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JP-2026076954-A - 熱間鍛造用鋼およびその製造方法

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Abstract

【課題】高い強度と優れた靭性を有し、さらに高周波焼入れを行う場合の高周波焼入性にも優れる熱間鍛造用鋼について提供する。 【解決手段】C:0.28%以上0.40%以下、Si:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.80%以上2.00%以下、P:0.005%以上0.025%以下、S:0.030%以上0.080%以下、Al:0.015%以上0.050%以下、Cr:0.80%以上2.00%以下、Mo:0.05%以上0.35%以下、V:0.040%以下、B:0.0005%以下およびN:0.0030%以上0.0200%以下を、所定の関係の下に含有する成分組成を有し、ミクロ組織におけるベイナイト組織の面積率が90%以上、ベイナイト組織中の島状マルテンサイト面積率が3.0%以下とする。 【選択図】なし

Inventors

  • 一宮 克行

Assignees

  • JFEスチール株式会社

Dates

Publication Date
20260512
Application Date
20250903
Priority Date
20241024

Claims (6)

  1. 質量%で、 C:0.28%以上0.40%以下、 Si:0.05%以上0.35%以下、 Mn:0.80%以上2.00%以下、 P:0.005%以上0.025%以下、 S:0.030%以上0.080%以下、 Al:0.015%以上0.050%以下、 Cr:0.80%以上2.00%以下、 Mo:0.05%以上0.35%以下、 V:0.040%以下、 B:0.0005%以下および N:0.0030%以上0.0200%以下 を、次式(1)に示すCeqが0.80以上0.97%以下、かつC、Mn、CrおよびMoが次式(2)を満足する範囲にて含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、 ミクロ組織におけるベイナイト組織の面積率が90%以上、ベイナイト組織中の島状マルテンサイト面積率が3.0%以下である熱間鍛造用鋼。 Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1) 0.08≦C-Mn/18―Cr/24―Mo/3≦0.28 ・・・・ (2) 上記式(1)および(2)中の元素記号は当該元素の鋼中含有量を意味する。なお、鋼中に含まれない元素は、鋼中含有量を0とする。
  2. 前記成分組成が、さらに、質量%で、 Cu:0.30%以下、 Ni:0.30%以下、 Nb:0.050%以下、 Ti:0.050%以下、 Pb:0.30%以下、 Ca:0.0050%以下、 Mg:0.0050%以下、 Bi:0.30%以下および Sb:0.0100%以下 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する、請求項1に記載の熱間鍛造用鋼。
  3. 前記成分組成が、さらに、質量%で Sn:0.030%以下 を含有する、請求項1または2に記載の熱間鍛造用鋼。
  4. 質量%で、 C:0.28%以上0.40%以下、 Si:0.05%以上0.35%以下、 Mn:0.80%以上2.00%以下、 P:0.005%以上0.025%以下、 S:0.030%以上0.080%以下、 Al:0.015%以上0.050%以下、 Cr:0.80%以上2.00%以下、 Mo:0.05%以上0.35%以下、 V:0.040%以下、 B:0.0005%以下および N:0.0030%以上0.0200%以下 を、次式(1)に示すCeqが0.80以上0.97%以下、かつC、Mn、CrおよびMoが次式(2)を満足する範囲にて含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材を、 1100~1300℃に加熱したのち熱間鍛造を行い、次いで950℃から350℃までの平均冷却速度を0.10~3.00℃/sとして350℃以下まで冷却した後、450~600℃の温度域に加熱する熱間鍛造用鋼の製造方法。 Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1) 0.08≦C-Mn/18―Cr/24―Mo/3≦0.28 ・・・・ (2) 上記式(1)および(2)中の元素記号は当該元素の鋼中含有量を意味する。なお、鋼中に含まれない元素は、鋼中含有量を0とする。
  5. 前記成分組成が、さらに、質量%で、 Cu:0.30%以下、 Ni:0.30%以下、 Nb:0.050%以下、 Ti:0.050%以下、 Pb:0.30%以下、 Ca:0.0050%以下、 Mg:0.0050%以下、 Bi:0.30%以下および Sb:0.0100%以下 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する、請求項1に記載の熱間鍛造用鋼の製造方法。
  6. 前記成分組成が、さらに、質量%で Sn:0.030%以下 を含有する、請求項4または5に記載の熱間鍛造用鋼の製造方法。

Description

本発明は、熱間鍛造用鋼およびその製造方法に関するものである。 従来、ステアリングナックル、アッパーアーム等の自動車の足廻り部品や、ロッドエンド等の建設機械の油圧部品には、高強度、高靱性が要求される。このため、これらの部品には、素材として機械構造用炭素鋼である、JIS G4051に規定されたS43C、S45C、S48Cなどを用い、熱間鍛造により成形後、焼入れ焼もどし等の熱処理(以下、「調質」とも記す)を施し、さらに部品の種類によっては表面に高周波焼入れを行って、必要な特性を確保していた。 ところが、これらの調質は、莫大なエネルギーを必要とする。よって、昨今の省エネルギー化といった社会的要請に応えるために、かかる焼入れ焼き戻し処理が不要な鋼材の開発が盛んに行われている。 これまで熱間鍛造ままで特性を満足させる熱間鍛造非調質鋼(熱鍛非調質鋼)は、フェライト-パーライト組織においてV炭窒化物の析出強化により強度を高める設計が主流であった。ところが、より高強度を狙って炭素量やV添加量を単に増加すると、靭性を大きく損なう懸念がある。そこで、ベイナイト組織を有する熱間鍛造非調質鋼が注目され、その開発が行われてきた。 例えば、特許文献1には、Cを0.10~0.30質量%程度含有する低炭素鋼に0.05~0.50質量%のVを添加した非調質鋼が提案されている。この非調質鋼は、熱間鍛造後の熱処理を必要とせず、自然放冷によって優れた強度、靭性を得るものである。 特許文献2には、Cを0.30超~0.60%、Mnを1.60超~3.00%含有し、VまたはNb添加による、熱間鍛造ままの組織をベイナイトとする非調質鋼が提案されている。 特許文献3には、Cを0.10~0.35%、Vを0.30~0.70%とし、熱間鍛造後に調質処理を施すことなくベイナイト組織が得られる非調質鋼が提案されている。 特許文献4には、Cを0.25~0.38%、Mnを1.51~2.2%とし、Vを添加しつつ少量のMoを含有する、熱間鍛造後の組織がベイナイト主体組織となる非調質鋼が提案されている。 特許第2743116号公報特許第3196006号公報特許第3241897号公報特許第6390685号公報 以下、本発明を具体的に説明する。 [熱間鍛造用鋼] まず、本発明の鋼について、成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量(%)は、特に断りのない限り質量%を意味するものとする。 C:0.28~0.40% Cは、強度や疲労強度を確保するために必要な元素であり、かつ高周波焼入れの際には表面硬さを高める働きがある。かかる効果を発揮するには、0.28%以上の含有が必要である。好ましくは、0.29%以上であり、より好ましくは0.30%以上である。一方、0.40%を超えてCを含有させると、島状マルテンサイトの量が増えすぎて靱性が低下するため、C量の上限は0.40%とした。好ましくは0.39%以下であり、より好ましくは0.38%以下である。 Si:0.05~0.35% Siは、鋼の溶製時、すなわち製鋼工程において脱酸剤として有用であり、0.05%以上含有させる必要がある。好ましくは0.06%以上であり、より好ましくは0.09%以上である。一方、0.35%を超えてSiを含有させると靱性が低下し、また高周波焼入れ時の硬化深さもばらつくことから、Si量の上限は0.35%とした。好ましくは0.30%以下であり、より好ましくは0.28%以下である。 Mn:0.80~2.00% Mnは、鋼の焼入れ性を向上させて組織をベイナイト化するのに有用な元素である。すなわち、Mnの含有量が0.80%未満であると焼入れ性が不足し、ベイナイト組織の生成量が少なくなって、十分な強度が得られなくなるため、Mnは0.80%以上含有させるものとした。好ましくは0.82%以上であり、さらに好ましくは0.85%以上である。一方、2.00%を超えてMnを含有させると、焼入れ性が高くなり過ぎると共に残留オーステナイトの生成が促進される結果、靭性が低下するだけでなく疲労限度も低下する。さらに、高周波焼入れ時の硬化深さもばらつくことから、Mnの含有量の上限は2.00%とした。好ましくは1.95%以下であり、さらに好ましくは1.90%以下である。 P:0.005~0.025% Pは、旧オーステナイト粒界などに偏析し、靭性を低下させる元素である。Pの含有量が0.025%を超えると靭性や疲労強度への悪影響が大きくなるため、0.025%を上限とした。好ましくは0.024%以下であり、より好ましくは0.023%以下である。一方、Pは低減するほど靭性が良好になるが、精練コストが増加することから、下限は0.005%とした。 S:0.030~0.080% Sは、外周旋削やドリル穴あけ加工などの被削性の向上に有用な元素であり、その効果を得るには0.030%以上の含有が必要である。また、MnS粒子が結晶粒微細化および整粒化に効果があり、靭性向上や高周波焼入れ時の硬化深さばらつき低減にも有効である。以上のことから、0.030%を下限とした。好ましくは0.035%以上である。 一方、0.080%を超える過剰添加は、生成したMnSが破壊起点となって靭性や疲労強度を低下させる。また、高周波焼入れの際の硬化深さばらつきを助長する。よって、Sは、0.080%を上限とした。好ましくは0.078%以下である。さらに好ましくは0.075%以下である。 Al:0.015~0.050% Alは、強力な脱酸効果を持つ元素であるが、含有量が0.015%未満では十分な脱酸効果が得られないため、Al量の下限は0.015%とした。好ましくは、0.019%以上である。一方、0.050%を超えてAlを含有させると、その添加効果が飽和するだけでなく、介在物過多により靭性や疲労限度を低下させるため、Al量の上限は0.050%とした。好ましくは0.045%以下であり、より好ましくは0.040%以下である。 Cr:0.80~2.00% Crは、Mnと同様に組織をベイナイト化するのに必要な元素である。しかしながら、Cr含有量が0.80%未満ではこの効果の発現が不十分である。一方、Cr含有量が2.00%を超えると、残留オーステナイトの生成を促進し、靭性や疲労限度が低下し、また高周波焼入れ時の硬化深さばらつきを助長することになる。 よって、Cr量は0.80~2.00%の範囲とした。好ましくは、0.82%以上である。好ましくは、1.98%以下である。 Mo:0.05~0.35% Moは、フェライトおよびパーライト変態を抑制し、組織をベイナイト化すると共にベイナイトラスを微細化させて靱性を向上させ、かつ残留オーステナイト量の抑制を図る上で必要な元素である。しかしながら、0.05%未満のMo含有では上記の効果の発現が不十分になるため、Mo量の下限は0.05%とした。好ましくは0.07%以上であり、より好ましくは0.10%以上である。一方、0.35%を超えてMoを含有させると、コスト高になると共に残留オーステナイトの生成が抑制され、衝撃値ならびに疲労限度が低下するため、Mo量の上限は0.35%とした。好ましくは0.33%以下であり、より好ましくは0.31%以下である。 V:0.040%以下 Vは、CおよびNとの親和力が強く、鋼中において炭窒化物として析出する。ただし、ベイナイト組織ではこの効果が小さい上に、逆に靭性などを低下させ、高周波焼入れ時の硬化深さばらつきを助長する。よって、V含有量は、0.040%以下に抑える必要がある。低温靭性向上の観点からは、好ましくは0.038%以下であり、より好ましくは0.035%以下である。一方、V含有量の下限は特に限定されないが、原料への不純物混入分である、0.001%程度が好ましい。 B:0.0005%以下 Bは、焼入れ性を高め強度を上昇させる元素であるが、焼入れ性に及ぼす冷却速度依存性が大きく、熱間鍛造後の素材内での強度バラツキを生じ、また靭性を低下させるので上限を0.0005%とする。好ましくは0.0003%以下である。一方、B含有量の下限は特に限定されないが、原料への不純物混入分である、0.00005%程度が好ましい。 N:0.0030%以上0.0200%以下 Nは、鋼中で窒化物を形成し、加熱時の結晶粒径の粗大化を抑制する効果がある。その効果を生じるためには少なくとも0.0030%以上の添加が必要である。好ましくは、0.0050%以上である。より好ましくは0.0060%以上である。一方、過剰の添加は、素材の割れ欠陥の助長や、靭性の低下、高周波焼入れ時の硬化深さばらつきを招くため、上限を0.0200%とした。好ましくは、0.0190%以下である。より好ましくは0.0180%以下である。 さらに、本発明では成分組成が下記式(1)、および(2)を満たす必要がある。 記 0.80≦Ceq(=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14)≦0.97・・・(1) 0.08≦C-Mn/18―Cr/24―Mo/3≦0.28・・・(2) 上記式(1)、(2)中の元素記号は当該元素の鋼中含有量を意味する。なお、鋼中に含まれない元素は、0(ゼロ)とする。 ここで、上記式(1)、(2)ともベイナイト組織制御の指標となるものであり、これらの元素を上記式に従う指標の範囲に収めることによって、ベイナイト組織での所定の強度と優れた靭性を得ることが可能である。 すなわち、式(1)が下限の0.80%を下回る場合は、強度および疲労強度が低下し、必要な硬化深さも得られない。一方、式(1)が上限の0.97%を上回る場合は、島状マルテンサイトが増加し靭性が低下する。 また、式(2)が下限の0.08%を下回ると、島状マルテンサイトが増加し靭性が低下する。一方、上限の0.28%を上回ると、強度や靭性が低下し、高周波焼入れ時の硬化深さのばらつきも大きくなる。 以上、本発明の基本成分について説明したが、本発明の熱間鍛造用鋼における上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明は必要に応じてさらに以下に示す各成分を適宜添加することが可能である。 すなわち、Cu:0.30%以下、Ni:0.30%以下、Nb:0.050%以下、Ti:0.050%以下、Pb:0.30%以下、Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下、Bi:0.30%以下、Sb:0.0100%以下およびSn:0.030%以下のうちから選んだ1種または2種以上である。 Cu、NiおよびNbは強度を高めるために有効な元素である。一方、Cu、NiおよびNbの過剰な添加は、表面性状の低下や、製造コストの上昇、靭性の低下もしくは、高周波焼入れ時の硬化深さばらつきを招くため、それぞれの添加の上限をCu:0.30%、Ni:0.30%、Nb:0.050%とすることが好ましい。ただし、強度向上効果を得るためには、Cu、NiおよびNbは、それぞれ0.01%以上、0.01%以上、0.005%以上の添加が望ましい。 Tiは、TiNなどを形成し、加熱時の結晶粒径の粗大化を抑制し、靭性を向上させる効果があるが、過剰な添加は粗大な析出物の生成による靭性や疲労強度の低下や高周波焼入れ時の硬化深さのばらつきを招くため、添加の上限を0.050%とすることが好ましい。ただし、靭性向上効果を得るためには、0.005%以上の添加が望ましい。 Pb、Ca、MgおよびBiは、いずれも被削性の改善に有効な元素である。一方、多量に添加してもその効果は飽和するだけでなく、むしろ靭性や疲労強度を低下させるので、それぞれの添加の上限をそれぞれPb:0.30%、Ca:0.0050%、Mg:0.0050