JP-2026076615-A - 損傷検査方法
Abstract
【課題】損傷部位を精度良く検出可能な損傷検査方法を提供する。 【解決手段】被検査対象に対して赤外線撮像装置を相対的に移動させながら逐次撮像することで、複数の熱画像を取得するステップST1と、複数の熱画像毎に、温度プロファイルを抽出するステップST2と、温度プロファイルを平均化することで、平均温度プロファイルを算出するステップST3と、平均温度プロファイルに基づいて、隣接する評価点の温度差分dTを算出するステップST4と、温度差分dTの絶対値がしきい値Raを超える評価点を損傷部位候補Paとして特定するステップST5と、温度差分dTの絶対値がしきい値Rb1以下である評価点を健全部位として特定するステップST6と、損傷部位候補Paに対応する平均温度と、健全部位温度平均値Tpとの差の絶対値が、所定のしきい値Rb2を超える損傷部位候補Paを損傷部位として特定するステップST7と、を有する。 【選択図】 図1
Inventors
- 上田 秀樹
- 牧野 泰三
- 島貫 広志
- 白水 浩
Assignees
- 日本製鉄株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (2)
- 被検査対象に対して赤外線撮像装置を相対的に移動させながら、前記被検査対象を逐次撮像することで、前記被検査対象の温度分布を示す複数の熱画像を取得する熱画像取得ステップと、 前記複数の熱画像毎に、前記被検査対象の同じ仮想線分に対応する前記熱画像における評価線分上の温度分布である温度プロファイルを抽出する温度プロファイル抽出ステップと、 前記複数の熱画像毎に抽出した前記温度プロファイルを平均化することで、前記評価線分上の平均温度分布である平均温度プロファイルを算出する平均温度プロファイル算出ステップと、 前記平均温度プロファイルに基づいて、前記評価線分上に位置する隣接する評価点の温度差分dTを算出する温度差分算出ステップと、 前記温度差分dTの絶対値が、所定のしきい値Raを超える場合に、当該温度差分dTに対応する前記評価点を損傷部位候補Paとして特定する損傷部位候補特定ステップと、 前記温度差分dTの絶対値が、前記しきい値Raよりも小さい所定のしきい値Rb1以下である場合に、当該温度差分dTに対応する前記評価点を健全部位として特定する健全部位特定ステップと、 前記平均温度プロファイルにおける前記健全部位に対応する平均温度の平均値を健全部位温度平均値Tpとし、前記平均温度プロファイルにおける前記損傷部位候補Paに対応する平均温度と、前記健全部位温度平均値Tpとの差の絶対値が、所定のしきい値Rb2を超える場合に、前記損傷部位候補Paを損傷部位として特定する損傷部位特定ステップとを、を有する、 損傷検査方法。
- 前記温度プロファイル抽出ステップにおいて、前記被検査対象の複数の前記仮想線分にそれぞれ対応する前記熱画像における複数の前記評価線分毎に、前記温度プロファイルを抽出し、 前記平均温度プロファイル算出ステップにおいて、複数の前記評価線分毎に、前記平均温度プロファイルを算出し、 前記温度差分算出ステップにおいて、複数の前記評価線分毎に、前記温度差分dTを算出し、 前記損傷部位候補特定ステップにおいて、複数の前記評価線分毎に、絶対値が前記しきい値Raを超える前記温度差分dTが存在するか否かを判定し、 前記損傷部位候補特定ステップにおいて、絶対値が前記しきい値Raを超える前記温度差分dTが存在する前記評価線分については、当該温度差分dTに対応する前記評価点を損傷部位候補Paとして特定した後、前記健全部位特定ステップ及び前記損傷部位特定ステップを実行し、 前記損傷部位候補特定ステップにおいて、絶対値が前記しきい値Raを超える前記温度差分dTが存在しない前記評価線分については、損傷部位が存在しないと判定した後、前記健全部位特定ステップ及び前記損傷部位特定ステップを実行しない、 請求項1に記載の損傷検査方法。
Description
本発明は、被検査対象に対して赤外線撮像装置を相対的に移動させながら、被検査対象を逐次撮像することで取得した複数の熱画像を用いて、被検査対象に存在するき裂等の損傷部位を検出可能な損傷検査方法に関する。特に、本発明は、被検査対象に強制的に応力変動を生じさせるという制約がなく、被検査対象に存在する損傷部位を精度良く検出可能な損傷検査方法に関する。 従来、被検査対象に対して赤外線撮像装置を相対的に移動させながら、被検査対象を逐次撮像することで取得した複数の熱画像を用いて、被検査対象に存在するき裂等の損傷部位を検出する方法として、例えば、特許文献1に記載の方法が提案されている。 特許文献1に記載の方法は、移動荷重を生じさせる移動体(トロリ)が走行する構造物(ガーダ)の欠陥を検出する構造物の欠陥検出方法であって、移動体に赤外線撮像装置を設置し、その赤外線撮像装置によって、移動体が走行することにより応力変動が生じている構造物を撮像して、構造物の表面の温度分布変動を熱画像として計測し、これにより構造物に存在する欠陥を検出する方法である。 すなわち、特許文献1に記載の方法では、赤外線撮像装置が移動している最中に、被検査対象である構造物に強制的に応力変動を生じさせることが、損傷部位である欠陥を検出するための前提条件となっている。このため、被検査対象が、移動荷重を生じさせる移動体が走行する構造物である荷役機械などに制限されるという問題がある。 特開2008-8705号公報 本発明の一実施形態に係る損傷検査方法のステップを概略的に示すフロー図である。図1に示す熱画像取得ステップST1の概要を模式的に説明する図である。図1に示す熱画像取得ステップST1で取得した1枚目の熱画像の一例を示す。図1に示す温度プロファイル抽出ステップST2で抽出される、ラインAに対応する評価線分上の温度プロファイルの例を示す図である。図1に示す平均温度プロファイル算出ステップST3で算出される、ラインAに対応する評価線分上の平均温度プロファイルの例を示す図である。ラインAに対応する評価線分について、図1に示す温度差分算出ステップST4、損傷部位候補特定ステップST5及び健全部位特定ステップST6を実行した結果の例を示す図である。ラインAに対応する評価線分について、図1に示す損傷部位特定ステップST7を実行した結果の例を示す図である。図1に示す温度プロファイル抽出ステップST2で抽出される、ラインBに対応する評価線分上の温度プロファイルの例を示す図である。図1に示す平均温度プロファイル算出ステップST3で算出される、ラインBに対応する評価線分上の平均温度プロファイルの例を示す図である。ラインBに対応する評価線分について、図1に示す損傷部位候補特定ステップST5を実行した結果の例を示す図である。 以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る損傷検査方法について説明する。 図1は、本実施形態に係る損傷検査方法のステップを概略的に示すフロー図である。 図1に示すように、本実施形態に係る損傷検査方法は、熱画像取得ステップST1と、温度プロファイル抽出ステップST2と、平均温度プロファイル算出ステップST3と、温度差分算出ステップST4と、損傷部位候補特定ステップST5と、健全部位特定ステップST6と、損傷部位特定ステップST7と、を有する。以下、各ステップについて順に説明する。 <熱画像取得ステップST1> 図2は、熱画像取得ステップST1の概要を模式的に説明する図である。図2(a)は熱画像取得ステップST1を実行するための装置構成の概要を模式的に示す図である。図2(b)は熱画像取得ステップST1で逐次取得される熱画像を模式的に示す図である。 熱画像取得ステップST1では、図2(a)に示すように、被検査対象(図2(a)に示す例では、溶接継手)に対して赤外線撮像装置を相対的に移動させながら、被検査対象を逐次撮像することで、被検査対象の温度分布を示す複数の熱画像を取得する。取得した複数の熱画像は、図2(a)に示す画像処理装置に入力される。画像処理装置は、例えば、所定の画像処理ソフトウェアやプログラムがインストールされ、画像処理や各種の演算処理を実行可能なコンピュータから構成される。 図2(a)に示す例では、被検査対象を静止させる一方、赤外線撮像装置を移動式台車に載置し、被検査対象に対して一方向(X方向)に移動させている。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、赤外線撮像装置を静止させる一方、被検査対象を移動させたり、赤外線撮像装置及び被検査対象の双方を移動(例えば、逆方向に移動)させながら、被検査対象を逐次撮像することも可能である。 赤外線撮像装置の相対的移動速度は、被検査対象の検査領域の大きさにもよるが、最大で1000mm/secの速度であることが好ましい。また、赤外線撮像装置のフレームレートは、3フレーム/sec以上であることが好ましく、より好ましくは10フレーム/sec以上である。さらに、赤外線撮像装置の撮像分解能は、5.0mm/画素以下であることが好ましい。 なお、熱画像取得ステップST1を実行する際、被検査対象には、人工的な熱負荷を与える必要はなく、太陽光による熱や周囲の環境熱が与えられればよい。ただし、例えば、ハロゲンランプ等を用いて熱負荷を与えることも可能である。 ここで、図2(a)に示すように、被検査対象において、2つの仮想線分(ラインA、ラインB)を設定することを考える。図2(a)に示すラインAは、損傷部位であるき裂を通る仮想線分であり、ラインBは、損傷部位であるき裂を通らない仮想線分である。 図2(b)に示すように、熱画像取得ステップST1において、計n枚の熱画像を逐次取得することを考える。そして、図2(b)に示すように、1枚目の熱画像において、仮想線分であるラインA、ラインBにそれぞれ対応する評価線分がラインA1、ラインB1であり、m(1<m<n)枚目の熱画像において、仮想線分であるラインA、ラインBにそれぞれ対応する評価線分がラインAm、ラインBmであり、n枚目の熱画像において、仮想線分であるラインA、ラインBにそれぞれ対応する評価線分がラインAn、ラインBnであるとすると、各熱画像における評価線分は、前記一方向(X方向)の逆方向に移動することになる。そして、フレームレートに従って連続的に複数の熱画像を取得するとすれば、取得される各熱画像間における評価線分の移動量は、赤外線撮像装置の相対的移動速度、フレームレート、撮像分解能によって決まる。 図3は、熱画像取得ステップST1で取得した1枚目の熱画像の一例を示す。なお、図3に示す熱画像は、以下の検査条件の場合に取得したものである。 [検査条件] (1)被検査対象:図2(a)に示すような、板厚2.6mmの鋼板を2枚重ねてアーク溶接した重ね継手であって、一方の鋼板に損傷部位としてのき裂が存在しているもの。 (2)赤外線撮像装置の相対的移動速度:図2(a)に示すように、赤外線撮像装置を移動式台車に載置してX方向に12mm/secの相対的移動速度で移動させた。 (3)赤外線撮像装置のフレームレート:10フレーム/sec (4)赤外線撮像装置の撮像分解能:0.6mm/画素 (5)赤外線撮像装置の撮像時間:1sec(フレームレートに従って連続的に撮像) 上記の検査条件によれば、取得される各熱画像間において、赤外線撮像装置は1.2mm移動する(12[mm/sec]/10[フレーム/sec]=1.2[mm/フレーム])ため、各熱画像間における評価線分の移動量は、1.2mm(=2画素相当)となる。 <温度プロファイル抽出ステップST2> 温度プロファイル抽出ステップST2では、図1に示す画像処理装置を用いて、図2(b)や図3に示すような複数の熱画像毎に、被検査対象の同じ仮想線分に対応する熱画像における評価線分上の温度分布である温度プロファイルを抽出する。 具体的には、本実施形態では、画像処理装置を用いて、1枚目の熱画像に対して、被検査対象の仮想線分(ラインA、ラインB)に対応する評価線分(ラインA1、ラインB1)を設定し、この評価線分上の温度分布である温度プロファイルを抽出する。次に、2枚目以降の各熱画像に対しても、まず最初に、1枚目の熱画像の評価線分(ラインA1、ラインB1)と同じ位置の線分(各熱画像における座標が1枚目の熱画像の評価線分と同じ線分)上の温度プロファイルを抽出する。このようにして抽出した温度プロファイルは、2枚目以降の各熱画像については、被検査対象の仮想線分(ラインA、ラインB)の位置に対応するものではなく、赤外線撮像装置の相対的移動方向(X方向)に位置ずれした線分上の温度プロファイルである。このため、この位置ずれを補正する(位置調整を行う)ことで、2枚目以降の熱画像についても、被検査対象の仮想線分(ラインA、ラインB)に対応する評価線分上の温度プロファイルを抽出する。 以下では、まず最初に、ラインAに対応する評価線分について実行する内容を説明し、その後、ラインBに対応する評価線分について実行する内容を説明する。 図4は、前述の検査条件の場合に、温度プロファイル抽出ステップST2で抽出される、ラインAに対応する評価線分上の温度プロファイルの例を示す図である。図4(a)は1~3枚目の熱画像について抽出される位置ずれを補正する前の温度プロファイルを、図4(b)は1~3枚目の熱画像について抽出される位置ずれを補正した後の温度プロファイルを示す。図4(a)の横軸は、位置ずれを補正する前であるため、何れの温度プロファイルについても、1枚目の熱画像の評価線分(ラインA1)上の位置(図2(a)に示すラインAの左端に対応する図2(b)に示すラインA1の左端からの距離)となる。図4(b)の横軸は、位置ずれを補正した後であるため、何れの温度プロファイルについても、ラインAに対応する評価線分(1枚目の熱画像についてはラインA1、2枚目の熱画像についてはラインA2、3枚目の熱画像についてはラインA3)上の位置(各ラインA1~A3の左端からの距離)となる。図4(a)と図4(b)とを比較すれば分かるように、1枚目の熱画像については、温度プロファイルは変わらず、2枚目の熱画像については、補正前後で温度プロファイルは1.2mm(=2画素相当)だけ左側(X方向)に位置調整されており、3枚目の熱画像については、補正前後で温度プロファイルは2.4mm(=4画素相当)だけ左側(X方向)に位置調整されている。 なお、本実施形態では、2枚目以降の各熱画像に対して、まず最初に、1枚目の熱画像の評価線分と同じ位置の線分上の温度プロファイルを抽出し、その後、位置ずれを補正する態様について説明したが、本発明はこれに限るものではない。各熱画像間における評価線分の移動量は、赤外線撮像装置の相対的移動速度、フレームレート、撮像分解能によって予め計算で求めることができるため、最初から被検査対象の仮想線分に対応する各熱画像の評価線分の位置(各熱画像における座標)を求めておき、求めた評価線分上の温度プロファイルを直接抽出する態様を採用することも可能である。 <平均温度プロファイル算出ステップST3> 平均温度プロファイル算出ステップST3では、図1に示す画像処理装置を用いて、図4(b)に示すような複数の熱画像毎に抽出した温度プロファイルを平均化することで、評価線分上の平均温度Taveの分布である平均温度プロファイルを算出する。 図5は、前述の検査条件の場合に、平均温度プロファイル算出ステップST3で算出される、ラインAに対応する評価線分上の平均温度プロファイルの例を示す図である。図4(b)では、1~3枚目の熱画像について抽出された温度プロファイルしか図示していない