JP-2026077079-A - 接合方法
Abstract
【課題】金属部材に表面処理を施さなくても、金属部材と樹脂部材とを接合することができる接合方法を提供すること。 【解決手段】金属部材1と樹脂部材2とを重ね合わせ、摩擦熱を利用して金属部材1と樹脂部材2とを接合する接合方法であって、金属部材1と樹脂部材2との間に粉末材料3を配置した状態で、摩擦熱を金属部材1の側から付与することにより金属部材1と樹脂部材2とを接合する接合工程を含み、粉末材料3が、樹脂粉末4と強化材5とを含む。 【選択図】図2
Inventors
- 栗秋 武史
- 熱田 直行
- 安井 利明
- 松永 啓嗣
- 竹内 千加良
Assignees
- 東レエンジニアリング株式会社
- 国立大学法人豊橋技術科学大学
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (9)
- 金属部材と樹脂部材とを重ね合わせ、摩擦熱を利用して前記金属部材と前記樹脂部材とを接合する接合方法であって、 前記金属部材と前記樹脂部材との間に粉末材料を配置した状態で、前記摩擦熱を前記金属部材の側から付与することにより前記金属部材と前記樹脂部材とを接合する接合工程を含み、 前記粉末材料が、樹脂粉末と強化材とを含むことを特徴とする接合方法。
- 前記接合工程が、 前記樹脂部材の表面に前記粉末材料の層を形成する第1ステップと、 前記粉末材料の層が形成された前記樹脂部材の上に前記金属部材を重ね合わせる第2ステップと、 前記金属部材の表面にツールを回転させながら押圧して前記摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により少なくとも前記粉末材料の一部を軟化および溶融させた後、固化させて前記金属部材と前記樹脂部材とを接合する第3ステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の接合方法。
- 前記第3ステップが、前記ツールを回転させながら前記金属部材に押し込んで、前記金属部材と前記粉末材料との境界面に達しない深さまで進入させる工程を含むことを特徴とする請求項2記載の接合方法。
- 前記樹脂粉末は、粒径が1~100μmの範囲にあることを特徴とする請求項1~3のいずれかの項に記載の接合方法。
- 前記強化材は、平均繊維径が5~20μm、平均繊維長が10~100μmの強化繊維であることを特徴とする請求項1~3のいずれかの項に記載の接合方法。
- 前記粉末材料は、当該粉末材料全量に対して前記強化材を10~40重量%含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかの項に記載の接合方法。
- 前記樹脂部材と前記樹脂粉末とが、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1~3のいずれかの項に記載の接合方法。
- 前記熱可塑性樹脂が、エンジニアプラスチック、又はスーパーエンジニアプラスチックであることを特徴とする請求項7記載の接合方法。
- 前記金属部材が、軽金属、又は軽合金であることを特徴とする請求項1~3のいずれかの項に記載の接合方法。
Description
本発明は接合方法に関し、より詳細には、金属部材と樹脂部材とを重ね合わせ、摩擦熱を利用して金属部材と樹脂部材とを接合する接合方法に関する。 近年、自動車や航空機等の分野では、軽量化による省エネルギー化の要求が高まっている。このような軽量化を図る材料として、高張力鋼薄板やアルミニウム(Al)合金が適用され、さらには、より軽量な樹脂材料の使用も増加している。そして、金属部材と樹脂部材とを適材適所で組み合わせて構造化するマルチマテリアル化も検討されている。このようなマルチマテリアル化された構造体を実現するためには、金属部材と樹脂部材との異材接合が不可欠であり、その接合技術の開発も進められている。 金属部材と樹脂部材との異材接合方法としては、ボルトやリベットなどによる機械的締結や接着剤による接着が一般的である。しかし、機械的締結は、締結金具が必要となり、また気密性が劣るなどの問題があった。また、接着接合は、接着に時間を要し、また有機溶剤の蒸発による有害ガスの発生や接着特性の経時的な劣化などの問題があった。 これらの問題を解決できる異材接合技術の一つとして、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding:FSW)法や摩擦重ね接合(Friction Lap Joining:FLJ)法が提案されている。 摩擦攪拌接合法は、例えば、金属部材と樹脂部材とを重ね合わせて、棒状のツールを高速回転させながら金属部材の表面に押し付け、ツールの先端面に設けられた突起状のプローブを金属部材に押し込んで、塑性流動を発生させて金属部材を攪拌するとともに、ツールと金属部材との間に生じた摩擦熱によって金属部材と接触している樹脂部材を溶融させ、両者を融着する方法である。 摩擦重ね接合法は、摩擦攪拌接合法を応用した接合法であり、摩擦熱を利用して接合を行う方法であるが、ツールにプローブが設けられておらず、そのためプローブによる接合界面の攪拌を伴わない点で、摩擦攪拌接合法と相違している。 上記した摩擦攪拌接合法や摩擦重ね接合法は、摩擦による加熱と接合界面への加圧とを同時に行うため、密着性に優れた接合部を形成することが可能となっており、このような接合部の形成は、材料表面同士の相互作用によって達成されるものと考えられる。 しかしながら、金属部材と樹脂部材とを接合することは容易ではなく、そのため、より確実に接合できるようにするために、金属部材の表面処理を行うことが有効であると考えられ、これまでにいくつかの方法が検討されている。 例えば、下記の特許文献1には、金属部材の表面に凹凸を形成しアンカー効果を利用して接合強度を向上させる機械的表面処理法の一例として以下の内容が開示されている。 すなわち、特許文献1には、摩擦熱を利用して金属部材へ樹脂部材を貼り付ける接合方法において、前記金属部材には、前記樹脂部材と対向する面に微細な凹凸が形成されている部材を用いること、これら微細な凹凸は、レーザ照射加工により形成された複数の微細な溝であることが開示されている。 また、下記の特許文献2、3には、金属部材の表面改質を行って、水素結合力などの化学的結合力を利用して接合強度を向上させる化学的表面処理法の一例として以下の内容が開示されている。 すなわち、特許文献2には、金属部材と樹脂部材との接合方法において、金属部材として、樹脂部材との接触面に陽極酸化処理が施されたものを使用すること、また、金属部材と樹脂部材との相互接触面のうち少なくとも一方の接触面には、接合前にコロナ放電処理が施されていることが開示されている。 また、特許文献3には、熱伝導型線形摩擦接合方法において、金属部材の表面にシランカップリング処理を施すことが開示されている。 [発明が解決しようとする課題] 上記した特許文献1~3に記載の接合方法では、接合前に金属部材の表面に対して機械的加工や表面改質などの化学的処理を施す必要があり、煩雑な操作や手間を要するものとなっていた。そのため、金属部材に表面処理を施さなくても、金属部材と樹脂部材とを接合できる方法が望まれていた。 特開2023-022728号公報特許第5817140号公報特開2022-136753号公報 課題を解決するための手段及びその効果 本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、金属部材に表面処理を施さなくても、金属部材と樹脂部材とを接合することができる接合方法を提供することを目的としている。 本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、金属部材と樹脂部材との間に特定の粉末材料を配置した状態で接合を行うことにより、金属部材に表面処理を施さなくても、金属部材と樹脂部材とを接合できることを見い出し、本発明を完成するに至った。 上記目的を達成するために本発明に係る接合方法(1)は、金属部材と樹脂部材とを重ね合わせ、摩擦熱を利用して前記金属部材と前記樹脂部材とを接合する接合方法であって、 前記金属部材と前記樹脂部材との間に粉末材料を配置した状態で、前記摩擦熱を前記金属部材の側から付与することにより前記金属部材と前記樹脂部材とを接合する接合工程を含み、前記粉末材料が、樹脂粉末と強化材とを含むことを特徴としている。 上記接合方法(1)によれば、前記金属部材と前記樹脂部材との間に前記粉末材料を配置した状態で、前記摩擦熱を前記金属部材の側から付与することにより、前記金属部材に表面処理を施さなくても、前記金属部材と前記樹脂部材とを接合することができる。 また本発明に係る接合方法(2)は、上記接合方法(1)において、 前記接合工程が、 前記樹脂部材の表面に前記粉末材料の層を形成する第1ステップと、 前記粉末材料の層が形成された前記樹脂部材の上に前記金属部材を重ね合わせる第2ステップと、 前記金属部材の表面にツールを回転させながら押圧して前記摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により少なくとも前記粉末材料の一部を軟化および溶融させた後、固化させて前記金属部材と前記樹脂部材とを接合する第3ステップとを含むことを特徴としている。 上記接合方法(2)によれば、前記第1ステップと、前記第2ステップと、前記第3ステップとによって、前記金属部材に表面処理を施すことなく、簡便な方法で、前記金属部材と前記樹脂部材とを接合することができる。 また本発明に係る接合方法(3)は、上記接合方法(2)において、前記第3ステップが、前記ツールを回転させながら前記金属部材に押し込んで、前記金属部材と前記粉末材料との境界面に達しない深さまで進入させる工程を含むことを特徴としている。 上記接合方法(3)によれば、前記ツールを前記金属部材と前記粉末材料との境界面に達しない深さまで進入させることにより、前記金属部材の軟化及び塑性流動を促進させることができ、また、前記金属部材から前記粉末材料及び前記樹脂部材への前記摩擦熱の伝達を促進させることができる。したがって、軟化した前記金属部材と、溶融した前記粉末材料及び前記樹脂部材の密着性を高めることができ、前記金属部材と前記樹脂部材との接合強度を向上させることができる。 また本発明に係る接合方法(4)は、上記接合方法(1)~(3)のいずれかにおいて、前記樹脂粉末は、粒径が1~100μmの範囲にあることを特徴としている。 上記接合方法(4)によれば、前記樹脂粉末は、粒径が1~100μmの範囲にあるので、前記摩擦熱が前記金属部材の側から付与されたときに、前記樹脂粉末を前記金属部材と前記樹脂部材との界面で適度に流動させながら、溶融させることができ、前記界面での密着性を高め、接合強度を向上させることが可能となる。 また本発明に係る接合方法(5)は、上記接合方法(1)~(4)のいずれかにおいて、前記強化材は、平均繊維径が5~20μm、平均繊維長が10~100μmの強化繊維であることを特徴としている。 上記接合方法(5)によれば、前記摩擦熱が前記金属部材の側から付与されたときに、前記強化繊維を前記金属部材と前記樹脂部材との界面に適度に残留させることができ、前記界面に前記強化繊維を介在させることにより、アンカー効果を生じさせることが可能となり、接合強度を向上させることができる。 また本発明に係る接合方法(6)は、上記接合方法(1)~(5)のいずれかにおいて、前記粉末材料は、当該粉末材料全量に対して前記強化材を10~40重量%含むことを特徴としている。 上記接合方法(6)によれば、前記粉末材料は、当該粉末材料全量に対して前記強化材を10~40重量%含むので、前記金属部材と前記樹脂部材との界面に前記強化材を介在させることによるアンカー効果を生じさせる効果を高めることができる。 また本発明に係る接合方法(7)は、上記接合方法(1)~(6)のいずれかにおいて、前記樹脂部材及び前記樹脂粉末が、熱可塑性樹脂であることを特徴としている。 上記接合方法(7)によれば、前記樹脂部材及び前記樹脂粉末が、熱可塑性樹脂であるので、前記摩擦熱でこれらを溶融させることにより、前記樹脂部材と前記粉末材料との界面での密着性を高めることができ、接合強度を向上させることができる。 また本発明に係る接合方法(8)は、上記接合方法(7)において、前記熱可塑性樹脂が、エンジニアプラスチック、又はスーパーエンジニアプラスチックであることを特徴としている。 上記接合方法(8)によれば、前記熱可塑性樹脂が、エンジニアプラスチック、又はスーパーエンジニアプラスチックであるので、耐熱性や機械的強度などに優れたマルチマテリアル化構造物を作製することができる。 また本発明に係る接合方法(9)は、上記接合方法(1)~(8)のいずれかにおいて、前記金属部材が、軽金属、又は軽合金であることを特徴としている。 上記接合方法(9)によれば、前記金属部材が、軽金属または軽合金であるので、軽量化されたマルチマテリアル化構造物を作製することができる。 本発明の実施の形態に係る接合方法に用いる接合装置の要部構成図である。実施の形態に係る接合方法の一例を説明するための図であり、(a)は第1ステップ、(b)は第2ステップ、(c)は第3ステップを示す要部斜視図である。実施例1における金属部材と樹脂部材との配置形態、粉末材料層の形成領域を示す平面図である。引張せん断試験の方法を示す試験片の斜視図である。(a)は、比較例1、2における金属部材と樹脂部材との配置形態、(b)は、金属部材の樹脂部材との接合面にレーザ加工処理、シランカップリング処理が施された表面処理領域を示す平面図である。実施例1における金属部材と樹脂部材との接合部分を示す拡大断面図である。(a)は、ツール回転数が700rpmであった場合における接合界面のプローブ通過部の光学顕微鏡による観察結果を示す断面図、(b)は、ショルダ通過部の光学顕微鏡による観察結果を示す断面図である。(a)は、ツール回転数が800rpmであった場合における接合界面のプローブ通過部の光学顕微鏡による観察結果を示す断面図、(b)は、ショルダ通過部の光学顕微鏡による観察結果を示す断面図である。実施例1における試験片の引張せん断試験後の外観を示し、(a)はツール回転数700rpmの試験片の外観図、(b)はツール回転数800rpmの試験片の外観図である。図9(a)に示したツール回転数700rpmの試験片の樹脂部材の接合面と破断面とを光学顕微鏡で観察した図である。実施例2における光学顕微鏡(10倍)で観察した金属部材1と樹脂部材2との接合体(試験片)の断面を示す断面図である。さらに高倍率(50倍)で観察した接合体の断面を示す断面図である。実施例2における試験片の引張せん断試験後の外観を示し、破断後の樹脂部材及び金属部材の各接合面側の状態を示す正面図である。 以下、本発明に係る接合方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技