JP-2026076613-A - 乳化組成物および乳化組成物の物性改良剤
Abstract
【課題】 高水分の乳化組成物であっても冷凍・解凍した際のかたさが適度にやわらかく、また解凍後にクリームがダレにくいように物性改良できる改良剤および改良された乳化組成物を提供する。 【解決手段】二糖糖アルコールを25~80重量%含有する糖アルコールを乳化組成物の4重量%以上となるように用いる。該糖アルコールは、乳化組成物の物性改良剤として好適に用いることができる。 【選択図】なし
Inventors
- 奥山 美咲
- 副島(伊藤) 友紀
Assignees
- 三菱商事ライフサイエンス株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (6)
- 糖アルコールを含有する乳化組成物であって、糖アルコールの含有量が該乳化組成物の4重量%以上であり、該糖アルコールが二糖糖アルコールを25~80重量%含有する糖アルコールである乳化組成物。
- 二糖糖アルコールが、マルチトールおよび/またはイソマルチトールである請求項1に記載の乳化組成物。
- 糖アルコールが単糖糖アルコールを50重量%以下含有する糖アルコールである請求項1に記載の乳化組成物。
- 乳化組成物中の水分含量が、35%以上である、請求項1に記載の乳化組成物。
- 二糖糖アルコールの含有量が25~80重量%である糖アルコールを有効成分とする乳化組成物の物性改良剤。
- 二糖糖アルコールを25~80重量%含有する糖アルコールを該乳化組成物の4重量%以上となるように用いる、乳化組成物の冷凍時または解凍後の物性を改良する方法。
Description
特許法第30条第2項適用申請有り 月刊フードケミカル2024年9月号Vol.40,No.9、株式会社食品化学新聞社、2024年9月1日発行 本発明は、冷凍してもやわらかなテクスチャーを有する乳化組成物および、乳化組成物の冷凍時または解凍後の物性改良および物性改良された乳化組成物に関する。 近年、輸送業界の温度管理の高度化やフードロスの観点から、通常0℃以上で喫食するデザート類も冷凍保存、冷凍輸送されることが多くなってきている。このような冷凍保存されるデザート類は、冷凍スイーツなどと呼ばれることもあり冷凍のまま喫食されることもあるが、これらの食品においては、クリームが冷凍により硬くなるため、そのままの冷凍状態では固すぎて喫食に適さないことがある。このような場合は、保存状態の氷点下温度より、やや高い温度帯(例えば0~10℃)で維持し、解凍がすすみつつも氷点下部分を一部有した状態の、いわゆる半解凍状態か、冷蔵温度帯の状態まで解凍されたのちに喫食されるが、解凍時間を長くとらなくてはいけないことが課題となっている。 一方、冷凍保管され、その後、冷凍温度域からチルド温度域で喫食する食品のクリームやフィリングは、そのかたさが喫食に適切な軟らかさとなるように配合、特に油脂成分や油脂含量が調整されることがある。しかし、フレッシュであっさりとしたクリームが好まれるデザート類の場合、油脂含量は高くしないことが多く、その場合、相対的に水分含量が高くなる。このような水分含有量が高い乳化組成物では冷凍したクリーム類のかたさは固くなりやすく、半解凍でも喫食には適さない場合もあり、デザートとして好ましい温度に維持しつつも、完全に解凍するために長時間を要することから、高水分の乳化組成物でも冷凍温度帯で適切な柔らかさ又は短時間の解凍でもやわらかくなる乳化物が望まれている。 このような乳化物において、糖アルコール、特にソルビトールを用いると冷凍時にやわらかな食感となることが知られている。例えば、冷凍解凍耐性のあるクリーム状組成物として、油脂8~60%、糖アルコール類5~50%、無脂固形物2~18%及び有効量の乳化剤、増粘剤、風味料と水を含み、該水対糖アルコールの重量比が1対0.1~1.5である、ホイップ後冷凍を行っても冷凍前の物性を損なうことのない起泡性水中油型乳化組成物が知られており、糖アルコールとしてソルビトールを用いた例が開示されている(特許文献1)。しかしながらこの乳化組成物について、糖アルコールの種類による解凍状態の差は確認されていない。 また、油分含量が31~60質量%、且つ、対水糖濃度が100~300質量%のフィリングクリームにおいて、単糖アルコールと二糖アルコールの含量の総和が65~100質量%であると水中油型フィリングクリームが、冷凍温度域でもソフトでなめらかな食感であり、冷凍温度からチルド温度域までかたさと甘味の感じ方が良好であることが知られている(特許文献2)。しかし、この乳化物は、油分含量が高い範囲で、つまり相対的に水分含量が少ない系において対水糖濃度を一定範囲に調整することで、課題解決を試みるものであり、高水分の乳化物における課題には適用できなかった。 特開昭57-47457号公報特開2024-7297号公報 以下、本発明について詳細に説明する。本発明における乳化組成物は、デザートやスイーツ、パンや菓子などに用いられるクリーム類を指し、例えば、生クリーム、ホイップクリーム、コンパウンドクリーム、チーズクリーム、チョコクリーム、フィリングなどが挙げられ、動物性脂肪を含むものであっても、植物性脂肪を含むものであっても、これらの混合でもよい。例えば動物性脂肪としては、牛、ヤギ等の動物由来の乳の乳脂肪が挙げられ、成分調整されたものでもされていないものでも使用できる。また、植物性脂肪としては、従来クリームに用いられるものであればいずれでもよく、水素添加されたものや化学修飾されたものでもよい。 また、本発明に用いられる糖アルコールは、乳化組成物の全体量の4重量%以上用いればよく、好ましくは8重量%以上、さらに好ましくは12重量%以上で用いると本発明の効果をより高く得ることができる。 なお本発明における糖アルコールは、澱粉分解物を水素化(還元)して得られるものを指し、澱粉の分解の程度や分解方法により含有する成分や含有量が様々な種類の糖アルコールのいずれでもよいが、二糖糖アルコールを糖アルコール中の25~80重量%、好ましくは30~70重量%、より好ましくは30~60重量%含むものを用いる。二糖糖アルコールとしては、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、イソマルト(グルコピラノシル-1,6-ソルビトール及びグルコピラノシル-1,6-マンニトール)などが挙げられるが、好ましくはマルチトール、イソマルチトールが挙げられ、特に好ましくはマルチトールである。 また、本発明の糖アルコールは、二糖糖アルコールのほかに、その他の種類の糖アルコールを含んでも良く、例えば、単糖糖アルコールであるソルビトールや、3糖糖アルコールのマルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール、さらに、4糖以上(重合度4以上)の糖類の糖アルコール、つまりオリゴ糖アルコールを含んでも良く、これらの混合物である還元水あめや、ソルビトールシロップ、マルチトールシロップ、これらの混合シロップなどを用いてよい。 単糖糖アルコールを多く含むと従来知られた通り冷凍時にも柔らかい食感とすることができるが、解凍時にダレやすくなるため、該単糖糖アルコールが糖アルコール中の50重量%以下であると本発明の効果を得やすい。 また、3糖糖アルコールと4糖以上のオリゴ糖アルコール(これを合わせて3糖以上の糖アルコールということもある)を60%以下としたものであってもよい。 なお、糖アルコール中の各種糖アルコールの含量は、従来知られた液体クロマトグラフィによる分析でその含量を測定できる。 また、各種の糖アルコールの高純度品や混合品をそれぞれ別に用意し、所望の各糖アルコール含量となるように混合調整したものでもよい。さらに、これらの糖アルコールは液体状でも粉末状でもよいが、液体状の場合、水を除いた固形分重量で乳化組成物中の含量を表す。 本発明において二糖糖アルコールを糖アルコール中の25~80重量%含む糖アルコールは、乳化組成物の物性改良剤としても用いることができる。 本発明の物性改良剤を、乳化組成物における糖質の一部または全部として乳化組成物中に4重量%以上含有させる方法は、該乳化組成物の物性を改良する方法として好適に用いることができる。 本発明の乳化物は、本発明の効果を奏する限り、糖アルコール以外の糖質・糖類、人工甘味料、増粘多糖類、タンパク質、乳化剤、塩類、香料、着色料、保存料などを含有してもよいし、具材として果物や種実類を、カット状やペースト状などで含有させてもよい。また、甘味として糖アルコールのみで足りない場合は、砂糖や高甘味度甘味料を併用して良いが、砂糖やトレハロースなどの糖アルコールではない糖類を併用する場合は、乳化組成物全体の30%以下にすることが冷凍時のかたさの観点から好ましい。 本発明の乳化組成物は、水分含量が35%以上、より好ましくは40重量%以上であると本発明の効果が顕著となる。水分含量としては含まれる水分の総量であってホエー、その他水性添加物由来や液状の糖アルコールに含まれる水を総合した重量で表す。 本発明の乳化組成物は、冷凍保存可能であり、冷凍温度は食品の冷凍保管に適した範囲であれば、いずれでも構わない。また、解凍する場合は解凍できる温度であれば特に限定されないが、たとえば0~25℃、好ましくは1~10℃であるが、これらに限定されない。 また本発明の乳化組成物は、冷凍時にもやわらかい食感を有しながら、解凍後はやわらかくなりすぎてダレることなく一定の保形性を維持することが出来、例えば異なるフレーバーや着色のクリームで層を作る場合に境界明瞭とすることやクリームで細かな造形をとることができる。また、乳化組成物の解凍時の水分分離の抑制効果も期待できる。つまり、同じ解凍時間でも、本発明の糖アルコールを所定量用いないものと比べ、喫食に適したやわらかさの乳化組成物とすることができることから、短時間の解凍時間で済む又は半解凍でも喫食できるやわらかさとすることが出来、解凍後短時間でも喫食に適したやわらかさでその他の品質も向上した乳化組成物を得ることができる。