JP-2026076682-A - 感染リスク抑制支援装置及び感染リスク抑制支援プログラム
Abstract
【課題】将来的な感染リスクを、より簡易かつ効果的に低減させることができる感染リスク抑制支援装置及び感染リスク抑制支援プログラムを得る。 【解決手段】制御装置10(感染リスク抑制支援装置)は、対象室の換気量に応じ、かつ、当該換気量の変更に伴う経時変化の予測が可能とされた指標を取得する取得部11Aと、換気量に応じて室内の定常的な感染リスクを評価することができる定常評価モデルを、現時点以降の非定常的に変化する換気量に応じた感染リスクを評価することができるモデルに拡張した拡張モデルに対して、取得部11Aによって取得された指標を適用することで、対象室の現時点以降の感染リスクを示す感染リスク情報を導出する導出部11Bと、導出部11Bによって導出された感染リスク情報を用いて、対象者の対象室による感染リスクを抑制するための制御を行う制御部11Cと、を備える。 【選択図】図3
Inventors
- 大渕 正博
- 野村 佳緒里
- 谷 英明
- 天野 健太郎
- 千葉 友樹
- 萩平 隆司
- 渡辺 玲奈
- 瀬戸 洋子
Assignees
- 株式会社竹中工務店
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (6)
- 対象室の換気量に応じ、かつ、当該換気量の変更に伴う経時変化の予測が可能とされた指標を取得する取得部と、 換気量に応じて室内の定常的な感染リスクを評価することができる定常評価モデルを、現時点以降の非定常的に変化する換気量に応じた感染リスクを評価することができるモデルに拡張した拡張モデルに対して、前記取得部によって取得された前記指標を適用することで、前記対象室の現時点以降の感染リスクを示す感染リスク情報を導出する導出部と、 前記導出部によって導出された感染リスク情報を用いて、対象者の前記対象室による感染リスクを抑制するための制御を行う制御部と、 を備えた感染リスク抑制支援装置。
- 前記指標は、クアンタ濃度である、 請求項1に記載の感染リスク抑制支援装置。
- 前記定常評価モデルは、Wells-Rileyモデルである、 請求項1又は請求項2に記載の感染リスク抑制支援装置。
- 前記拡張モデルは、 前記Wells-Rileyモデルに対して、微小な時間間隔に対する数値積分を適用することで得られたモデルである、 請求項3に記載の感染リスク抑制支援装置。
- 前記制御部は、前記感染リスクを抑制するための制御として、前記対象室における入退室口の開閉の制御、前記換気量の制御、及び前記対象者に前記感染リスクに関する情報を提示する制御の少なくとも1つの制御を行う、 請求項1又は請求項2に記載の感染リスク抑制支援装置。
- 対象室の換気量に応じ、かつ、当該換気量の変更に伴う経時変化の予測が可能とされた指標を取得し、 換気量に応じて室内の定常的な感染リスクを評価することができる定常評価モデルを、現時点以降の非定常的に変化する換気量に応じた感染リスクを評価することができるモデルに拡張した拡張モデルに対して、取得した前記指標を適用することで、前記対象室の現時点以降の感染リスクを示す感染リスク情報を導出し、 導出した感染リスク情報を用いて、対象者の前記対象室による感染リスクを抑制するための制御を行う、 処理をコンピュータに実行させる感染リスク抑制支援プログラム。
Description
本発明は、感染リスク抑制支援装置及び感染リスク抑制支援プログラムに関する。 新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、麻疹、結核等といった感染症の患者が入院している病室や、当該患者が受診する病院の待合室、当該患者が療養している自宅の部屋等の各種部屋(以下、「対象室」ともいう。)における感染のリスク(以下、「感染リスク」ともいう。)を可能な限り低減することは、感染症の流行や医療逼迫を抑制するうえで極めて重要である。 そして、感染リスクを低減させるためには、対象室の内部のウイルスの濃度をできるだけ低減させることが重要であり、そのためには、換気設備を用いて当該対象室の室内の換気を効果的に行う必要がある。 従来、対象室の室内の換気を効果的に行うために適用することができる技術として次の技術があった。 特許文献1には、人が入室した後に、実際に換気が必要となってから所定の換気運転を行えるようにすることを目的とした換気装置が開示されている。 この換気装置は、サニタリ空間の換気を行う換気手段と、前記サニタリ空間における人の入退室を検出する検出手段で人を検出すると、所定の動作の待機時間経過後に、前記換気手段を制御して換気運転を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。 この技術はサニタリ空間を対象としているが、当該サニタリ空間に代えて上述した感染リスクの低減の対象とする対象室を適用することで、当該対象室における感染リスクを低減することができる。 また、特許文献2には、施設内で計測された環境データに加え、市中感染状況を含んだ疫学データを入力情報として取り込んで感染リスクを確率的に定量化することを目的とした感染リスク定量化方法が開示されている。 この感染リスク定量化方法は、施設内の少なくとも1つの区画の感染リスクを評価する感染リスク定量化方法であって、前記区画内のCO2濃度を計測しつつ、前記施設外のCO2濃度を計測する計測工程と、疫学データ閲覧サイトから、少なくとも1つの感染症に関する前記施設の属する地域の感染者報告数nrを随時取得する工程と、数理モデルを用いて前記区画での感染確率Pを随時導出する工程と、を含む。 この技術により得られた感染確率Pを用いて、上述した感染リスクの低減の対象とする対象室の換気を行うことで、当該対象室における感染リスクを低減することができる。 特開2010-48485号公報特開2023-10354号公報 実施形態に係る制御システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。実施形態に係る病院設備の構成の一例を示す図である。実施形態に係る制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。実施形態に係る病室情報データベースの構成の一例を示す模式図である。実施形態に係る入室情報データベースの構成の一例を示す模式図である。実施形態に係る制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態に係る条件設定画面の一例を示す図である。実施形態に係る入室制限提示画面の一例を示す図である。実施形態に係る入室制限提示画面の更新後の状態の一例を示す図である。実施形態に係る実施例の結果の一例を示すグラフである。実施形態に係る病院設備の構成の他の例を示す図である。実施形態に係る病院設備の構成の他の例を示す図である。実施形態に係る病院設備の構成の他の例を示す図である。実施形態に係る病院設備の構成の他の例を示す図である。実施形態に係る病院設備の構成の他の例を示す図である。実施形態に係る病院設備の構成の他の例を示す図である。実施形態に係る病院設備の構成の他の例を示す図である。 以下、本発明に係る感染リスク抑制支援装置及び感染リスク抑制支援プログラムが適用された制御システムの一例について詳細に説明する。なお、ここでは、本開示の技術の対象室を、予め定められた病院における感染症の患者が入院する病室に適用した場合について説明する。但し、本開示の技術に係る対象室は病室に限るものではなく、感染症の患者が受診する病院の待合室や、患者が療養している自宅の部屋等といった他の換気を要する室を、本開示の技術に係る対象室として適用する形態としてもよい。 まず、図1を参照して、本実施形態に係る制御システム90の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る制御システム90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図1に示すように、本実施形態に係る制御システム90は、ネットワーク60に各々接続された制御装置10及び病院設備70を含む。本実施形態に係る制御システム90は、病院に設けられた換気に関する設備である病院設備70の制御を行うシステムである。本実施形態では、制御装置10が対象とする病院の中央監視室に設けられているが、これに限るものではなく、例えば、当該病院のナースステーションに制御装置10を設ける形態としてもよい。制御装置10が本開示の技術の感染リスク抑制支援装置に相当する。 本実施形態に係る制御装置10は、コンピュータとしてのCPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。 本実施形態に係る記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、制御プログラム13Aが記憶されている。制御プログラム13Aは、当該プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの上記プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶(インストール)される。CPU11は、制御プログラム13Aを記憶部13から適宜読み出してメモリ12に展開し、当該プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。 また、記憶部13には、病室情報データベース13B及び入室情報データベース13Cが記憶される。病室情報データベース13B及び入室情報データベース13Cについては、詳細を後述する。 図2には、本実施形態に係る病院設備70の構成の一例が示されている。なお、図2に示す例では、病院設備70の配置関係を示すために、病院設備70が設けられた病室及び廊下も図示されている。また、錯綜を回避するために、図2に示す例では、病室及び廊下が各々2室のみ設けられている場合について例示する。 図2に示すように、本実施形態に係る病院は、病室80A及び病室80Bの2つの病室が隣接して設けられている。また、病室80Aの病室80Bとは反対側に廊下82Aが隣接して設けられると共に、病室80Bの病室80Aとは反対側に廊下82Bが隣接して設けられている。 また、病室80Aには個別エアコン72Aが設けられており、病室80Bには個別エアコン72Bが設けられている。なお、以下では、病室80A及び病室80Bを区別することなく説明する場合は「病室80」と総称する。また、以下では、廊下82A及び廊下82Bを区別することなく説明する場合は「廊下82」と総称し、個別エアコン72A及び個別エアコン72Bを区別することなく説明する場合は「個別エアコン72」と総称する。 本実施形態に係る個別エアコン72は、病室80の内部の空気(以下、「内気」という。)を取り込んで熱処理し、温度調節した空気を再び病室80に供給(給気)する。従って、病室80は、個別エアコン72と、後述する外調機78と、によって、病室80の温度調節を行うことができる。なお、個別エアコン72としては、例えば、パッケージエアコンの室内機や、ファンコイルユニット等が挙げられるが、それらに限定されない。 また、病院には、複数の室に対して、病院の外部の空気(以下、「外気」という。)を取り込んで熱処理し、温度調節した空気を供給するための外気処理空調機(以下、「外調機」という。)78と、上記複数の室の内気を病院の外部に排出するための排気ファン79が設けられている。 一方、廊下82Aには給気口74Aが、病室80Aには給気口74Bが、病室80Bには給気口74Cが、廊下82Bには給気口74Dが、各々外調機78にダクトを介して接続されて設けられている。また、病室80Aには排気口76Aが、病室80Bには排気口76Bが、各々排気ファン79にダクトを介して接続されて設けられている。なお、以下では、給気口74A~74Dを区別することなく説明する場合は「給気口74」と総称し、排気口76A~76Bを区別することなく説明する場合は「排気口76」と総称する。 ここで、廊下82Aと病室80Aとは貫通孔84Aを介して接続されており、廊下82Bと病室80Bとは貫通孔84Bを介して接続されている。従って、外調機78及び排気ファン79を作動させることで、廊下82が陽圧になると共に、病室80が陰圧となる。このため、外調機78及び排気ファン79を作動させることで、外気が病室80及び廊下82に流入されると共に、病室80及び廊下82の内気が病院の外部に病室80を介して排出されることで、対象エリア全体の換気が行われる。 本実施形態に係る制御システム90では、以上の個別エアコン72、外調機78、及び排気ファン79の各設備が上述した病院設備70として、ネットワーク60を介して制御装置10に接続されている。従って、これらの設備は、制御装置10によって作動を制御することができる。なお、これらの設備のうち、外調機78及び排気ファン79が換気を行うための設備であるため、これらの設備を、以下では「換気設備」という。 なお、図示は省略するが、本実施形態に係る病室80には入退室を行うドアに対して電子錠が設けられており、当該電子錠に対する施錠及び解錠の制御も制御装置10によって行うことができる。また、図示は省略するが、本実施形態に係る病室80の外部のドアの近傍には、各種情報を表示するための表示装置(以下、「病室前表示装置」という。)が設けられており、当該病室前表示装置の制御も制御装置10によって行うことができる。 次に、本実施形態に係る制御システム90が行う制御方法について説明する。 病室80における感染リスクを低減させるためには、病室80の内部のウイルスの濃度をできるだけ低減させることが重要であり、そのためには、換気設備を用いて当該病室80の室内の換気を効果的に行う必要がある。 そのための制御として、従来、換気設備を強運転にしたり、換気設備による換気回数を多くしたりすることで換気量を多くする方法が採られていた。しかしながら、換気設備の強運転時は、通常の運転時に比較して、当該換気設備の稼働音も大きくなる。また、換気設備による換気回数を多くすることは、換気量を多くすることであるため、換気回数が多くなるほど、騒音の発生期間が長くなる。そのため、例えば、病室80で患者が就寝している夜間においては換気設備を強運転とすることや、換気回数を多くすることは難しい。なお、ここでいう「換気回数」は、対象とする病室80の体積に当該換気回数を乗算して得られた値の量を換気量とすることと同義である。このため、「換気回数」と「換気量」とは連動する物理量となる。 一方で、医師、看護師等の医療従事者や、患者の見舞い者、病室80の清掃者等といった、患者を除く病室80への入室者(以下、単に「入室者」という。)が病室80に滞在する時間は限られている。このため、入室者の感染リスクを合理的に低減するためには、入室者の滞在時間帯のウイルスの濃度(以下、「ウイルス濃度