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JP-2026076806-A - 生分解性植生シート

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Abstract

【課題】双子葉類植物の導入が可能であり、双子葉類植物の生育に適した生分解性植生シートを提供すること。 【解決手段】生分解性の不織布本体11と、不織布本体11の表面に付設した生分解性の補強ネット15とを具備し、生分解性植生シートであって、不織布本体11の裏面に植物種子12と肥料13を付設し、繊維を絡み合わせてシート状に形成した不織布本体11がケラチンを主成分とした獣毛繊維を主原料とし、法面の浸食防止作用と肥料作用を保有しつつ、植物種子の発芽を可能とするように、ニードルパンチ法により獣毛繊維を互いに絡み合わせて不織布本体11をシート化した。 【選択図】図2

Inventors

  • 服部 浩崇
  • 大西 崇太
  • 寺▲崎▼ 寛章

Assignees

  • 前田工繊株式会社
  • 国立大学法人福井大学

Dates

Publication Date
20260512
Application Date
20241024

Claims (8)

  1. 裏面に植物種子と肥料を付設し、生分解性の繊維を絡み合わせてシート状に形成した不織布本体を具備した生分解性植生シートであって、 前記不織布本体がケラチンを主成分とした獣毛繊維を主原料とし、 法面の浸食防止作用と肥料作用を保有しつつ、植物種子の発芽を可能とするように、ニードルパンチ法により前記獣毛繊維を互いに絡み合わせて前記不織布本体をシート化したことを特徴とする、 生分解性植生シート。
  2. 前記不織布本体のシート厚が0.5~2mmであり、 前記不織布本体の突き刺し強度が0.03~0.3Nであることを特徴とする、 請求項1に記載の生分解性植生シート。
  3. 前記獣毛繊維の繊維長が20~80mmであり、 前記獣毛繊維の繊維幅が0.02~0.06mmであり、 前記獣毛繊維の目付が40~150g/m 2 であること特徴とする、 請求項1または2に記載の生分解性植生シート。
  4. 前記獣毛繊維がウール,モヘア、カシミア、キャメル,アルパカ、ラマ、アンゴラうさぎ等の何れか一種または複数種を含むこと特徴とする、請求項1または2に記載の生分解性植生シート。
  5. 前記不織布本体が生分解性のコットンまたはレーヨンを含むこと特徴とする、請求項1に記載の生分解性植生シート。
  6. 前記不織布本体の表面に生分解性の補強ネットを付設したこと特徴とする、請求項1に記載の生分解性植生シート。
  7. 前記補強ネットの目合いが植物種子の発芽生育が可能な目合い寸法を有することを特徴とする、請求項6に記載の生分解性植生シート。
  8. 前記植物種子に少なくとも双子葉類植物を含むことを特徴とする、請求項6に記載の生分解性植生シート。

Description

本発明は、切土や盛土等の法面における表土の保護および法面緑化を図るための生分解性植生シートに関し、特に双子葉類植物の生育に適した生分解性植生シートに関するものである。 保湿性のあるシート本体に植物種子や肥料を付着させた植生シートを使用した法面保護工法が広く知られている。 この種の植生シートとしては、シート本体がポリエステル繊維等の化学繊維を主体とするタイプの植生シート(特許文献1~3)や、シート本体に綿等の生分解性繊維を含むタイプの植生シート(特許文献4,5)が提案されている。 特開平10-183630号公報特開2002-199811号公報特開2010-101105号公報特開平7-138957号公報特開平9-187165号公報 本発明に係る生分解性植生シートの説明図生分解性植生シートの分解モデル図生分解性植生シートを構成する不織布本体の説明図目付50g/m3の不織布本体の拡大した組織図目付100g/m3の不織布本体の拡大した組織図 以下に図面等を参照しながら本発明に係る生分解性植生シートについて説明する。 <1>生分解性植生シートの概要 図1,2を参照して説明する。 本発明に係る生分解性植生シート10(以下「植生シート10」という)は、切土や盛土等の法面における表土の保護および法面緑化を図るための不織布製シートである。 本発明に係る植生シート10は、略長方形状を呈する生分解性の不織布本体11と、不織布本体11の表面11aに一体に張り合わせた生分解性の補強ネット15とからなる。 不織布本体11は、透水性および通気性を有するシート状物であり、その裏面11bには、植物種子12と肥料13が吹き付けして糊付けされている。 補強ネット15は必須ではなく、補強ネット15を省略する場合もある。 本発明は、不織布本体11を構成する生分解性繊維として獣毛繊維に着目した。 獣毛繊維を用いるにあたって、良好な法面の浸食防止作用と肥料作用と保水・保温作用を有しつつ、双子葉類植物の種子の発芽を可能とする植生シートの開発へ向けて、実証実験を繰り返し行った。 その結果、獣毛繊維の繊維長、獣毛繊維の繊維幅、目付量および植生シートの貫通抵抗に関して好適な数値の組合せを知得して、本発明の完成に至った。 以降に植生シート10について詳しく説明する。 <2.1>不織布本体のシート厚 不織布本体11のシート厚は、0.5mm~2mmの範囲が望ましい。 シート厚が0.5mmより薄いと、植生シート10の浸食抑制効果が悪化し、シート厚が2mmより厚いと植物の子葉による不織布本体11の貫通が阻害される。 <2.2>不織布本体の素材 不織布本体11は、ケラチンを主成分とした獣毛繊維を主原料とする。 獣毛繊維とは、例えばウール,モヘア、カシミア、キャメル,アルパカ、ラマ、アンゴラうさぎ等の何れか一種または複数種を含む。 加工性、入手容易性および経済性を考慮すると、不織布本体11の素材としてはウールが好適である。 これまで獣毛繊維は廃棄処理されていたが,これらの獣毛繊維を法面の緑化資材に活用することで獣毛繊維の廃棄処分量を大幅に削減できる。 不織布本体11を構成する繊維は、100%の獣毛繊維でもよいが、獣毛繊維の一部に生分解性のコットン及び/又はレーヨンを含ませてもよい。 さらに、ポリ乳酸等の生分解性プラスチックやポリエステル等の生分解性の化学繊維を加えることも可能である。 <2.3>不織布本体のシート化手段 ニードルパンチ法を使用して獣毛繊維等の集合体をシート化する。 多数の獣毛繊維の集合体をその両側から全面に亘って多数のニードルを突き刺すことで、多数の獣毛繊維を一体化できることの他に、不織布本体11の表面11aと裏面11bの両面が起毛状態となって、植物種子12と肥料13の定着性と発芽性がよくなる。 <2.4>繊維長 不織布本体11を構成する繊維の繊維長は20~80mmの範囲が望ましい。 繊維長が20mmより小さいと、獣毛繊維が絡み難くなってシート化がし難しくなる。 不織布本体11の繊維長が80mmより大きいと、植物の子葉、特に双子葉類植物の子葉による不織布本体11の貫通を阻害する。 <2.5>繊維幅 不織布本体11を構成する繊維の繊維幅(断面寸法)は0.02~0.06mmの範囲が望ましい。 図4に繊維幅が0.02mmの獣毛繊維(ウール)の拡大図を示し、図5に繊維幅が0.04~0.05mmの獣毛繊維(ウール)の拡大図を示す。 不織布本体11の繊維幅が0.02mmより小さいと、繊維が絡み難くなってシート化が難しくなる。 不織布本体11の繊維幅が0.06mmより大きいと、植物の子葉、特に双子葉類植物の子葉による不織布本体11の貫通を阻害してしまう。 <2.6>目付 不織布本体11を構成する不織布の目付(単位面積当たりの重さ)は、40~150g/m2の範囲が望ましい。 図4に目付が50g/m2の不織布本体11を示し、図5に目付が100g/m3の不織布本体11を示す。 不織布の目付が40g/m2より小さいと、不織布本体11の製造時に目付ムラが発生し易い。 目付ムラが生じると、侵食防止効果や植生能力のムラを誘発し易いうえに、生分解性繊維による十分な肥料効果が得られない。 不織布の目付が150g/m3より大きいと、遮光作用が強くなって植物の発芽環境を悪化させる。 <2.7>不織布本体の貫通抵抗(突き刺し強度) 子葉の先端が尖っていない双子葉類植物であっても、速やかに不織布本体11を貫通し得るように、不織布本体11の好適な貫通抵抗(突き刺し強度)を試験した。 突き刺し強さ試験とは、JIS Z 1707「食品用プラスチックフィルム通則」に準拠した試験であり、不織布本体11を50mm/分の速度で、0.5R・1mmΦの針で突き刺したときに穴が開く力である。 その結果、不織布本体11の突き刺し強さ試験による貫通抵抗は、0.3N以下で、0.03N以上が望ましい。 不織布本体11の突き刺し強さ試験による貫通抵抗が、0.3Nより大きくなると不織布本体11の貫通抵抗が大きくなって、植物の子葉、特に双子葉類植物の子葉による不織布本体11の貫通が阻害されてしまう。 不織布本体11の突き刺し強さ試験による貫通抵抗が、0.03Nより小さくなると、土粒子の捕捉性が低下して植生シート10の浸食抑制効果が悪化する。 (ニュートン)で、値が大きいほど強く、小さいほど弱い。 <3>導入可能な植物種子 不織布本体11に付着可能な植物種子12は、双子葉類植物または単子葉類植物の何れか一種または両種を混合して併用することが可能である。 双子葉類植物を導入可能な理由については後述する。 生物多様性保全の観点からは、可能な限り日本古来の在来植物の種子を使用することが望ましい。 植物種子12として、単子葉類植物は勿論のこと、双子葉類植物についても各種の種子を導入できるので、植生シート10による緑化植物の選択肢が拡大する。 <3.1>双子葉類植物 双子葉類植物としては、つぎに例示した植物の何れか一種または複数種を組み合わせて使用することが可能である。 ●マメ科植物(メドハギ、ヤマハギ等) ●キク科植物(ヨモギ等) ●マメ科植物(カラスノエンドウ、スズメノエンドウ等) ●タデ科植物(ギシギシ、エゾノギシギシ、スイバ等) ●ウルシ科植物(ヌルデウルシ、ヤマウルシ等) ●モクセイ科植物(ライラック、ヒメライラック、キンモクセイ等) ●トウダイクサ科植物(トウダイグサ属、エノキグサ属、ヤマアイ属等に属する植物) ●グミ科植物(ナワシログミ、ツルグミ、ナツグミ等) ●バラ科植物 ●ツツジ科植物 さらに双子葉類植物としては、セイヨウカラシナ、オニタビラコ、カタハセミ、ヒメジオン、アザミ、コナスビ、タケニグサ、タチツボスミレ、トキワハゼ、ノゲシ、ハハコグサ、ミツバツチグリ、ミミナグサ、ヨウシュヤマゴボウ等の何れか一種または複数種を組み合わせて使用可能である。 <3.2>単子葉類植物 単子葉類植物としては、イネ科植物(メヒシバ、エノコログサ、オヒシバ、スズメノカタビラ、トウモロコシ等)、ツユクサ科植物(ツユクサ、イボクサ、ヤブミョウガ)、ススキ属植物(イトススキ、タカノハススキ、シマススキ)等の公知の種子が使用可能である。 <4>肥料 不織布本体11に付設する肥料13は、通常の植物の肥料として用いられるものであれば種類(化学肥料、有機肥料)は問わない。 肥料13としては、例えば窒素系肥料(G)、リン系肥料(P)、カリウム系肥料(K)を適宜混合して使用する。 本発明では、不織布本体11が遅効性の肥料として機能させるため、肥料13の付着量を低減できる。 <5>補強ネット 補強ネット15には、生分解性(麻紐等の植物繊維製のネット)、樹脂製(ケミカルネット)または金属製(金網)のネット材が使用可能である。 補強ネット15の網目は植物の発芽と生育に悪影響を及ぼさない寸法になっている。 生分解性の植物繊維材としては、例えば麻やヤシ等の他に獣毛繊維が適用可能である。 本例では、補強ネット15として麻製の網材を不織布本体11の片面に貼り付けた形態について説明する。 不織布本体11の片面に補強ネット15を張り合わせることにより、不織布本体11の強度が増して、法面等に施工する際のシートの安定性が向上する。 [植生シートを用いた法面保護工法] 植生シート10を用いた法面保護工法について説明する。 <1>植生シートの敷設 法面の雑草木、浮石などを除去した後、法面に植生シート10を敷設する。 植生シート10を敷設する際、植生シート10の裏面11bを法面へ向けて展開し、植生シート10の複数個所にアンカーピンや竹串等の固定ピンを打ち込んで固定する。 <2>植物の発芽環境 不織布本体11を構成する獣毛繊維の寸法と、目付量を特定範囲に限定することで、植生シート10の裏面側に太陽光が入射可能となり、植物種子12の発芽環境が良好となる。 <3>植物種子の子葉の伸張 植物種子12の発芽した子葉は、植生シート10を構成する不織布本体11の獣毛繊維間を進入して表面側に貫通した後に、補強ネット15の網目を貫通して地表へ伸びていく。 特に、不織布本体11の獣毛繊維群は、獣毛繊維の移動が可能な状態で互いに絡み合っているだけであるので、各獣毛繊維の変位に応じて獣毛繊維の間に形成された隙間の拡狭変化が可能である。 そのため、植物種子12の子葉は不織布本体11の獣毛繊維群を押しのけて隙間を拡張しながら上向きに成長していく。 したがって、植物種子12が双子葉類植物であっても、植生シート10を貫通して発芽することが可能となる。 植物種子12が単子葉類植物の場合は、子葉による植生シート10の貫通がさらにし易くなる。 <4>発芽後の植物の生育環境 本発明に係る植生シート10は、植物種子12の発芽時は植生シート10に付設した肥料13が機能して肥料成分を放出する。 換言すると、植物種子12の発芽時においては、生分解性の不織布本体11が十分に肥料化していなため、肥料13が主体となって肥料成分を放出することになる。 不織布本体11の主原料である獣毛繊維は、タンパク質を多く含有していて、獣毛繊維が土中で生分解されることで窒素(N)が発生して肥料化する。 このように、不織布本体11を構成する生分解性の獣毛繊維は、時間の経過に伴って生分解が徐々に進行する。 そのため、発芽した植物は、肥料13と不織布本体11の両肥料要素から、肥料成分の放出を受けて成長する。 肥料13は早期に肥料成分の放出を終了するが、生分解性の繊維成分を含んだ不織布本体11は、数カ月間に亘って少量の肥料成分の放出を継続する。 不織布