JP-2026076917-A - 再生ポリエステルフィルム、積層再生ポリエステルフィルム
Abstract
【課題】再生ポリエステル原料を多量に用いても、品位に優れる再生ポリエステルフィルムを製造すること。 【解決手段】ポリエステルフィルムに含まれる4,4’-スチルベンジカルボン酸量が0.1ppm以上100ppm以下である、再生ポリエステルフィルム。 【選択図】なし
Inventors
- 早野 知子
- 吉田 頌
- 松本 麻由美
- 貫井 啓介
Assignees
- 東レ株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260512
- Application Date
- 20250225
- Priority Date
- 20241024
Claims (8)
- ポリエステルフィルムに含まれる4,4’-スチルベンジカルボン酸量が0.1ppm以上100ppm以下である、再生ポリエステルフィルム。
- 色調b値が5.0以下である、請求項1に記載の再生ポリエステルフィルム。
- フィルムの厚み1μm当たりのフィルムの色調b値は、0.150以下である請求項1に記載の再生ポリエステルフィルム。
- ヘイズ値が2.0%以下である、請求項1に記載の再生ポリエステルフィルム。
- 厚みが1μm以上500μm以下である、請求項1に記載の再生ポリエステルフィルム。
- 再生ポリエステル樹脂を50質量%以上含んでなる、請求項1に記載の再生ポリエステルフィルム。
- 実質的に粒子を含まない請求項1に記載の再生ポリエステルフィルム。
- 請求項1~7のいずれかに記載の再生ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に、機能層を有してなる、積層再生ポリエステルフィルム。
Description
本発明は再生ポリエステルフィルムに関する。 昨今、国際的な取り組みとして持続可能な開発目標としてSDGs推進本部が設置され国際目標の取り組みとして樹脂のリサイクルの取り組みが活発化している。日本国内では、2000年前後から容器包装リサイクル法、資源有効促進法が施行され、ポリエステル樹脂の再生技術がほぼ確立されているが、2022年には、国際的な取り組みもあり、「3R+Renewable」の概念が取り込まれたプラスチック資源循環法が施行され、廃棄物の再生を最小化する循環型経済技術へ移行しようとしている。 プラスチックの資源リサイクルでは、ポリエステルを代表するポリエチレンテレフタレート樹脂を主要成分とするペットボトルのリサイクルで先行している。近年のリサイクル技術の範囲は、ペットボトルから、その他の工業材料、例えば、包装材や離型・保護などの工程材や機能材料にまで拡大している。また、リサイクル手法においても、マテリアルリサイクル(以下、メカニカルリサイクルという場合がある)、ケミカルリサイクルがあるが、ケミカルリサイクルはメカニカルリサイクルに比して、バージン原料並みの再生ポリエステル原料を得ることができるが、再生にかかる工程数が多くなるため、コストや投入エネルギーが高くなるため、マテリアルリサイクルの再生ポリエステル樹脂が多く採用されている。 一旦成形されたポリエステル原料のマテリアルリサイクルの再生は、再生前の物性が次の再生製品に影響を与えやすい。また、再生に用いる製品がすでに再生ポリエステル原料を含んでいるのか判別がつかず、さらに再生製品を製造すると、製品の品質が低下する問題がある。例えば、ポリエステル樹脂を溶融し成形品としたものをマテリアルリサイクルすると、当初のポリエステル樹脂より黄色味を帯び、溶融し成形品とするとその成形品も黄色味を帯びた成形品となってしまう場合がある。 再生ポリエステル樹脂を用いた黄色味を抑制させる手法として、特許文献1では、メカニカルリサイクルをフィルムの積層構成の各層厚みを利用し、層内のポリエステル樹脂の結晶化を抑制させてフィルムの色調b値の上昇を抑制する技術が提案されている。 特開2024-110921号公報 本発明の再生ポリエステルフィルムは、再生ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルムである。再生ポリエステル樹脂の、ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールあるいはそれらの誘導体を用いて得られるポリエステルである。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも好ましくはテレフタル酸と2,6-ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体並びにポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体の中から選択されるポリエステルを用いることが好ましい。 本発明の再生ポリエステルフィルムは、再生ポリエステル樹脂を含む。再生ポリエステル樹脂とは、一旦ポリエステル樹脂を溶融成形した樹脂を指す。再生方法はケミカルリサイクル、マテリアルリサイクルのいずれでもよい。再生ポリエステル樹脂は、安価に製造できる点でマテリアルリサイクルされた樹脂を主成分とすることが好ましい。ここで、リサイクルとは、一旦、目的物に応じてポリエステル樹脂組成物を所望の形に成形されたたものや、その成形物にさらに加工を施したものをリサイクルすることを言う。具体的な成形物としては、繊維、不織布、フィルム、ボトルなどが含まれる。特に、一般消費者へ流通したものは、成形物の樹脂の劣化や汚染が大きいものが多く、本発明の再生ポリエステル樹脂に用いる回収対象としては、工場内でフィルムの製造工程で出来た未使用のフィルム屑や、工場外へ出荷され他の工場で使用されたフィルムが好ましい。 メカニカルリサイクルをする方法として、成形物をフレーク状に裁断したものを再生ポリエステル樹脂とする場合や、フレーク状、もしくはフィルムを直接溶融押出しカットして、ペレット状に固化させたものがあげられる。機能層や異物をフィルムから剥離・分離させ、水で洗浄したものを用いることが好ましい。メカニカルリサイクルとしては、自社工場内で発生した廃棄物を再処理して、異なる製品の材料として再利用するプレコンシューマであってもよいし、一旦市場に提供された使用済みのポストコンシューマであってもよい。 ケミカルリサイクルをする方法としては、一旦機能層や異物などを剥離・洗浄し、ポリエステルを化学設備を使用して解重合を行い、モノマーやオリゴマーに戻した後、再度重合してポリエステル組成物とする方法があげられる。ケミカルリサイクルの主な方法としては、メタノーリシス法、グリコーリシス法、ハイドロシス法などがあげられる。メタノーリシス法は、メタノールを加えて解重合を行い、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールに分解し、それらを生成して原料とする方法である。グリコーリシス法は、ポリエチレンテレフタレートにエチレングリコールを加え、高温分解し、ビスヒドロキシエチルテレフタレート(以下、単にBHETという)にし、このBHETを原料としてPETを生成する方法である。さらに、このBHETにメタノールを添加し、エステル交換反応によりジメチルテレフタレートとエチレングリコールに分解し、それらを精製して原料とする方法もある。 メカニカルリサイクル、ケミカルリサイクルのいずれも、リサイクル処理前に、成形物に機能層や異物が付着している場合は、アルカリ溶剤等に浸漬させて、機能層や異物を除去し水で洗浄し、フィルムのみを取り出して再生ポリエステル樹脂としての純度を高めておくことが好ましい。機能層の例としては、フィルムの走行性のために設けられる易滑層、光学フィルムの機能層に代表されるハードコート層、屈折率調整層、粘着層、他部材との易接着層、接着剤層、離型シートに代表されるシリコーンや非シリコーンなどで形成された離型層があげられ、異物としては、埃や汚れ、ドライフィルムレジストの残渣、被離型物の残渣等が例示される。 本発明の再生ポリエステル樹脂は、工程数やコストの観点からメカニカルリサイクルを用いることが好ましい。 本発明の再生ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムに、4,4’-スチルベンジカルボン酸を0.1ppm以上100ppm以下含む。4,4’-スチルベンジカルボン酸の含有量は、再生ポリエステルフィルムを全体に対しての含有量であり、フィルムが複数の層で構成される場合は、再生ポリエステルフィルムを構成する層全体(ただし、後述する機能層は除く)で算出されるものである。4,4’-スチルベンジカルボン酸は、ポリエステルの副反応によって生成される物質であり、下記の化学式で表される。 ポリエステルフィルムに含まれる4,4’-スチルベンジカルボン酸の含有量を0.1ppm以上100ppm以下とすることで、再生ポリエステルフィルムの品位、特に、色調b値が良好である。なお、ppmは質量単位である。ポリエステルの黄色味は、ポリエステルの副反応によるものであり、ポリエステル中の金属触媒によってカルボニル酸素が活性化し、β水素が引き抜かれることにより、ビニル末端基成分(H2C=CH-)が発生する。このビニル末端基により多数のエチレン結合(-CH=CH-)を分子内にもつ炭化水素群であるポリエンが形成されることによってポリマーが黄色に着色すると考えられる。しかし、これらポリエン量の検出は難しく、本発明では、そのビニル末端基成分による生成物であると考えられる4,4’-スチルベンジカルボン酸により再生ポリエステルフィルムの黄色味を管理することができる。4,4’-スチルベンジカルボン酸自体は、可視光領域に吸収がないため、色調b値に直接的に影響しない物質である。4,4’-スチルベンジカルボン酸は、共役二重結合を7個有しているため、後述する液体クロマトグラフィや蛍光発光強度測定などの測定により、容易に該化合物を検出することが可能である。 4,4’-スチルベンジカルボン酸の含有量が0.1ppm未満であると、検出下限値に近く検出が難しくなり、ポリエンの生成量も少ないと考えられ、本発明の再生ポリエステルフィルムの色調b値の管理に影響を与えない。4,4’-スチルベンジカルボン酸化合物の含有量が100ppmを超えると、ポリエンの生成も多く再生ポリエステルフィルムの色調b値も高くなり黄色味を帯びる傾向がある。そのため、ポリエステルの副反応によりポリエンが生成されやすい再生ポリエステル原料を所望の4,4’-スチルベンゼンジカルボン酸量に調整して再生ポリエステルフィルムを製造とすることで本発明を達成しやすくなる。再生ポリエステル原料は、フィルムを構成する樹脂を全質量に対して、30質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上100質量%以下とすることが好ましい。また、この4,4’-スチルベンジカルボン酸は、上述記載からもわかるように、バージン原料やケミカルリサイクル原料は、溶融成形されていない状態となるため形成されにくい。 本発明の再生ポリエステルフィルムの色調b値は、5.0以下であることが好ましい。色調b値が5.0を超えると黄色味がかかり透明性が阻害される。本発明はポリエンによる再生ポリエステルフィルムの黄色味を抑制させることを品位の主目的とするため、下限値は特段に限定されるものではないが、色調b値が-5.0以下であると青味がかった色となるため下限値は-5.0である。好ましくは、色調b値は、-5.0以上5.0以下である。再生ポリエステル樹脂を多く利用することで、ポリエンの含有量が多くなり、再生ポリエステルフィルムの色調b値は高くなる傾向にあるので、ポリエステルフィルムを構成する樹脂種類を適宜配分調整することが好ましい。好ましくは、色調b値は3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下、よりさらに好ましくは2.0以下である。フィルムの色調b値は、厚みが厚くなると高くなる傾向にあり、フィルムの厚み1μm当たりのフィルムの色調b値、すなわち、フィルムの色調b値をフィルムの厚み1μmで割り返した値が、0.150以下、より好ましくは0.100以下、さらに好まし