JP-2026077100-A - ノロ汚れ低減方法
Abstract
【課題】コンクリート打設時に型枠の隙間等から漏れるノロを硬化後に容易に剥離除去できるようにし、コンクリート構造物の表面の美観を向上させる。 【解決手段】ノロが付着すると想定されるコンクリート1の表面に、事前に対水接触角が120°以上の撥水性を有するコーティング剤層2を形成しておき、前記コーティング剤層2の表面に付着したノロ3を硬化後に剥離除去する。前記コーティング剤層2は、シリコーン系の浸透性吸水防止材か、1液型又は2液以上混合型の樹脂塗料の塗布層により形成されている。 【選択図】図1
Inventors
- 田中 徹
- 守屋 健一
- 大橋 英紀
- 尾田 賢治
- 可児 幸嗣
- 阿部 嗣
- 河西 悠介
Assignees
- 戸田建設株式会社
- 大同塗料株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (5)
- ノロが付着すると想定されるコンクリート表面に、事前に対水接触角が120°以上の撥水性を有するコーティング剤層を形成しておき、前記コーティング剤層の表面に付着したノロを硬化後に剥離除去することを特徴とするノロ汚れ低減方法。
- 前記コーティング剤層は、シリコーン系の浸透性吸水防止材を塗布することにより形成され、対水接触角が120°~130°である請求項1記載のノロ汚れ低減方法。
- 前記コーティング剤層は、1液型又は2液以上混合型の樹脂塗料を塗布することにより形成され、対水接触角が130°以上である請求項1記載のノロ汚れ低減方法。
- 高さ方向の下側から上側に向けて順次、型枠の組立て、コンクリート打設、脱型を繰り返して構築するコンクリート構造物において、下側の施工済みコンクリートの表面に前記コーティング剤層を形成する請求項1記載のノロ汚れ低減方法。
- プレキャストコンクリートパネルを埋設型枠とし、前記埋設型枠で囲われた空間内にコンクリートを打設して構築するコンクリート構造物において、前記埋設型枠の表面に前記コーティング剤層を形成する請求項1記載のノロ汚れ低減方法。
Description
本発明は、コンクリート打設時に型枠の隙間等から漏れるノロを硬化後に容易に剥離除去でき、コンクリート構造物の表面の美観を向上させたノロ汚れ低減方法に関する。 一般に、柱状・壁状等のコンクリート構造物を構築する際、高さ方向の下側から上側に向けて順次コンクリートが打設される。その際、図9に示されるように、(A)打継部や(B)埋設型枠の隙間などからコンクリートノロが漏れ、下側の施工済みコンクリートの表面や埋設型枠の表面に付着し、美観を損なうことがある。 ノロの表面付着を防止する技術として、例えば下記特許文献1には、予め形成されたスラブの表面全体に炭酸カルシウムを均一に散布する方法が記載されている。 特開昭58-101969号公報 コンクリート1の表面にコーティング剤層2を形成した状態を示す断面図である。(A)はコーティング剤層2に、(B)はコンクリート1に、ノロ3が付着したときの対水接触角θを示す模式図である。(A)は比較例1、(B)は比較例2、(C)は実施例1の、滴下したノロの撥水状況を示す写真である。(A)は比較例1、(B)は比較例2、(C)は実施例1の、硬化したノロの剥離状況を示す写真である。(A)は比較例3、(B)は実施例2、(C)は実施例3の、滴下したノロの撥水状況を示す写真である。(A)は比較例3、(B)は実施例2、(C)は実施例3の、硬化したノロの剥離状況を示す写真である。(A)は比較例4、(B)は実施例4、(C)は実施例5の、滴下したノロの撥水状況を示す写真である。(A)は比較例4、(B)は実施例4、(C)は実施例5の、硬化したノロの剥離状況を示す写真である。(A)は打継部に発生するノロ漏れを示す斜視図、(B)は埋設型枠の隙間に発生するノロ漏れを示す正面図である。 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。 本発明に係るノロ汚れ低減方法は、図1に示されるように、ノロが付着すると想定されるコンクリート1の表面に、事前に対水接触角が120°以上となるコーティング剤層2を形成しておき、図2(A)に示されるように、このコーティング剤層2の表面に付着したノロ3を、該ノロ3の硬化後に剥離除去する方法である。 前記コーティング剤層2は、予備実験によって、コンクリートノロを模擬したセメント水などの模擬ノロを、表面に適量滴下したときの撥水状況を示す対水接触角θを求めておき、この対水接触角θが120°以上であるものが用いられる。前記模擬ノロは、例えば、セメント:水を質量比で100:45(質量比)の割合で混合したものを使用することができる。前記対水接触角の測定は常用に従って行うことができる。一例を挙げると、試料の表面にセメント水を滴下し、この液滴に光を当て、その反対側からカメラで液滴の画像を撮影し、画像解析によりコーティング剤層2の表面との接触角を測定する方法がある。 本発明では、前記コーティング剤層2について、図2(A)に示されるように、対水接触角θが120°以上の撥水性を有するものを用いている。通常、コンクリート表面にノロを滴下したときの対水接触角θは、図2(B)に示されるように、60°以下である。また、コンクリート表面にシラン・フッ素樹脂系の打放しコンクリート用仕上げ材の塗布層を形成した場合は100°程度であり、シラン・シロキサン系の表面含浸材の塗布層を形成した場合は100°~110°である。これに対して、本発明で使用するコーティング剤層2は対水接触角θが120°以上と、特に撥水性に優れたものを用いている。 このような撥水性を有するコーティング剤層2の第1実施形態例として、シリコーン系の浸透性吸水防止材の塗布層を挙げることができる。後述の実験の結果、前記浸透性吸水防止材の対水接触角θは120°~130°であった。前記浸透性吸水防止材は、シロキサンを主成分とした溶剤型の吸水防止材であり、コンクリート表面に塗布することにより、吸水防止層(撥水層)を形成するものである。 前記浸透性吸水防止材の塗工は、コンクリート表面に、はけ又はローラーでの塗布又はスプレーでの散布により行うことができ、1回塗り又は複数回に分けて塗り重ねることにより、1層又は複数層の塗布層を形成することができる。標準的な塗布量は、240~320g/m2である。 対水接触角θが120°以上の撥水性を有するコーティング剤層2の第2実施形態例としては、1液型又は2液以上混合型の樹脂塗料の塗布層を挙げることができる。後述の実験の結果、前記樹脂塗料を塗布して形成したコーティング剤層2の対水接触角θは130°以上であった。特に、前記対水接触角θは、130°~160°が好ましい。 前記1液型又は2液以上混合型の樹脂塗料としては、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂のいずれか又はこれらから選択した2以上を混合したものを用いることができる。例えば、2液混合型のポリウレタン樹脂塗料として、アクリル樹脂とシリカとを主成分とする主剤に、イソシアネートを主成分とする硬化剤を混合することによりウレタン結合を形成するものを挙げることができる。その混合比としては、アクリル樹脂とイソシアネートとからなるウレタン樹脂と、シリカとの混合比を、ウレタン樹脂:シリカ=4.6:3(質量比)とすることができる。 前記樹脂塗料の塗工は、コンクリート表面に、はけ又はローラーでの塗布又はスプレーでの散布により行うことができ、1回塗り又は複数回に分けて塗り重ねることにより、1層又は複数層の塗布層を形成することができる。標準的な塗布量は、30~70g/m2である。 高さ方向の下側から上側に向けて順次、型枠の組立て、コンクリート打設、脱型を繰り返して構築するコンクリート構造物において、前記コーティング剤層2は、脱型した施工済みコンクリートに対して順次形成するようにする。 一方、プレキャストコンクリートパネルを埋設型枠とし、前記埋設型枠で囲われた空間内にコンクリートを打設して構築するコンクリート構造物において、前記コーティング剤層2は、前記埋設型枠の設置前に、又は埋設型枠の設置後であってコンクリートの打設前に、プレキャストコンクリートパネルの表面に前記コーティング剤を塗工することにより形成する。 前記コーティング剤層2の表面に付着したノロは、この付着したノロの硬化後、ケレン棒やスクレーパー、ヘラ等による削り取りや、ハイワッシャー等による高圧水の噴射で容易に剥離除去することができる。また、ケレン棒等で削り取った後、ハイワッシャー等の高圧水で表面を洗浄することにより、付着跡がより確実に除去若しくは低減できるようになる。 高さ方向の下側から上側に向けて順次型枠の組立て、コンクリート打設及び脱型を繰り返してコンクリートを打継ぐコンクリート構造物を構築する場合、上述のノロの除去作業は、各段のコンクリート打設が完了した後に毎回行ってもよいし、最上部までコンクリートを打設した後、最後にまとめて行ってもよい。前者は常にコンクリートの表面の美観が維持でき、後者はノロの除去作業が1回で済み、作業効率が向上できる。