JP-2026076616-A - パルスアーク溶接制御方法及びパルスアーク溶接電源
Abstract
【課題】消耗電極パルスアーク溶接において、溶接ワイヤと母材との短絡が発生してもスパッタの発生量が多くなることを抑制して良好な溶接品質を得ること。 【解決手段】ピーク立上り期間、ピーク期間、ピーク立下り期間及びベース期間中の溶接電流Iwの通電を1パルス周期として繰り返し、溶接電圧設定値に基づいてアーク長制御を行って溶接するパルスアーク溶接制御方法において、溶接ワイヤの送給速度Fwを、時刻t2~t3のピーク期間中は正送ピーク値に設定し、時刻t4~t41のベース期間中はベース期間中の特定時点に短絡が発生するように正送ピーク値よりも小さな値のベース期間正送値に設定し、時刻t41に短絡が発生すると逆送ピーク値に設定し、時刻t42に短絡が解除されても逆送ピーク値を維持する。 【選択図】図2
Inventors
- 高田 賢人
Assignees
- 株式会社ダイヘン
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (6)
- 溶接ワイヤを正逆送給し、ピーク立上り期間中はベース電流の値からピーク電流の値へと上昇するピーク立上り電流を通電し、ピーク期間中は前記ピーク電流を通電し、ピーク立下り期間中は前記ピーク電流の値から前記ベース電流の値へと下降するピーク立下り電流を通電し、ベース期間中は前記ベース電流を通電し、これらの溶接電流の通電を1パルス周期として繰り返し、溶接電圧設定値に基づいてアーク長制御を行って溶接するパルスアーク溶接制御方法において、 前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク期間中は正送ピーク値に設定し、前記ベース期間中は短絡が前記ベース期間中の特定時点に発生するように前記正送ピーク値よりも小さな値のベース期間正送値に設定し、前記短絡が発生すると逆送ピーク値に設定し、前記短絡が解除されても前記逆送ピーク値を維持する、ことを特徴とするパルスアーク溶接制御方法。
- 前記ベース期間の開始時点から前記短絡が発生するまでの短絡発生時間を検出し、前記短絡発生時間が前記特定時点を設定する短絡発生時間設定値と等しくなるように前記ベース期間正送値を変調制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のパルスアーク溶接制御方法。
- 前記短絡発生時間設定値を上限値と下限値を有する短絡発生時間設定範囲に設定し、前記短絡発生時間が前記短絡発生時間設定範囲内になるように前記ベース期間正送値を変調制御する、ことを特徴とする請求項2に記載のパルスアーク溶接制御方法。
- 前記短絡が解除されるまでは前記ピーク立上り期間の開始を遅延させる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
- 前記送給速度の平均値が所定値になるように前記正送ピーク値及び/又は前記逆送ピーク値を変調制御する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
- 溶接ワイヤを正逆送給し、ピーク立上り期間中はベース電流の値からピーク電流の値へと上昇するピーク立上り電流を通電し、ピーク期間中は前記ピーク電流を通電し、ピーク立下り期間中は前記ピーク電流の値から前記ベース電流の値へと下降するピーク立下り電流を通電し、ベース期間中は前記ベース電流を通電し、これらの溶接電流の通電を1パルス周期として繰り返し、溶接電圧設定値に基づいてアーク長制御を行って溶接するパルスアーク溶接電源において、 前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク期間中は正送ピーク値に設定し、前記ベース期間中は短絡が前記ベース期間中の特定時点に発生するように前記正送ピーク値よりも小さな値のベース期間正送値に設定し、前記短絡が発生すると逆送ピーク値に設定し、前記短絡が解除されても前記逆送ピーク値を維持する、ことを特徴とするパルスアーク溶接電源。
Description
本発明は、溶接ワイヤを送給して溶接するパルスアーク溶接制御方法及びパルスアーク溶接電源に関する。 溶接ワイヤを送給して溶接するパルスアーク溶接は、鉄鋼等の溶接に使用されている。このパルスアーク溶接では、溶接ワイヤを送給し、ピーク立上り期間中はベース電流の値からピーク電流の値へと上昇するピーク立上り電流を通電し、ピーク期間中はピーク電流を通電し、ピーク立下り期間中はピーク電流の値からベース電流の値へと下降するピーク立下り電流を通電し、ベース期間中はベース電流を通電し、これらの溶接電流の通電を1パルス周期として繰り返して溶接が行われる。パルスアーク溶接では、1パルス周期1溶滴移行状態にすることによって、スパッタの発生が少なく、美しいビード外観を得ることができる。 特許文献1の発明では、ピーク期間中の第1の時点からベース期間中の第2の時点までの所定期間の間は、溶接ワイヤの送給速度を、ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、溶接ワイヤを溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送としている。 特許第6123069号公報 本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接制御方法を示す図1の溶接装置における各信号のタイミングチャートである。同図は、溶接電圧設定信号Vrの値が基準電圧設定信号Vsrの値よりも小さい値の場合である。本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接制御方法を示す図1の溶接装置における各信号のタイミングチャートである。同図は、溶接電圧設定信号Vrの値が基準電圧設定信号Vsrの値よりも大きい値の場合である。 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 図1は、本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。溶接装置は、主に破線で囲まれたパルスアーク溶接電源PS、ロボット制御装置RC、ロボット(図示は省略)等から構成されている。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。 パルスアーク溶接電源PSは、以下の各ブロックから構成されている。 電力制御回路MCは、3相200V等の交流商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、溶接に適した溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを出力する。この電力制御回路MCは、図示は省略するが、交流商用電源を整流する1次整流回路、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を駆動信号Dvに従って高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧するインバータトランス、降圧された高周波交流を整流する2次整流回路を備えている。 リアクトルWLは、上記の電力制御回路MCの+側出力と溶接トーチ4との間に挿入されており、電力制御回路MCの出力を平滑する。 送給モータWMは、後述する送給制御信号Fcによって回転駆動される。溶接ワイヤ1は、上記の送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を通って送給速度Fwで正逆送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。送給モータWM及び溶接トーチ4は、ロボットに搭載されている。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間に溶接電圧Vwが印加され、溶接電流Iwが通電する。 溶接電流平均値設定回路IARは、予め定めた溶接電流平均値設定信号Iarを出力する。送給速度平均値設定回路FARは、上記の溶接電流平均値設定信号Iarに対応した送給速度平均値設定信号Farを出力する。基準電圧設定回路VSRは、上記の溶接電流平均値設定信号Iarに対応した適正なアーク長を設定するための基準電圧設定信号Vsrを出力する。 電圧微調整回路DVRは、予め定めた電圧微調整信号Dvrを出力する。電圧微調整信号Dvrの値は、例えば-5V~+5Vの範囲の実数である。溶接電圧設定回路VRは、上記の基準電圧設定信号Vsr及び上記の電圧微調整信号Dvrを入力として、両値を加算して、溶接電圧設定信号Vrを出力する。したがって、溶接電圧設定信号Vrは、溶接電流平均値設定信号Iarによって一元設定される基準電圧設定信号Vsrの値を電圧微調整信号Dvrの値によって微調整された信号である。 溶接電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、溶接電圧検出信号Vdを出力する。溶接電圧平均化回路VAVは、この溶接電圧検出信号Vdを平均化(ローパスフィルタを通す)して、溶接電圧平均値信号Vavを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の溶接電圧設定信号Vr(+)と上記の溶接電圧平均値信号Vav(-)との誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。 電流変調回路ICは、上記の電圧誤差増幅信号Evを入力として、PI(比例・積分)制御又はPID(比例・積分・微分)制御を行い、ピーク電流設定信号Ipr及びベース電流設定信号Ibrを出力する。この回路によって溶接電圧平均値信号Vavが溶接電圧設定信号Vrと等しくなるようにピーク電流設定信号Ipr及びベース電流設定信号Ibrが電流変調制御される。この結果、アーク長が適正値に維持されるようにアーク長制御が行われる。ピーク電流設定信号Iprのみを電流変調制御して、ベース電流設定信号Ibrは所定値としても良い。 短絡判別回路SDは、上記の溶接電圧検出信号Vdを入力として、この値が短絡判別値(10V程度)未満のときは短絡期間であると判別してHighレベルとなり、短絡判別値以上のときはアーク発生期間にあると判別してLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。 短絡期間ベース電流設定回路IBSは、予め定めた短絡期間ベース電流設定信号Ibsを出力する。短絡期間ベース電流設定信号Ibsの値は、アーク発生期間中のベース電流設定信号Ibrの値以下に設定され、例えば30~50Aである。 ピーク立上り期間設定回路TURは、予め定めたピーク立上り期間設定信号Turを出力する。ピーク期間設定回路TPRは、予め定めたピーク期間設定信号Tprを出力する。ピーク立下り期間設定回路TKRは、予め定めたピーク立下り期間設定信号Tkrを出力する。 ベース期間設定回路TBRは、上記の電圧微調整信号Dvrを入力として、下式の演算を行い、ベース期間設定信号Tbrを出力する。したがって、溶接電圧設定信号Vrの値が基準電圧設定信号Vsrの値と等しいときはベース期間設定信号Tbrの値を基準ベース期間に設定し、溶接電圧設定信号Vrの値が基準電圧設定信号Vsrの値よりも小さい値であるときはベース期間設定信号Tbrの値を基準ベース期間よりも長くし、溶接電圧設定信号Vrの値が基準電圧設定信号Vsrの値よりも大きい値であるときはベース期間設定信号Tbrの値を基準ベース期間よりも短くする。 Tbr=(基準ベース期間)+Dvr×K 但しKは定数であり、例えばDvr<0のときはK=-0.4であり、Dvr>0のときは-0.2である。例えば基準ベース期間=3msとすると、Dvr=-5VのときはTbr=5msとなり、Dvr=+5VのときはTbr=2msとなる。 溶接電流設定回路IRは、後述する第1早期期間設定信号Ta1r、上記の短絡判別信号Sd、上記の短絡期間ベース電流設定信号Ibs、上記のピーク立上り期間設定信号Tur、上記のピーク期間設定信号Tpr、上記のピーク立下り期間設定信号Tkr、上記のベース期間設定信号Tbr、上記のピーク電流設定信号Ipr及び上記のベース電流設定信号Ibrを入力として、以下の処理を行ない、溶接電流設定信号Ir及びタイマ信号Tmを出力する。 1)ピーク立上り期間設定信号Turによって定まるピーク立上り期間Tu中はタイマ信号Tm=1を出力し、ベース電流設定信号Ibrの値からピーク電流設定信号Iprの値へと上昇するピーク立上り電流Iuを溶接電流設定信号Irとして出力する。 2)続けて、ピーク期間設定信号Tprによって定まるピーク期間Tp中はタイマ信号Tm=2を出力し、ピーク電流設定信号Iprを溶接電流設定信号Irとして出力する。 3)続けて、ピーク立下り期間設定信号Tkrによって定まるピーク立下り期間Tk中はタイマ信号Tm=3を出力し、ピーク電流設定信号Iprの値からベース電流設定信号Ibrの値へと下降するピーク立下り電流Ikを溶接電流設定信号Irとして出力する。 4)続けて、ベース期間設定信号Tbrによって定まるベース期間Tb中はタイマ信号Tm=4を出力し、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク発生期間)のときはベース電流設定信号Ibrの値となり、Highレベル(短絡期間)のときは短絡期間ベース電流設定信号Ibsの値となる溶接電流設定信号Irを出力する。但し、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)からLowレベル(アーク発生期間)に変化した時点から第1早期期間設定信号Ta1rによって定まる期間が経過するまではベース期間Tbを延長する。 5)上記の1)~4)を繰り返す。 送給速度変調回路WCは、上記の送給速度平均値設定信号Far及び後述する送給速度平均値検出信号Fadを入力として、両値の誤差増幅信号に基づいて変調制御を行い、正送ピーク値設定信号Wsr及び逆送ピーク値設定信号Wrrを出力する。この回路によって送給速度平均値検出信号Fadの値は送給速度平均値設定信号Farの値と等しくなるように変調制御される。正送ピーク値設定信号Wsr又は逆送ピーク値設定信号Wrrの一方を変調制御するようにしても良い。この場合、変調制御しないパラメータは所定値に設定される。 短絡発生時間検出回路TSDは、上記のタイマ信号Tm及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、タイマ信号Tm=4(ベース期間)に変化した時点から短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化するまでの短絡発生時間を検出して、短絡発生時間検出信号Tsdを出力する。ここで、短絡発生時間の移動平均値を算出して短絡発生時間検出信号Tsdとしても良い。 短絡発生時間設定回路TSRは、ベース期間中の特定時点を設定するための短絡発生時間設定信号Tsrを出力する。ここで、短絡発生時間設定信号Tsrを、上限値と下限値を有する設定範囲の信号としても良い。 ベース期間正送値設定回路WBRは、上記の短絡発生時間検出信号Tsd及び上記の短絡発生時間設定信号Tsrを入力として、両値の誤差増幅値に基づいて以下の1)又は2)のいずれかの変調制御を行い、ベース期間正送値設定信号Wbrを出力する。この回路によって、短絡がベース期間中の特定時点に発生するように、正送ピーク値設定信号Wsrの値よりも小さな値の範囲内でベース期間正送値設定信号Wbrが変調制御される。 1)短絡発生時間検出信号Tsdの値が短絡発生時間設定信号Tsrの値と等しくなるようにベース期間正送値設定信号Wbrの値を変調制御する。 2)短絡発生時間設定信号Tsrが設定範囲であるときは、短絡発生時間検出信号Tsdの値が短絡発生時間設定信号Tsrの上限値と下限値との設定範囲内になるようにベース期間正送値設定信号Wbrの値を変調制御する。 溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の溶接電流設定信号Ir(+)と上記の溶接電流検出信号Id(-)との誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。駆動回路DVは、この電流誤差増幅信号Ei及び後述するロボット制御装置RCからの起動信号Onを入力として、起動信号OnがHighレベル(溶接開始)のときは電流誤差増幅信号Eiに基づいてパルス幅変調制御等を行ない上記の電力制御回路MC内のインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力し、起動信号OnがLowレベル(溶接停止)のときは駆動信号Dvを出力しない。 第1遅延期間設定回路TD1Rは、上記の電圧微調整信号Dvr