JP-2026076771-A - 工作機械の主軸装置
Abstract
【課題】 工具アンクランプを電動化した工作機械の主軸装置において、工具が主軸に固着するという問題を解決した工作機械の主軸装置を提供する。 【解決手段】 主軸制御部は、予め設定した出力でモータを動作させても工具のアンクランプ動作が正常に行われなかった場合に、モータの出力を上げて工具のアンクランプ動作を再度行う工具アンクランプ制御部16を有している。 【選択図】 図3
Inventors
- 泉井 泰希
- 山本 紘太
Assignees
- オークマ株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (4)
- 主軸と、前記主軸に装着された工具のクランプ/アンクランプを行う工具保持部と、前記工具保持部を作動させる動力伝達部と、前記動力伝達部を駆動する駆動部と、前記主軸の制御を行う主軸制御部とを備えている工作機械の主軸装置において、前記主軸制御部は、予め設定した出力で前記駆動部を動作させても前記工具のアンクランプ動作が正常に行われなかった場合に、前記駆動部の出力を上げて前記工具のアンクランプ動作を再度行う工具アンクランプ制御部を有していることを特徴とする工作機械の主軸装置。
- 前記駆動部は、モータであり、前記動力伝達部は、前記駆動部によって移動させられるドローバーを有しており、前記工具アンクランプ制御部は、予め設定した閾値よりも大きなモータトルクが発生した場合に、前記動力伝達部を動作させる速度または加速度を変化させて、前記ドローバーと前記工具とを衝突させたときに前記工具に作用する力を変化させることで前記工具のアンクランプ動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の主軸装置。
- 前記動力伝達部は、前記駆動部からの動力により回転させられるボールねじと、前記ボールねじの回転により位置が可変するプッシャと、前記プッシャによって移動させられるドローバーと、前記主軸と前記ドローバーとの間に介在させられて前記ドローバーをクランプ側に付勢する皿ばねとを有しており、前記工具保持部の近傍に工具の着脱状態を検知するための検出装置が設けられ、前記工具アンクランプ制御部は、前記工具のアンクランプ動作時に前記工具のアンクランプを前記検出装置により検出できなかった場合に、予め設定した前記プッシャのストローク量をさらに拡大し、前記工具のアンクランプ動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の主軸装置。
- 前記工具アンクランプ制御部は、複数回に亘って前記工具のアンクランプ動作を行っても前記工具が取り外せない場合に、前記プッシャが前記皿ばねを押す速度を前回の速度から変更して前記工具のアンクランプ動作を実行することを特徴とする請求項3に記載の工作機械の主軸装置。
Description
この発明は、工作機械の主軸装置に関し、特に、工具のクランプ/アンクランプ機能を有している工作機械の主軸装置に関する。 この種の工作機械の主軸装置は、中空状主軸と、主軸に装着された工具のクランプ/アンクランプを行う工具保持部(例えばコレット)と、工具保持部をクランプ側およびアンクランプ側に作動させる動力伝達部(ドローバー、皿ばねなど)と、動力伝達部を駆動する駆動部と、主軸の制御を行う主軸制御部とを備えている。従来の工作機械の主軸装置では、油圧シリンダを駆動部として使用しているものがよく知られており、アンクランプ時には、油圧シリンダによってピストンを前進させることで、皿ばねを圧縮してドローバーを工具側に押し出し、クランプ時には、ピストンを後退させることで、皿ばねの弾性力によってドローバーがクランプ方向に移動することを許容するようになされている。 近年、脱炭素化や環境への配慮という点から駆動部を油圧駆動から電動に置き換える要望が高まっており、この要望に応えるために、特許文献1には、工作機械の主軸装置における工具アンクランプ装置として、端部にワークを加工する工具が装着される主軸と、主軸に対して軸方向に移動可能に設けられ、工具を押圧してアンクランプ状態とする出力軸と、工具をアンクランプ状態とする動力を発生可能な電動機と、電動機からの動力を出力軸に伝達可能な動力伝達機構と、電動機に供給される電流量を検知する検知部とを備えたものが開示されている。 特許文献1の工作機械の主軸装置によると、油圧を使わないことで、作動油の交換、給油、油が漏れてしまった場合などのメンテナンスが不要となり、廃油を処理する必要がないので、環境負荷を低減することができる。また、油圧を電動化することで静音性が高まり、精度の高い正確な制御を行うことが可能となる。 特許文献1によると、主軸の工具アンクランプを電動化することで油圧を使用しないアンクランプを可能としているが、電動化しても、工具が主軸に固着してアンクランプできない状態が生じてしまうという問題があった。 すなわち、クランプされた工具が機械使用環境で切削液、粉塵等の影響で主軸テーパ面に張り付きを起こし、工場出荷状態で設定した皿ばねに付加する荷重およびストロークでは工具が主軸に固着してアンクランプできないことが起こり得るのに対し、従来のものではその対応ができていなかった。 特許文献2には、工具が主軸に固着した場合に衝撃を緩和するために、工具アンクランプ後に、工具を引き抜く速度を低減させることが開示されているが、皿ばねに対して力のかけ方を変化させるようなことについては記載がなく、特許文献1と組み合わせても工具が主軸に固着するという問題をアンクランプ時に解消することはできない。また、主軸の停止時間によって工具が主軸に固着しているかどうかの判断材料としているので、実際に固着していない場合にも工具を引き抜く速度を低下させてしまう可能性があり、生産性を向上させるためには改善の余地がある。 特開2009-018353号公報特開2021-024000号公報 この発明の工作機械の主軸装置の1実施形態を模式的に示す図で、工具のクランプ状態を示している。図1のクランプ状態からアンクランプ状態に移行した状態を示す図である。工具アンクランプ制御部における動作シーケンスを説明するブロック図である。工具アンクランプ制御部における動作シーケンスのフローチャートである。工具をアンクランプする際に好適な推力波形の例を示す図である。 以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は工具のクランプ状態を示し、図2は工具のアンクランプ状態を示している。以下の説明において、図1および図2の左を前、同右を後というものとする。 図1および図2に示すように、工作機械の主軸装置(1)は、ワークを加工する工具(T)が交換可能に取り付けられる中空状主軸(2)と、主軸(2)に装着された工具(T)のクランプ/アンクランプを行う工具保持部としてのコレット(3)と、コレット(3)をクランプ側およびアンクランプ側に作動させる動力伝達部(4)と、動力伝達部(4)を駆動する駆動部としての電動のモータ(5)と、主軸(2)の制御を行う主軸制御部(図示略)とを備えている。 動力伝達部(4)は、減速機構(12)を介してモータ(5)の動力により回転させられるボールねじ(11)と、ボールねじ(11)の回転により位置が可変するプッシャ(13)と、プッシャ(13)の前後方向への移動に伴ってクランプ側またはアンクランプ側に移動させられるドローバー(14)と、主軸(2)とドローバー(14)との間に介在させられてドローバー(14)をクランプ側に付勢する皿ばね(15)とを有している。 主軸(2)は、図示省略したが、筒状のハウジングに複数の軸受を介して回転自在に支持されている。 コレット(3)は、ドローバー(14)の前端部に配置され、ドローバー(14)の後退に伴って閉じることで工具(T)のプルスタッドボルト(T1)を保持し、ドローバー(14)の前進に伴って開くことで工具(T)のプルスタッドボルト(T1)の保持を解除する。 プッシャ(13)は、ボールねじ(11)の回転によって直線移動させられるボールねじナット(11a)に固定されている。 皿ばね(15)は、主軸(2)に固定されたばね受け(2a)と、ドローバー(14)に固定されたばね受け(14a)とによって保持されている。 図1において、プッシャ(13)は、ドローバー(14)から離れた後退位置にあり、皿ばね(15)の弾性力によるドローバー(14)のクランプ方向への移動を許容している。したがって、ドローバー(14)は、皿ばね(15)に付勢されることで後方(クランプ側)に位置させられており、これにより、工具(T)は、コレット(3)によって保持されたクランプ状態にある。 図1の状態において、モータ(5)を駆動すると、ボールねじ(11)が回転し、プッシャ(13)がボールねじナット(11a)と一体で前方に移動する。これに伴って、ドローバー(14)が皿ばね(15)の弾性力に抗して前方(アンクランプ側)に移動させられる。 これにより、図2に示すように、皿ばね(15)は圧縮されて、工具(T)は、コレット(3)によって保持されていないアンクランプ状態となり、工具(T)がドローバー(14)に押されることで、(図1では工具(T)のフランジ部(T2)の後面と主軸(2)の前端面(2b)とが面一になっているのに対し、)工具(T)のフランジ部(T2)の後面が主軸(2)の前端面(2b)から離れている。図2の状態では、工具(T)は、前方に移動可能となっており、自動工具交換装置(図示略)によって、使用済みの工具(T)を新しい工具に交換することができる。 上記の工作機械の主軸装置(1)によれば、通常は、予め設定した出力で駆動部としてのモータ(5)を動作させることでドローバー(14)が移動し、工具(T)のアンクランプ動作を正常に行うことができる。 ここで、上記の工作機械の主軸装置(1)は、従来周知の油圧シリンダによってドローバーを移動させるものと相違して、電動のモータ(5)によってドローバー(14)を移動させるものとなっている。モータ(5)は、油圧シリンダに比べて多くのメリットを有している。 そこで、この工作機械の主軸装置(1)においては、図3および図4に示す動作シーケンスを有する工具アンクランプ制御部(16)が従来からある主軸制御部に付加されている。 工具アンクランプ制御部(16)によって行われる動作シーケンスの一例としては、図3のブロック図に示すように、(1)モータトルクによる異常検出、(2)自動復旧動作に移行、(3)自動復旧動作としてのプッシャ(13)の推力変更および/またはプッシャ(13)のストローク変更、(4)動作完了確認としてのプッシャ(13)の移動ストロークの確認、(5)動作完了確認でNGの場合の自動復旧動作および動作完了確認の繰り返し、(6)動作完了確認でOKとなった場合の通常動作への移行までの(1)から(6)までの動作が行われる。 図4に、工具アンクランプ制御部(16)の動作シーケンスのより詳しいステップをフローチャートとして示す。 工具アンクランプ制御においては、図4に示すように、まず、図1の状態から図2の状態に変化させる工具(T)のアンクランプ動作を実行する(S1)。この際、図2の状態におけるモータ(5)のトルク値を取得して(S2)、トルク値が正常かどうかを判定する(S3)。通常は、トルク値が正常と判定され、適正に工具(T)のアンクランプが実行されたとして動作を完了(自動工具交換などの次の動作に移行)する。ステップ(S3)において、トルク値が正常でない場合、工具(T)が主軸(2)に固着していると考えられるので、ステップ(S4)以降の自動復旧動作を実行する。 自動復旧動作では、第1の自動復旧動作として、推力変更(推力増大)のためにモータ(5)のトルクの上限を変更し、プッシャ(13)のストロークも変更(増大)することで、アンクランプを行うためのモータ(5)の出力(トルクおよび/または回転数)を上げる(S4)。この条件で工具(T)のアンクランプ動作を実行して(S5)、プッシャ(13)のストロークを確認し(S6)、工具(T)が固着しているかを判定する(S7)。ステップ(S7)で工具(T)が固着していないと判定された場合には、適正に工具(T)のアンクランプが実行されたとして動作を完了(自動工具交換などの次の動作に移行)する。 ステップ(S7)において、工具(T)が固着していると判定された場合、第2の自動復旧動作として、モータ(5)の動作パターン(推力波形)を変更し、プッシャ(13)のストロークも変更(増大)することで、アンクランプを行うためのモータ(5)の出力を上げる(S8)。この条件で再び工具(T)のアンクランプ動作を実行して(S5)、プッシャ(13)のストロークを確認し(S6)、工具(T)が固着しているかを判定する(S7)。第2の自動復旧動作は、ステップ(S7)で工具(T)が固着していないと判定されるまで実行される。 上記の実施形態によると、駆動部としてのモータ(5)と減速機構(12)を有する主軸装置(1)において、モータ(5)の出力(トルクおよび/または回転数)を制御することにより、ドローバー(14)に付与するプッシャ(13)の推力(推力波形として示される時間変化に伴うプッシャ推力の変化)およびプッシャ(13)のストロークを適正化して適正に工具(T)のアンクランプを実行することができる。 ドローバー(14)に付与する推力(推力波形)については、例えば図5(a)に示すように、破線で示す予め設定されているモータ(5)のトルクの初期の上限値(プッシャ(13)の推力の初期設定値に等しい)を基準として、モータ(5)の最大トルクの上限値(プッシャ(13)の推力)を上昇させるとともに、高速で皿ばね(15)に荷重を加えて、工具(T)をアンクランプするパターンであってもよく、例えば図5(b)に示すように、破線で示す予め設定されているモータ(5)のトルクの初期の上限値(プッシャ(13)の推力の初期設定値に等しい)を基準として、モータ(5)の最大トルクの上限値(プッシャ(13)の推力)を上昇させるとともに、徐々に皿ばね(15)に作用する力を上昇させて、工具(T)をアンクランプするパターンであってもよい。 図示省略するが、図5(a)(b)において、推力の上昇のさせ方は、線形に増減させるだけでなく、指数関数や累乗関数的に増減させるようにしてもよい。 上記実施形態の図1および図2においては、プルスタッドボルト(T1)が付いたBTシャンクの工具(T)が図示されているが、工具のシャンク形状は図示したものに限られるものではなく、工具(T)、工具保持部(3)および動力伝達部(4)と