Search

JP-2026077155-A - 累進屈折力レンズの設計方法

JP2026077155AJP 2026077155 AJP2026077155 AJP 2026077155AJP-2026077155-A

Abstract

【課題】累進屈折力レンズの累進面に破綻なく非点収差を低減させるのに好適な累進屈折力レンズの設計方法を提供すること。 【解決手段】コンピューターシミュレーションによる累進屈折力レンズの設計方法であって、基準累進面上の離散的な点群を測点として、各測点についてそれぞれ強主経線及び弱主経線をその測点を中心として所定の角度で回転させ、回転移動させた前記強主経線を新たな前記強主経線とするとともに、回転移動させた前記弱主経線を新たな前記弱主経線とし、回転移動させた前記強主経線方向のS度数に基づいて新たな前記強主経線のS度数を設定し、回転移動させた前記弱主経線方向のS+C度数に基づいて新たな前記弱主経線のS+C度数を設定する。 【選択図】図2

Inventors

  • 朝野 彰

Assignees

  • 東海光学ホールディングス株式会社

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20241025

Claims (6)

  1. レンズ上方に配置された比較的遠方を見るための遠用部領域と、同遠用部領域よりも下方に配置され同遠用部領域よりも大きな屈折力を有する近用部領域と、これら2つの領域の間に配置され屈折力が累進的に変化する累進帯領域を備え、前記遠用部領域から前記近用部領域にかけて加入度数が徐々に付加されていくように加入勾配が設定された累進面を備えたコンピューターシミュレーションによる累進屈折力レンズの設計方法であって、 ある基準となる累進面(以下、基準累進面)上の離散的な点群を測点として、各測点についてそれぞれ強主経線及び弱主経線をその測点を中心として所定の角度で回転させ、回転移動させた前記強主経線を新たな前記強主経線とするとともに、回転移動させた前記弱主経線を新たな前記弱主経線とし、回転移動させた前記強主経線方向のS度数に基づいて新たな前記強主経線のS度数を設定し、回転移動させた前記弱主経線方向のS+C度数に基づいて新たな前記弱主経線のS+C度数を設定することで、補正された前記離散的な点群の前記各測点に基づいて新たな累進面を設計するようにしたことを特徴とする累進屈折力レンズの設計方法。
  2. 前記各測点における眼球軸とレンズ軸の差となる軸差に基づいて前記所定の角度を算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  3. 前記所定の角度に所定の重みを与えるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  4. 前記所定の重みは瞳孔径の大きさに応じたパラメータであることを特徴とする請求項3に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  5. 前記所定の角度での回転は非点収差の軸が倒乱視軸方向に近づく回転であることを特徴とする請求項1又は2に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  6. 前記近用部領域の側方領域に配置された前記離散的な点群の前記各測点について他の領域よりも所定の角度を大きくして回転させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の累進屈折力レンズの設計方法。

Description

本発明は、老視補正用の眼鏡に使用される累進屈折力レンズの設計方法等に関するものである。 累進屈折力レンズは遠用部と近用部とを累進帯を介して加入するように設計されるため、レンズ面に大きな非点収差が発生する。非点収差は外的要因で眼に付与される乱視と等価な成分であり、すなわち乱視成分は非点収差に他ならない。そして、累進屈折力レンズの乱視成分は外的要因で処方として付与される乱視度数のように特定の方向に収差の軸(乱視軸)があるのではなく軸方向は一定しないため、直乱視、倒乱視、斜乱視のすべての種類の軸(つまり非点収差の軸)を有する可能性がある。 このように累進屈折力レンズにおいて非点収差の発生は避けらないものの、非点収差の大きな領域において視線を移動させるとどうしても像が揺れ動いて気持ち悪さを感じる場合もある。特に明視域が中央寄り付近となる近用部では左右方向に視線を移した際に比較的他の領域に比べて非点収差の影響を受けやすくなっている。そのため従来より非点収差を軽減するような設計が考えられている。そのような累進屈折力レンズの非点収差に及んだ先行特許文献として特許文献1を挙げる。特許文献1には非点収差を抑制する目的で累進面と累減面のサグ合成により、累進的な合成面を得る製造方法が開示されている。 特表2004-524582号公 実施の形態の設計方法を実現するための演算用コンピューター装置の電気的構成を説明するためのブロック図。左図は基準累進面のS度数の光学性能分布図、右図は基準累進面の非点収差の光学性能分布図。リスティングの法則による眼球モデルの回旋運動を説明するための模式図。図2の基準累進面の測点群を所定角度で回転させた後の補正した測点群に基づいて累進面をシミュレートして作成した左図はS度数の光学性能分布図、右図は非点収差の光学性能分布図。図2の基準累進面の測点群を所定角度で回転させた後の補正した測点群に基づいて累進面を最適化計算によって作成した左図はS度数の光学性能分布図、右図は非点収差の光学性能分布図。本発明の非点収差を低減する理論を説明する模式図であって(a)は測点を回転させる前、(b)は測点を回転させた後。(a)は非点収差を低減する前の奥行き方向の明視域の違いを説明するイメージ図、(b)は同じく非点収差を低減した後の奥行き方向の明視域の違いを説明するイメージ図。 以下、具体的な実施の形態の説明をする。 図1は本発明の設計方法を実現するための一例としての演算用コンピューター装置1の概略ブロック図である。演算用コンピューター装置1には表示手段あるいは出力手段としてのモニター2とプリンタ3、キーボードやマウス等の入力装置4が接続されている。 演算用コンピューター装置1はCPU(中央処理装置)5及び記憶装置6等の周辺装置によって構成される。CPU5は入力装置4からの命令により各種プログラムに基づいて処理を実行する。記憶装置6にはCPU5の動作を制御するためのプログラム、複数のプログラムに共通して適用できる機能を管理するOA処理プログラム(例えば、日本語入力機能や印刷機能等)等の基本プログラムが格納されている。 また、レンズの形状データに基づいて視軸による裏面光線追跡や透過光光線追跡のシミュレーションを実行する光線追跡シミュレーションプログラム、光線追跡の結果として得られた光学性能データに基づいて視力のシミュレーションを実行するシミュレーションプログラムが格納されている。 また、CPU5は記憶装置6内には設計対象となるレンズについての形状データ、形状データのあるレンズに対する裏面光線追跡や透過光光線追跡のシミュレーションを実行した結果、算出した光学性能データ等が格納される。 また、光学性能データに基づいて実行した視力のシミュレーション結果が格納される。 また、CPU5は記憶装置6内に記憶された演算プログラムに従ってシミュレーションを実行した結果、得られたデータに基づいて平均度数分布図、S度数分布図、非点収差分布図、プリズム分布図、歪曲収差分布図等を作成し、モニター2やプリンタ3から出力させる。 次に、演算用コンピューター装置1のシミュレーションプログラムによって実行される光線追跡によるシミュレーションの具体的な一例について具体的に説明する。光線追跡シミュレーションは、レンズ表面頂点から任意の視距離だけ離れた物点、レンズ、及び眼球モデルで構成される光学系を想定する。 1.眼球モデルについて 「眼球モデル」は、例えば、グストランドの模型眼に代表される実測された眼のデータを用いてもよいし、簡易的に眼回旋中心をレンズ裏面から24~29mm程度離れた位置に設定してもよい。レンズ裏面から眼回旋中心までの距離は、軸性の近視のような場合には距離が長くなるし、鼻の高さによりレンズの位置が変化する場合などにも距離が変動するため、シミュレートする条件に合わせて設定することがよい。 2.基準累進面について 本実施の形態では累進屈折力レンズの基準累進面として図2に示すような光学性能となる累進面の設計を用いるものとする。等高線の間隔を0.25ディオプターとして左図がS度数の分布図であり、右図は非点収差(S+C度数)の分布図である。処方度数はS0.00、C0.00で乱視軸(AX)0,加入度は2.00Dである。 基準累進面の累進面上のあらゆる点に対して補正をするために、まず累進面上に離散的に配置される多数の測点の三次元位置をシミュレートして決定する。そして、測点に基づいて下記5.のように補正(つまり、累進サグの調整)する。 3.測点の回転手法と回転角度について シミュレーションによる光線追跡の過程においては、測点ごとに任意物体点から出発した後、レンズ上のある任意1点を通過し、レンズを透過後に眼回旋点もしくは中心窩を通るような主光線が求まり、主光線を原点としその周りに瞳孔半径だけ離れた位置にある一対副光線が求まる。光線追跡シミュレーションにおいては副光線に基づいて視力を計算し、視力に基づいてレンズパワーを計算する。 今、非点収差の軸方向について一対副光線が求まっている。この一対副光線の位置座標を、 T(sub±)=(x(sub±),y(sub±),z(sub±) ) とすると(『±』は、主光線に対して上側に位置、もしくは下側の位置の違いを示す)、所定角度θに従って、数1の式に示すように回転座標変換する。 ここで、上式の回転座標変換行列R(θ)によって、非点収差の軸を90度(垂直方向)に向かうように回転させる。そして、この変換後の位置座標T(sub±) を、非点収差の軸方向の新たな一対副光線の座標として、光線追跡シミュレーションでレンズパワーを計算する。乱視軸方向に直交する方向についても、同様にレンズパワーを求める。 ここで、各測点を回転させる所定角度θとしてそれぞれの測点における軸差も用いる。軸差は眼球軸とレンズ軸の差であり、本実施の形態では、リスティングの法則に従う眼球回旋運動を考慮した光線追跡シミュレーションによって得られた軸差、より厳密には、眼球側の任意軸(例えば水平軸)を含む3次元平面に対する、レンズ透過後の主光線および一対副光線を含む3次元平面が成す角度となる。リスティングの法則では、図3に示すように「ある第3眼位(斜め方向)に視線を向けた際の眼球の回旋は、第1眼位(正面)と第3眼位の視線を含む平面(リスティング平面)に垂直な眼回旋軸(リスティング回転軸)を回転させることにより唯一に決まる。」とされている。つまりリスティングの法則に従う眼球運動を想定すれば第3眼位(斜め方向)のある方向の軸差は一義的に決まることとなる。本実施の形態では第3眼位(斜め方向)の軸差はこの法則に基づいて決定するものとする。回転方向は倒乱視とすることがよい。 4.回転角度に与える重みについて 本実施の形態ではこの段階で得られた所定角度θ(軸差)に重みを与え、重みを与えた後の角度で回転させるようにする。本実施の形態では瞳孔径を重みとする例を挙げる。 まず、各測点に与える重みは、例えば下記数2の式で求められる。そして、数2の式を用いて下記数3の式で重みを考慮したレンズパワーが求められる。数3の式ではレンズパワーPWiをdPiで示される各瞳孔径に対して求め、瞳孔径変化に従った重み付平均を、乱視軸方向及びそれに直交する方向、の各々について計算し最終的なレンズパワーとして求めるようにする。 数3の式において、瞳孔径dPiを標準瞳孔径4mmとし(つまり、瞳孔径4mmで、数2の式で示される重みは50%となる)、瞳孔径dPiが最小2mmから最大8mmまでを2mmステップで走査する(このとき、i=0からi=4までの走査となる)。 瞳孔径変化は、一般的に知られている昼夜間の瞳孔径変化であり、特に夜間、瞳孔径が大きくなることによって、レンズを通して見た際の影響(例えば、非点収差が小さい瞳孔時に比べて大きくなり、よりボケて見えるなど)、を加味することができる。 5.測点に基づく累進面の作成 上記のように基準累進面に設定された測点群の補正が完了した段階で、補正後の各測点を滑らかに結ぶことで図4に示すように目標とする光学性能の累進面を得ることができる。また、図4は基準累進面をベースとしているが、図2の特性を初期とした場合の光学性能の変化を基に、図4に示すような光学性能に近似するよう、測点群の累進サグの最適解を求めるようにしてもよい。そのような最適化計算によって目標とする光学性能の累進面を得るようにしてもよい。累進サグは例えばスプライン補間によって求めることができる。そのような累進サグを最適化した光学性能の累進面を図5に示す。最適解は例えばDLS(減衰最小二乗法)を用いることができる。 これら図4又は図5をそれぞれ図2の補正前の光学性能と比較すると、いずれも近用参照度数測定位置(分布上、下半分の中にある丸マークで示した位置)から水平方向に離れた位置において、特に非点収差がより小さく、かつS度数がより弱く(つまり、強主経線方向のパワーが弱く)なっていることがわかる。 また、図2の右図と図5の右図を比べれば図5の右図の方が奥行き方向の明視域がより広くなっていることがわかる。 本実施の形態は上記のように構成することによって次のような効果が奏される。 (1)基準累進面の累進屈折力レンズの場合において得られる場合に比べて非点収差が低減されるため、特に非点収差の低減率の大きな近用部領域の側方において非点収差が低減され見やすくなる。 (2)各測点における回転角度は非点収差と相関関係にある軸差をベースとしているため、回転によって低減されるレンズパワーの分布は全体として無理のない妥当なレベルで実行され、補正後の累進面は自然と基準累進面に近い特定となる。 (3)瞳孔径に基づいた重みを与えているため、このような累進屈折力レンズは例えば瞳孔が大きく開くような暗い場所での目視の場合に好適となる。 (4)上記のように基準累進面を補正することによって、非点収差を低減するだけではなく、補正前と比較して奥行き方向の明視域を広くすることができる。 上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。 ・上記実施の形態では測点の回転角度は軸差に基づき、瞳孔径を均等な重みとして与えるようにしていたが、このような重みを与えずに各測点における軸差のみの角度で回転させるようにしてもよい。 ・上記実施の形態では測点の回転角度は軸差に基づき、瞳孔径を均等な重みとして与えるものの、各測点における軸差の角度をそのまま回転角度にしていた。しかし、軸差に対して他のパラメータを与えるようにしてもよい。例えば幾何中心