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JP-2026076497-A - 高強度せん断補強筋

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Abstract

【課題】 高強度せん断補強筋を低コストで加工する。 【解決手段】 降伏力685MPa以上の当該製品は主に2方法により製造されている。一つはループ状に曲げ加工後溶接によって閉鎖する。他はループの両端を主筋に巻き付けて実質的に閉鎖する。本発明はループの両端を辺中央部においてU型フック加工して鎖交させ、閉鎖する。高強度であるが故に溶接による強度・延靭性低下の問題が無い。U型は180゜以上に曲がっているので降伏強度の応力が作用しても開口することがない。曲げ加工のみであるから能率・加工費で有利である。材料の増加は最小限に抑えられる。 【選択図】 図1

Inventors

  • 山田 勝彦

Assignees

  • 山田 榮子

Dates

Publication Date
20260512
Application Date
20241024

Claims (1)

  1. 降伏応力が685MPa以上の熱延棒線から形成された高強度せん断補強筋であって、棒線を所定長さのループに曲げ加工し、該ループの両端に曲げ加工によりU型フックを形成し、該U型フックの底径が該棒線の直径の1.0倍以上1.5倍以下、U型フックの入り口寸法が該棒線の直径の0.7倍以上1.0倍未満、U型フックの深さが該棒線の直径の1.0倍以上1.5倍以下であり、両U型フックを該角ループの直線部において90゜で鎖交して結合したことを特徴とする高強度せん断補強筋。

Description

本発明は鉄筋コンクリート構造の高層化や耐震化を補助する高強度せん断補強筋に関している。 せん断補強筋は鉄筋コンクリート構造においてせん断破壊を防止する目的で、林立する主筋の周りに多段に設けたフープ状の補助鉄筋である。 コンクリート構造の高層化や耐震化にはせん断補強筋の強化が必要であり、それには補強筋の密集巻きが有効であるが、コンクリートの流入性が阻害され実用されていない。 高強度せん断補強筋の組込は補強筋間隔が従来通りに維持され流入問題が解消される。 高強度補強筋に適用される鋼材は、降伏応力が従来の300MPaから800MPa以上が求められている。強度だけでなく、高強度故に低下が危惧される伸び、曲げ加工性、溶接性等の延靭性も従来にも増して求められ、普通鉄筋以上の厳しさに規格化されている。 せん断補強筋を製造するには、通常、所定の機械的性質を具備する直棒又は線材を所定長さに切断して角状に曲げ加工し、両端を突き合わせ溶接し、閉鎖してフープとする。他の方法は同様の線材コイルから曲げ成形機を介して角状に曲げ加工し、切断後同様に溶接閉鎖する。 低強度であれば溶接は特に問題とはならないが、高強度では溶接した近辺は正常部よりも強度・延靭性とも低下する。溶接には新たな工夫を要する。 特許文献1には溶接方法の改良が開示されている。それによると溶接部の強度低下は断面の拡大によって補う。接合だけでなく成形を付加することが必要になる。 その上延靭性をも確保するため溶接による金属組織の劣化も問題となる。それには溶接後再加熱して適切な熱処理も施さねばならない。作業能率の低下が生ずる。 溶接には信頼性と言う問題を含む。溶接品質は材料により、また作業条件により変動が大きい。しかも品質保証の直接的な裏付け方法が無く傍証に頼らずを得ない。 特許文献2中の図3、図4,図9に示されるように、ループを形成する他の方法として、本願の図3に示すような主筋への曲げ巻付け方式が市場に出回っている。この場合、溶接が無いことから高強度筋においても延靭性に問題が生じない。加工は曲げ成形機による曲げだけであるから作業能率にも優れる。 当方式の問題点は材料の必要長さが周長よりも約10%増加することである。既述の溶接方式では数%の増加に止まる。 公開特許公報2005-074436公開特許公報昭和60-253649 本発明のフックによって閉鎖するせん断補強筋の形状を示す。溶接によって閉鎖するせん断補強筋の形状を示す。曲げ巻きつけによる閉鎖せん断補強筋の形状を示す。フック部の入り口最小寸法の根拠を示す。 本発明の高強度せん断補強筋に使用される鋼材の鋼種は、基本的には現行品と同様の成分範囲にあり、質量%で、 基本成分であるCは、0.10%以上0.20%以下、 強化及び焼入性補助合金(Si+Mn+Cr)は、2.0%以上3.5%以下、 焼入性及び強靱化合金(V+Nb+Mo)は、0.05%以上0.50%以下、 残部がFe及び不可避不純物から成る。 Cの含有量は強度上0.1%以上が必要であり、0.2%以下が望ましい。0.2%を超えると製造時だけでなく、工事現場においても溶接上の問題が発生しやすい。 焼入性及び強靱化合金の必要添加量は熱間圧延後の冷却速度に依存し、空冷では多くなり、加速冷却では少なくてよい。 準高強度筋685MPaは合金量が少なく、且つ製造が容易であり、これも多量に市場の出回っている。本発明は685MPa以上を対象とする。 上記鋼種の鋼片を鉄筋用棒鋼又は線材と同様の熱間圧延により所定寸法の棒線に加工する。得られる金属組織はベイナイトを主とし、他にフェライト、パーライトが混在し、結晶粒は微細化されでいる。 降伏力は規格の785MPa以上、高張力は850MPa以上が得られる。金属組織が適切であれば1D180゜(線径と同一径の180゜曲げ加工)曲げにも耐えられる。 図1に従って本発明の高強度せん断補強筋の形状について説明する。せん断補強筋2は主筋1を取り囲んで閉鎖することによりその機能を果たす。閉鎖方法は種々あって一長一短がある。本発明では、図1に示すように方形ループの辺の中間において未閉鎖のループの両端を互いに90゜捻れた方向へU型フック3状に曲げ加工し、該両端を鎖交4させたものである。鎖交直前のループの形状は両フックの外周面が互いに接触する状態、即ち僅かに開いた状態が最良である。曲げ加工後、直ちにロボットアームにより両端を把持して鎖交させる。鎖交後は外側に開こうとする残留応力によって、形状が安定している。 フック加工の条件は、U型の底部の直径を棒線径Dの1.0D以上1.5D以下とする。D未満では当然底部に達せず、1.5Dを超えると材料の使用量が増加する。 U型の入り口部の隙間は0.7D以上1.0D未満とする。1.0D未満であっても両フックは直交しているので鎖交することができ、且つ一旦鎖交すると分離しにくい。最も初歩的な”知恵の輪”の応用である。0.7以上とする根拠は、図4に示すように、幾何学的に√2/2(≒0.7)以上であれば鎖交可能であるからである。 U型の深さが該棒線の直径の1.0倍以上1.5倍以下とした理由は、1.0未満ではフック寸法不足で強度不足の危惧があり、1.5倍を超えると使用材料の無駄が生ずるからである。 鎖交部の引張試験を直線部と比較すると、降伏強度は両者同水準である。破断強度は鎖交部では条件により開口してばらつくが直線部と大差がない。曲げ加工部の加工硬化が寄与していると推定される。フック部の最適形状がありそうだが、鉄筋コンクリートにおいては降伏強度が規定され、破断強度は品質管理上試験されているが、使用上は本来必要としないので主規格には入っていない。 上記の曲げ加工条件は巻付け径(1.0~1.5)×Dの180゜以上の曲げ試験に相当する。これは二つの効果を誘発する。一つは、曲げ曲率が大きく且つ半周以上の巻き付け故に引張荷重に対して降伏応力以下では曲げ戻りが生じない、即ち十分な抗力を保持することである。 他は、通常の鉄筋にとっては厳しい条件であって、本発明では使用する材料の曲げ加工性について厳しく、且つ頻繁に確性試験を行っていることになる。従って品質保証が強化される。 フックの形成により必要材料長さが増加する。フープ周長の約5%になる。10%を超えることはない。巻き付け方式と比較して有利であるが溶接方式に対しては多少劣る。しかし溶接が不要になるコスト低減効果が有利に作用する。 材料費自体は線材を使用すると制御冷却が適用されているので高価な合金量が少なく有利である。 直棒は熱延後空冷であるから合金Vの添加量が増加し、かなりコスト高となっている。 加工費は曲げ成形機による加工だけである。能率も溶接方式と比較して格段に優れる。 図2は市場に最も多く出回っているせん断補強筋の形状を示す。フープを閉鎖するために溶接を適用し、5は溶接部である。高強度材であるから溶接による強度低下が問題となる。強度補償のため接合部近辺は適切な断面拡大を要する。正常部と拡大部の中間が熱影響によって強度最小になる。溶接後の熱処理条件の適切な設定が必要になる。 当溶接フープにおいても必要材料の長さが数%増加する。断面拡大と正確な形状形成のために事前の直角切断を必要とし、ロスが生ずる。 溶接方式の問題は、大量に使用されているけれども溶接故に現物そのものの品質保証が多少弱い。抜き取り試験によって保証されている。 他の問題は1本当たりの溶接所用作業時間が曲げ加工の数倍となるので、溶接機の必要台数が増加することである。能率不利となっている。 図3はフープの閉鎖を主筋への巻き付けによって行うものでこれも市場に出回っている。6は巻付け部である。曲げ加工だけであるから加工費と能率に有利であり、結合部の品質低下の問題もないが、必要材料長さは周長の約10%増加する。 本発明は需要が成長しつつある高強度せん断補強筋のコスト低減に役立つ。