JP-2026076638-A - 高屈折率硬化性組成物、及び高屈折率硬化物
Abstract
【課題】高屈折率及び熱安定性を両立できる高屈折率硬化物を製造可能な高屈折率硬化性組成物の提供。 【解決手段】金属アルコキシドオリゴマーに配位子を配位させた、下記一般式(1)で表される金属アルコキシドオリゴマー錯体と、無機ナノ粒子と、光重合性化合物と、重合開始剤と、を含有し、前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の金属が第4、5、13、14、15族の金属元素であり、前記金属アルコキシドオリゴマーの数平均分子量が1000以上である高屈折率硬化性組成物である。 【化1】 【選択図】なし
Inventors
- 津田 隼輔
- 山口 沙梨
- 野口 健
- 波木 秀次
Assignees
- デクセリアルズ株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (12)
- 金属アルコキシドオリゴマーに配位子を配位させた、下記一般式(1)で表される金属アルコキシドオリゴマー錯体と、 無機ナノ粒子と、 光重合性化合物と、 重合開始剤と、を含有し、 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の金属が第4、5、13、14、15族の金属元素であり、 前記金属アルコキシドオリゴマーの数平均分子量が1000以上であることを特徴とする高屈折率硬化性組成物。 前記一般式(1)中、Mは金属を表し、Rは各々独立に炭素数が1~18のアルキル基を表し、Lは配位子を表し、nは1以上の整数を表す。
- 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体における前記配位子の含有量が、前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の金属1モルに対し、0.1モル以上3モル以下である請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 前記無機ナノ粒子の粒子径が、1nm以上100nm以下である請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 前記無機ナノ粒子の含有量が、40質量%以上80質量%以下である請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 前記光重合性化合物の含有量が、1質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の含有量が、15質量%以上55質量%以下である請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体(A)と前記光重合性化合物(B)との質量比(A/B)が、50/50~90/10である請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の金属が、チタンである請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 前記無機ナノ粒子が、酸化チタンである請求項1に記載の高屈折率硬化性組成物。
- 請求項1から9のいずれかに記載の高屈折率硬化性組成物を硬化してなることを特徴とする高屈折率硬化物。
- 波長636nmにおける屈折率nが、1.70以上である請求項10に記載の高屈折率硬化物。
- 示差走査熱量測定により測定したガラス転移点が、70℃以上である請求項10に記載の高屈折率硬化物。
Description
本発明は、高屈折率硬化性組成物、及び高屈折率硬化物に関する。 太陽電池、レンズ等の光学素子、コーティング膜等の光学部品において、高い屈折率を有する材料を用いたコーティング、及び高屈折率層用の樹脂組成物が知られている。 これまでに、複合体コーティングにおいて、アクリルまたはメタクリルモノマーまたはオリゴマー由来の繰り返し単位を有する高分子を含む高分子網目構造を有する樹脂、および前記樹脂内に配置された無機ナノ粒子、を含み、1.7超の屈折率および60℃超のガラス転移点を有する複合体コーティングが報告されている(例えば、特許文献1参照)。 特開2019-533040号公報 (高屈折率硬化性組成物) 本実施形態の高屈折率硬化性組成物は、下記一般式(1)で表される金属アルコキシドオリゴマー錯体と、無機ナノ粒子と、光重合性化合物と、重合開始剤と、を含み、更に必要に応じて、溶媒などのその他の成分を含む。 光学製品では光の反射、屈折を利用した技術が多く存在しており、屈折の作用には屈折率が大きく特性に影響する。 非常に高い光学特性が要求される光トランシーバー等に用いられるコリメートレンズについては、ガラスのモールド成形による非球面レンズが主流となっている。屈折率が1.8以上の高屈折率であり、収差が小さい高品質なレンズを生産できることが特徴であるが、ガラスを用いることによる成形プロセスにおける高温及び冷却処理による金型の劣化などの生産コストや光トランシーバー小型化トレンドに伴う小型レンズ設計が困難であることが課題となっている。代替の手法として、樹脂組成物を用いたナノインプリントによる製造プロセスが検討されている。 このような用途に用いる樹脂を高屈折率化するための手法としては、屈折率の高い化学構造を導入する方法がある。化学構造の具体例としては、フェニル基、硫黄などが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、屈折率が高く、剛直な化学構造を多く導入した樹脂単独からなる高屈折率材料では、熱可塑性がなく成型加工が困難となる、光・酸素等による分解で樹脂の劣化が発生しやすくなる等の問題がある(例えば、文献:東工大院理工 東原ら 高分子学会 予稿 2011)。そのため、単独の樹脂で、屈折率1.70以上かつガラス転移点70℃以上を達成することが困難であり、利用可能な樹脂が存在しないのが実情である。 高屈折率化の他の手法としては、樹脂に屈折率の高い金属酸化物ナノ粒子を分散させる方法が報告されている。光学用途で使用する場合、一般的に高透過率が求められることから、光の散乱による透過率低下を抑制するためにナノレベルの金属酸化物粒子を用いることが多い。しかし、一般的に金属ナノ粒子の状態では樹脂への均一な分散が困難であり、凝集による屈折率ムラや透過率の低下が懸念される。また、高屈折率化には金属酸化物ナノ粒子を多量に添加する必要があり、その場合、粘度が上昇してしまったり、熱安定性などの機械物性が低下してしまうという問題がある。 そのため、併用する樹脂自体の高屈折率化や熱安定性の向上が開発課題となり、依然として、高屈折率及び熱安定性を両立できる高屈折率硬化物を製造可能な高屈折率硬化性組成物の開発が求められている。 本発明者らは、前記従来における諸問題を解決し、前記目的を解決すべく、鋭意検討した結果、前記高屈折率硬化性組成物が、高屈折率及び熱安定性を両立できる高屈折率硬化物を製造可能であることを見出し、本発明の完成に至った。 <金属アルコキシドオリゴマー錯体> 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体は、下記一般式(1)で表され、金属アルコキシドオリゴマーに配位子を配位させた錯体化合物である。ここで、「金属アルコキシドオリゴマーに配位子を配位させる」とは、配位子が金属アルコキシドオリゴマー中の金属に配位結合することを意味する。 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の金属が第4、5、13、14、15族の金属元素であり、前記金属アルコキシドオリゴマーの数平均分子量が1000以上である。 前記一般式(1)中、Mは金属を表し、Rは各々独立に炭素数が1~18のアルキル基を表し、Lは配位子を表し、nは1以上の整数を表す。 金属アルコキシドオリゴマーは、例えば、下記式(2)で表される。 前記一般式(2)中、Mは金属を表し、Rは各々独立に炭素数が1~18のアルキル基を表し、Lは配位子を表し、nは1以上の整数を表す。 また、金属アルコキシドオリゴマーに配位子を配位させてオリゴマー錯体を生成する反応は、例えば、下記反応式(3)で表される。 前記反応式(3)中、Mは金属を表し、Rは各々独立に炭素数が1~18のアルキル基を表し、Lは配位子を表し、nは1以上の整数を表す。 金属アルコキシドオリゴマーに配位子を配位させた金属アルコキシドオリゴマー錯体と、光重合性化合物と、を無機ナノ粒子と併用することで、以下の作用及び効果が得られると推定される。すなわち、金属アルコキシドオリゴマー錯体と、光重合性化合物と、の光重合により結着樹脂となる重合物が形成される。この際、金属アルコキシドオリゴマー錯体の配位子が重合性官能基を更に有すると金属アルコキシドオリゴマー錯体が光重合性化合物の重合物に取り込まれる。また加熱処理を行うことで金属アルコキシドオリゴマー錯体における未反応アルコキシドがアルコールとして脱離し、金属アルコキシドオリゴマー同士が三次元架橋を形成することで、重合物の均一性が一層向上する。れにより、金属アルコキシドモノマーやオリゴマーと比較して重合物の均一性が向上し、ガラス転移点が上昇するとともに、屈折率の高い金属元素の存在比が向上することから屈折率が向上した高屈折率硬化物を得ることができる。 有機材料よりも屈折率の高い無機ナノ粒子を併用することにより、高屈折率化できるとともに、金属アルコキシドオリゴマー錯体を含む重合物による屈折率及びガラス転移点の上昇により、比較的に屈折率が低い光重合性化合物の含有量を低減でき、更なる高屈折率及び熱安定性を両立できる高屈折率硬化物を製造することができる。 金属アルコキシドオリゴマーに配位子を配位させた金属アルコキシドオリゴマー錯体の同定方法としては、具体的には、参考文献:J.Materi.Chem.C,2017,5,5487-5493を参照して、フーリエ変換赤外分校装置(FT-IR;例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、Nicolet iS10)を用いて、配位前の金属アルコキシドオリゴマーにおいて観測されるカルボキシ基のカルボニル伸縮振動由来の1710cm-1付近のピークが消失し、配位後のC-O伸縮振動由来の1550cm-1ピークが新たに観測されることを確認することにより同定する方法が挙げられる。 前記一般式(1)、及び一般式(2)において、Mは金属(中心金属)である。 前記Rは、炭素数が1~18のアルキル基であり、炭素数3~4のアルキル基が好ましく、例えば、n-イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが好適に挙げられる。また、各Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。 Oは酸素であり、ORはアルコキシドであり、一部のORはOHであってもよい。nは1以上の整数である。 なお、前記Rの炭素数について、炭素数1又は2であると加水分解縮合反応性が高く、炭素数が増えるに従い加水分解縮合反応性が低くなるため、目的とする反応性や硬化物に応じて適宜選択することができるが、反応制御の観点から、炭素数3~4が好ましい。Rが炭素数18を超える金属アルコキシドオリゴマー錯体は、加水分解縮合反応性が低くなり、硬化物が得られない可能性がある。 前記金属アルコキシドオリゴマーの数平均分子量としては、1000以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属アルコキシドオリゴマーから得られる錯体を配合した際の液粘度やゾル-ゲル反応時の系内均一性を維持する点で、1000以上10000以下が好ましく、1000以上3000以下がより好ましい。 なお、数平均分子量の算出方法としては、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)などが挙げられる。 前記金属Mとしては、第4、5、13、14、15族に属する金属元素であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、チタン(Ti)が好ましい。なお、金属は、同一又は異なる金属を2つ以上含む金属クラスターであってもよい。 前記配位子(リガンド)Lとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、無機化鉱物、有機化合物のいずれでもよく、また単座配位子、2座以上の多座配位子のいずれでもよい。 前記一般式(1)中、金属Mと配位子Lとの間の破線は、配位結合を示し、前記配位結合の数は、金属Mと配位子Lとの組合せにより適宜選択することができる。 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体に配位する配位子としては、1種であってもよく、2種以上であってもよい。配位子としては、安定性の観点から、多座配位子が好ましく、二座配位子がより好ましい。また、硬化物の架橋密度、及び熱安定性を向上する観点から、金属に配位する基に加えて、前記光重合性化合物と重合可能な重合性官能基を有することが好ましい。 前記金属に配位する基としては、例えば、カルボキシル基、β-ジケトン部位、アミノ基、ホスフィノ基、チオール基などが挙げられる。 前記重合性官能基としては、前記光重合性化合物と重合可能な基であればよく、例えば、(メタ)アクリロイル基;ビニル基等のエチレン性不飽和基などが挙げられる。 二座配位子としては、例えば、カルボン酸、カルボキシ(メタ)アクリレート、β-ジケトンなどが挙げられる。 これらの中でも、金属と配位結合するカルボキシル基と、重合性官能基とを有し、光重合性化合物との架橋によるTgの上昇が期待される点で、カルボキシ(メタ)アクリレートが好ましい。 前記カルボキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、フタル酸1-(2-アクリロイルオキシエチル)などが挙げられる。 前記一般式(1)で表される金属アルコキシドオリゴマー錯体の中でも、下記一般式(4)で表される金属アルコキシドオリゴマー錯体が好ましい。 ここで、前記一般式(4)中、Mはチタンであり、Rは炭素数3~4のアルキル基であり、n-ブチル基が好ましく、一部のORはOHであってもよく、R1はエチレン基又はベンザイン基(2価のベンゼン環)であり、R2は水素又はメチル基である。 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体における前記配位子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の金属1モルに対し、0.1モル以上3モル以下が好ましく、0.3モル以上2.5モル以下がより好ましく、0.5モル以上2モル以下が更に好ましい。前記含有量が3モルを超える場合は、硬化物全体としての屈折率が低下してしまうことがある。また、前記含有量が0.1モルに満たない場合は、金属アルコキシドオリゴマーとの錯体形成量が少ないため、急激なゾル-ゲル反応による重合物の均一性が悪化することがある。 前記金属アルコキシドオリゴマー錯体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高屈折率硬化性組成物の総量に対し、15質量%以上55質量%以下が好ましく、20質量%以上50質量%以下がより好ましい。前記含有量が55質量%を超える場合はゾル-ゲル反応によるアルコール脱離成分の多さから成膜性が低下することがある。前記含有量が15質量%に満たない