JP-2026076503-A - ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、およびそれからなる成形品
Abstract
【課題】 機械特性、成形性、低そり性、および耐熱性に優れる熱可塑性ポリエステル樹脂およびそれからなる成形品を得ること。 【解決手段】 (A-1)ポリブチレンテレフタレート樹脂50~90質量部と(A-2)ポリエチレンテレフタレート樹脂10~50質量部からなる(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対し、(B)スチレン系樹脂5~25質量部、(C)ガラス繊維10~50質量部、および(D)非繊維状無機充填剤10~50質量部を配合してなる、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。 【選択図】なし
Inventors
- 小路 弘晃
- 石井 智
Assignees
- 東レ株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (8)
- (A-1)ポリブチレンテレフタレート樹脂50~90質量部と(A-2)ポリエチレンテレフタレート樹脂10~50質量部からなる(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対し、(B)スチレン系樹脂5~25質量部、(C)ガラス繊維10~50質量部、および(D)非繊維状無機充填剤10~50質量部を配合してなる、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(B)スチレン系樹脂がアクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/スチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(D)非繊維状無機充填剤がガラスフレークであることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(B)スチレン系樹脂がアクリロニトリル/スチレン共重合体、およびアクリロニトリル/スチレン/グリシジルメタクリレート共重合体から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1または3に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(A-2)ポリエチレンテレフタレート樹脂がリサイクルポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対し、さらに(E)脂肪族アルキルアシッドホスフェートを0.01~5.0質量部を配合してなる、請求項1または2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(C)ガラス繊維の長さ方向に直角の断面の長径(断面の最長の直線距離)と短径(長径と直角方向の最長の直線距離)の比が1.3~10.0である請求項1または請求項2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる成形品。
Description
本発明は、電気・電子機器部品、自動車部品、機械部品などの用途に対し有用な、機械特性、成形性、低そり性、耐熱性に優れる熱可塑性ポリエステル樹脂およびそれからなる成形品に関するものである。 ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、PBT樹脂と略記することがある。)は、機械的性質、電気特性、および耐薬品性に優れることから、電気・電子機器部品、自動車部品および機械・機構部品などの用途に展開されている。 特に近年、車載用途に使用されるPBT樹脂においては、次世代車載(EV・HEV)向け先進運転支援システムに用いられる情報通信機器部品の増加および信頼性確保の観点から、低そり性の良好な成形品が求められている。さらに、車内空間を確保するために、省スペース化に伴うPBT樹脂の使用環境温度が上昇しており、高度な耐熱性を有することが求められている。 しかしながら、PBT樹脂は、エンジニアリングプラスチックの中でも結晶性が高いため、箱型形状などの成形品においては、そり性が大きく寸法安定性については十分ではなかった。 さらに近年は脱炭素化社会にむけた樹脂組成物のリサイクルの要望も高まってきている。生産工程での規格外などの要因によって廃棄される樹脂製品や所定の製品として使用された後に廃棄された製品から回収されたリサイクル樹脂を、再度樹脂製品に再生することで、廃棄物を削減していくことも求められている。 これまで、ポリブチレンテレフタレート樹脂に低そり性を付与する方法としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂とは異なる樹脂をアロイする方法や、無機充填剤を添加する方法などが知られている。かかる樹脂組成物としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂にポリエチレンテレフタレート樹脂、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1つの単量体を重合して得られる熱可塑性樹脂、および無機充填剤を配合してなる熱可塑性樹脂組成物(特許文献1)、ポリブチレンテレフタレート樹脂にスチレン系樹脂、繊維状無機充填剤、および板状無機物を配合してなるポリエステル樹脂組成物(特許文献1)、ポリブチレンテレフタレート樹脂にポリエチレンテレフタレート樹脂、および繊維状無機充填剤を配合してなるポリエステル樹脂組成物(特許文献2)、ポリブチレンテレフタレート樹脂にポリカーボネート樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂、耐衝撃性改良剤、無機充填剤を配合してなるポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(特許文献3)などが提案されている。 特開平6-100765号公報特開平10-60242号公報特開2023-81361号公報特開2001-234046号公報 実施例および比較入れにおける小箱内ぞり量測定用箱型成形品の外観図1の概略側面図(1)、概略平面図(2) 次に、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物について、詳細に説明する。 本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、(A-1)ポリブチレンテレフタレート樹脂50~90質量部および(A-2)ポリエチレンテレフタレート樹脂10~50質量部からなる(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対し、(B)スチレン系樹脂5~25質量部、(C)ガラス繊維10~50質量部、および(D)非繊維状無機充填剤10~50質量部を配合してなる。 ポリブチレンテレフタレート樹脂は電気特性や耐薬品性に優れるものの、射出成形の冷却時に固化しやすく、特に箱型形状の成形品においては、金型内の成形品内側温度が高くなり、結晶化が進行しやすくなることから、内側にそりやすく、成形品として不適となる。さらに、結晶化によって大きく収縮することによって、金型からの離型性が悪くなり、離型時の成形品割れも発生する。本発明においては、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部のうち、(A-1)ポリブチレンテレフタレート樹脂50~90質量部、および(A-2)ポリエチレンテレフタレート樹脂10~50質量部を配合することによって、熱可塑性ポリエステル樹脂の構造が乱れ、成形時の冷却固化速度を低下させることが可能となり、熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化を抑制することによって、成形性および低そり性が良好となる。さらに、非晶性樹脂の中でも耐熱性に優れる(B)スチレン系樹脂を配合することによって、高度な耐熱性、低そり性および高度な流動性を得ることができる。 ポリブチレンテレフタレート樹脂の機械特性や寸法安定性などを向上させる方法として、ガラス繊維を配合することが一般的であるが、ガラス繊維は異方性が大きく、特に、箱型形状のような成形品では、樹脂の流動方向と流動と直角方向での収縮率が大きく異なることによって、そりが大きくなり、成形品として不適となる。さらに、ガラス繊維は繊維径および繊維長が大きく、成形時の流動性に劣ることから、成形が困難となる。本発明においては、無機充填剤として(C)ガラス繊維に加えて(D)非繊維状無機充填剤を配合することによって、流動性に優れ、かつ、異方性の少ない低そり性に優れる成形品を得ることができる。 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂 本発明で用いられる(A)熱可塑性ポリエステル樹脂は、(1)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体、(2)ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、および(3)ラクトンからなる群より選択される少なくとも一種の残基を主構造単位とする重合体または共重合体である。ここで、「主構造単位とする」とは、全構造単位中(1)~(3)からなる群より選択される少なくとも一種の残基を50モル%以上有することを指し、それらの残基を80モル%以上有することが好ましい態様である。これらの中でも、(1)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を主構造単位とする重合体または共重合体が、射出成形性や機械物性により優れる点で好ましい。 上記のジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、ビス(p-カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。 また、上記のジオールまたはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ダイマージオールなどの炭素数2~20の脂肪族または脂環式グリコール、ポリエチレングリコール、ポリ-1,3-プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの分子量200~100,000の長鎖グリコール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t-ブチルハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどの芳香族ジオキシ化合物およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。 ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体を構造単位とする重合体または共重合体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート/5-ナトリウムスルホイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/5-ナトリウムスルホイソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/サクシネート、ポリプロピレンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/セバケート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/セバケートなどの芳香族ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの重合体および共重合体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。ここで、「/」は共重合体を表す。 これらの中でも、射出成形性および機械物性の観点から、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の残基と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を主構造単位とする重合体または共重合体がより好ましく、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の残基とエチレングリコール、プロピレングリコール、および1,4-ブタンジオールから選ばれる脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を主構造単位とする重合体または共重合体がさらに好ましい。 中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/セバケートおよびポリブチレンテレフタレート/ナフタレート等から選ばれる少なくとも1種の芳香族ポリエステル樹脂が特に好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンデカンジカルボキシレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレン/エチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。 本発明で用いられる(A)熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械特性、成形時の結晶化制御および耐加水分解性を向上するため、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部のうち、(A-1)ポリブチレンテレフタレート樹脂を50~90質量部、および(A-2)ポリエチレンテレフタレート樹脂を10~50質量部以下配合してなる。(A-1)ポリブチレンテレフタレート樹脂の配合量は90質量部以下であれば高度な低そり性を得る点で好ましく、より好ましくは85質量部以下である。(A-2)ポリエチレンテレフタレート樹脂の配合量は10質量部以上であれば、高度な低そり性を得る点で好ましく、より好ましくは15質量部以上である。(A-1)ポリブチレンテレフタレート樹脂が50質量部未満であると、成形冷却時の固化特性が低下するため、生産性が著しく低下することに加えて、