JP-2026076811-A - 医薬組成物ならびにその製造方法および用途
Abstract
【課題】非晶質の有効成分が結晶化するのを抑制でき、保存安定性を向上して類縁物質の生成も抑制できる医薬組成物を提供する。 【解決手段】非晶質の有効成分に、薬学的に許容される担体および薬学的に許容される酸性添加剤を配合して医薬組成物を調製する。前記担体は、(メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも一種の水不溶性高分子を含む。前記有効成分は、カボザンチニブまたはその薬学的に許容される塩であってもよい。前記(メタ)アクリル系重合体は、アミノアルキルメタクリレート単位を有する(メタ)アクリル系重合体を含んでいてもよい。前記セルロース誘導体は、セルロースカルボキシアルキルアルキルエーテル類(特に、カルボキシメチルエチルセルロース)を含んでいてもよい。前記酸性添加剤は有機酸を含んでいてもよい。 【選択図】なし
Inventors
- 木村 祐輔
Assignees
- 東和薬品株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (15)
- 非晶質の有効成分、薬学的に許容される担体および薬学的に許容される酸性添加剤を含む医薬組成物であって、 前記担体が、(メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも一種の水不溶性高分子を含む医薬組成物。
- 前記有効成分が、カボザンチニブまたはその薬学的に許容される塩を含む請求項1記載の医薬組成物。
- 非晶質の有効成分および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物であって、 前記有効成分が、カボザンチニブまたはその薬学的に許容される塩を含み、かつ 前記担体が、(メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも一種の水不溶性高分子を含む医薬組成物。
- 前記担体の割合が、前記有効成分100質量部に対して10~1000質量部である請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体が、アミノアルキルメタクリレート単位を有する(メタ)アクリル系重合体を含み、前記セルロース誘導体が、セルロースカルボキシアルキルアルキルエーテル類を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記セルロース誘導体が、カルボキシメチルエチルセルロースを含む請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 非晶質の有効成分および薬学的に許容される酸性添加剤を含む医薬組成物であって、 前記有効成分が、カボザンチニブまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
- 前記酸性添加剤の割合が、前記有効成分100質量部に対して0.01~100質量部である請求項1、2または7記載の医薬組成物。
- 前記酸性添加剤が有機酸を含む請求項1、2または7記載の医薬組成物。
- 前記有機酸がクエン酸を含む請求項9記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が固体分散体である請求項1、2、3または7記載の医薬組成物。
- 有効成分、薬学的に許容される担体および薬学的に許容される酸性添加剤を溶媒に溶解した後、前記溶媒を留去することにより非晶質の前記有効成分を含む医薬組成物を製造する方法であって、 前記担体が、(メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも一種の水不溶性高分子を含む方法。
- 有効成分に、薬学的に許容される担体および薬学的に許容される酸性添加剤を配合して非晶質の前記有効成分を含む医薬組成物を調製することにより、前記有効成分の結晶化および前記有効成分の類縁物質の生成を抑制する方法であって、 前記担体が、(メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも一種の水不溶性高分子を含む方法。
- 有効成分に、薬学的に許容される担体を配合して非晶質の前記有効成分を含む医薬組成物を調製することにより、前記有効成分の結晶化を抑制する方法であって、 前記有効成分がカボザンチニブまたはその薬学的に許容される塩を含み、 前記担体が、(メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも一種の水不溶性高分子を含む方法。
- 有効成分に、薬学的に許容される酸性添加剤を配合して非晶質の前記有効成分を含む医薬組成物を調製することにより、前記有効成分の類縁物質の生成を抑制する方法であって、 前記有効成分がカボザンチニブまたはその薬学的に許容される塩を含む方法。
Description
本発明は、非晶質有効成分を含む医薬組成物ならびにその製造方法および用途に関する。 カボザンチニブは、化学名:N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドであり、下記式で表される化合物である。 カボザンチニブは、根治切除不能または転移性の腎細胞癌や、癌化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌などの治療に有効なマルチキナーゼ阻害薬として利用されている。 カボザンチニブを含む医薬として、特許第6342456号公報(特許文献1)には、カボザンチニブのリンゴ酸塩を含み、かつ前記塩が結晶の形態である腎癌治療で使用される医薬が開示されており、特許第6542429号公報(特許文献2)には、カボザンチニブのリンゴ酸塩を含み、かつ前記塩が結晶の形態である肝癌治療で使用される医薬が開示されている。 特許第6342456号公報特許第6542429号公報 図1は、実施例3で得られた固体分散体である医薬組成物の保存前後におけるX線回折の測定結果を示すグラフである。 [医薬組成物] 本発明の医薬組成物は、非晶質の有効成分、薬学的に許容される担体および薬学的に許容される酸性添加剤を含んでいてもよい。 (有効成分) 有効成分としては、慣用または新規のいずれの有効成分も利用でき、例えば、滋養強壮保健剤、解熱鎮痛消炎剤、向精神病剤、抗不安剤、抗うつ剤、催眠鎮静剤、鎮痙剤、胃腸剤、制酸剤、鎮咳去痰剤、歯科口腔用剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、冠血管拡張剤、末梢血管拡張剤、利胆剤、抗癌剤、抗結核剤、抗生物質、抗ウイルス剤、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、骨格筋弛緩剤などが挙げられる。これらの有効成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。 これらの有効成分のうち、本発明の効果が発現し易い点から、結晶化し易い有効成分が好ましく、カボザンチニブまたはその薬学的に許容される塩(以下「カボザンチニブまたはその塩」とも称する)が特に好ましい。 カボザンチニブの塩は、薬学的に許容できる塩であれば、特に限定されず、酸との塩(付加塩など)であってもよい。 塩を形成するための酸は、無機酸であってもよく、有機酸であってもよい。 無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。 有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、トリフルオロ酢酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸;安息香酸などの芳香族モノカルボン酸;乳酸などのヒドロキシ脂肪族モノカルボン酸;サリチル酸などのヒドロキシ芳香族モノカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのヒドロキシ脂肪族ポリカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸;p-トルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸;グルタミン酸やアスパラギン酸などの酸性アミノ酸;アスコルビン酸、グルコン酸などが挙げられる。 これらの酸は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、リンゴ酸などのヒドロキシ脂肪族ポリカルボン酸が好ましい。 有効成分は、医薬組成物中において、溶媒和物の形態であってもよい。溶媒和物を形成する溶媒としては、例えば、水、アルコール類(例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなどのC1-4アルカノールなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテルなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソオクタンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエンなど)、アミド類(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上の組み合わせであってもよい。溶媒和物としては、例えば、水和物であってもよい。 医薬組成物中において、有効成分は非晶質の形態である。有効成分の種類としては、本発明の効果が発現し易いため、結晶化し易い有効成分が好ましい。 有効成分(特に、カボザンチニブまたはその塩)の割合は、医薬組成物中10~90質量%程度の範囲から選択でき、例えば20~80質量%、好ましくは25~75質量%、さらに好ましくは30~70質量%、より好ましくは35~60質量%、最も好ましくは40~55質量%である。有効成分の割合が少なすぎると、有効成分の溶出性などが低下する虞があり、多すぎると、有効成分の安定性が低下する虞がある。 (担体) 担体は、薬学的に許容される担体として、(メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体からなる群より選択された少なくとも一種の水不溶性高分子を含む。本発明では、担体が(メタ)アクリル系重合体および/またはセルロース誘導体を含むことにより、非晶質の有効成分が結晶化するのを抑制できる。 (メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル単量体、N,N-ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、アンモニオ(メタ)アクリレートなど)の単独または共重合体であってもよく、(メタ)アクリル系単量体と共重合性単量体(ビニルエステル系単量体、複素環式ビニル系単量体、重合性不飽和ジカルボン酸またはその誘導体などのビニル系単量体)との共重合体であってもよい。 (メタ)アクリル系単量体の単独または共重合体としては、例えば、メタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体(メタクリル酸コポリマーLD)、メタクリル酸-アクリル酸-ブチル共重合体、メタクリル酸-メタクリル酸メチル共重合体(メタクリル酸コポリマーS)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体(メタクリル酸コポリマーE)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸ブチル-メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、アクリル酸エチル-メタクリル酸メチル-メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル(アンモニオメタクリレート)共重合体(メタクリル酸コポリマーRS、RL)などが挙げられる。 これらの(メタ)アクリル系重合体は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。 これらの(メタ)アクリル系重合体のうち、非晶質有効成分の結晶化を抑制し易い点から、塩基性(メタ)アクリル系重合体が好ましく、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノアルキルメタクリレート単位を有する(メタ)アクリル系重合体がさらに好ましく、メタクリル酸コポリマーE(またはアミノアルキルメタクリレートコポリマーE)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸ブチル-メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体などのメタクリル酸ジメチルアミノエチル単位を含む(メタ)アクリル系重合体がより好ましい。 セルロース誘導体は、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、セルロースエーテルエステル類のいずれであってもよい。 セルロースエーテル類としては、例えば、イソプロピルセルロース、ブチルセルロースなどのセルロースアルキルエーテル類;エチルメチルセルロース、エチルプロピルセルロースなどのセルロースアルキルアルキルエーテル類(セルロースアルキル・アルキル混合エーテル類);カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)などのセルロースカルボキシアルキルアルキルエーテル類(セルロースカルボキシアルキル・アルキル混合エーテル類);ベンジルセルロースなどのセルロースアラルキルエーテル類;シアノエチルセルロースなどのセルロースシアノアルキルエーテル類などが挙げられる。 セルロースエステル類としては、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースフタレート、セルロースアセテートフタレートなどが挙げられる。 セルロースエーテルエステル類としては、例えば、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)などが挙げられる。 これらのセルロース誘導体は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。 これらのセルロース誘導体のうち、非晶質有効成分の結晶化を抑制し易い点から、セルロースエーテル類が好ましく、セルロースカルボキシアルキルアルキルエーテル類がさらに好ましく、CMECがより好ましい。 これらの水不溶性高分子のうち、取扱性などに優れる点から、セルロース誘導体が好ましく、CMECが最も好ましい。 担体を構成する水不溶性高分子は、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース誘導体に加えて、他の水不溶性高分子を含んでいてもよい。他の水不溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどのビニル系樹脂などが挙げられる。 (メタ)アクリル系重合体およびセルロース誘導体の割合は、水不溶性高分子中50質量%以上であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。水不溶性高分子は、(メタ)アクリル系重合体および/またはセルロース誘導体のみからなる水不溶性高分子であってもよい。 水不溶性高分子の割合は、担体中50質量%以上であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。担体は、水不溶性高分子のみからなる担体であってもよい。 担体の割合は、有効成分100質量部に対して1~10000質量部(特に10~1000質量部)程度の範囲から選択でき、例えば15~500質量部、好ましくは20~300質量部、さらに好ましくは30~200質量部、より好ましくは50~150質量部、最も好ましくは80~120質量部である。担体の割合が少なすぎると、非晶質有効成分の結晶化を抑制できない虞があり、逆に多すぎると、有効成分の溶出性などが低下する虞がある。 (酸性添加剤) 本発明の医薬組成物は、酸性添加剤を含むことにより、医薬組成物の保存安定性を向上して類縁物質の生成を抑制できる。特に、前記担体と酸性添加剤とを組み合わせて含むことにより、非晶質有効成分の結晶化の抑制と、類縁物質の生成の抑制とを両立でき、非晶質有効成分の保存安定性を向上できる。 酸性添加剤は、薬学的に許容され、かつ酸性を示す化合物であれば特に限定されないが、酸が好ましい。酸としては、前記有効成分の塩を形成するための酸として例示された無機酸、有機酸が挙げられる。前記酸は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。 前記酸のうち、有機酸が好ましく、ヒドロキシ脂肪族ポリカルボン酸がさらに好ましく、クエン酸などのヒドロキシ脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。 酸性添加剤の割合が、有効成分100質量部に対して0.01~100質量部程度の範囲から選択でき、例えば0.1~80質量部、好ましくは1~50質量部、さらに好ましくは5~40質量部、より好ましくは10~30質量部、最も好ましくは15~25質量部である。酸性添加剤の割合が少なすぎると、医薬組成物の保存安定性を向上できない虞があり、逆に多すぎると、医薬組成物の機械的特性が低下する虞がある。 (他の成分) 本