JP-2026076798-A - 偏心測定ゲージ及びこれを使用した入れ子座金の装着方法
Abstract
【課題】アンカーボルト挿通孔が拡大孔であるベースプレートに適用する入れ子座金の装着方法と偏心測定ゲージを提供する。 【解決手段】親座金30の筒状脚部32の肉厚が最小となる位置の座部上面に基点34を設け、拡大孔4の中心Dとアンカーボルト3の軸心Cとを結ぶ線を偏心方向に延長した偏心線<LD>を設定し、偏心測定ゲージ10の凹部11をアンカーボルト3の周面に押し当て、板状本体11の一辺11aが偏心線<LD>と一致した状態で目盛13の数値の差からアンカーボルト3の偏心距離Eを測定し、入れ子座金のサイズ毎に作成した偏心距離Eと回転角度θの関係を表すグラフで、測定した偏心距離Eから下座金の回転角度θを確認し、親座金30の基点34に対して回転角度θの位置に設置基準点35(F)を設け、これを偏心線<LD>上のマーク<P>と一致した位置で親座金30の筒状脚部32を拡大孔4に嵌入する。 【選択図】図13
Inventors
- 須藤 庄一
Assignees
- 株式会社構造工学研究所
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (2)
- 座部の下面側に同心状の筒状脚部をそれぞれ備える二個一組の子座金と親座金からなり、子座金はアンカーボルトの外径に合わせた内径のアンカーボルト受入れ孔が、座部と筒状脚部とを偏心位置で貫通し、親座金は前記子座金の筒状脚部の外径に合わせた内径の脚部受入れ孔が、座部とベースプレートのアンカーボルト挿通用の拡大孔に合わせた外径からなる筒状脚部とを偏心位置で貫通し、該親座金の脚部受入れ孔に前記子座金の筒状脚部を挿入して上下に重ね合わせた状態で使用する入れ子座金を前記子座金に前記アンカーボルトを挿通した状態で該ベースプレートの拡大孔に嵌入する入れ子座金の装着方法で使用する偏心測定ゲージであって、 前記ベースプレートの拡大孔を貫通して上面側に直立する前記アンカーボルトに対して、その周面側から軸心に向けて横断面で半円分だけ嵌入可能な凹部を板状本体の一辺側に備え、該板状本体の一辺上に位置する前記凹部の二か所の開口縁から板状本体の両端に向けて開口幅の中央を起点とする目盛が形成されていることを特徴とする偏心測定ゲージ。
- 座部の下面側に同心状の筒状脚部をそれぞれ備える二個一組の子座金と親座金からなり、子座金はアンカーボルトの外径に合わせた内径のアンカーボルト受入れ孔が、座部と筒状脚部とを偏心位置で貫通し、親座金は前記子座金の筒状脚部の外径に合わせた内径の脚部受入れ孔が、座部とベースプレートのアンカーボルト挿通用の拡大孔に合わせた外径からなる筒状脚部とを偏心位置で貫通し、該親座金の脚部受入れ孔に前記座金の筒状脚部を挿入して上下に重ね合わせた状態で使用する入れ子座金を前記子座金に前記アンカーボルトを挿通した状態で該ベースプレートの拡大孔に嵌入する入れ子座金の装着方法において、 前記ベースプレートの拡大孔の中心と該ベースプレートの拡大孔を貫通して上面側に直立する前記アンカーボルトの軸心とを結ぶ線を該アンカーボルトの偏心方向に前記ベースプレートの上面まで延長して偏心線とした後、前記アンカーボルトに対して、その周面側から軸心に向けて横断面で半円分だけ嵌入可能な凹部を板状本体の一辺側に備え、該板状本体の一辺上に位置する前記凹部の二か所の開口縁から板状本体の両端に向けて開口幅の中央を起点とする目盛が形成されている偏心測定ゲージを使用し、該偏心測定ゲージの凹部に前記アンカーボルトを嵌入して前記一辺を前記偏心線に一致させた状態で、前記ベースプレートの拡大孔に跨る両側の目盛における該拡大孔の周縁が位置するそれぞれの数値の差から偏心距離を測定した後、前記親座金の筒状脚部の肉厚が周方向で最小になる位置に設けた基点に対して、偏心距離と親座金の回転角度の関係を表すグラフから読み取った回転角度の位置の座部に設置基準点を設け、前記偏心線の偏心方向側において該設置基準点が一致する位置で前記親座金の筒状脚部を前記ベースプレートの拡大孔に嵌入した後、前記子座金をアンカーボルトに挿入した状態で所定位置まで回転させて前記親座金の脚部受入れ孔に子座金の筒状脚部を嵌入することを特徴とする入れ子座金の装着方法。
Description
本発明は、例えば鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの建造物で使用される露出型柱脚において、鉄骨柱の下端部に固着されたベースプレートのアンカーボルト挿通用の拡大孔に装着してアンカーボルトの締め付けに用いる入れ子座金の装着技術に関するものである。 露出型柱脚において、アンカーボルトが上端部を残して基礎コンクリートの所定位置に埋設され、鉄骨柱の下端に固着されたベースプレートは、複数本のアンカーボルトによって基礎コンクリートに定着される。具体的には、ベースプレートにアンカーボルトの挿通孔が所定位置に複数形成され、これら挿通孔にアンカーボルトを挿通し、座金を介して螺合するナットの締付けによりベースプレートを固定している。この場合、一般にベースプレートは基礎コンクリートの上面に設けたレベルモルタルの上に載置され、基礎コンクリートの上面とベースプレート下面との間に形成された空間等に無収縮モルタル等のグラウト材を注入充填することにより両者の密着が図られている。 アンカーボルトは、柱脚の応力伝達の媒体として引張力、せん断力を負担すると同時に、鉄骨建て方時の位置決めに必要であることから、その設置に際しては高い精度が求められる。すなわち、水平方向の位置と垂直度がアンカーボルトにとって重要である。ところで、露出型柱脚でベースプレートに設けるアンカーボルトの挿通孔は、アンカーボルト径+5mm以内としなければならないことが建築基準法で規定されている。ただし、この規定は、構造計算等 (実験を含む)で安全が確認された場合には適用されない。そこで、アンカーボルトの施工誤差(位置ずれ)への対策として、アンカーボルト挿通孔の内径を規定値よりも大きい拡大孔に形成し、この拡大孔に対して、当該拡大孔の内径に合わせた外径の筒状脚部を備えた入れ子状の座金を装着する技術が提案されている(特許文献1~4参照)。 これら大小の2枚1組で構成される入れ子状の座金(以下、入れ子座金と称する。)は、子座金と親座金が、いずれも孔が偏心している円筒部(脚部)の上部に座部となる鍔状部分を備え、大径の下座金の内側に小径の上座金が嵌っている。そして、ベースプレートの拡大したアンカーボルト挿通孔に入れ子座金を装着した状態において、各部材の間(横方向)に存在するクリアランスの合計が最大5mmとなるように設計されている。具体的には、子座金の偏心孔(アンカーボルト受入れ孔)とアンカーボルトとの間の間隙、子座金の脚部が納まる親座金の偏心孔(脚部受入れ孔)と子座金の脚部との間の間隙、ベースプレートのアンカーボルト挿通孔(拡大孔)と親座金の脚部との間の間隙の合計が5mm以内になることである。 特開平10-213123号公報(図2,6,7参照)特開2007-57004号公報(図8参照)特開平7-292772号公報(図2参照)特開平6-74227号公報(図1参照) 上記座金は、大小二枚1組の円板状の親座金(大座金)と子座金(小座金)を上下に重ね合わせた入れ子状をなしている。これ等の座金は、それぞれ円板状の座部の下面側に円筒状の脚部を有する共通の形態からなり、いずれも座部の中心から偏心した位置において、親座金には上座金の筒状脚部を嵌合するための孔が、また子座金にはアンカーボルトを挿通するための孔が、それぞれ座部と筒状脚部を貫通するように設けられている。この場合、子座金の筒状脚部が親座金の偏心孔に対して所定のクリアランスをもって嵌合され、ボルトまたは孔の円周方向に相対回転が可能になっている。鉄骨建て方作業において、基礎コンクリート上面に突出するアンカーボルトの位置が設計値よりずれていたときには、これらの座金をそれぞれ左右方向に回転して互いの位置関係を調整することにより、アンカーボルトを貫通させた状態で座金をベースプレートのアンカーボルト挿通孔(拡大孔)に装着することができる。 さらに、この種の入れ子座金は、拡大孔として形成されたベースプレートのアンカーボルト挿通孔を上下の座金の筒状脚部でほぼ隙間なく装填する構造であるから、地震や風などによってせん断力がベースプレートに負荷されたとき、そのせん断力を座金下面の脚部を介して適正にアンカーボルトに伝えることができるという利点がある。すなわち、入れ子座金を使用することにより、許容可能な偏心距離の範囲内でアンカーボルトの設置誤差 ( 基準位置からのずれ ) を解消し、一部で行われていたと言われる「台直し」や「ベースプレートのアンカーボルト挿通孔の現場でのあけ直し」といった性能上に問題のある処置を回避することができる。 本発明に係る入れ子座金を露出型柱脚に適用したときの斜視図である。(a)及び(b)は、図1の露出型柱脚で使用する入れ子座金の一方の構成部材である子座金の平面図と断面図である。(a)~(c)は、図1の露出型柱脚で使用する入れ子座金の他方の構成部材である親座金の平面図、斜視図及びA-A断面図である。拡大孔の中心に位置するアンカーボルトと、図2の子座金及び図3の親座金からなる入れ子座金の嵌合状態を示す断面図である。拡大孔の中心から外れたアンカーボルトと、図2の子座金及び図3の親座金からなる入れ子座金の嵌合状態を示す断面図である。(a)及び(b)は、M27のアンカーボルトを対象とした入れ子座金について、親座金と子座金の筒状脚部における偏心孔の位置と座部上面に設ける基点の位置との関係を示した説明図である。図6の入れ子座金の親座金と子座金について、ベースプレートの拡大孔に対してアンカーボルトが偏心していない状態(偏心距離0mm)から最大偏心状態(偏心距離11mm)までの範囲において、各部材が互いに嵌合しているときの偏心線からの回転角度を示した説明図である。図7の各状態について、ベースプレートの拡大孔中心とアンカーボルト中心との間隔である偏心距離と回転角度との関係を示したグラフである。(a)~(c)は、M24のアンカーボルトを対象とした本発明の第1実施例に係る偏心測定ゲージの平面図、正面図および側面図である。図9の偏心測定ゲージについて、アンカーボルトが偏心していない場合に適用した状態を示す平面図である。図9の偏心測定ゲージについて、アンカーボルトが横方向に偏心している場合に適用した状態を示す平面図である。図9の偏心測定ゲージについて、アンカーボルトが右斜上方向に偏心している場合に適用した状態を示す平面図である。(a)~(c)は、図12の方法で偏心距離を測定し、図6の入れ子座金を図8のグラフを利用して装着する手順を示した説明図である。図9の偏心測定ゲージについて、アンカーボルトの外径がやや小さいときに調整する場合の平面図と正面図である。(a)、(b)は、M24のアンカーボルトを対象とした本発明の第2実施例に係る偏心測定ゲージの平面図と正面図である。 以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明で使用する入れ子座金を露出型柱脚に適用した事例について、一部のアンカーボルトの締結部を分解して外観全体を示した斜視図である。なお、本発明の特徴部分である偏心測定ゲージを用いた入れ子座金の装着方法に関しては、全体構造の説明をした後、図9~13を参照しながら詳しく説明する。図示の露出型柱脚は、鉄骨柱1の下端部に固着されたベースプレート2が、基礎コンクリート(図示せず)上面に突出するアンカーボルト3で固定されたものである。ベースプレート2には、適用するアンカーボルト3の呼び径(M12~M80)に応じて、その径よりも22~50mm程度拡大した拡大孔4が本例では四隅の位置に形成されている。そして、それぞれのアンカーボルト3は、次に詳述する入れ子座金5と平座金6の組合せからなる座金7を挿通した状態で2個のナット8,8で締結されている。 図2,3は、入れ子座金5を2個1組で構成する子座金20と親座金30をそれぞれ示したものである。図2に示した子座金20は、円板状の座部21の上面に、ポンチ穴22が、後述する位置決めのための基点(<NP>)として形成され、その下面に筒状脚部23を同心状に形成した形態をなしている。さらに、アンカーボルト3の軸径に合わせた内径のアンカーボルト受入れ孔24が、円板状の座部21に対して偏心した位置で座部21と筒状脚部23を貫通している。 図3に示す親座金30は、子座金20の座部21の外径よりも大きい円板状の座部31の下面側にベースプレート2の拡大孔4の内径に合わせた外径の筒状脚部32が座部31と同心状に形成されると共に、子座金20の筒状脚部23の外径に合わせた内径の脚部受入れ孔33が、座部31に対して偏心した位置で座部31と筒状脚部32を貫通している。さらに、座部31の上面には、子座金20と同様にポンチ穴34が基点(<NP>)として形成されている。 子座金20の基点22と親座金30の基点34は、内側が偏心孔になっている筒状脚部23と筒状脚部32のそれぞれ最小肉厚t1、t2の位置23a,32aの直上から径方向外方にずれた周縁部に設けられている。なお、この入れ子座金5において、t1とt2は同じ肉厚になっている。これらの子座金20と親座金30は、親座金30の脚部受入れ孔33に子座金20の筒状脚部23を挿入し、互いの座部21,31を上下に重ね合わせた状態で入れ子座金5として使用される。なお、基点(<NP>)22,34の位置は、座部上面以外に、座部の周面であってもよい。また、座金の製造時に限らず、作業現場においてサインペンなどにより表示することも可能である。 次に、互いの偏心孔を利用することでアンカーボルトの位置ずれに対処する入れ子座金5の仕組みについて、図4,5に基づいて説明する。図はアンカーボルト3とベースプレートの拡大孔4と入れ子座金5との関係を示し、互いの嵌合状態を明示するためにそれぞれの筒状脚部23,32の位置で横断した断面図である。図4において、アンカーボルト3はベースプレート2の拡大孔4の中心に位置している。すなわち、アンカーボルト3の軸心Cとベースプレート2の拡大孔4の中心Dが一致し、設計通りにアンカーボルト3が設置されている状況である。この場合には、子座金20と親座金30の互いの嵌合位置は限定されるが、ベースプレート2の拡大孔4に対しては、この嵌合状態(相対位置)を維持する限りにおいては、周方向のどの位置であっても親座金30の筒状脚部32を嵌入させて装着することができる。 ところが、図5のようにアンカーボルト3の軸心Cが拡大孔4の中心Dから外れている場合には、ベースプレート2の拡大孔4と子座金20と親座金30の位置関係が重要になり、特定の位置でないと装着することができない。従来の装着方法としては、まず親座金30を回転することによってベースプレート2の拡大孔4内にその筒状脚部32を嵌入する。次に、アンカーボルト3の上端を子座金20のアンカーボルト受入れ孔24に挿通した状態で子座金20を回転し、親座金30も適宜回転しながら嵌合位置を探す。嵌合位置に到達すると、子座金20の筒状脚部23が親座金30の脚部受入れ孔33内に完全に没入すると同時に、アンカーボルト3の上端が子座金20のアンカーボルト受入れ孔24に対して適正に挿通された状態になる。そして、このような状態で図1に示すように、アンカーボルト3にダブルナット(シングルナットでもよい。)8,8を螺合して締め付けると、アンカーボルト3は入れ子座金5(子座金20と親座金30)によって拡大孔4内に収まり、その位置ずれも併せて吸収され、ベースプレート2を強固に固定する。 次に、本発明で使用する入れ子座金5について、図6,7を参照しながら具体例をもって説明する。入れ子座金の仕様は、アンカーボルトのサイズによっても異なるが、最も重要な要件である許容最大偏心距離Emaxは、次式で表すことができる。 Emax=2×Eh+CL/2 Eh:子座金・親座金の筒状脚部の中心(図6に