JP-2026077142-A - トナー
Abstract
【課題】高温高湿環境下でも高い電荷保持性とシャープな帯電特性を有し、より長寿命高速な電子写真プロセスにおいても高い帯電立ち上がり性を維持することができるトナー。 【解決手段】トナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子が、表面に酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子を有し、該チタン酸ストロンチウム微粒子がケイ素を含有し、該酸化チタン微粒子の含有量が、該トナー粒子100質量部に対し、0.10質量部以上3.00質量部以下であり、走査透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、該トナー粒子の断面の輪郭上及び該トナー粒子の断面の輪郭から30nm以内の内部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積Aと該トナー粒子の断面の輪郭より外部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積Bとが所定の関係を満たすトナー。 【選択図】なし
Inventors
- 琴谷 昇平
- 田中 正健
Assignees
- キヤノン株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (9)
- トナー粒子を有するトナーであって、 該トナー粒子が、表面に酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子を有し、 該チタン酸ストロンチウム微粒子がケイ素を含有し、 該酸化チタン微粒子の含有量が、該トナー粒子100質量部に対し、0.10質量部以上3.00質量部以下であり、 走査透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、該トナー粒子の断面の輪郭上及び該トナー粒子の断面の輪郭から30nm以内の内部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積をA(pixel)、該トナー粒子の断面の輪郭より外部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積をB(pixel)としたときに、下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー; 1.00≧A/(A+B)≧0.50 ・・・(1)。
- 前記酸化チタン微粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対し、0.10質量部以上1.00質量部以下である、請求項1に記載のトナー。
- 蛍光X線分析によって測定される、前記チタン酸ストロンチウム微粒子におけるSr原子の合計質量に対するSi原子の合計質量の比の値(Si/Sr)が、0.20以上0.60以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記チタン酸ストロンチウム微粒子の水洗法固着率をαとし、前記酸化チタン微粒子の水洗法固着率をβとしたときに、該βが40%以上100%以下であり、該αと該βがα≦βの関係を満たす、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記α及び前記βが下記式(3)の関係を満たす、請求項4に記載のトナー; 0.75≧α/β≧0.00 ・・・(3)。
- 前記酸化チタン微粒子が、ルチル型酸化チタン微粒子である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記酸化チタン微粒子の分散度評価指数が0.4以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記チタン酸ストロンチウム微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、25nm以上80nm以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記走査透過型電子顕微鏡による前記トナーの断面観察において、A/(A+B)の標準偏差をCとしたとき、下記式(2)を満たす、請求項1又は2に記載のトナー; 0.22≧C/{A/(A+B)}≧0.00 ・・・(2)。
Description
本開示は、トナーに関する。 電子写真法、静電記録法及びトナージェット方式記録法など、静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、複写機、複合機、プリンタなどの電子写真装置に適用されている。近年では、使用目的及び使用環境の多様化が進むとともに、これらの電子写真装置のさらなる高速化、長寿命化が求められている。特に、電子写真の世界的な普及に伴い、より帯電性に対して不利である高湿環境においても十分な帯電量を確保できるトナーが求められている。 高湿環境下では、空気中の水分量の影響でトナーの帯電量を向上させにくく、さらには電荷リークによる帯電維持性の低下や帯電分布のブロード化も起こしやすい。トナーを担持し電子写真感光体へと現像する現像プロセスにおいて、不十分な帯電量のトナーや帯電分布がブロードなトナーが存在する場合、本来意図していない非現像領域へトナーが現像されてしまう場合がある。この現象が起きると、本来は非現像部である紙上の余白などの部分にトナーが印刷されてしまい、高画質な画像を得られない。したがって、高湿環境下においても、高い帯電量とシャープな帯電分布を有するトナーが求められる。 従来、帯電量を始めとしたトナーの帯電特性を制御するために、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子などの無機微粒子や、シリコーン粒子などの有機微粒子によりトナー表面を被覆する手法が、広く用いられている。 特許文献1では、トナー粒子表面に体積抵抗値を制御した微粒子を配置し、かつシリコーン微粒子を外添剤として用いることによって、高温高湿下で長期耐久使用した場合においても、転写性が低下しにくいトナーが開示されている。 特開2020-109501号公報 切削した薄片サンプルの断面を示す説明図粉体比抵抗値の測定装置概略図ファラデーケージの模式図 本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。本開示において、例えば「XX、YY及びZZからなる群から選択される少なくとも一つ」のような記載は、XX、YY、ZZ、XXとYYとの組合せ、XXとZZとの組合せ、YYとZZとの組合せ、又はXXとYYとZZとの組合せのいずれかを意味する。なお、XXが群の場合はXXから複数を選択してもよく、YY及びZZについても同様である。 本開示において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。 本発明者らは、高温高湿環境下における長寿命高速な電子写真プロセスにおいて、高い帯電量とシャープな帯電分布を有する特性と、高い帯電立ち上がり特性を両立することを目指し鋭意検討を行った結果、先述の課題を解決できるトナー構成を見出した。 すなわち、本開示に係るトナーは、トナー粒子を有するトナーであって、 該トナー粒子が、表面に酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子を有し、 該チタン酸ストロンチウム微粒子がケイ素を含有し、 該酸化チタン微粒子の含有量が、該トナー粒子100質量部に対し、0.10質量部以上3.00質量部以下であり、 走査透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、該トナー粒子の断面の輪郭上及び該トナー粒子の断面の輪郭から30nm以内の内部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積をA(pixel)、該トナー粒子の断面の輪郭より外部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積をB(pixel)としたときに、下記式(1)を満たすことを特徴とするトナーである。 1.00≧A/(A+B)≧0.50 ・・・(1) 一般的に酸化チタン微粒子やチタン酸ストロンチウム微粒子は低抵抗な外添剤として用いることができることが知られており、抵抗が低いためにトナーとの電荷の授受に優れるため、帯電立ち上がり性を高めることができる。一方で、抵抗が低いがゆえに電荷のリークを起こしやすく、高い帯電量を確保することが難しい。 これに対して、本開示に係る構成のように、A/(A+B)を適切に制御し、酸化チタン微粒子をトナー表面に適切に埋没させることで、電荷の授受ができる部分を制限することができ、電荷のリークを抑制することが可能であることを本発明者らは見出した。 本発明者らは上記酸化チタン微粒子の埋没度の制御に加え、ケイ素を含有するチタン酸ストロンチウム微粒子を、帯電付与を担う外添剤として用いることで、高い帯電量とシャープな帯電特性を確保することができることを見出した。この理由について、本発明者らは次のように推測している。 チタン酸ストロンチウム微粒子についても、酸化チタン微粒子同様に一般的に低抵抗な外添剤として用いることができることが知られている。そのため、通常のチタン酸ストロンチウム微粒子を用いた場合、酸化チタン微粒子からチタン酸ストロンチウム微粒子を介して電荷がリークしてしまい、高い帯電量を確保することが難しいと考えられる。 一方で、ケイ素を含有するチタン酸ストロンチウム微粒子を用いた場合、該チタン酸ストロンチウム微粒子は、結晶構造内部にケイ素という不純物を含み格子欠陥などを生じやすいと考えられる。結晶構造内部に不純物や格子欠陥を有する場合、一般にその部分は電子や正孔を捕獲しやすく、電荷をトラップする部位として働くと考えられるため、電荷を保持しやすく、高い帯電量とシャープな帯電特性を確保することができたと考えている。 また、上記の構成とすることで、高温高湿環境下における長寿命高速な電子写真プロセスにおいても、高い流動性と高い帯電立ち上がり特性を有することを見出した。 チタン酸ストロンチウム微粒子は硬い外添剤としても知られているため、高温高湿環境下においてはトナーへの埋没が懸念となる。しかし、上記構成とすることで、硬い酸化チタン微粒子がトナー表面に適切に埋没されているため、酸化チタン微粒子がクッションとなることで高温高湿環境下における長寿命プロセスにおいてもチタン酸ストロンチウム微粒子がトナーへ埋没されることを防ぐことができる。これによって、チタン酸ストロンチウム微粒子はトナーへ埋没されることなく流動的に動くことができる。その結果、トナーの流動性を高い状態で維持することができ、流動性の低下に伴う画像弊害発生の抑制を達成することができていると考えられる。さらには、寿命を通して高い流動性を維持できることで、電荷を保持しやすいケイ素を含有するチタン酸ストロンチウム微粒子と酸化チタン微粒子の接触機会が増加し、高い帯電立ち上がり性を発揮していると推測している。 ケイ素を含有するチタン酸ストロンチウム微粒子は、基本となる結晶構造はチタン酸ストロンチウムであることから、電荷をトラップする部位を持ちながらもチタン酸ストロンチウムの特徴である低抵抗な特性は有しているため、電荷の授受は速やかに行うことができると考えられる。一方で、酸化チタン微粒子は埋没しているため電荷を授受する部位は限られているが、チタン酸ストロンチウム微粒子と接触さえすれば、低抵抗な外添剤同士のため、電荷の授受を速やかに行うことができると考えられる。また、酸化チタン微粒子は埋没しているためにトナー粒子への電荷の受け渡しも速やかに行うことができると推測される。酸化チタン微粒子とチタン酸ストロンチウム微粒子との接触機会の増加に寄与しているのが、チタン酸ストロンチウム微粒子の高い流動性であると考えられ、寿命を通して高い流動性を維持できることで、寿命を通して高い帯電立ち上がり性も有することができたと推測している。 以下、上記のメカニズムを元に、本開示の好適な態様を述べる。 <トナー> 以下では、トナーを構成し得る各成分及びトナーの製造方法について説明する。 本開示のトナーは、トナー粒子を有するトナーであって、 該トナー粒子が、表面に酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子を有し、 該チタン酸ストロンチウム微粒子がケイ素を含有し、 該酸化チタン微粒子の含有量が、該トナー粒子100質量部に対し、0.10質量部以上3.00質量部以下であり、 走査透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、該トナー粒子の断面の輪郭上及び該トナー粒子の断面の輪郭から30nm以内の内部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積をA(pixel)、該トナー粒子の断面の輪郭より外部に存在する該酸化チタン微粒子の合計面積をB(pixel)としたときに、下記式(1)を満たすことを特徴とするトナーである。 1.00≧A/(A+B)≧0.50 ・・・(1) 本開示のトナーは、トナー粒子が表面にチタン酸ストロンチウム微粒子を含有し、該チタン酸ストロンチウム微粒子はケイ素を含有することを特徴とする。該チタン酸ストロンチウム微粒子に含まれるケイ素の量としては、蛍光X線分析によって測定される、Sr原子の合計質量に対するSi原子の合計質量の比の値(Si/Sr)が0.20以上0.60以下であることが好ましい。 (Si/Sr)が0.20以上であると、チタン酸ストロンチウムの低抵抗な特徴を有したまま電荷をトラップするために十分なSiが含有されるため、高い帯電量と適正な電荷授受性を確保できる。一方、(Si/Sr)が0.60以下であると、帯電性が適正に保たれるため、過帯電に伴う静電凝集による流動性低下が抑制され、帯電立ち上がり性が良好となる。(Si/Sr)は、好ましくは0.26以上0.60以下であり、さらに好ましくは0.26以上0.50以下である。(Si/Sr)は、チタンストロンチウム微粒子製造時のSi添加量や、添加材料、添加タイミングなどにより制御することができる。 チタン酸ストロンチウム微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、0.10~2.50質量部であることが好ましく、0.10~1.50質量部であることがより好ましく、0.5~1.50質量部であることがさらに好ましい。上記含有量が0.10質量部以上であると帯電量を十分に確保することができ、2.50質量部以下であると過帯電に伴う静電凝集による流動性低下が抑制され、帯電立ち上がり性が良好である。 また、チタン酸ストロンチウム微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、10~120nmが好ましく、25~80nmであることがより好ましい。個数平均粒径が10nm以上であるとより過帯電になりにくく、帯電分布がよりシャープになりやすい。また、個数平均粒径が120nm以下であると流動性が良好であり、トナーの帯電立ち上がりがより早くなる。 チタン酸ストロンチウム微粒子の粉体比抵抗値RAは、例えば7.0×107~7.0×1012μΩ・cmであり、1.0×108~1.0×1012μΩ・cmであることが好ましく、1.0×109~1.0×1012μΩ・cmであることがより好ましい。RAが1.0×107μΩ・cm以上であると、帯電保持性が十分であるため高い帯電量を確保することができ、RAが7.0×1012μΩ・cm以下であると、十分な電荷授受性が確保できるためトナーの帯電立ち上がり性が良好である。チタン酸ストロンチウム微粒子の粉体比抵抗値RAは、チタン酸ストロンチウム微粒子の粒径、製造時のSi添加量、表面処理剤種及び含有量などにより制御することができる。 さらに本開示のトナーは、トナー粒子が表面に酸化チタン微粒子を含有することを特徴とする。酸化チタン微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、0.10質量部以上3.00質量部以下である。0.10質量部以上であると、電荷授受性が高いため帯 電がシャープになりやすく、またチタン酸ストロンチウム微粒子の埋没も抑制できるため寿命を通して流動性や帯電立ち上がり性を維持することができる。一方で、3.00質量部以下であると、酸化チタン微粒子が過剰でないため電荷の