JP-2026076599-A - X線管装置及びX線装置
Abstract
【課題】簡単な構造でX線管装置の劣化検知や寿命予測が可能なX線管装置及びX線装置を提供する。 【解決手段】X線管装置1は、電子を放出するフィラメント12と放出される電子を集束させる集束体14とを有する陰極10と、フィラメント12から放出された電子が入射することによりX線を放出する陽極20と、陰極10及び陽極20を内包し、内部を真空に保持する真空外囲器30と、陰極10と陽極20との間に管電圧を印加する第1電源40と、フィラメント12に管電流を流し、フィラメント12を加熱させる第2電源50と、フィラメント12の電位に対して集束体14の電位を低下させる第3電源60と、真空外囲器30の内部でイオン化された陽イオンであって、集束体14に流れる陽イオンによる電流を検出する電流計70と、を備える。 【選択図】図1
Inventors
- 田邊 雄太郎
- 中野 智史
- 中山 公博
- 関 善隆
Assignees
- 富士フイルム株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (8)
- 電子を放出する電子源と前記電子源から放出される電子を集束させる集束体とを有する陰極と、 前記陰極に対向して設けられ、前記電子源から放出された電子が入射することによりX線を放出する陽極と、 前記陰極及び前記陽極を内包し、内部を真空に保持する真空外囲器と、 前記陰極と前記陽極との間に管電圧を印加する第1電源と、 前記電子源に管電流を流し、該電子源を加熱させる第2電源と、 前記電子源の電位に対して相対的に前記集束体の電位を低下させる第3電源と、 前記真空外囲器の内部でイオン化された陽イオンであって、前記集束体に流れる前記陽イオンによる電流を検出する電流計と、 を備えたX線管装置。
- 前記電子源は、フィラメントであり、 前記第2電源は、前記フィラメントを加熱させて該フィラメントから熱電子を発生させる、 請求項1に記載のX線管装置。
- 前記第1電源のマイナス端子は、前記電子源に接続され、かつ前記第3電源のプラス端子に接続され、 前記第1電源のプラス端子は、前記陽極に接続され、 前記第3電源のマイナス端子は、前記電流計を介して前記集束体に接続される、 請求項1に記載のX線管装置。
- 前記第1電源のプラス端子と前記陽極との間、及び前記真空外囲器は、それぞれ接地される、 請求項3に記載のX線管装置。
- 前記第1電源は、第4電源と第5電源とを有し、 前記第4電源のマイナス端子は、前記電子源に接続され、かつ前記第3電源のプラス端子に接続され、 前記第3電源のマイナス端子は、前記電流計を介して前記集束体に接続され、 前記第4電源のプラス端子は、前記第5電源のマイナス端子に接続され、 前記第5電源のプラス端子は、前記陽極に接続され、 前記第4電源のプラス端子と前記第5電源のマイナス端子との間、及び前記真空外囲器は、それぞれ接地される、 請求項1に記載のX線管装置。
- 前記電流計により検出された前記陽イオンによる電流の電流値に基づいて前記真空外囲器内の真空度を測定する真空度測定器を備えた、 請求項1に記載のX線管装置。
- 前記真空度測定器は、X線発生期間中に前記真空度を測定する、 請求項6に記載のX線管装置。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載のX線管装置を搭載した、 X線装置。
Description
本発明はX線管装置及びそのX線管装置を搭載したX線装置に関する。 X線管装置を搭載したX線装置は、医療の分野ではX線透視装置及びX線撮影装置などに、また、工業用の分野では種々の製品の欠陥検査及び異物検査などに広く利用されている。 X線管装置は、X線を発生させるために陰極から放出した電子を陽極に衝突させる。陰極から発生させた電子を陽極に衝突させるため、陰極と陽極との間には数十万ボルトの高電圧がかけられる。このためX線管球内は真空に保たれ、絶縁性を高めている。 X線管球内の部品及びX線管球は高真空になるように十分に脱ガス処理が行われるが、X線管の使用及び経過年数により管内の真空度は徐々に劣化してしまう。真空度が劣化すると、X線管は、放電が多くなり検査に支障をきたす。多くの場合はアーキングが頻発してから管球交換、または十分に余裕がある状態での交換も多い。そのため真空度が劣化し始め、検査に支障をきたす直前での事前の交換が望まれる。 従来、X線管内の真空度を測定する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。 特許文献1に記載のX線管装置は、X線発生時には、陰極のフィラメントから放出される電子を陽極に衝突させるために、陰極に対して陽極の電位が高くなるように電圧を印加し、一方、真空度測定時には、X線管球内の微量のガスの陽イオンによる電流を測定するために、陰極に対して陽極の電位が低くなるように電圧を印加し、陰極に流れ込む陽イオンによる微小な電流を検出し、検出した電流の電流値に基づいてX線管内の真空度を測定している。 特開2016-146288号公報 図1は、本発明に係るX線管装置の第1実施形態を示す概略図である。図2は、本発明に係るX線管装置の第2実施形態を示す概略図である。 以下、添付図面に従って本発明に係るX線管装置及びX線装置の好ましい実施形態について説明する。 [第1実施形態] 図1は、本発明に係るX線管装置の第1実施形態を示す概略図である。 図1に示すX線管装置1におけるX線管は、陰極10と、陰極10に対向して設けられた陽極20と、陰極10及び陽極20を内包し、内部を真空に保持する真空外囲器30とを備えている。 陰極10は、電子を放出する電子源であるフィラメント12と、フィラメント12から放出される電子を集束させる集束体14とを有している。陽極20は、フィラメント12から放出された電子(電子線)が入射することによりX線90を放出するターゲットを有している。陽極20は、回転陽極又は固定陽極のいずれを用いてもよいが、回転陽極型のX線管装置1では、電子と衝突するターゲットの実面積を増大させることができ、大きな管電流を流すことができる。 真空外囲器30は、バルブと呼ばれるガラス製の管球や金属製のものがあり、用途や設置位置に応じて使い分けられている。 陰極10のフィラメント12から放出された電子は陽極20のターゲットに衝突し、X線を発生させる。X線を発生させるために真空外囲器30内の陰極10と陽極20との間には高電圧をかける必要があり、そのため、真空外囲器30内は真空気密になっている。 また、X線管装置1は、陰極10と陽極20との間に管電圧を印加する電源(第1電源40)と、フィラメント12に管電流を流し、フィラメント12を加熱させる電源(第2電源50)と、フィラメント12の電位に対して相対的に集束体14の電位を低下させる電源(第3電源60)と、を備えている。 第1電源40は、本例では陰極10と陽極20との間に140kV程度の電圧を印加する。第1電源40のプラス端子は、陽極20に接続され、第1電源40のマイナス端子は、陰極10(フィラメント12及び第3電源60のプラス端子)に接続されている。また、第1電源40のプラス端子と陽極20との間、及び真空外囲器30は、グランド80に接地されている。したがって、陽極20は、0Vであり、陰極10は、-140kV程度となる。 第2電源50は、本例では10V程度の電圧をフィラメント12に印加し、フィラメント12に管電流を流し、フィラメント12を加熱して熱電子を発生させる。 第3電源60は、本例ではフィラメント12と集束体14との間に300V程度の電位差を設けるもので、第3電源60のマイナス端子は、電流計70を介して集束体14に接続され、第3電源60のプラス端子は、第1電源40のマイナス端子側に接続されている。 したがって、フィラメント12が、-140kV程度であるのに対し、集束体14は、-140.3kVとなり、フィラメント12の電位に対して集束体14の電位は、300Vだけ低くなっている。尚、本例では、フィラメント12と集束体14との間に300V程度の電位差を設けるようにしたが、電位差は300V程度に限らず、例えば、100Vあるいは数百Vとすることができる。 上記第1電源40、第2電源50及び第3電源60は、図示しないコントローラによりX線管装置1の使用中に電源を供給するように制御され、未使用中には電源の供給を停止するように制御されることは言うまでもない。 X線管装置1は、電流計70及び真空度測定器100を更に備えている。 電流計70は、真空外囲器30の内部でイオン化された陽イオンであって、集束体14に流れる陽イオンによる電流を検出する。真空度測定器100は、電流計70により検出された陽イオンによる電流の電流値に基づいて真空外囲器30内の真空度を測定する。尚、真空度測定器100による真空度の測定の詳細については後述する。 <X線管装置の動作> 上記構成のX線管装置1を動作させる場合、第1電源40、第2電源50及び第3電源60から各部に電源を供給させる。 第2電源50により10V程度の電圧がフィラメント12に印加されると、フィラメント12に管電流が流れる。これにより、フィラメント12が加熱され、フィラメント12から熱電子が放出される。 フィラメント12から放出された熱電子は、集束体14により集束される。集束体14により集束された熱電子は、第1電源40により陰極10と20との間に印加された-140kV程度の高電圧によって陽極20に向かって加速し、陽極20であるターゲットに衝突する。この熱電子のターゲットでの衝突時にX線90が放射される。 X線管内で発生したX線90は、X線管装置1の放射窓(図示せず)から外部に放出され、X線透視装置やX線撮影装置などのX線装置に使用される。 ところで、真空外囲器30内の真空度を劣化させるガスは、真空外囲器30内の部品の内部ガスやスローリークなどの可能性があり、アーキングの主要な原因となるため、X線管装置1の使用中に監視する必要がある。 X線管内のガスは、イオン化(電離もという)し、X線管内に浮遊する。浮遊するイオン化されたガスのうちの陽イオン化されたものは集束体14により補足される。集束体14は、フィラメント12の電位に対して300V程度電位が低いため、陽イオンの補足が可能である。 集束体14による陽イオンの補足により、陽イオンによる電流が集束体14に流れ、電流計70は、集束体14に流れる陽イオンによる電流の電流値を検出する。 真空度測定器100は、電流計70により検出された陽イオンによる電流の電流値に基づいて真空外囲器30内の真空度を測定する。 ここで、真空外囲器30内の真空度と、陽イオンによる電流値(陽イオン電流値)とは、次式に示すように比例関係を有している。 [数1] 真空度(Pa)=補正計数α×陽イオン電流値(A) 上記[数1]式において、補正計数αは、X線管のサイズ、形状等により決まる値である。 真空度測定器100は、上記[数1]式に示すように電流計70により検出された陽イオン電流値(A)に補正計数αを乗算することにより、真空度(Pa)を測定する。 このように第1実施形態のX線管装置1によれば、真空度測定のために陰極10のフィラメント12と集束体14との間にX線発生時と真空度測定時とを切り替えるスイッチ等が不要であり、フィラメント12の電位に対して集束体14の電位を低下させる電圧をフィラメント12と集束体14との間に印加し、集束体14に流れる陽イオン電流を検出することで真空度を測定することができ、簡単な構造で真空度測定を行うことができ、また、X線発生期間中に真空度を測定することができる。 また、X線管装置1の使用及び経過年数により真空外囲器30内の真空度は徐々に劣化する。そこで、例えば、予め複数のX線管装置1のX線管のサンプルについて、X線管装置1の経過時間(使用時間)と真空度測定器100により測定した真空外囲器30内の真空度との関係を求めておき、現時点の真空度から寿命となる真空度に達するまでの期間(寿命)を予測することができる。因みに、測定された真空度(Pa)が、1×10-5(Pa)以下のオーダであれば、放電の問題はないが、1×10-4(Pa)以上のオーダになると、放電の問題が発生する。 また、真空外囲器30内の真空度を測定しなくてもX線管の劣化検知や寿命予測を行うことができる。例えば、予め複数のX線管のサンプルについて、集束体14に流れる陽イオン電流値と経過時間のデータを取得しておき、X線管の寿命となる閾値を決定しておく。そして、現時点(測定時点)の陽イオン電流値を検出することで、陽イオン電流値がX線管の寿命である閾値に達するまでの経過時間(寿命)を予測することができる。 [第2実施形態] 図2は、本発明に係るX線管装置の第2実施形態を示す概略図である。 尚、図2に示すX線管装置2において、図1に示したX線管装置1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。 図2に示す第2実施形態のX線管装置2は、図1に示した第1実施形態のX線管装置1と比較して、陰極10と陽極20との間の高電圧を印加する電源(第1電源)が相違する。 即ち、第1実施形態のX線管装置1の第1電源40は、1つの電源で陰極10と陽極20との間に140kV程度の電圧を印加するが、第2実施形態のX線管装置2の第1電源は、直列に接続された2つの電源(第4電源42及び第5電源44)により構成され、2つの電源で陰極10と陽極20との間に140kV程度の電圧を印加する。 具体的には、第4電源42及び第5電源44は、それぞれ70kV程度の電圧を発生するもので、第4電源42のマイナス端子は、フィラメント12に接続され、かつ第3電源60のプラス端子に接続され、第4電源42のプラス端子は、第5電源44のマイナス端子に接続され、第5電源44のプラス端子は、陽極20に接続されている。 また、第4電源42のプラス端子と第5電源44のマイナス端子との間、及び真空外囲器30は、それぞれグランド80に接地されている。したがって、陽極20には、+70kV程度の電圧が印加され、陰極10には、-70kV程度の電圧が印加され、トータルでは、陰極10と陽極20との間に140kV程度の電圧を印加される。 第2実施形態のX線管装置2によれば、第1実施形態のX線管装置1と同様の作用効果が得られる。また、陰極10と陽極20との間に高電圧を印加する第1電源を2つの電源(第4電源42及び第5電源44)で構成し、第4電源42のプラス端子と第5電源44のマイナス端子との間、及び真空外囲器30をそれぞれグランド80に接地することで、陰極10と陽極20との間に140kV程度の電圧を印加することができるとともに、真空外囲器30の電位(0V)に対して陽極20の電位を70kV程度高くすることができる。 以上説明した本発明は、本実施形態のX線管装置に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれ得る。本実施形態では、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではなく、例えば、X線管装置が真空度測定器を具備しない場合も含むことは言うまでもない。 また