JP-2026077209-A - 反応熱抑制剤及び反応熱の抑制方法
Abstract
【課題】反応熱抑制剤及び反応熱の抑制方法等を提供すること。酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を抑制するための反応熱抑制剤及び当該反応熱の抑制方法等を提供すること。 【解決手段】平均粒径が50μm以下であり、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなる、酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を抑制するための反応熱抑制剤を提供する。 【選択図】図1
Inventors
- 増田 洸司
- 小澤 拓也
Assignees
- 日清オイリオグループ株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (10)
- 平均粒径が50μm以下であり、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなる、酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を抑制するための反応熱抑制剤。
- 前記油脂粉末の油脂を構成する脂肪酸の80質量%以上が炭素数16以上の飽和脂肪酸からなり、前記油脂が、パームステアリン、極度硬化パーム油、極度硬化菜種油、極度硬化高エルシン酸菜種油、極度硬化大豆油、極度硬化ひまわり油、及び極度硬化紅花油から選択される、請求項1に記載の反応熱抑制剤。
- 前記油脂粉末が、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する、1種以上のXXX型トリグリセリドを含有する油脂成分を含み、ここで、前記炭素数xは、16~20から選択される整数である、請求項1に記載の反応熱抑制剤。
- 前記油脂粉末の平均粒径が0.5~50μmである、請求項1に記載の反応熱抑制剤。
- 前記油脂粉末の融点が58~90℃である、請求項1に記載の反応熱抑制剤。
- (A)平均粒径が50μm以下であり、かつ融点が55℃以上である油脂粉末、及び (B)酸化カルシウム、 を混合してなる発熱体組成物であって、前記発熱体組成物の発熱が、前記(B)酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱によるものであり、前記反応熱が、前記(A)成分によって抑制されたものである、発熱体組成物。
- (A)平均粒径が50μm以下であり、かつ融点が55℃以上である油脂粉末、 (B)酸化カルシウム、及び (C)前記(A)成分及び前記(B)成分と接触しない状態で存在する水 を含む、発熱体キット。
- (A)平均粒径が50μm以下でありかつ融点が55℃以上である油脂粉末と、(B)酸化カルシウムとの混合物、及び (C)前記(A)成分及び前記(B)成分と接触しない状態で存在する水 を含む、発熱体キット。
- [1](A)平均粒径が50μm以下でありかつ融点が55℃以上である油脂粉末、(B)酸化カルシウム、及び(C)水、を準備する工程、 [2]前記(A)成分及び前記(B)成分を混合して混合物を得る工程、 [3]前記混合物と前記(C)成分とを接触させる工程、 を含む、前記(B)酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱によって加熱する加熱方法であり、前記反応熱が、前記(A)成分によって抑制された、加熱方法。
- 酸化カルシウムの水和反応において、水和反応の前に、酸化カルシウムに、平均粒径が50μm以下であり、かつ融点が55℃以上である油脂粉末を混合することを含む、酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱の抑制方法。
Description
本発明は、反応熱抑制剤及び反応熱の抑制方法等に関する。より具体的に、本発明は、酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を抑制するための反応熱抑制剤及び当該反応熱の抑制方法等に関する。 酸化カルシウム(CaO)は、生石灰とも呼ばれ、水と反応することによって大きな反応熱を生成する。この反応熱は、弁当などの食品を加温する加温システムに利用されてきた(特許文献1)。しかし、このような酸化カルシウムの水和反応に伴う反応熱は制御が難しく、酸化カルシウムと水の割合によっては非常に高温となるため、安全性が問題となっていた。このような酸化カルシウムの水和反応による反応熱を制御するために、これまで酸化カルシウム粒子の表面にアクリルゴムなどでコーティングする技術が存在していた(特許文献2)。しかし、このようなコーティングによる反応熱の制御では、酸化カルシウムをコーティングする工程が必要となり簡便ではなく、また、コーティングが不完全であると反応熱を十分に制御できないことがあった。 特開平1-296051号公報特開2009-179502号公報 発熱体組成物3gを使用した場合の、比較例及び実施例の温度プロファイルを示すグラフである(200秒経過の時点で、温度が高い方から比較例1、比較例2、実施例1、実施例2、実施例3のグラフである)。発熱体組成物1.5gを使用した場合の、比較例及び実施例の温度プロファイルを示すグラフである(200秒経過の時点で、温度が高い方から比較例1、実施例1、実施例2、実施例3のグラフである)。 ここで、発明を実施するための形態を詳説するが、以下で例示する好ましい態様やより好ましい態様等は、「好ましい」や「より好ましい」等の表現にかかわらず適宜相互に組み合わせて使用することができる。また、数値範囲の記載は例示であって、各範囲の上限と下限並びに実施例の数値とを適宜組み合わせた範囲も好ましく使用することができる。さらに、「含有する」又は「含む」等の用語は、「本質的になる」又は「のみからなる」と読み替えてもよいし、その逆でもよい。 [反応熱抑制剤] 本発明の一態様は、平均粒径が50μm以下であり、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなる、酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を抑制するための反応熱抑制剤を提供することにある。本発明の反応熱抑制剤は、酸化カルシウムと混合して発熱体組成物(詳細については後述する)として使用するもので、発熱体組成物が水と接触した時に、酸化カルシウムと水との反応を抑制する。より具体的に、反応熱抑制剤は、発熱体組成物中に反応熱抑制剤が存在することで、酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を抑制するものである。 まず、酸化カルシウムの水和反応について説明する。酸化カルシウム(生石灰)は水と下記式(I)のように反応し、水酸化カルシウム(消石灰)を生成する。 CaO+H2O→Ca(OH)2 (+65kJ) (I) このような酸化カルシウムの水和反応の際、反応熱(生成熱)を生じる。この反応熱は、弁当などの食品を加温する加温システムに利用されている。反応熱は、10mLの常温(25℃±5℃)の水を、例えば60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上の温度に上昇することを意味していても良い。当該反応熱による10mLの常温(25℃±5℃)の水の上昇温度の上限は、水の沸点である100℃、又はそれ以下の、例えば90℃、及び80℃程度である。なお、酸化カルシウムと油脂粉末との混合物に水が接触した状態で存在するため、酸化カルシウムや油脂粉末自体の温度が加味され得るので、例えば、酸化カルシウムと油脂粉末との混合物(常温(25℃±5℃))に、10mLの水を接触させることで、例えば60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上の温度に上昇することができ、かつ、温度の上限は、例えば、200℃、180℃、又は、160℃であることが適当である。さらに、本発明の発熱体組成物によって抑制できる反応熱は、酸化カルシウム(又は発熱体組成物)3gに対して10mLの常温(25℃±5℃)の水を使用する場合、例えば、3℃以上、5℃以上、7℃以上、又は10℃以上であり、30℃以下、25℃以下、20℃以下、又は15℃以下程度である。 酸化カルシウムは、市販されている酸化カルシウムを利用できるが、粉末状の酸化カルシウムを利用できる。 本発明で使用する油脂粉末は、平均粒径が50μm以下であり、かつ融点が55℃以上である粉末状の固形油脂である。当該油脂粉末は、上記式(I)で示される酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を抑制することができる。理論に縛られることはないが、当該反応熱の抑制は、特定の油脂粉末と酸化カルシウムとをあらかじめ混合し、油脂粉末と酸化カルシウムとの混合物状態で水と接触することにより、急激な反応を抑制して穏やかに当該混合物と水とが反応することによって、反応熱を抑制できるとも考えられる。油脂粉末と酸化カルシウムとの混合物の形態は不明であるが、酸化カルシウムの表面の一部又は全部を、油脂粉末が被覆している状態と推察できる。 本発明の油脂粉末の原料となる油脂には、例えば、油脂を構成する脂肪酸の80質量%以上が炭素数16以上の飽和脂肪酸からなる、パームステアリン、極度硬化パーム油、極度硬化菜種油、極度硬化高エルシン酸菜種油、極度硬化大豆油、極度硬化ひまわり油、及び極度硬化紅花油等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。 油脂粉末の融点は、55℃以上であり、好ましくは58℃以上であり、さらに好ましくは61℃以上である。融点の上限は、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは80℃以下であり、さらに好ましくは75℃以下である。 なお、本発明の油脂粉末は、油脂と賦形剤、乳化剤等を含有する水溶液を乳化したものを噴霧乾燥して得られる粉末状の油脂とは異なる。 本発明で使用する油脂粉末の融点は、DSC(示差走査熱量計)測定で求めることができる。具体的には、例えば、DSC(メトラー・トレド社製 DSC1)を使用して、試料を、10℃/分の昇温速度で加熱し、吸熱曲線を測定することによって求めることができる。より具体的には、当該融点は、加熱により吸熱が開始する前のベースラインと、吸熱ピークの下降ラインとの交点の温度を融点として求めることができる。 本発明に使用する油脂粉末の平均粒径(有効径)は、50μm以下であり、好ましくは0.5~50μmであり、より好ましくは0.5~40μmであり、さらに好ましくは1~30μmであり、最も好ましくは1~20μmであり、さらに最も好ましくは5~15μmである。平均粒径が50μm以下であれば、酸化カルシウムの水和反応に起因する反応熱を十分に抑制することができる。ここで、当該平均粒径(有効径)は、体積平均径〔MV〕を意味し、粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製、装置名:SALD-2300)でレーザ回折散乱法(ISO13320,JIS Z 8825-1)に基づいて、乾式測定により体積基準粒度分布を測定して体積平均径〔MV〕を求め、得られた体積平均径〔MV〕を平均粒径とすることによって求めることができる。体積平均径〔MV〕は、粒子の粒径(有効径)、粒子の体積、及び粒子の体積の総和の各値を使って以下の式から求めることができる。 体積平均径〔MV〕=(粒径(有効径)×その粒子の体積)の総和/粒子の体積の総和 なお、有効径とは、測定対象となる結晶の実測回折パターンが、球形と仮定して得られる理論的回折パターンに適合する場合の、当該球形の粒径を意味する。このように、レーザ回折散乱法の場合、球形と仮定して得られる理論的回折パターンと、実測回折パターンを適合させて有効径を算出しているので、測定対象が板状形状であっても球状形状であっても同じ原理で測定することができる。 本発明に使用する油脂粉末の製造方法は特に限定されない。例えば、55℃以上の融点を有する油脂粉末の原料を、サイクロンミル、ハンマーミル等の粉砕機による粉砕、流動層式ジェットミル、カウンター式ジェットミル等による気流式粉砕、凍結粉砕、押出造粒、噴霧冷却等の従来公知の方法で粉砕することにより製造することができる。 本発明に使用する油脂粉末は、油脂成分を含有する。当該油脂成分は、少なくともXXX型トリグリセリドを含み、任意にその他のトリグリセリドを含む。 油脂成分は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む。当該XXX型トリグリセリドは、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するトリグリセリドであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは16~20から選択される整数であり、好ましくは16~18から選択される整数、より好ましくは18である。 脂肪酸残基Xは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Xとしては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸等の残基が挙げられるがこれに限定するものではない。脂肪酸としてより好ましくは、パルミチン酸及びステアリン酸であり、さらに好ましくは、ステアリン酸である。 当該XXX型トリグリセリドの含有量は、油脂粉末又は油脂成分の全質量を100質量%とした場合、例えば、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは、70質量%以上、さらに好ましくは、75質量%以上を下限とし、例えば、100質量%以下、好ましくは、99質量%以下、より好ましくは、95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下を上限とする範囲である。XXX型トリグリセリドは1種類又は2種類以上用いることができ、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類が用いられる。XXX型トリグリセリドが2種類以上の場合は、その合計値がXXX型トリグリセリドの含有量となる。 油脂成分は、本発明の効果を損なわない限り、上記XXX型トリグリセリド以外の、その他のトリグリセリドを含んでいてもよい。その他のトリグリセリドは、複数の種類のトリグリセリドであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。合成油脂としては、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル等が挙げられる。天然油脂としては、例えば、ココアバター、ヒマワリ油、菜種油、大豆油、綿実油等が挙げられる。油脂粉末又は油脂成分中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、その他のトリグリセリドは、油脂粉末又は油脂成分の全質量を100質量%とした場合、例えば1質量%以上、あるいは5~50質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリグリセリドの含有量は、油脂粉末又は油脂成分の全質量を100質量%とした場合、例えば、0~50質量%、好ましくは5~40質量%、より好ましくは10~30質量%、更に好ましくは15~25質量%である。 油脂粉末は、実質的に上記油脂成分のみからなることが好ましく、かつ、油脂成分は、実質的にトリグリセリドのみからなることが好ましい。また、「実質的に」とは、油脂粉末中に含まれる油脂成分以外の成分又は油脂成分中に含まれるトリグリセリド以外の成分が、油脂粉末又は油脂成分を100質量%とした場合、例えば、0~15質量%、好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~5質量%であることを意味する。 反応熱抑制剤は、上記のような油脂粉末からなる。ここで「からなる」とは、「実質的に油脂粉末のみからなる」ことを意味し、「実質的に」とは、本発明の効果に影響しない限り、例えば、反応熱抑制剤に対して5質量%以下又は1質量%以下の量の不純物の存在を除外しないことを意味するものである。反応熱抑制剤は、上記のような油脂粉末のみからなる(即ち、油脂粉末100%)ことが好ま