Search

JP-2026076562-A - 自己免疫性肝炎を鑑別する方法、鑑別用抗原タンパク質、抗体検査剤、および、抗体検査キット

JP2026076562AJP 2026076562 AJP2026076562 AJP 2026076562AJP-2026076562-A

Abstract

【課題】 自己免疫肝炎における診断あるいは病態に関与する疾患特異的な自己抗体の特定および当該抗体を用いたAIHの診断方法の提供を課題とする。 【解決手段】 被検者における自己免疫性肝炎の鑑別を補助する方法であって、鑑別用抗原タンパク質に対する被検者由来の自己抗体を検出する工程を含み、鑑別用抗原タンパク質がDOK2タンパク質である、鑑別を補助する方法を提供する。 【選択図】なし

Inventors

  • 大平 弘正
  • 阿部 和道

Assignees

  • 公立大学法人福島県立医科大学

Dates

Publication Date
20260512
Application Date
20241024

Claims (11)

  1. 被検者における自己免疫性肝炎の鑑別を補助する方法であって、 鑑別用抗原タンパク質に対する前記被検者由来の自己抗体を検出する工程を含み、 前記鑑別用抗原タンパク質がDOK2タンパク質である、鑑別を補助する方法。
  2. 請求項1に記載の鑑別を補助する方法であって、 前記検出工程が、前記鑑別用抗原タンパク質に対する前記被検者由来の自己抗体の抗体応答レベルを測定する工程である、鑑別を補助する方法。
  3. 請求項2に記載の鑑別を補助する方法であって、 前記測定工程において得られた抗体応答レベルと、対応する鑑別用抗原タンパク質に対する自己免疫性肝炎患者または健常者由来の自己抗体の抗体応答レベルとを比較する工程 をさらに含む、鑑別を補助する方法。
  4. 請求項2または3に記載の鑑別を補助する方法であって、 前記測定工程において得られた抗体応答レベルと、対応する鑑別用抗原タンパク質に対する自己免疫性肝炎患者または健常者由来の自己抗体の抗体応答レベルとをクラスタ分析により比較する工程 をさらに含む、鑑別を補助する方法。
  5. 請求項2または3に記載の鑑別を補助する方法であって、 前記測定工程において得られた抗体応答レベルを所定の閾値と比較する工程 をさらに含む、鑑別を補助する方法。
  6. 請求項1に記載の鑑別を補助する方法であって、 前記被検者由来の自己抗体が前記被検者の体液由来である、鑑別を補助する方法。
  7. 請求項1に記載の鑑別を補助する方法であって、 前記測定工程において、前記鑑別用抗原タンパク質に対する自己抗体の抗体応答レベルの測定がELISA法またはタンパク質マイクロアレイより測定される、鑑別を補助する方法。
  8. 被検者における自己免疫性肝炎の鑑別に用いる鑑別用抗原タンパク質であって、DOK2である、鑑別用抗原タンパク質。
  9. 被検者における自己免疫性肝炎の鑑別に用いるための抗体検査剤であって、 前記抗体検査剤は請求項8に記載の鑑別用抗原タンパク質を含み、 前記鑑別用抗原タンパク質に対する前記被検者由来の自己抗体を検出することにより自己免疫性肝炎の罹患の有無を鑑別する、抗体検査剤。
  10. 請求項9に記載の抗体検査剤であって、 前記鑑別用抗原タンパク質を表面に固定した基材を含む、抗体検査剤。
  11. 被検者における自己免疫性肝炎の鑑別に用いるための抗体検査キットであって、 請求項9または10に記載の抗体検査剤と、リファレンス抗体、緩衝液、保存料、希釈剤、ブロッキング液、洗浄液、および、使用説明書からなる群より選択される少なくとも1つの構成要素を含む、抗体検査キット。

Description

本発明は、自己免疫性肝炎を鑑別する方法、鑑別用抗原タンパク質、抗体検査剤、および、抗体検査キットに関する。 自己免疫性肝炎(Autoimmune hepatitis: AIH)の多くで検出される抗核抗体、抗平滑筋抗体等の自己抗体は疾患特異性がなく、非定型例や急性発症例ではしばしば診断に苦慮する。劇症肝炎非移植例でのAIHの救命率は極めて不良であり、要因の一つに診断困難例の存在が挙げられる。一方、AIHの病因は細胞傷害リンパ球による自己免疫応答が主体と考えられ、自己抗体の対応抗原の同定は本症の発症機序を解明する上でも重要である。 これまでに海外においてAIHの病因に関与する候補自己抗体として抗肝腎マイクロゾーム-1(LKM-1)抗体や抗SLA/LP抗体が報告されている(非特許文献1および2)。また特許文献1は、SLA/LP自己抗体により認識されるタンパク質を特定し、当該タンパク質をAIHの診断薬や治療薬として用いることが記載されている。しかしながら、我が国におけるAIH症例では抗LKM-1抗体(10%)や抗SLA/LP抗体(15-20%)の陽性例は少なく、AIHにおける診断あるいは病態に関与する疾患特異的な自己抗体の探索が課題とされていた。 また特許文献2は、AIHの自己抗体以外のバイオマーカーとして、miRNAであるmiR-21-5pを用いることを開示する。しかしながら、miR-21-5pのカットオフ値や陽性率が示されていないこと、肝組織での発現が証明されていないこと、miRNAの測定法が煩雑であることが問題点である。 特許第3563631号公報特許第6619611号公報 Manns MP, Johnson EF, Griffin KJ, Tan EM, Sullivan KF. Major antigen of liver kidney microsomal autoantibodies in idiopathic autoimmune hepatitis is cytochrome P450db1. J Clin Invest. 1989 83:1066-72.Ballot E, Homberg JC, Johanet C. Antibodies to soluble liver antigen: an additional marker in type 1 auto-immune hepatitis. J Hepatol. 2000 33:208-15. 下記実施例1において測定した、AIH患者群および健常者群の鑑別用抗原タンパク質に対する自己抗体の抗体応答レベルをヒートマップ図として示す。下記実施例2において測定した、AIH患者群、薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)患者群、および、健常者群に属する各被検試料の抗体応答スコアを群散布図としてプロットした図を示す。下記実施例2において測定した、AIH患者群、DILI患者群、または、健常者群に属する各被検試料の抗体応答スコアを基に作成したROC曲線を示す。下記実施例3において実施した、AIH患者および健常者由来の肝組織におけるDOK2およびCD68の免疫組織化学染色の結果を示す画像である。下記実施例4において測定した、AIH患者群および健常者群に属する各被検試料の抗体応答スコアを群散布図としてプロットした図を示す。 1.被検者における自己免疫性肝炎(AIH)を鑑別する方法 1-1.概要 本発明の第1の態様は、特定の抗原に対する自己抗体の抗体応答レベルを指標として、被検者がAIHに罹患しているか否かを鑑別することが可能な方法である。よって、本発明において当該自己抗体はAIH鑑別マーカーと言い換えることができる。本発明の第1の態様に係る鑑別方法は、ヒトにおけるAIHの診断行為を含むものではない。そのため本発明の第1の態様は、被検者がAIHに罹患しているか否かの鑑別を補助する方法、または、被検者由来の試料を用いたAIHの検査方法とも言い換えることができる。 本発明のAIH鑑別マーカーは特定のタンパク質を抗原として認識するAIH患者に特徴的な自己抗体である。本明細書においてAIH鑑別マーカーが認識するタンパク質を「鑑別用抗原タンパク質」という。被検者由来の試料は自己抗体を含むものであり、当該自己抗体は鑑別用抗原タンパク質に対して抗原抗体反応を生じうる。鑑別用抗原タンパク質に対する自己抗体の抗体応答レベルを測定することで、被検者がAIHに罹患しているか否かを鑑別できる(または鑑別を補助できる)。 1-2.定義 本明細書において「自己免疫性肝炎」(Autoimmune hepatitis: AIH)とは肝細胞障害の成立に自己免疫機序が関与していると考えられる慢性または急性肝炎様に経過する肝炎をいう。中年以降の女性に好発することが報告されている。 本明細書において「AIH鑑別マーカー」とは、AIHの罹患の有無を鑑別することのできるバイオマーカーとして利用可能であり、被検者などの生体由来の試料中に含まれる鑑別用抗原タンパク質を認識する自己抗体をいう。 本明細書において「薬物性肝障害」(drug-induced liver injury:DILI)とは、肝臓における薬の代謝の結果生じる代謝産物により引き起こされる肝障害をいう。薬物性肝障害には、肝細胞障害型薬物性肝障害(hepatocellular injury type)、胆汁うっ滞型薬物性肝障害(cholestatic type)、混合型薬物性肝障害(mixed type)、急性肝不全(acute hepatic failure type)、薬物起因の他の肝疾患(other type liver diseases caused by drugs)が含まれる。 本明細書において「鑑別用抗原タンパク質」として用いることのできるタンパク質は、DOK2タンパク質である。「鑑別用抗原タンパク質」は、DOK2タンパク質以外のAIHの鑑別に有用なタンパク質と組み合わせて用いてもよい。 「鑑別用抗原タンパク質」は、体液中に存在する自己抗体と免疫学的に反応するものであれば特に制限されず、ヒト、非ヒト動物等のいずれであってもよい。自己抗体の検出または測定精度を向上させるという観点から、鑑別用抗原タンパク質の由来は、検体と同種の由来であることが好ましく、例えば、ヒトの体液を検体として使用する場合には、抗原もヒト由来であることが好ましい。鑑別用抗原タンパク質は、ヒト又は非ヒト動物から回収・精製したものを使用してもよく、遺伝子工学的手法によって製造した組み換え体を使用してもよい。鑑別用抗原タンパク質のアミノ酸配列及びそれをコードしている塩基配列は公知である。当業者であれば、実施例中に記載のGene ID情報を用いてNCBI等のデータベースよりアミノ酸配列または塩基配列情報を取得可能であり、ヒト由来鑑別用抗原タンパク質の組み換え体を公知の遺伝子工学的手法によって製造することができる。 「鑑別用抗原タンパク質」は被検者由来の自己抗体と抗原抗体反応しうる限り、天然型のタンパク質、当該天然型タンパク質に対してアミノ酸変異やその他改変を有する変異体もしくは改変体、または、それらの一部(フラグメント)であってもよい。 本明細書において変異体とは、例えば鑑別用抗原タンパク質を構成するアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、被検者由来の自己抗体と抗原抗体反応しうるものを意味する。ここで「数個」とは、1~200個、1~190個、1~150個、1~10個、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個のアミノ酸残基をいう。また改変体とはタンパク質のアミノ酸配列の一部に化学修飾を受けることにより当該鑑別用抗原タンパク質のアミノ酸配列にそれ以外の化学構造が付加されたタンパク質、または、当該鑑別用抗原タンパク質中の化学構造の一部が外されたタンパク質であって、被検者由来の自己抗体と抗原抗体反応しうるものを意味する。 一実施の形態においてDOK2タンパク質は以下の(a)~(c)のポリペプチドとして特定することができる: (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、付加、または、欠失したアミノ酸配列からなるポリペプチド (c)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上(より好ましくは、95%、96%、97%、98%、99%以上)の同一性を有するポリペプチド なお、上記(b)または(c)により特定されるポリペプチドは、上記(a)のポリペプチドに対して特異的に結合する被検者由来の自己抗体と抗原抗体反応しうるポリペプチドである。 本明細書において「同一性」とは、二つのアミノ酸配列を整列(アラインメント)し、必要に応じてギャップを導入して、両アミノ酸配列の一致度が最も高くなるようにしたときの、全アミノ酸残基数に対する比較するポリペプチドのアミノ酸配列中の同一アミノ酸数の割合(%)をいう。アミノ酸配列の同一性は、例えば、配列分析用ツールであるFASTAを用い、デフォルトパラメータを用いて決定することができる。 鑑別用抗原タンパク質は、免疫学的測定において固相に固定化し易くするために、他のタンパク質を融合させた融合タンパク質であってもよい。例えば、鑑別用抗原タンパク質とGST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)やストレプトアビジン結合性ペプチド等の他のタンパク質との融合タンパク質とすることができる。また鑑別用抗原タンパク質は、自己抗体との抗原抗体反応を検出または測定可能なようにタグの付加や標識がされていてもよい。タンパク質を固相に固定化する手段や抗原抗体反応を検出または測定するためのタグや標識は公知の手段を採用することができる。 「自己抗体」とは被検者の生体内に存在する抗体であって、自己の細胞や組織の成分を抗原として認識する抗体をいう。本明細書において「自己抗体」とは、被検者の生体内に存在する抗体であって、AIH鑑別マーカーを抗原として認識する抗体をいう。 本明細書において、「抗体応答スコア」とは、「AIH鑑別マーカー」である自己抗体の鑑別用抗原タンパク質に対する抗体応答レベルにより定まるスコアである。スコアの種類や算定方法は特に制限されない。一実施の形態において抗体応答スコアは、鑑別用抗原タンパク質に対する自己抗体の抗体応答レベルをそのままスコアとして扱うことができる。また別の実施形態においては、AIH鑑別マーカーの抗体応答レベルのカットオフ値を設定し、当該カットオフ値との比較により定まるスコアとすることができる(例えば、鑑別用抗原タンパク質に対する抗体応答レベルがカットオフ値以上であれば抗体応答スコアを「1」とし、カットオフ値未満であれば抗体応答スコアを「0」または「-1」とする)こともできる。 本明細書において、「検体スコア」とは被検試料ごとに与えられる「AIH鑑別マーカーに対する自己抗体の抗体応答レベルにより求められるスコアである。スコアの種類や算定方法は特に制限されない。「検体スコア」は「抗体応答スコア」と同じであってもよいし、異なっていてもよい。なおDOK2以外の抗原タンパク質を「鑑別用抗原タンパク質群」として組み合わせて用いる場合、例えば、「検体スコア」は各被検試料における「鑑別用抗原タンパク質群」に対する自己抗体の抗体応答レベルの総和または抗体応答スコアの総和として扱うことができる。 本明細書において「測定値」とは、鑑別用抗原タンパク質に対する自己抗体の抗体応答レベルの測定方法によって得られた値である。測定値は定量的な値として扱ってもよく、また定性的な値として扱ってもよい。測定値は、試料中の抗体量等をng(ナノグラム)やμg(マ