JP-2026076555-A - 量子ドット体、量子ドット組成物及び波長変換材料並びにそれらの製造方法
Abstract
【課題】量子ドットの蛍光発光特性を維持しつつ、安定性をより向上させ、かつ極性の高い溶剤や感光性樹脂組成物との相溶性をより改善させた量子ドット体を提供することを目的とする。 【解決手段】励起光により蛍光を発する量子ドットを含む量子ドット体であって、前記量子ドットは、半導体ナノ粒子のコアと該半導体ナノ粒子のコアを覆う半導体ナノ粒子のシェルとを含み、前記量子ドットの表面は金属酸化物で被覆されており、前記金属酸化物の表面は、下記(I)式(R 1 は親水基を表す。)で示すメタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物で修飾されており、前記メタクリロイルオキシエチル基と高分子の反応性置換基との結合により形成された、ポリマー被覆層を最表面に備えるものである量子ドット体。 【選択図】図1
Inventors
- 鳶島 一也
- 青木 伸司
- 野島 義弘
Assignees
- 信越化学工業株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (10)
- 励起光により蛍光を発する量子ドットを含む量子ドット体であって、 前記量子ドットは、半導体ナノ粒子のコアと該半導体ナノ粒子のコアを覆う半導体ナノ粒子のシェルとを含み、 前記量子ドットの表面は金属酸化物で被覆されており、 前記金属酸化物の表面は、下記(I)式で示すメタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物で修飾されており、 前記メタクリロイルオキシエチル基と高分子の反応性置換基との結合により形成された、ポリマー被覆層を最表面に備えるものであることを特徴とする量子ドット体。 (R 1 は親水基を表す。)
- 前記親水基が、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、コハク酸塩、イソシアン酸塩、マレイン酸塩、リン酸水素塩、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸塩、トリメリト酸無水物の塩、フタル酸塩、アセト酢酸塩及びチオクト酸塩から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット体。
- 前記メタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物が、リン酸ビス[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]、[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル-(3-スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチルコハク酸、モノ[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]マレアート、イソシアン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル、(2-メタクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、4-MET(4-Methacryloxyethyltrimellitic acid)、4-META(4-Methacryloxyethyl trimellitic anhydride)、フタル酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、ビス[[2-(メタクリロイルオキシ)エチル](メチル)アンモニオ]プロパン-1-スルホン酸、アセト酢酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-[[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニオ]酢酸、4-[[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホン酸、3-[[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニオ]プロピオナート、チオクト酸2-メタクリロイルオキシエチル及び[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルスルファートから選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット体。
- 前記高分子の反応性置換基は、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、水酸基、フェノール性水酸基、エポキシ基、グリシジル基のいずれか1種以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット体。
- 前記ポリマー被覆層は、前記高分子の主鎖の骨格構造と同じ骨格構造を少なくとも一つ以上含有し、前記骨格構造は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから誘導される骨格構造、グリシジル(メタ)アクリレートを繰り返し単位に有する骨格構造、シロキサン骨格、ウレタン骨格、シルフェニレン骨格、ノルボルネン骨格、フルオレン骨格、またはイソシアヌレート骨格であることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット体。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の量子ドット体が、前記ポリマー被覆層に含有される骨格構造と同じ骨格構造を少なくとも一つ以上含有する樹脂材料中に分散されたものであることを特徴とする量子ドット組成物。
- 請求項6に記載の量子ドット組成物の硬化物を含むものであることを特徴とする波長変換材料。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の量子ドット体の製造方法であって、 半導体ナノ粒子のコアと該半導体ナノ粒子のコアを覆う半導体ナノ粒子のシェルとを含む量子ドットを製造する量子ドット製造工程と、 前記量子ドットの表面を金属酸化物で被覆する金属酸化物被覆工程と、 前記金属酸化物の表面を前記(I)式で示すメタクリロイルオキシエチル基と親水基を有する化合物で修飾する量子ドット修飾工程と、 前記メタクリロイルオキシエチル基と高分子の反応性置換基とを、光または熱により重合反応させてポリマー被覆層を形成するポリマー被覆層形成工程と、を含むことを特徴とする量子ドット体の製造方法。
- 請求項8に記載の量子ドット体の製造方法により製造された量子ドット体を、前記ポリマー被覆層に含有される前記高分子の主鎖の骨格構造と同じ骨格構造を少なくとも一つ以上含有する樹脂材料中に分散させて量子ドット組成物を製造することを特徴とする量子ドット組成物の製造方法。
- 請求項9に記載の量子ドット組成物の製造方法により製造された量子ドット組成物を硬化させて波長変換材料を製造することを特徴とする波長変換材料の製造方法。
Description
本発明は、量子ドット体、量子ドット組成物及び波長変換材料並びにそれらの製造方法に関する。 粒子径がナノサイズの半導体粒子から成る量子ドットは、光吸収により生じた励起子がナノサイズの空間に閉じ込められることによりその半導体ナノ粒子のエネルギー準位が離散的となり、またそのバンドギャップは粒子径に依存する。このため量子ドットの蛍光発光は高効率でその発光スペクトルは先鋭化されている。また、粒子径によりバンドギャップが変化するという特性から、発光波長を制御できる特徴を有しており、固体照明やディスプレイの波長変換材料としての応用が期待される(特許文献1)。 特開2012-022028号公報国際公開第2011/081037号 本発明の量子ドット体の一例を示す概略断面図である。 以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 上述のように、量子ドットの蛍光発光特性を保持しながら、安定性をより改善させ、極性の高い溶剤や感光性樹脂への相溶性をより改善させた量子ドット体が求められていた。 本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、励起光により蛍光を発する量子ドットを含む量子ドット体であって、前記量子ドットは、半導体ナノ粒子のコアと該半導体ナノ粒子のコアを覆う半導体ナノ粒子のシェルとを含み、前記量子ドットの表面は金属酸化物で被覆されており、前記金属酸化物の表面は、下記(I)式で示すメタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物で修飾されており、前記メタクリロイルオキシエチル基と高分子の反応性置換基との結合により形成された、ポリマー被覆層を最表面に備えるものである量子ドット体により、量子ドットの蛍光発光特性が維持されつつ、安定性がより向上し、かつ極性の高い溶剤や感光性樹脂材料との相溶性がより改善されたものになることを見出し、本発明を完成した。 (R1は親水基を表す。) さらに前記量子ドット体を樹脂材料に分散させた量子ドット組成物、及び該量子ドット組成物を硬化させた波長変換材料は、蛍光発光効率の初期値が高く、経時的な発光効率の劣化が抑制された量子ドット組成物及び波長変換材料であることが明らかになった。その結果、前記量子ドット組成物の硬化物を含む波長変換材料は、バリアフィルム無しで85℃、85%RHにおける信頼性試験において、500時間処理中の内部量子収率の低下率を10%以内に抑えることができ、安定性の改善が可能であることを見出した。 即ち、本発明は、励起光により蛍光を発する量子ドットを含む量子ドット体であって、前記量子ドットは、半導体ナノ粒子のコアと該半導体ナノ粒子のコアを覆う半導体ナノ粒子のシェルとを含み、前記量子ドットの表面は金属酸化物で被覆されており、前記金属酸化物の表面は、前記(I)式で示すメタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物で修飾されており、前記メタクリロイルオキシエチル基と高分子の反応性置換基との結合により形成された、ポリマー被覆層を最表面に備えるものである量子ドット体、該量子ドット体が、前記ポリマー被覆層に含有される骨格構造と同じ骨格構造を少なくとも一つ以上含有する樹脂材料中に分散されたものである量子ドット組成物、及び前記量子ドット組成物の硬化物を含むものである波長変換材料並びにそれらの製造方法である。 以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明において、量子ドット、量子ドット体、メタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物、ポリマー被覆層の組成や種類、及び製法等は、以下の形態のみに制限されない。 [量子ドット体] 以下、本発明の実施形態に係る量子ドット体について図1を参照しながら説明する。 図1に示されるように、本発明の量子ドット体1は、半導体ナノ粒子コア2と半導体ナノ粒子コア2を覆う半導体ナノ粒子シェル3から成る、励起光により蛍光を発する量子ドット4の表面が、金属酸化物層5で被覆されており、金属酸化物層5の表面が、上記(I)式で示すメタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物6で修飾されたものであり、前記メタクリロイルオキシエチル基と高分子の反応性置換基との結合により形成された、最表面のポリマー被覆層7と、を含むことを特徴とする構造を有するものである。 上記のように量子ドット体1は、量子ドット4の表面が金属酸化物層5で被覆され、金属酸化物層5の表面が、メタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物6により修飾され、さらに前記メタクリロイルオキシエチル基と高分子の反応性置換基とが結合して、ポリマー被覆層7が最表面に形成されている。これにより、量子ドット体1の蛍光発光効率の初期値は、その低下が抑制されながらポリマー被覆層7が形成されており、本発明の量子ドット体1は高い蛍光発光効率を示すものとなる。さらに、本発明の量子ドット体1は、金属酸化物層5及びポリマー被覆層7により、外部からの量子ドット4の表面における酸化反応が抑制されることで、経時的な量子ドット4の蛍光発光効率の劣化が抑制され、安定性がより向上し、かつ極性の高い溶剤や感光性樹脂材料との相溶性が改善されたものである。 (量子ドット) 本発明に係る量子ドット4の構造は、半導体ナノ粒子コア2と半導体ナノ粒子シェル3を含むものであれば特に限定されない。このような量子ドット4であれば、蛍光発光特性及び安定性に優れる。例えばナノサイズの半導体粒子をコアとして、そのコアよりもバンドギャップが大きく、格子不整合性が低い半導体粒子をシェルとした、コア/シェル構造の半導体ナノ粒子では、シェルで生じた励起子がコア粒子の内部に閉じ込められるために、蛍光発光効率はより向上し、さらにコア表面がシェルで覆われるために安定性が向上する。 また、量子ドット4が、半導体ナノ粒子コア2及び半導体ナノ粒子コア2を覆う複数の半導体ナノ粒子シェル3を含むものであってもよい。このような量子ドット4であれば、蛍光発光効率の劣化がより抑制される。 コア/シェル半導体ナノ粒子の半導体ナノ粒子コア2の材料としては、毒性の観点からCdやPbの元素を含んでいないものが好ましく、例えば、II-VI族化合物、III-V族化合物、I-III-VI族化合物、II-IV-V族化合物及びこれらの合金又は混晶からなる群より選択されるものを用いることができる。 具体的には、半導体ナノ粒子コア2の材料としては、ZnS、ZnSe、ZnTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AgGaS2、AgInS2、AgGaSe2、AgInSe2、CuGaS2、CuGaSe2、CuInS2、CuInSe2、ZnSiP2、及びZnGeP2の中から単一、複数または混晶として選択されたものが挙げられる。これらの材料の内、ZnSe、ZnTe、InPは、蛍光発光特性、安定性の点から特に好ましい。 また、コア/シェル半導体ナノ粒子の半導体ナノ粒子コア2の表面は、無機化合物で不動態化(パッシベーション)されていることが好ましい。これにより、コア粒子表面の欠陥が不活性化され、蛍光発光効率が改善されるとともに、経時的な蛍光発光効率の劣化がより抑制される。 パッシベーションを行うための無機化合物は、特に限定されないが、例えば、金属ハロゲン化物が挙げられ、蛍光発光効率改善の観点から、GaCl3、GaI3、GaBr3、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、InCl3、InBr3、InI3、AgCl、AgBr、AgI、KCl、KBr、KI、NaCl、NaBr、NaI、MgCl2、MgBr2、MgI2、CaCl2、CaBr2、CaI2、MnCl2、MnBr2、MnI2、FeCl2、FeBr2、FeI2、CuCl2、CuBr2、CuI2、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4、GeCl4、GeBr4、GeI4から選択される、少なくとも1種の化合物が特に好ましい。 半導体ナノ粒子シェル3の材料としては、毒性の観点からCdやPbの元素を含んでいないものが好ましいが、コア材料に対してバンドギャップが大きく、格子不整合性が低いものが好ましく、II-VI族化合物、III-V族化合物の合金及び混晶からなる群から選択されるものを用いることができる。 具体的なシェルの材料は、ZnS、ZnSe、ZnTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、及びInSbの中から単一、複数または混晶として選択されたものが挙げられる。これらの材料の内、ZnSe、ZnSは蛍光発光効率の向上及び安定性の点から特に好ましい。 (金属酸化物) 本発明に係る量子ドット4は、その表面が金属酸化物で被覆されていることにより、大気中の酸素や水が直接量子ドット表面に接触するのを防ぎ、酸化反応を抑制することで、その蛍光発光効率の劣化が抑制されるものと考えられる。 本発明における、量子ドット表面における金属酸化物の「被覆」とは、蛍光発光効率の経時的な劣化が抑制されていれば、部分的であっても完全にコーティングされている形態であってもよい。またコア/シェル構造のような均一なコーティング層であっても、不均一なコーティング層であってもよく、複数の半導体ナノ粒子を金属酸化物がコーティングしているような構造でもよい。金属酸化物層5の膜厚は特に限定されないが、透光性の観点から500nm以下が好ましい。 本発明において、金属酸化物の種類は特に限定されないが、TiO2、ZnO、Al2O3、SiO2、ZrO2、Fe2O3、MgO、Y2O3、HfO2、CeO2、In2O3、SnO2、WO3、CrO3、Ta2O3、BaTiO3、V2O5、NiO、NbO、Cu2O、CuO、MoO3から選択される、少なくとも1種の化合物であるものが挙げられる。量子ドットの安定性を改善する観点から、TiO2、Al2O3、SiO2、ZrO2がより好ましい。 (メタクリロイルオキシエチル基と親水基とを有する化合物) 本発明において、極性溶媒や感光性樹脂への相溶性を改善するのに有用な表面修飾剤は、メタクリロイルオキシエチル基と親水基を有する化合物6であり、本発明における量子ドット体1は、量子ドット4と量子ドット4表面を被覆する金属酸化物層5、金属酸化物層5の表面を修飾するメタクリロイルオキシエチル基と親水基を有する化合物6を含む。 本発明における「修飾」とは、メタクリロイルオキシエチル基と親水基を有する化合物6が少なくとも金属酸化物層5表面に「接着」した状態を表す。「修飾」による表面への接着は、部分的である場合と全面である場合を含んでおり、少なくとも表面の一部に接着した状態を示す。 上記における「接着」とは、物理的な吸着であっても化学的な結合であってもよく、例えば共有結合やイオン結合、水素結合を広義に表し、これらの組合せであってもよい。また、一例として、量子ドット4、金属酸化物層5、メタクリロイルオキシエチル基と親水基を有する化合物6を含む量子ドット体1は、極性溶媒に分散する限り、少なくとも量子ドット4合成時または金属酸化物層5形成時に付着していた有機または無機配位子である一部のリガンドが共存している状態でも良い。 本発明におけるメタクリロイルオキシエチル基と親水基を有する化合物6の構造は、以下の式(I)で示されるものである。 (R1は親水基を表す。) 前記(I)式のR1は親水基であれば特に限定されないが、例えば、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、コハク酸塩、イソシアン酸塩、マレイン酸塩、リン酸水素塩、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸塩、トリメリト酸無水物の塩、フタル酸塩、アセト酢酸塩、チオクト酸塩が挙げられる。 これにより、極性溶媒への親和性がより向上し、量子ドット体の極性溶媒に対する分散性がより向上するものとなる。 前記(I)式で表すメタクリロイルオキシエチル基