JP-2026077097-A - 塗料組成物及び乾性潤滑被膜
Abstract
【課題】耐摩耗性に優れた乾性潤滑被膜を与える塗料組成物、及びその乾性潤滑被膜を提供すること。 【解決手段】乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物であって、バインダー樹脂、及び固体潤滑剤を含み、固体潤滑剤が、グラファイト、及び二硫化モリブデンを含み、グラファイトが、球状グラファイトを含み、バインダー樹脂(B)に対する固体潤滑剤(P)の含有比率(P/B)が、0.15以上である、塗料組成物である。 【選択図】なし
Inventors
- 日紫喜 治彦
Assignees
- 住鉱潤滑剤株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (6)
- 乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物であって、 バインダー樹脂、及び固体潤滑剤を含み、 前記固体潤滑剤が、グラファイト、及び二硫化モリブデンを含み、 前記グラファイトが、球状グラファイトを含み、 前記バインダー樹脂(B)に対する前記固体潤滑剤(P)の含有比率(P/B)が、0.15以上である、 塗料組成物。
- 前記グラファイトが、球状グラファイトのみを含む、請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記固体潤滑剤が、球状グラファイト、及び二硫化モリブデンのみを含む、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 前記固体潤滑剤の含有量が、全固形分に対して10~70質量%である、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 炭酸カルシウムをさらに含む、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 部材の表面に形成されて摺動層を構成する乾性潤滑被膜であって、 バインダー樹脂、及び固体潤滑剤を含み、 前記固体潤滑剤が、グラファイト、及び二硫化モリブデンを含み、 前記グラファイトが、球状グラファイトを含み、 前記バインダー樹脂(B)に対する前記固体潤滑剤(P)の含有比率(P/B)が、0.15以上である、 乾性潤滑被膜。
Description
本発明は、乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物、及び乾性潤滑被膜に関する。 従来、OA機器、家電、自動車、産業機械等の初期なじみ対策、焼き付き性向上等を目的として、固体潤滑剤を樹脂中に分散含有させた乾性潤滑被膜が使用されている。この乾性潤滑被膜は、固体潤滑剤とバインダー樹脂とを含む組成物を、金属部材の表面、又はゴムや樹脂部材の表面に適切な膜厚で塗布し、乾燥又は加熱硬化させることにより被膜化して形成されるものである(例えば、特許文献1)。 近年の高荷重化の要求に対して、乾性潤滑被膜の耐摩耗性をより向上させ、潤滑性を維持できる時間(耐久時間)を延長させることが求められている。 特許第5483349号 以下、本発明の具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが可能である。 ≪1.乾性潤滑被膜形成用の塗料組成物≫ 本実施の形態に係る塗料組成物は、乾性潤滑被膜形成用の塗料組成物である。特に、この塗料組成物は、耐摩耗性に優れた乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物である。 具体的に、本実施の形態に係る塗料組成物は、バインダー、及び固体潤滑剤を含み、固体潤滑剤が、グラファイト、及び二硫化モリブデンを含み、グラファイトが、球状グラファイトを含み、バインダー(B)に対する固体潤滑剤(P)の含有比率(P/B)が、0.15以上であることを特徴としている。なお、塗料組成物は、バインダー樹脂、固体潤滑剤等の固形成分(有効成分)が、揮発成分である溶剤に溶解又は分散して構成される。 本実施の形態に係る塗料組成物により形成される乾性潤滑被膜において、優れた耐摩耗性が得られる理由は、次の通りであると考えられる。 固体潤滑剤としては、例えば、排出された摩耗紛が相手材へ移着して良好な摺動面を形成するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられてきたが、高荷重下では摩耗が促進されて、耐久時間が短くなることがあった。これに対し、二硫化モリブデンとグラファイトを併用することで、高荷重下での被膜強度が高くなり、耐摩耗性が向上する。特に、グラファイトとして配向性が無い球状グラファイトを用いることで、高荷重を一定の面圧で受け止められるため、より安定した耐摩耗性が得られる。 <1-1.構成成分について> [バインダー樹脂] バインダー樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐摩耗性、及び種々の金属基材に対する密着性という点で、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 バインダー樹脂の含有量は、塗料組成物に含まれる全固形分に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上が特に好ましい。また、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 [固体潤滑剤] 本明細書において、固体潤滑剤とは、自己潤滑性を有する固体物質を意味する。固体潤滑剤は、グラファイト、及び二硫化モリブデン(MoS2)を含む。グラファイト、及び二硫化モリブデン以外の固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化タングステン(WS2)、窒化ホウ素(BN)、グラフェン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 グラファイトは、球状グラファイトを含む。球状グラファイト以外のグラファイトとしては、鱗片状グラファイトが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 本明細書において、球状グラファイトとは、長径と短径との比(長径/短径)が1~2であるグラファイトを意味する。長径と短径との比(長径/短径)は、走査電子顕微鏡を用いて1000倍の倍率でグラファイトを観察した際に得られる撮影像に含まれているグラファイト粒子の中から任意に選択された粒子50個の長径と短径とをそれぞれ測定し、各粒子について長径を短径で除することによって長径と短径との比(長径/短径)の値を求め、粒子50個について求められた長径と短径との比(長径/短径)の値の算術平均値を意味する。 固体潤滑剤の平均粒子径は、例えば0.1~50μm、又は1~20μmであってもよい。 グラファイト100質量%中の球状グラファイトの質量は、耐摩耗性の点から、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、100質量%(グラファイトが、球状グラファイトのみを含む)が特に好ましい。 固体潤滑剤100質量%中の球状グラファイト、及び二硫化モリブデンの合計質量は、耐摩耗性の点から、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、100質量%(固体潤滑剤が、球状グラファイト、及び二硫化モリブデンのみを含む)が特に好ましい。 球状グラファイトの含有量は、塗料組成物に含まれる全固形分に対して、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 二硫化モリブデンの含有量は、塗料組成物に含まれる全固形分に対して、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 球状グラファイトの質量と二硫化モリブデンの質量との比は、10:90~90:10が好ましく、30:70~70:30がより好ましく、40:60~60:40がさらに好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 固体潤滑剤の含有量は、塗料組成物に含まれる全固形分に対して、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下が特に好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 [体質顔料] 塗料組成物は、乾性潤滑被膜を補強して耐摩耗性を向上させやすい点から、体質顔料を含むことが好ましい。体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。これらの中でも、耐摩耗性の点から、炭酸カルシウムが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 体質顔料の含有量は、塗料組成物に含まれる全固形分に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 [溶剤] 上述したように、塗料組成物は、上述したバインダー樹脂と、固体潤滑剤と、必要に応じて体質顔料とを含む固形成分を、溶剤に溶解又は分散して構成される。なお、当該塗料組成物を、被塗物(部材)の表面に塗布して焼成等の処理を施すと、溶剤が揮発して、固形成分からなる乾性潤滑被膜が形成される。 溶剤としては、特に限定されず、使用するバインダー樹脂に対する溶解力、乾燥性等を考慮して選定することが好ましい。具体的には、例えば、ポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として使用する場合には、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、シクロペンタノン等の有機溶剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 [その他の添加剤] 塗料組成物においては、必要に応じて、種々の添加剤成分を含有させることができる。具体的には、例えば、沈降防止剤、湿潤分散剤、消泡剤、表面調整剤等の添加剤を使用することができる。 固体潤滑剤(P)とバインダー樹脂(B)との含有比率(P/B)(質量比)は、0.15以上であり、0.2以上が好ましく、0.25以上がより好ましい。また、2.5以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1以下がさらに好ましく、0.7以下が特に好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 塗料組成物が体質顔料を含む場合、固体潤滑剤(P)と体質顔料(E)との含有比率(P/E)(質量比)は、1以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、3以上がさらに好ましい。また、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。上記数値範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られやすい。 <1-2.塗料組成物の製造方法> 本実施の形態に係る乾性潤滑被膜形成用の塗料組成物の製造方法としては、特には限定されず、従来公知の方法により製造することができる。 具体的には、固形成分であるバインダー樹脂と、固体潤滑剤と、必要に応じて体質顔料及びその他の添加剤と、揮発成分である溶剤とを、それぞれ所定の含有割合となるように配合させ混練することによって製造することができる。 このとき、溶剤に均一溶解させたバインダー樹脂の溶液中に、固体潤滑剤が均一に分散した状態とすることが重要となる。したがって、例えば、撹拌容器内に溶剤を投入し、その後、所定の配合割合となるように秤量したバインダー樹脂と、固体潤滑剤とを投入して、これらの材料が均一に溶解又は分散するまで、ディゾルバー型撹拌機やボールミル等の撹拌機によって撹拌する。さらにその後、有効成分の濃度等に応じて、サンドミル型、三本ロール型等の分散機を用いて、バインダー樹脂の溶液中に固体潤滑剤を均一に分散させる分散処理を実施することが好ましい。 なお、溶剤の中にバインダー樹脂と固体潤滑剤とを投入して混錬、分散処理を施す例を説明したが、これに限られず、分散処理後に溶剤を添加することで希釈して組成物としてもよい。 ≪2.塗料組成物による乾性潤滑被膜の形成≫ 上述したように、本実施の形態に係る塗料組成物は、乾性潤滑被膜を形成するためのものであり、この塗料組成物を塗布対象となる被塗物(部材)に塗布して、その後、硬化処理を施すことによって、乾性潤滑被膜を形成することができる。 <2-1.乾性潤滑被膜の形成方法> (被塗物) 被塗物としては、特に限定されず、例えば、金属部材、ゴム部材、樹脂部材等が挙げられ、これらの部材の表面に塗料組成物を塗布して被膜を形成することができる。 (塗布方法) 被塗物に対して塗料組成物を塗布する方法としては、特に限定されず、一般的な塗料と同様に、例えば、エアースプレー塗布、浸漬(ディッピング)塗布、刷毛塗り、吹付けによるタンブリング、スクリーン印刷等の手法により行うことができる。これらの塗布方法の選択は、被塗物の形状や処理数量に応じて適宜設定することができる。 なお、塗料組成物を被塗物に塗布するに先立ち、その被塗物に対する脱脂処理や、被膜の密着性を高めるための表面処理、あるいは洗浄処理等を行うことができる。 (乾性潤滑被膜の膜厚) 形成する乾性潤滑被膜の膜厚としては、特に限定されず、被塗物の用途等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、5μm~50μm程度とすることが好ましく、10μm~25μm程度と