JP-2026076749-A - 光電変換素子
Abstract
【課題】水蒸気による有機化合物や電極の経時劣化を抑制した光電変換素子を提供すること。 【解決手段】第一電極、光電変換層、第二電極、及び基板、を備え、該基板と該第二電極の間に多孔質層を有し、該多孔質層は、550nmの波長における屈折率が1.18以上1.28以下であり、厚さが、70nm以上であることを特徴とする光電変換素子を提供する。 【選択図】図1
Inventors
- 川▲崎▼ 純二
- 槇野 憲治
Assignees
- キヤノン株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (16)
- 第一電極、光電変換層、第二電極、及び基板、を備え、 該基板と該第二電極の間に多孔質層を有し、 該多孔質層は、550nmの波長における屈折率が1.18以上1.28以下であり、厚さが、70nm以上であることを特徴とする光電変換素子。
- 前記多孔質層の厚さが、300nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記多孔質層が複数の粒子を含み、該粒子の間に空隙を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記多孔質層が複数の二酸化ケイ素からなる粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記粒子同士の接点が、バインダーで結合されていることを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子。
- 前記バインダーが、シロキサン結合を含むことを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子。
- 前記基板と前記多孔質層との間に、互いに屈折率の異なる材料を含む複数の層を積層した積層体を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記積層体は、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、及び酸化ハフニウムからなる群より選ばれるいずれかの材料を含む層と、アルミナ、酸化ケイ素、及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる材料を含む層を含むことを特徴とする請求項7に記載の光電変換素子。
- 前記基板がガラス、PETフィルム、及びポリイミドフィルムからなる群より選ばれるいずれかの基材を含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 光電変換層の表面上に電荷輸送層を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記電荷輸送層は電荷輸送性粒子及び絶縁性樹脂を含有することを特徴とする請求項10に記載の光電変換素子。
- 前記電荷輸送性粒子が、複数のピロール環が共役結合してなる環状共役化合物を有する、請求項11に記載の光電変換素子。
- 前記環状共役化合物が、フタロシアニン化合物である、請求項12に記載の光電変換素子。
- 前記フタロシアニン化合物が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物である、請求項13に記載の光電変換素子。
- 前記絶縁性樹脂のガラス転移温度が100℃未満である、請求項11に記載の光電変換素子。
- 前記絶縁性樹脂がポリビニルアセタール樹脂、又はポリビニルブチラール樹脂である、請求項11に記載の光電変換素子。
Description
本開示は、光電変換素子に関する。 化石エネルギーの枯渇問題及び化石エネルギーの使用による地球の環境問題を解決するために、太陽エネルギー、風力、水力等のように、再生可能であって清浄な代替エネルギー源に関する研究が活発に行われている。その中でも、太陽光を直接電気的エネルギーに変化させる太陽電池に関する関心が増大している。ここで、太陽電池とは、太陽光から光エネルギーを吸収し、電子及び正孔が発生する光起電力効果を利用して電流-電圧を生成する電池を意味する。 現在、20%を超える光エネルギー変換効率を有するn-pダイオード型シリコン(Si)単結晶ベースの太陽電池が広く知られ、実際に太陽光発電に用いられている。しかしながら、これらは、その製造に、高温処理工程を必要とし、また材料自体の価格も高いため、単位電力あたりのコストが高くなる。また、シリコン資源が不十分だと供給が困難となる。 一方、有機材料を用いた太陽電池(以下、「有機太陽電池」という)は、その製造に、高温処理工程を必要としない。また、有機材料を用いた太陽電池は、シート状基板に対して、いわゆるroll to roll(ロールtoロール)方式で生産が可能であるため、生産の低コスト化が見込める。有機材料を用いた太陽電池の中でも、光電変換層としてペロブスカイト構造の結晶(以下、「ペロブスカイト結晶」とも呼ぶ)を有するペロブスカイト型太陽電池は、光電変換特性に優れるため実用化に向けた開発が進められている。 一般的な有機太陽電池における光電変換素子は、第一電極、光電変換層、第二電極、及び基板を備えた構造を有する。 このような光電変換素子では、光電変換層を樹脂製の封止材で覆って封止することが行われている。例えば、特許文献1には、第一基板、第一の電極、有機光電変換ユニット、第二電極、及び第二基板を有する太陽電池であって、前記第一基板と前記第二基板との間に、水蒸気バリアー層を備え、当該水蒸気バリアー層が、一般式1):R-[M(OR1)y(O-)x-y]n-Rで表される構造を有する有機金属酸化物を含有することを特徴とする太陽電池が記載されている。 特願2020-522127号公報 本開示の光電変換素子の一実施形態の断面模式図である。本開示の光電変換素子の一実施形態の断面模式図である。本開示の光電変換素子の一実施形態の断面模式図である。本開示の光電変換素子の一実施形態の断面模式図である。 以下、好適な実施の形態を挙げて、本開示を詳細に説明する。 本開示は、第一電極、光電変換層、第二電極、及び基板、を備え、該基板と該第二電極の間に多孔質層を有し、該多孔質層は、550nmの波長における屈折率が1.18以上1.28以下であり、厚さが、70nm以上であることを特徴とする光電変換素子に関する。 本発明者らは、検討の結果、基板と第二電極の間に一定の要件を満たす多孔質から成る層を有することを特徴とする光電変換素子では、水蒸気による有機化合物や電極の経時劣化が抑制されることを見出した。その理由については、以下のように考えられる。 基板と第二電極の間に一定の要件を満たす多孔質から成る層を有することで、該多孔質から成る層に水蒸気を吸収させることにより、有機化合物や電極に直接水分が到達することを防ぎ、劣化の進行を抑制する。 以上のメカニズムのように、基板と第二電極の間に一定の要件を満たす多孔質から成る層を有することによって、本開示の効果を達成することが可能となる。 以下、好適な実施の形態を挙げて、本開示を詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれる。 なお、本明細書中、「層」とは、明確な境界を有する層や平坦な薄膜状の層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層や、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。また、層の元素分析は、例えば、光電変換素子の断面のTOF-SIMS/FE-TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。各層の分析は完成した光電変換素子を剥離除去し、分析対象の層を露出させて測定してもよい。 図1は、本開示の光電変換素子の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。光電変換素子1は、基板2上に、多孔質層3、第二電極4、光電変換層6、第一電極7を有する。第一電極7と第二電極4は、一方が陽極、他方が陰極であり、第一電極7と第二電極4とを外部回路でつなぐことで電流を取り出すことができる。 光電変換層6は基板2と第二電極4、又は第一電極7を通して入射した光によって励起され、電子又は正孔を生じる。即ち、光電変換層6は、第一電極7と第二電極4との間に電流を生じる。必要に応じ、図2に示すように、光電変換層6と2つの電極(第二電極4、第一電極7)との間に電子輸送層5を配置してもよい。電子輸送層5及び光電変換層6が複数積層された形態であってよい。このような形態はタンデム構造と呼ぶこともできる。以下に各部材について説明する。また、図3に示すように基板2上に多孔質層3を有し、さらに、第二電極4、電子輸送層5、光電変換層6、第一電極7、電荷輸送層8、をこの順番で設けてもよい。 以下、各層について説明する。 〔基板〕 本開示の光電変換素子は、基板を備えており、基板は、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス、セラミック、透明プラスチック等の基材からなる、あるいは、これらの基材を含むことができる。透明プラスチックとしてはPETフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。第一電極側から光を取り込む場合、基板は不透明な材料を用いることができ、第二電極側から光を取り込む場合は、基板は透明な材料で構成する。 〔多孔質層〕 図1に示すように、本開示の光電変換素子1は、基板2と、多孔質層3、第二電極4、を含む。さらには、図4に示すように、基板2と多孔質層3の間に積層体9を形成しても良い。基板2と多孔質層3の間に積層体9を形成することにより、反射防止効果が得られ、光の取り込み効率が向上する。積層体は、互いに屈折率の異なる材料を含む複数の層が積層されたものであることが好ましい。特に、積層体は、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、及び酸化ハフニウムからなる群より選ばれるいずれかの材料を含む層と、アルミナ、酸化ケイ素、及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる材料を含む層を含むことが好ましい。 本開示の多孔質層の膜厚は70nm以上である。上限は特にないが、5μm以下であることが好ましく、さらには、300nm以下であることが好ましい。膜厚が0.07μm未満であると水分の保持量が不十分となる。また、5μmを超えると多孔質層の作製が困難である。多孔質層の作製の生産性を考慮すると、300nmを超えないことが好ましい。図4のように、基板2と多孔質層3の間に積層体9を形成する場合は水蒸気の吸収に加えて、反射防止性能も考慮して膜厚を適宜設計することができる。 多孔質層は空孔を含み、空孔の平均孔径は、窒素ガス吸着法による細孔分布測定で得られる値において3nm以上50nm以下が好ましい。 多孔質層中に含まれる空孔の量は窒素ガス吸着法によって細孔容積として求めることができる。細孔容積は0.1cm3/g以上1.0cm3/g以下であることが好ましい。細孔容積が0.1cm3/g以上であると多孔質層に防曇性が得るのに十分な量の水の量が確保できる。細孔容積が1.0cm3/g以下であれば、骨格の硬度が低下することなく十分な耐擦傷性が得られる。より好ましい細孔容積0.3cm3/g以上0.6cm3/g以下である。 多孔質層を形成する方法は、材料を真空で堆積して形成する方法や、ウェット成膜により形成する方法を挙げられる。 多孔質層は水分を吸着、保持できればよく、無機多孔質、有機多孔質などを用いることが可能であるが、膜の強度の高さや吸水時に膜の膨潤がないことから金属酸化物から構成される無機多孔質であることが好ましい。金属酸化物としては酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどが挙げられる。 多孔質層を金属酸化物から形成する方法として、ゾル-ゲル法などで例えば酸化ケイ素等の金属酸化物の前駆体をウェット成膜する方法、あるいは、金属酸化物粒子の分散液からウェット成膜する方法を挙げられる。空孔同士が連結し易く、平均空孔径や空孔率が一定にできる点で金属酸化物粒子の分散液からウェット成膜する方法が特に好ましい。その際は、金属酸化物粒子の分散液の製造が容易で、安定性が比較的高い酸化ケイ素を含む分散液を用いることが好ましい。 (粒子) 多孔質層は、粒子を含んで形成することができ、とりわけ、金属酸化物粒子を含んで形成することが好ましい。 粒子は、中実粒子あるいは、中空粒子とすることができる。中実粒子である場合、さらに、中実粒子が鎖状につながった粒子(鎖状中実粒子)とすることができる。 鎖状中実粒子を用いる場合、鎖状中実粒子の平均粒子径は、短軸が10nm以上50nm以下、長軸が60nm以上200nm以下が好ましい。短軸が10nmより小さい場合又は、長軸が60nmより小さい場合は、鎖状中実粒子間の空隙が小さくなるため、十分な吸湿量が得られない。 短軸が50nmを超える場合又は、長軸が200nmを超えると、鎖状中実粒子間の空隙が大きくなるため、水の凝集効果が得られず吸湿量が小さくなり好ましくない。 ここで中実粒子が鎖状につながった粒子である鎖状中実粒子の平均粒子径とは、平均フェレ径である。この平均フェレ径は透過電子顕微鏡像によって観察したものを画像処理によって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理を用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し求めることができる。 鎖状中実粒子が溶媒に分散した溶液であれば、動的光散乱法で測定することで、短軸と長軸の平均粒子径を求めることができる。 鎖状中実粒子としては、二酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、フッ素、シリコンなどの金属酸化物又は有機樹脂の粒子を用いることができる。また、鎖状中実粒子は、二酸化ケイ素、フッ化マグネシウムMgF2、フッ素、シリコンなどの有機樹脂の鎖状中実粒子であってもよい。 本開示の多孔質層に対する鎖状中実粒子の含有量は、40体積%以上60体積%以下が望ましい。 中空粒子を構成する材質としては、低屈折率のものが好ましく、SiO2、MgF2、フッ素、シリコン等の金属酸化物又は有機樹脂が挙げられるが、粒子の製造が容易であるSiO2がより好ましい。 中空粒子は、内部に空孔を有する。さらには、空孔の外側の周囲にシェルを有する粒子である中空粒子を用いても良い。空孔の外側がシェルに覆われているため、吸湿量は中実粒子よりも劣るものの、中空粒子間の空隙を利用することができる。 空孔は単孔、多孔どちらでも良く適宜選択することができる。中空粒子を構成する材質としては、低屈折率のものが好ましく、SiO2、MgF2、フッ素、シリコン、有機樹脂等が挙げられるが、粒子の製造が容易であるSiO2がより好ましい。中空粒子により、基材表面に対して平行方向に整列された粒子が複数段積み重なって粒子間に空隙が形成されることで吸湿することが可能となる。 中空粒子の平均粒子径は15nm以上100nm以下、好ましくは15nm以上60nm以下が望ましい。中空粒子の平均粒子径が15nm未満の場合、コアとなる粒子を安定的に作ることが難しい。また100nmを超える場合、粒子間の空隙が大きくなるため、