剤と、防腐剤と、造膜助剤と、を混合したものを用いた。アクリル酸エステルは、アクリル酸と、メタクリル酸メチルと、アクリル酸n-ブチルと、メタクリルアミドと、ジメタクリル酸エチレングリコールとを混合したものを用いた。また、硬化剤として、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルを用いた。実施例2の基布は、1液型アクリル系樹脂塗料を用いて製造した。すなわち、実施例2においては、硬化剤を用いずに、実施例1と同様の主剤を用いてコーティング層を形成した。 耐環境性試験は、2つの試験により行った。第1試験は、高温環境に置かれた基布のコーティング層の変化を観察することにより行われた。具体的には、コーティング層同士が接するように基布を折り重ね、その上に重りを乗せた。この基布を120℃の環境に400時間静置し、コーティング層同士の接着の有無を観察した。この結果として、図2の上段に示すように、実施例1の基布は、接着していなかった。これに対して、実施例2の基布は、コーティング層同士が接着していた。すなわち、コーティング層が劣化していた。 第2試験は、多湿環境に置かれた基布のコーティング層の変化を観察することにより行われた。具体的には、コーティング層同士が接するように基布を折り重ね、その上に重りを乗せた。この基布を80℃かつ湿度95%の環境に400時間静置し、コーティング層同士の接着の有無を観察した。この結果として、図2の下段に示すように、実施例1の基布は、接着していなかった。これに対して、実施例2の基布は、コーティング層同士が接着していた。すなわち、コーティング層が劣化していた。 2つの耐環境性試験の結果から、実施例1の基布は、実施例2の基布よりも高温環境および多湿環境での劣化が抑制されたことが示唆された。すなわち、2液型アクリル系樹脂塗料は、1液型アクリル系樹脂塗料よりも、耐環境性が優れたコーティング層を形成できることが示唆された。 D.イソシアネートを含む硬化剤と、イソシアネートを含まない硬化剤との比較: 実施例3の硬化剤と、実施例4の硬化剤とを用いて、アクリル系樹脂塗料の硬化試験を行った。実施例1の硬化剤は、上記実施形態のように硬化剤としてイソシアネートを含まない。具体的には、硬化剤としてポリグリセロールポリグリシジルエーテルを用いた。実施例4では、他の実施形態のように硬化剤としてイソシアネートを用いた。イソシアネートは、アクリル系樹脂塗料の硬化剤として一般的に用いられる。実施例3と実施例4とでは、主剤として、アクリル酸エステルおよび乳化剤からなるアクリルエマルションと、反応開始材と、消泡剤と、防腐剤と、造膜助剤と、を混合したものを用いた。アクリル酸エステルは、アクリル酸と、メタクリル酸メチルと、アクリル酸n-ブチルと、メタクリルアミドと、ジメタクリル酸エチレングリコールとを混合したものを用いた。 硬化試験は、主剤に硬化剤を加えた後のアクリル系樹脂塗料の粘度の時間変化を観察することにより行われた。主剤に硬化剤を加えた後、混合物を23℃の環境下に静置した。粘度の計測は、上記実施形態と同様の条件で行った。実施例3の硬化剤を用いたアクリル系樹脂塗料の粘度は、硬化剤を加えた直後から24時間経過後までほぼ変化せず、89000mPa・sであった。これに対して、実施例4の硬化剤を用いたアクリル系樹脂塗料の粘度は、硬化剤添加時に1400mPa・sであり、硬化剤を添加してから4時間経過時点で16000mPa・sとなり、4時間経過後から急激に粘度が増加した。また、4時間経過後から、多量の発泡が見られた。6時間経過時点では、硬化が進行し、粘度の計測ができなかった。 硬化試験の結果から、実施例3のようにイソシアネートを含まない硬化剤を用いることにより、イソシアネートを含む硬化剤と比較して、アクリル系樹脂塗料の硬化に要する時間を長くできることが示唆された。これにより、基布に2液型アクリル系樹脂塗料を用いてコーティング層を形成する場合には、イソシアネートを含まない硬化剤を用いるほうが基布製造における利便性を向上できることが示唆された。具体的には、イソシアネートを含む硬化剤を用いる構成においては、塗料の硬化に要する時間が比較的短いため、塗布工程中に塗料の粘度が増加し塗布ができなくなるおそれや、塗布工程中に塗料が塗布装置中で硬化し目詰まりするおそれや、塗布工程中に基材上で塗料が硬化しコーティング層の厚みを調整できなくなるおそれがある。これに対して、実施例3のようにイソシアネートを含まない硬化剤を用いることにより、塗料の硬化に要する時間を比較的長くできるので、塗布工程中に塗料の粘度が増加することを抑制でき、塗布工程中に塗料が塗布装置中で硬化することを抑制でき、塗布工程中に基材上で塗料が硬化することを抑制できる。これにより、基布製造における利便性を向上できる。 以上説明した実施形態の基布および基布の製造方法によれば、コーティング層がアクリル系樹脂塗料を含むので、コーティング層がアクリル系樹脂塗料を含まずにシリコーン系樹脂塗料のみからなる構成と比較して、基布の製造における全体の二酸化炭素排出量を低減できる。 また、アクリル系樹脂塗料を2液型とする構成においては、1液型の構成と比較して、高温環境および多湿環境における劣化を抑制できる。 また、2液型アクリル系樹脂塗料が硬化剤としてイソシアネートを含まない構成においては、硬化剤としてイソシアネートを含む構成と比較して、2液型アクリル系樹脂塗料が硬化するまでの時間を長くできる。これにより、基材に2液型アクリル系樹脂塗料を塗布する工程中に2液型アクリル系樹脂塗料の粘度が増加し、塗布が困難になることを抑制できる。また、塗料の塗布装置の目詰まりを抑制できる。また、コーティング層の厚みの調整をしやすくできる。 また、硬化剤は、主鎖が脂肪族である化合物を含むので、硬化剤が主鎖が脂肪族である化合物を含まず主鎖が芳香族である化合物を含む構成と比較して、基布の利便性が低下することを抑制できる。具体的には、主鎖が芳香族である化合物を硬化剤として用いると、コーティング層が比較的硬くなる。これに対して、実施形態においては、硬化剤として主鎖が脂肪族である化合物を含むので、基布の柔軟性を確保したまま耐久性を向上でき、基布としての利便性が低下することを抑制できる。 また、硬化剤に含まれる化合物におけるエポキシ基の数は、3~4なので、エポキシ基の数が3未満または4超の構成と比較して、基布の利便性が低下することを抑制できる。具体的には、エポキシ基の数が3未満の化合物では、十分な耐久性を得られない。また、エポキシ基の数が4超の化合物では、コーティング層が過剰に硬くなり、基布の柔軟性が低下する。これに対して、実施形態においてエポキシ基の数が3~4なので、基布の柔軟性を確保したまま耐久性を向上でき、基布としての利便性が低下することを抑制できる。 また、アクリル系樹脂塗料の塗布前に