JP-2026076890-A - 成形品の製造方法
Abstract
【課題】ポリオレフィンフィルム層と機能層とを備える積層体から再生ポリオレフィン樹脂を回収して、耐衝撃性に優れる成形品を得ることが可能な、成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】ポリオレフィンフィルム層及び機能層を備える積層体から、再生ポリオレフィン樹脂を回収し、前記再生ポリオレフィン樹脂を用いて成形品を製造する、成形品の製造方法であって、アルカリを含む脱離液に前記積層体を浸漬させる、浸漬工程と、 浸漬後の前記積層体を、水の存在下で湿式破砕することにより、再生ポリオレフィン樹脂を含有するフィルム片を得る、湿式破砕工程と、 ニーディングディスクを1以上有するニーディングブロックを備えたスクリューを用いた押出装置により前記スクリュー回転数を300rpm以上で混錬し、前記機能層由来のドメイン相の分散直径が10μm以下かつ、前記機能層由来のドメイン相の分散体積が20μm 3 以下になるよう溶融混錬する溶融混錬工程と、を有する、成形品の製造方法。 【選択図】なし
Inventors
- 千手 康弘
Assignees
- DIC株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20241024
Claims (5)
- ポリオレフィンフィルム層及び機能層を備える積層体から、再生ポリオレフィン樹脂を回収し、前記再生ポリオレフィン樹脂を用いて成形品を製造する、成形品の製造方法であって、 アルカリを含む脱離液に前記積層体を浸漬させる、浸漬工程と、 浸漬後の前記積層体を、水の存在下で湿式破砕することにより、再生ポリオレフィン樹脂を含有するフィルム片を得る、湿式破砕工程と、 ニーディングディスクを1以上有するニーディングブロックを備えたスクリューを用いた押出装置により前記スクリュー回転数を300rpm以上で混錬し、前記機能層由来のドメイン相の分散直径が10μm以下かつ、前記機能層由来のドメイン相の分散体積が20μm 3 以下になるよう溶融混錬する溶融混錬工程と、を有する、成形品の製造方法。
- 前記ニーディングブロックは、前記ニーディングディスクを2以上連結してなり、かつ連結された隣接するニーディングディスク同士の長軸方向間の角度が、0°超~90°である、請求項1に記載の成形品の製造方法。
- 前記機能層は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを含む接着層用組成物の硬化物である、請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
- 前記湿式破砕が、振とう又は叩解により行われる、請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
- 前記溶融混錬工程により得られた溶融混錬物を成形して成形品を得る、成形工程をさらに有する、請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
Description
本発明は、成形品の製造方法に関する。 現在、分別回収されている廃プラスチックの量(リサイクル率)は、世界全体でみると、製造されたプラスチックの9%である。分別回収されなかった91%の廃プラスチックの内訳として、12%は焼却処分され、79%は埋め立て処分されたか、又は環境中に漏れ出ている(非特許文献1)。このようにリサイクル率が低い状態が続いている理由の一つとして、分別回収システムの困難性が挙げられる。 具体的に、プラスチックをリサイクルするためには、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の異種のプラスチック材料が一体化された廃プラスチックを、材料ごとに分離して回収する必要がある。しかし、積層フィルムをはじめとするプラスチック製品の多くは、異種のプラスチック材料同士が接着していることから、材料ごとに分離して回収することが困難な状況である。そのため、廃プラスチックを簡易に分離回収可能なリサイクルシステムの構築が、強く求められている。 また、リサイクルされたプラスチック製品は、コストの観点から、リサイクル前と同じ製品に戻ることは難しい。その上、プラスチック製品は、基本的にはリサイクルするたびに劣化する。そのため、リサイクルされたプラスチック製品は、品質が落ちざるを得ない。 この点、リサイクルプラスチックの品質が落ちる理由としては、プラスチックにインキ又は顔料が不純物として混在していることが挙げられる。特に、多くのプラスチック製品は、その表面に印刷加工が施されているため、リサイクル工程で脱色することが難しい。また、プラスチック製品を構成するプラスチックフィルムには、インキ層(印刷層)以外にも、ハードコート層、接着層、脱離性プライマー層などの種々の機能層が設けられることが一般的である。しかし、これらの機能層由来の成分も、意図しない着色の原因となり得る。 これらの結果として、リサイクルされたプラスチック製品は、着色していることが多い。そのようなリサイクルされたプラスチック製品は、着色のため商品価値が著しく低いだけではなく、不純物が起点となって、伸張性などの物性も劣化し得る。そのため、良品質のリサイクルプラスチック製品を生み出す方法が求められている。 例えば、特許文献1では、プラスチック層及びアルミニウム層を含む多層フィルム廃棄物の再生方法が提案されている。具体的に、特許文献1は、粉砕した多層フィルムについて、アルミニウム層をアルカリで溶解し、次いで残りの粉砕物を比重差で分離し、次いで有機溶媒中で選択的に加熱溶解させ、これにより有価成分を分離する、といった再生方法を開示している。 また、特許文献2では、印刷済みプラスチックフィルム上のインクを除去する方法が提案されている。具体的に、特許文献2は、印刷済みプラスチックフィルムをプランジャーで処理し、次いで粉砕機で粉砕し、次いで所定の洗浄システムにおいてフィルム上のインクを除去し、次いで処理済みプラスチックフィルムを濯ぎ、次いで乾燥させる、といった方法を開示している。 Science Advances 19 Jul 2017:Vol. 3, no. 7, e1700782 特開2006-205160号公報特表2015-520684号公報 図1は、本実施形態の押出装置の一例を示す概略図である。図2は、図1のスクリュー1を備えたシリンダー3の例を示す拡大図である。図3は、スクリューの一例を示す模式図である。図4は、スクリューの別の一例を示す模式図である。図5の上図は、順送りフルフライトスクリューブロック11の一例の正面図(左側)及び側面図(右側)を示す。図5の下図は、逆送りフルフライトスクリューブロック14の一例の正面図(左側)及び側面図(右側)を示す。図6は、本実施形態のニーディングブロックの一例の正面図(左側)及び側面図(右側)を示す。図7は、本実施形態のニーディングブロックの他の一例の正面図(左側)及び側面図(右側)を示す。図8は、本実施形態のニーディングブロックの別の一例の正面図(左側)及び側面図(右側)を示す。 以下、本発明の実施の形態(「本実施形態」と称する。)について詳細に説明するが、本開示は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。 [成形品の製造方法] 本実施形態の成形品の製造方法(以下、「本実施形態の方法」と称することがある。)は、ポリオレフィンフィルム層及び機能層を備える積層体から、再生プラスチックを回収し、当該再生ポリオレフィン樹脂を用いて成形品を製造する、成形品の製造方法である。そして、本実施形態の方法は、アルカリを含む脱離液に前記積層体を浸漬させる、浸漬工程と、浸漬後の前記積層体を、浸漬後の前記積層体を、水の存在下で湿式破砕することにより、再生ポリオレフィン樹脂を含有するフィルム片を得る、湿式破砕工程と、ニーディングディスクを1以上有するニーディングブロックを備えたスクリューを用いた押出装置により前記スクリュー回転数を300rpm以上で、前記フィルム片又は前記フィルム片を含有する組成物を混錬し、前記機能層由来のドメイン相の分散直径が10μm以下かつ、前記機能層由来のドメイン相の分散体積が20μm3以下になるよう溶融混錬する溶融混錬工程と、を含む。 また必要により、前記溶融混錬工程により押し出された溶融混練物をストランドとして引き取る引取工程と、前記ストランドを用いて成形する成形工程と、を含みうる。 本発明者の鋭意検討の結果、本実施形態の方法のように、処理対象としてポリオレフィンフィルム層と機能層とを備える積層体を用いること、並びに、所定の浸漬工程及び湿式破砕工程を行うことにより、成形品材料として好適な再生ポリオレフィン樹脂を得ることができることを見出した。また、かかる再生ポリオレフィン樹脂を用いて所定の溶融混錬工程を行うことにより、積層体に含まれる機能層を微細化することができる。その結果、微細化された機能層が所定の分散直径及び分散体積を有するドメイン相として分散されるため、耐衝撃性に優れる成形品を得ることができることが見出された。より詳細には、かかる耐衝撃性の向上は、所定の浸漬工程及び所定の湿式破砕工程を適切に行うとともに、所定の溶融混練工程によって、再生ポリオレフィン樹脂をマトリックス相(海相)とし、微細化された機能層をドメイン相(島相)とする、いわゆる海島構造を形成できる。そして、前記再生ポリオレフィン樹脂の海相に、適度な大きさの分散体積及び分散直径を有する粒子として前記微細化された機能層がドメイン相(島相)として分散できるため、島相同士の凝集又は巨大な島相等といった海相との界面の面積の偏りを低減することができる。その結果、海相と島相との相溶性が低い場合であっても、衝撃による島相と海相との界面での局所的な破断を低減できるため、成形品全体としての耐衝撃性が向上すると推察される。 なお、「機能層由来のドメイン相」とは、原料である積層体に含まれる機能層を構成する全材料のうち1種以上を含有し、かつポリオレフィン樹脂(再生ポリオレフィン樹脂も包含する)の相と相溶し難い成分又は相分離する成分の相をいう。 本実施形態の成形品の製造方法は、浸漬工程と、湿式破砕工程と、溶融混錬工程とを必須に備え、必要により、前処理工程、洗浄工程、リンス工程、及び成形工程からなる群から選択される1又は2以上の工程をさらに備えることができる。 本実施形態の好適な方法は、原料であるポリオレフィンフィルム層と機能層とを備える積層体に前処理工程を施した後、浸漬工程、洗浄工程、湿式破砕工程、リンス工程、溶融混錬工程、引取工程及び成形工程の順に行われる。これにより、耐衝撃性により優れた成形品を得ることが可能となる。 更に、本実施形態の方法においては、機能層が印刷層などに限定されず、後述する種々の機能層がポリオレフィンフィルム層に設けられた積層体であっても、本製造方法の原料(あるいは処理対象)として用いることができ、所望の成形品を製造することができる。 (処理対象としての積層体) 本実施形態の方法においては、処理対象として、ポリオレフィンフィルム層及び機能層を少なくとも備える積層体を用いる。 本実施形態で用いる積層体は、例えば、非ロール形態のプラスチックフィルムである。また、積層体としては、ロール形態のプラスチックフィルムから切り出されたものを用いることもできる。 本実施形態で用いる積層体は、ポリオレフィン樹脂の層を有する材料であれば特に制限されることはなく、例えば、廃棄物となったプラスチックフィルム(廃プラスチックフィルム)であってもよい。積層体としては、特に限定されず、一般に食品包装用や生活用品用の包装材として流通しているプラスチックフィルム、廃棄された様々な種類のプラスチック基材を有するフィルム等を用いることができる。積層体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 また、本実施形態で用いる積層体は、ポリオレフィン樹脂層を、1つのみ備えてもよく、2つ以上備えてもよい。積層体がポリオレフィン樹脂層を2つ以上備える場合、これらのポリオレフィン樹脂層を構成する樹脂の種類は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。 また、本実施形態で用いる積層体は、機能層を、1つのみ備えてもよく、2つ以上備えてもよい。積層体が機能層を2つ以上備える場合、これらの機能層は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。 本実施形態で用いる積層体は、例えば、最表面に機能層を備える積層体であってもよい。本実施形態で用いる積層体は、例えば、複数のポリオレフィン樹脂層の間に機能層が設けられた積層体であってもよい。 <ポリオレフィンフィルム層> 上述の通り、本実施形態で用いる積層体は、ポリオレフィンフィルム層を備える。なお、ポリオレフィンフィルム層とは、主たる構成樹脂としてポリオレフィン樹脂を含む層状の部材をいう。例えば、ポリオレフィンフィルム層の総量に対して50質量%以上がポリオレフィン樹脂で構成されている層状の部材をいう。 前記ポリオレフィンフィルム層として、具体的には、ポリオレフィン樹脂で構成されるポリオレフィンフィルム層が挙げられる。当該ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)等のポリプロピレン;プロピレン-エチレン-共重合体;エチレン-ブテン-プロピレン共重合体;等が挙げられる。 当該ポリオレフィンフィルム層の好ましい例としては、特に、最終的に得られる成形品の汎用性あるいは回収容易性などの観点から、OPP、CPP等のポリプロピレンを主たる構成樹脂として含むことがより好ましい。即ち、ポリオレフィンフィルム層は、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、直線状低密度ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムであることがより好ましく、ポリプロピレンフィルムであることが特に好ましい。 前記ポリオレフィンフィルム層の平均厚さは、特に限定されないが、例えば5μm以上、又は10μm以上であることが好ましく、また、例えば、500μm以下、200μm以下、100μm以下、又は50μm以下であることが好ましい。これらの上限及び下限の値は任意に組み合わせることができる。また、本明細書における平均厚さは、任意の5か所の平均厚さをいう。 本実施形態で用いる積層体において、ポリオレフィンフィルム層の一部又は全部は、機能層と直接接していることが好ましい。後述する通り、機能層は複数(互いに異なる機能層が複数種あるいは同一の機能層が複数枚)積層されていてもよい。その際、複数の機能層のうち1種又は1枚の一部又は全部が、ポリオレフィンフィルム層と直接接していることが好ましい。