JP-2026076611-A - 塩分配合グミ及びその製造方法
Abstract
【課題】本発明は、塩分を配合しながらも、長期間保存しても、泣きが生じず、チューイーな食感を維持することができるグミキャンディ及びその製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】塩分を配合したグミキャンディを調整する際に、ゼラチンに加えてコラーゲンペプチドを配合することで、長期間保存した場合であっても、従来の課題であった塩析による泣きを抑制し、十分なゲル強度を有し、チューイー性のあるグミキャンディを作ることが可能となる。 【選択図】図1
Inventors
- 河島 稚乃
- 種市 和也
Assignees
- ユニテックフーズ株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (9)
- 水、ゼラチン、コラーゲンペプチド、及び塩類を含むグミキャンディ。
- 塩類の添加量が1~6質量%である請求項1に記載のグミキャンディ
- 塩類が食塩である請求項1又は2に記載のグミキャンディ。
- コラーゲンペプチドの添加量が1~15質量%である請求項1又は2に記載のグミキャンディ。
- ゼラチンの添加量が3~20質量%である請求項1又は2に記載のグミキャンディ。
- コラーゲンペプチドの添加量が1~10質量%であり、塩類の添加量が1~6質量%である請求項1又は2に記載のグミキャンディ。
- コラーゲンペプチドの添加量が1~10質量%であり、塩類の添加量が1~4質量%である請求項1又は2に記載のグミキャンディ。
- コラーゲンペプチドの添加量が1~10質量%であり、塩類の添加量が1~3質量%である請求項1又は2に記載のグミキャンディ。
- 砂糖、水あめ、塩類を混合する工程と、 水で膨潤させた後に加熱溶解した、ゼラチン及びコラーゲンペプチドを添加し、混合液を調製する工程と、 前記混合液を加熱する工程と、 随意により、前記加熱した混合液に酸味料を添加し、調製液を得る工程と、 前記調製液をモールドに充填する工程と、を備えるグミキャンディの製造方法。
Description
本発明は、塩分を配合したグミキャンディ及びその製造方法に関する。 グミキャンディは、果汁や砂糖などをゼラチンで固めた菓子であり、世界中で広く親しまれている。日本では1988年に発売されて以来、広く知られるようになった。グミの食感は様々で、ゼラチンの種類や濃度によってコントロールできる。世界的な主流は、ゼラチンを高配合(7%以上)したハードタイプグミである。一方、日本ではゼラチン配合率の低い(5~10%)ソフトタイプグミが多く市販されている。 共通した特徴は「チューイー感」であり、噛んだ際に保形性と一定の反発力を持ちながらしなやかに変形する物性を指す。また、グミの味は果汁を配合したものが多く、砂糖や甘味料を含む甘味系の菓子である。 グミには、甘味系の他に塩分を配合した塩味系のグミも市販されている。甘味以外の嗜好品、スポーツ時の塩分補給、熱中症対策としての塩分補給などの目的で、様々な場面で食されている。 一方で、塩分の配合はゼラチングミの物性に対して、大きな影響を与える。食塩を添加すると、塩析効果により、親水コロイドであるゼラチン中の水分を奪ってしまい、ゼラチン同士の凝集反応が起きてしまう。これにより、ゼラチンが十分なゲル強度を出せなくなったり、凝集により奪われた水が表面に出てきてしまう結果、べたつく(いわゆる、「泣き」)現象が起こる。 塩分を配合したグミキャンディとして、以下のような提案がなされている。 特開2015-128391号公報は、塩分を高濃度で含むグミキャンディを調製する際に、主要ゲル化剤であるゼラチンに加え、各種食物繊維を配合するとハード(硬い)からソフト(柔らかい)の幅広いレンジの食感を持ったグミキャンディが調製できることを教示している。 特許第6845462号公報は、ゼラチンを凝固剤とした塩濃度が0.3%~5%の高塩濃度グミの製造方法においてトランスグルタミナーゼを配合することにより、塩味系の味覚設計でありながらチューイー感を有する高塩濃度グミを提供できることを教示している。 特許第6952540号公報は、白キクラゲ多糖体を配合することにより、3w/w%以上という高濃度の塩分を含みながら保形性、なき、色味等の物性にも優れたグミキャンディ又はゼリーを提供できることを教示している。 特開2022-174593号公報は、ゼラチンを含有しており塩類の含有割合が3質量%未満であるグミ組成物について、シロキクラゲ抽出物を含有させることにより、優れた弾力性が得られ、噛み応えを持続させることができることを教示している。 特開2015-128391号公報の技術は、塩分に加えて食物繊維の同時摂取も可能にする点で優れているが、保存期間が1か月を超えると「なき」が発生する点で課題があった。 特許第6845462号公報の技術は、トランスグルタミナーゼを作用させるためのインキュベーション工程や、必要に応じてトランスグルタミナーゼを失活させるための加熱処理工程が必要になる点で煩雑であった。また、トランスグルタミナーゼの使用によりグミの食感が変化するため(特開2011-130714号公報、角田2016)、当該食感変化が所望の変化でない場合には、更に食感の調整をする必要がある点で課題があった。 特許第6952540号公報及び特開2022-174593号公報の技術は、ゼラチン濃度が比較的低い(7%)場合にも、保形性、なき、色味等の物性に優れ、チューイー感を有するグミキャンディーを提供できる点で優れているが、保存期間が1か月を超えると、なきが生じて、その結果、チューイー感が失われる点で課題があった。 特開2015-128391号公報特許第6845462号公報特許第6952540号公報特開2022-174593号公報特開2011-130714号公報 角田全功,世界初の酵素による食品改質技術,研究 技術 計画,2016,31巻,3-4号,p.277-282 図1は、処方例1~処方例22のグミキャンディについての泣きの評価試験結果と、グミキャンディの食塩及びコラーゲンペプチドの添加量との関係を示したグラフである。 [定義] 「塩分を配合したグミキャンディ」:本発明の「塩分を配合したグミキャンディ」は、水、ゼラチン、コラーゲンペプチド、および塩類を含む。さらに食感調整のために、各種の多糖類を添加することもできる。 「水」:「水」は、一般的に、酸素と水素の化合物であり、化学式H2Oで表される。本明細書において、「水」は、飲用に適したものであれば、特に制限なく種々のものを使用することができる。 塩分を配合したグミキャンディにおける水の添加量は、5~25質量%、6~24質量%、7~23質量%、8~22質量%、9~21質量%、10~20質量%、11~19質量%、12~18質量%、13~17質量%、又は14~16質量%である。 「ゼラチン」:「ゼラチン」は、硬蛋白質コラーゲンの立体構造を破壊して得られる変性コラーゲンである。コラーゲンはらせん構造を持つ3本のポリペプチド鎖がさらに三重らせんを形成している。いずれのらせんも鎖内あるいは鎖間の水素結合で安定化させられている。熱や変性剤で水素結合を破壊するとランダムコイル状のポリペプチド鎖となる。これがゼラチンである。動物の加齢に伴って熱に安定な分子内架橋が形成されるため、2本や3本のポリペプチド鎖からなるゼラチンもできる。食品や工業用のゼラチンは、熱に安定な分子内や分子間の架橋を破壊するために原料をアルカリ処理(石灰づけ)してから、熱水で長時間抽出後乾燥して製造される。そのため、ペプチド結合が一部分解された鎖も混在する。原料は、動物の骨、皮、腱、靭帯などである。原料が骨である場合、5%くらいの塩酸で無機物を可溶化してから石灰づけする(出典:日本食品工業学会編、「新版・食品工業総合辞典」、株式会社 光琳、平成5年4月30日発行、p734)。 本明細書において、「ゼラチン」は、酸処理ゼラチンまたはアルカリ処理ゼラチンの何れも用いることができ、市販されているゼラチンであっても独自に調製したゼラチンであってもよい。更に、豚や牛、魚など、いずれの由来原料からなるゼラチンでも用いることができる。一般にゼラチンはブルームで規定されて市販されている。ブルームとはゼリー強度を表す値であり、ブルームが大きいほど硬いゲルをつくることができる。本発明では150ブルームから300ブルームまで、各種ゼラチンを使用することができる。 ゼラチンのブルーム値(ゼリー強度)は、特に限定されないが、たとえば、100以上400以下であり、好ましくは、150~300、より好ましくは、200~300、さらに好ましくは、200~250である。 塩分を配合したグミキャンディにおけるゼラチンの添加量は、特に限定されないが、一態様において、グミの質量に対して、3~20質量%であり、好ましくは、3~15質量%、3~11質量%、より好ましくは、4~10質量%、さらに好ましくは、5~9質量%、さらにより好ましくは、6~8質量%である。また、別の態様において、塩分を配合したグミキャンディにおけるゼラチンの添加量は、グミの質量に対して、2~17質量%であり、好ましくは、3~15質量%、より好ましくは、4~13質量%、さらに好ましくは、5~11質量%、さらにより好ましくは、6~9質量%である。 塩分を配合したグミキャンディに含まれるゼラチンは、コラーゲンペプチドと共に3次元網目構造、即ち、ゲル構造を形成しており、グミキャンディの内部の水は当該ゲル構造の溶媒として存在し、グミキャンディの内部の塩類は水に溶解している。 「コラーゲンペプチド」:本明細書において、「コラーゲンペプチド」は、コラーゲン又はゼラチンを加水分解することで得られる低分子化された可溶性タンパク質である。加水分解の手段としては、酸、アルカリ及び酵素等による公知の処理を挙げることができる。 コラーゲンペプチドを得るためにゼラチンまたはコラーゲンを加水分解プロセス、特に酵素加水分解に供すると、使用するコラーゲンの種類および由来、ならびに酵素の条件に応じて様々な組成および用途特性のコラーゲン加水分解物を製造することができる。なお、これらのコラーゲン加水分解物は、分子量が特定のサイズ範囲内に分布するペプチドの混合物である。 コラーゲンペプチドの由来原料としては、鳥や、豚、牛、魚などを用いることができるが特に限定はされない。これらの1種又は2種以上を原材料として用いることができる。 また、人工的に合成したコラーゲンペプチドを用いることもできる。コラーゲンペプチドは、市販のコラーゲンペプチドを用いてもよい。 コラーゲンペプチドは1種のコラーゲンペプチドを単独で用いてもよく、2種以上のコラーゲンペプチドを組み合わせて用いてもよい。 コラーゲンペプチドの調製に用いる酵素としては、コラーゲン又はゼラチンのペプチド結合を切断することができるものであればよく、例えば、コラゲナーゼ、パパイン、ブロメライン、アクチニジン、フィシン、カテプシン、ペプシン、キモシン、トリプシン、及びこれらの酵素を混合した酵素製剤等が挙げられる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などを用いることができる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。 塩分を配合したグミキャンディには、加水分解されたコラーゲンペプチドの水溶液をそのまま使用してもよいし、乾燥等により粉末化したものを用いてもよい。また、当該水溶液に通常の精製処理を施したものを水溶液の形態で用いたり、更に水分を除去して粉末等の形態として用いたりしてもよい。 コラーゲンペプチドの質量平均分子量は、10000以下であり、好ましくは、6000以下であり、さらに好ましくは、5000~1000である。 塩分を配合したグミキャンディにおけるコラーゲンペプチドの添加量は、1~15質量%であり、好ましくは、1~13質量%、より好ましくは、1~12質量%、さらに好ましくは、1~11質量%、さらにより好ましくは、1~10質量%である。コラーゲンペプチドの添加量は、食塩やゼラチンの添加量に応じて、任意に調整することが可能である。 「塩類」:本明細において、「塩類」は、一態様として、無機塩類であり、食塩をはじめとする食用の塩として流通しているものであればよく、天然塩、すなわち海塩や岩塩など、いずれも用いることができる。なお、食塩とは、化学的には塩化ナトリウムである。また、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなども同様に用いることができる。 その他の態様として、「塩類」は、天然塩、海塩、岩塩、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、又は硫酸カルシウムではない。 塩分を配合したグミキャンディの塩類の添加量としては、グミの質量に対して、好ましくは、1~6質量%であり、より好ましくは、1~5質量%であり、さらに好ましくは、1~4質量%であり、さらにより好ましくは、1~3質量%である。塩分を配合したグミキャンディの塩分濃度は、好ましくは、グミキャンディに含まれる水の質量に対して0.1~36質量%である。 また、一の態様において、塩分を配合したグミキャンディのコラーゲンペプチドと塩類の添加量は、コラーゲンペプチドの添加量が1~10質量%であり、塩類の添加量が1~4質量%であり、かつ、随意により、コラーゲンペプチドの添加量(X)と塩類の添加量(Y)の関係が下式(I)で示される範囲である。 Y≦0.5X+1.5・・・・(I) さらに、塩分を配合したグミキャンディのコラーゲンペプチドと塩類の添加量は、より好ましくは、コラーゲンペプチドの添加量が1~10質量%であり、塩類の添加量が1~3質量%であり、かつ、随意により、コラーゲンペプチドの添加量(X)と塩類の添加量(Y)の関係が式(I)で示される範囲であ