JP-2026076751-A - コート層付金属箔、金属張積層板、及びコート層付金属箔の製造方法
Abstract
【課題】他の材料との密着性に優れ、この密着性を高温下においても十分に維持することができる金属箔を提供することを課題とする。 【解決手段】コート層付金属箔であって、前記金属箔は、平滑金属箔であり、前記コート層は、金属箔と反対側に粗化表面を有する、コート層付金属箔、この絶縁性基材とこのコート層付金属箔とを、該コート層付金属箔のコート層を前記絶縁性基材側にして積層してなる金属張積層板、及びコート層付金属箔の製造方法。 【選択図】図1
Inventors
- 吉田 祥
- 冨澤 恵一
- 八本 智子
Assignees
- 古河電気工業株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (9)
- コート層付金属箔であって、 前記金属箔は、平滑金属箔であり、 前記コート層は、前記金属箔と反対側に粗化表面を有する、 コート層付金属箔。
- 前記コート層がプラズマ重合膜である、請求項1に記載のコート層付金属箔。
- 前記コート層中の窒素原子濃度が2~10at%である、請求項2に記載のコート層付金属箔。
- 前記コート層中のケイ素原子濃度が5~30at%である、請求項3に記載のコート層付金属箔。
- 前記のコート層の厚さが1~1000nmである、請求項4に記載のコート層付金属箔。
- 前記コート層は、X線光電子分光法によるSi2pスペクトルにおいて、[O-Si-O結合強度]/[C-Si-O結合強度]≧0.8を満たす、請求項5に記載のコート層付金属箔。
- 前記金属箔が銅箔である、請求項6に記載のコート層付金属箔。
- 絶縁性基材と、請求項1~7のいずれか1項に記載のコート層付金属箔とを、該コート層付金属箔のコート層を前記絶縁性基材側にして積層してなる金属張積層板。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載のコート層付金属箔の製造方法であって、前記金属箔を50~300℃に加熱しながらプラズマ重合を行うことにより、前記金属箔の表面にプラズマ重合膜であるコート層を形成することを含む、コート層付金属箔の製造方法。
Description
本発明は、コート層付金属箔、金属張積層板、及びコート層付金属箔の製造方法に関する。 近年、情報通信機器の高性能・高機能化や、ネットワーク化の進展に伴い、大容量の情報をより高速に伝達処理する必要が生じている。そのため、伝達される信号はますます高周波化する傾向にあり、高周波信号の伝送損失を抑えたプリント配線板が求められている。 プリント配線板の作製には、通常、銅箔等の金属箔と絶縁性基材(樹脂基材)とを積層し、これを加熱、加圧して接着した金属張積層板を用いて導体回路が形成される。絶縁性基材と金属箔との密着性を高めるために、従来から、金属箔表面に電気メッキ処理やエッチング処理を施して粗面化し、物理的作用(アンカー効果)により絶縁性基材と金属箔との密着性を高めることが行われている。しかし、信号の高周波化により表皮効果現象が顕在化すると、粗面化された表面では伝送経路が長くなり、伝送損失が大きくなってしまう。 金属箔表面を粗面化したうえで、さらにシランカップリング剤で処理することにより、樹脂基材との化学的な接着力を高めることも行われている。例えば特許文献1には、粗化粒子が形成された表面にシランカップリング剤層を有するプリント配線板用表面処理銅箔であって、前記シランカップリング剤層表面において、粗化粒子の平均高さが0.05μm以上0.5μm未満であり、前記シランカップリング剤層表面のBET表面積比が1.2以上であるプリント配線板用表面処理銅箔が記載されている。特許文献1記載の表面処理銅箔を用いることにより、GHz帯の高周波信号を伝送した際にも伝送損失が高度に抑えられ、且つ、高温下においても銅箔と樹脂基材との密着性が高く過酷条件下での耐久性にも優れ、さらに短絡し難いプリント配線板を得ることができるとされる。 基板のコーティング技術として、プラズマ放電を用いる技術が知られている。例えば、基板に耐腐食性や耐酸化性を付与したり、他の材料との密着性を高めたり、表面活性を増大させたりするために、有機化合物ないしモノマーを含む気体のプラズマ重合によって基板にコーティングを施すことが提案されている。例えば特許文献2には、基板上にコーティングを形成する方法であって、噴霧液体及び/又は固体コーティング形成材料を大気圧プラズマ放電及び/又はそれから発生するイオン化ガス流中に導入することと、前記基板を前記噴霧コーティング形成材料へさらすこととを含む方法が記載されている。 特開2017-106068号公報特表2004-510571号公報 図1は、実施例3のコート層付金属箔の断面のSEM像である。図2は、比較例1のコート層付金属箔の断面のSEM像である。図3は、実施例9のコート層付金属箔のコート層表面のAFM画像である。図4は、金属箔表面へのコート層を形成するためのプラズマ重合装置の構成例を模式的に示す説明図である。 本発明の好ましい実施形態について以下に説明する。 [コート層付金属箔] 本発明のコート層付金属箔は、金属箔上にコート層を備える。 上記金属箔は、平滑金属箔である。 ここで、金属箔が「平滑金属箔」であるとは、金属箔の少なくともコート層側の表面の表面粗さRzがRz≦1.0μmを満たすことを意味する。コート層側の表面を表面粗さRz≦1.0μmとすることにより、金属箔表面に電気メッキ処理やエッチング処理を施して粗面化した表面処理金属箔の表面処理面と比較して、より平滑な表面とすることができる。なお、本発明のコート層付金属箔を構成する金属箔は、コート層側の表面が平滑なメッキ層等であってもよい。この場合には、この平滑なメッキ層等の表面が上記表面粗さRz≦1.0μmを満たす。 また、上記コート層は、上記金属箔と反対側に粗化表面を有する。「粗化表面」とは、粒子状の凹凸を有する表面(粗化粒子を有する表面)を意味する。このような粒子状の凹凸を有する「粗化表面」は、換言すれば、この表面を平面視した際の、この表面上における2点間の距離である基準距離Lに対し、上記2点間におけるコート層表面の凹凸に沿ったコート層表面の距離であるコート層表面距離Lcの割合(Lc/L×100)(以降、「粗さ指数Rc」とも称す)が105~200%となる表面である。 このように、本発明のコート層付金属箔は、平滑金属箔膜上にコート層を有し、このコート層の金属箔とは反対側の面が微細な凹凸を有する(上記の粗化表面を有する)ものである。 本発明のコート層付金属箔において、上記コート層は目的に応じて金属箔の片面に設けられてもよく、両面に設けられてもよい。金属箔の両面にコート層が設けられる場合、金属箔の両面が、表面粗さRz≦1.0μmを満たす。 <コート層> 上記コート層は、他の材料と積層した場合の密着性とその高温耐久性の観点から、粗さ指数Rcが110~200%が好ましく、120~200%がより好ましく、130~200%がさらに好ましく、140~200%がさらに好ましい。 上記粗さ指数Rcは、コート層の原料の種類、プラズマ重合条件などを制御して実現することができる。 本発明において、上記粗さ指数Rcは、イオンミリングによりコート層付金属箔を切断して厚み方向の断面を露出し、この断面を高分解能走査電子顕微鏡(HR-SEM)により観察して決定する。観察は、コート層の厚さに応じて2万倍又は20万倍の拡大倍率で行う。具体的には、コート層の厚さが300nm以上である場合には拡大倍率を2万倍とし、コート層の厚さが300nm未満である場合には拡大倍率を20万倍とする。 粗さ指数Rcは拡大倍率2万倍の場合は直線長さ5μm(基準距離Lに相当)に対してコート層表面距離Lca(μm)を計測し、(Lca/5μm)×100を粗さ指数とする。拡大倍率20万倍の場合は直線長さ500nm(基準距離Lに相当)に対してコート層表面距離Lcb(nm)を計測し、(Lcb/500nm)×100を粗さ指数とする。測定箇所はランダムに選定した10箇所(10断面)を観察し、10個の算出値の平均値を粗さ指数Rcとする。 上記粗さ指数Rcについて、図1及び図2を参照しながらさらに説明する。 図1は、後述する実施例3のコート層付金属箔の厚み方向の断面のSEM像である。このSEM像において、基準距離Lを示す矢印の上側にあり、矢印Lに最も近い境界線B1が金属箔とコート層の境界であり、C1として示された線がコート層の表面である。その上方にはコート層断面の後方(奥行方向の奥の方)に位置するコート層表面の凹凸が見えている。このコート層付金属箔のコート層の表面には微細な凹凸が形成されていることが分かる。図1においては、基準距離Lとともに、コート層の表面距離Lcも併せて示している。表面距離Lcは、C1と交わる2つの点線間のC1上の距離であり、Lと同じ2点間におけるC1上の距離である。図1に示すコート層付金属箔において、粗さ指数Rcは110%である。 図2は、後述する比較例1のコート層付金属箔の厚み方向の断面のSEM像である。図2においても、金属箔とコート層の境界線B1及びコート層の表面C1を示す。このコート層付金属箔において、Lcで示されたコート層の表面はなだらかに起伏しているのみであり、細かな凹凸は形成されていない。図2に示すコート層付金属箔において、粗さ指数Rcは101%である。 上記コート層は、上記粗さ指数Rcを満たす観点から、プラズマ重合膜であることが好ましい。本発明において「プラズマ重合膜」との用語は、膜の状態がプラズマ重合に特有の構造であることを意味し、プラズマ重合以外の方法で形成したコート層と構造上区別するための用語である。 上記コート層は、他の材料と積層した場合の密着性とその高温耐久性の観点から、当該コート層中の窒素原子濃度(at%、原子%)は2~10at%であることが好ましく、2~8at%がより好ましく、2~5at%がさらに好ましく、3~5at%がさらに好ましく、3~4at%がさらに好ましい。 上記コート層は、他の材料と積層した場合の密着性とその高温耐久性の観点から、当該コート層中のケイ素原子濃度(at%、原子%)は5~30at%が好ましく、7~30at%がより好ましく、10~30at%がさらに好ましく、15~30at%がさらに好ましい。 上記コート層は、他の材料と積層した場合の密着性とその高温耐久性の観点から、当該コート層中の窒素原子濃度を上記範囲とした上で、さらに、ケイ素原子濃度を上記範囲とすることがより好ましい。 上記の各原子濃度は、コート層表面をX線光電子分光法(XPS)で分析し、検出された全原子の濃度を100at%とした場合の各原子の濃度である。各原子濃度は、それぞれコート層表面において無作為に5箇所の測定を行い、5回の測定値の算術平均として決定されるものである。 上記の各原子濃度は、原料の種類及び量、製造条件(特に、プラズマ重合条件)を調整することにより上記範囲に制御することができる。 上記コート層の厚みは、他の材料と積層した場合の密着性とその高温耐久性の観点から、1~1000nmが好ましく、5~1000nmがより好ましく、10~1000nmがさらに好ましく、40~1000nmがさらに好ましく、100~1000nmがさらに好ましく、150~1000nmがさらに好ましく、200~1000nmがさらに好ましく、200~990nmがさらに好ましく、200~960nmがさらに好ましく、200~940nmがさらに好ましく、200~920nmがさらに好ましく、250~900nmがさらに好ましい。 上記コート層の厚みは、従来のシランカップリング剤による表面処理層(2~3nm程度)よりも厚いこと(すなわち、5~1000nmであること)が好ましい。 本発明において上記コート層の厚さは、イオンミリングによりコート層付金属箔を切断して厚み方向の断面を露出し、この断面を高分解能走査電子顕微鏡(HR-SEM)により観察して決定する。厚さの計測は上記断面のSEM像において、まず、無作為に1箇所において行い、この箇所から厚さに対して垂直方向(横方向)に1μm及び2μmずらした各箇所においても行い、合計10か所の厚みの算術平均値を、上記コート層の厚さとする。 上記コート層は、他の材料と積層した場合の密着性とその高温耐久性の観点から、X線光電子分光法(XPS)におけるSi2pスペクトルにおいて、 [O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧0.8 を満たすことが好ましく、 40≧[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧1 を満たすことがより好ましく、 30≧[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧4 を満たすことがさらに好ましく、 28≧[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧6 を満たすことがさらに好ましく、 27≧[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧8 を満たすことがさらに好ましく、 26≧[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧10 を満たすことがさらに好ましく、 25≧[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧12 を満たすことがさらに好ましく、 24≧[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]≧13 を満たすことがさらに好ましい。 [O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]を決定するための上記XPS分析は、上記コート層の表面のXPS分析である。XPS分析のSi2pスペクトルにおいて、96~110eVに検出されるO-Si―O結合由来のピーク面積とC-Si―O結合由来のピーク面積を決定し、[O-Si―O結合由来のピーク面積]/[C-Si―O結合由来のピーク面積]を算出する。得られた算出値が[O-Si―O結合強度]/[C-Si―O結合強度]である。 上記のコート層の表面のXPS分析は、コート層の表面に