JP-2026077289-A - 樹脂成形品
Abstract
【課題】消灯時には優れた漆黒性を呈するのと同時に、白色光源の点灯時には、その白色光を刺激純度の高い目的波長帯の有彩色に変換できるような、樹脂成形品を提供する。 【解決手段】樹脂成形品は、熱可塑性樹脂と、二種以上の顔料とを含有する。二種以上の顔料が、カーボンブラックおよび複合酸化物顔料からなる群より選ばれた一種以上の第一の顔料と、キナクリドン系赤色顔料、ペリレン系赤色顔料、ジオキサジン系赤色顔料、アゾ系黄色顔料、イソインドリノン系黄色顔料、シアニン系緑色顔料およびシアニン系青色顔料からなる群より選ばれた一種以上の第二の顔料とを含んでいる。熱可塑性樹脂100質量部に対する第一の顔料および第二の顔料の合計含有量が0.12質量部以上、0.7質量部以下であり、反射光のD65光源2度視野での明度L * 値が30以下であり、全光線透過率が4%以下である。 【選択図】 なし
Inventors
- 山口 直人
- 吉田 臣子
- 藤山 英子
Assignees
- 大日精化工業株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂と、二種以上の顔料とを含有する樹脂成形品であって、 前記二種以上の顔料が、カーボンブラックおよび複合酸化物顔料からなる群より選ばれた一種以上の第一の顔料と、キナクリドン系赤色顔料、ペリレン系赤色顔料、ジオキサジン系赤色顔料、アゾ系黄色顔料、イソインドリノン系黄色顔料、シアニン系緑色顔料およびシアニン系青色顔料からなる群より選ばれた一種以上の第二の顔料とを含んでおり、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記第一の顔料および第二の顔料の合計含有量が0.12質量部以上、0.7質量部以下であり、反射光のD65光源2度視野での明度L * 値が30以下であり、全光線透過率が4%以下であり、白色光源から発せられた光が前記樹脂成形品を透過した際の透過光について、CIE1931色度座標上での刺激純度が75%以上であることを特徴とする、樹脂成形品。
- C * 値が3以下であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形品。
- フィルム、シート、成形部品または繊維であることを特徴とする、請求項1または2記載の樹脂成形品。
- 自動車内外装用ディスプレイ、表示板、繊維素材、ドアバイザーまたは合成皮革であることを特徴とする、請求項3記載の樹脂成形品。
Description
本発明は、樹脂成形品に関するものである。特には、漆黒性に優れ、かつ、特定の波長の光を透過させて、xy色度図上の刺激純度の高い有彩色を表示する機能を有する樹脂成形品に関するものである。 近年、デザイン性の向上や流行により、自動車内外装や表示用看板等において、光源消灯時には無彩色の色調(漆黒色)を呈しているが、光源点灯時には有彩色の色調を呈する熱可塑性樹脂成形品の需要が高まっている。 熱可塑性樹脂成形品に対して、光源消灯時に漆黒性を、光源点灯時には有彩色を付与する方法として、(1)漆黒色の成形品と有彩色の成形品を重ね合わせることによって実現する複層化による方法があり、また、(2)顔料を熱可塑性樹脂に配合することによって実現する単層による方法がある。 (1)複層化で実現する方法は公知の方法である。しかし、消灯時の漆黒性と点灯時の有彩色を付与させたい場合、例えば漆黒色のフィルムと有彩色のフィルムとを重ね合わせて複層フィルムを製造する必要がある。しかし、複層フィルム製造は高度な技術と設備が必要であり、製造コストが高くなる傾向がある。 一方、(2)単層の樹脂成形品で前記の二種類の異質な特性を付与することは難しいと考えられてきた。ここで、最近、特許文献1および2で、2種以上の有機系顔料を使用し、黒色を表現する方法が提案された。 特開2017-31291号公報特開2024-146676号公報 以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。 本発明の樹脂成形品は、熱可塑性樹脂と、二種以上の顔料とを含有する樹脂成形品である。 (熱可塑性樹脂) 熱可塑性樹脂としては、一般的な樹脂成型品を製造するために用いられる熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート等のカーボネート系樹脂;ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ABS;ポリアミド;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリウレタン;ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、非晶性の熱可塑性樹脂を用いてもよく、また、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。 熱可塑性樹脂としては、透明樹脂が好ましい。透明樹脂とは、可視光の反射や吸収が少なく、また樹脂内部で可視光が拡散せずに透過するような樹脂であることが一般に知られている。透明性の観点から、カーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂が好ましく、塩化ビニル系樹脂、カーボネート系樹脂、アクリル系樹脂がより好ましい。 (顔料) 本発明の樹脂成形品は、二種以上の顔料を含有する。そして、二種以上の顔料が、カーボンブラックおよび複合酸化物顔料からなる群より選ばれた一種以上の第一の顔料と、キナクリドン系赤色顔料、ペリレン系赤色顔料、ジオキサジン系赤色顔料、アゾ系黄色顔料、イソインドリノン系黄色顔料、シアニン系緑色顔料およびシアニン系青色顔料からなる群より選ばれた一種以上の第二の顔料とを含んでいる。こうした組み合わせにより、反射光は黒であるが、白色光源の透過光は所望の色となる刺激純度の高い樹脂成形品を得ることができる。本発明外の顔料の組み合わせであっても、顔料濃度を高くすれば同等の刺激純度が得られる場合もあり得るが、本発明の樹脂成形品程度の低濃度では、同等の刺激純度を得ることは難しいことがわかった。染料を使用する場合、例えば可塑剤を多く含有する軟質透明塩化ビニル樹脂やオレフィン系樹脂などの半結晶性樹脂において、一定以上の添加量では、染料のマイグレーションが生じることがある。さらに、耐候性に関しては、顔料を使用することで、染料に比べて耐候性の高い樹脂成形品を得ることが可能である。 第一の顔料は、カーボンブラックおよび複合酸化物顔料からなる群より選ばれた一種以上の顔料である。ただし、第一の顔料は、二種以上を使用してもよく,カーボンブラック、複合酸化物顔料との両方を使用してもよい。 カーボンブラック顔料(C.I.Pigment Black 7)としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックを例示できる。 複合酸化物顔料としては、鉄黒(C.I.Pigment Black 11)、鉄/銅/マンガン系複合酸化物(C.I.Pigment Black 26)、鉄/クロム系複合酸化物、(C.I.Pigment Brown 29)を例示できる。 第二の顔料は、キナクリドン系赤色顔料、ペリレン系赤色顔料、ジオキサジン系赤色顔料、アゾ系黄色顔料、イソインドリノン系黄色顔料、シアニン系緑色顔料およびシアニン系青色顔料からなる群より選ばれた一種以上の顔料である。第二の顔料は二種以上を使用してもよい。また、赤系顔料と黄系顔料とを併用してもよく、赤系顔料と緑系顔料とを併用してもよく、赤系顔料と青系顔料を併用してもよく、黄系顔料と緑系顔料とを併用してもよく、青系顔料と黄系顔料とを併用してもよく、青系顔料と緑系顔料とを併用してもよい。 キナクリドン系赤色顔料とは、分子内にキナクリドン構造を有する赤色顔料である。キナクリドン系赤色顔料としては、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 209、C.I.Pigment Violet 19を例示できる。 ペリレン系赤色顔料とは、ペリレン構造を有する赤色顔料である。ペリレン系赤色顔料としては、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 149、C.I.Pigment Red 178、C.I.Pigment Red 179、C.I.Pigment Red 190、C.I.Pigment Violet 29を例示できる。 ジオキサジン系赤色顔料とは、分子内にジオキサジン構造を有する赤色顔料である。ジオキサジン系赤色顔料としては、C.I.Pigment Violet 23を例示できる。 アゾ系黄色顔料とは、分子内にアゾ基を有する黄色顔料であり、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料に分類される。本発明では、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料が好ましい。 不溶性アゾ顔料としては、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 81、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 113、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 214を例示できる。 縮合アゾ顔料としては、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 94、C.I.Pigment Yellow 95、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 166を例示できる。 イソインドリノン系黄色顔料とは、分子内にイソインドリノン構造を有する黄色顔料である。イソインドリノン系黄色顔料としては、C.I.Pigment Yellow 109、C.I.Pigment Yellow 110、C.I.Pigment Yellow 173を例示できる。 シアニン系緑色または青色顔料はフタロシアニン構造を有する緑色または青色顔料である。シアニン系緑色顔料としては、C.I.Pigment Green 7、C.I.Pigment Green 36を例示できる。シアニン系青色顔料としては、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:6を例示できる。 (顔料の含有量) 本発明の樹脂成形品においては,熱可塑性樹脂100質量部に対する前記第一の顔料および第二の顔料の合計含有量を0.12質量部以上とする。これによって、好適な明度、全光線透過率、刺激純度を有する樹脂成形品を得られる。こうした観点からは、熱可塑性樹脂100質量部に対する第一の顔料および第二の顔料の合計含有量を0.14質量部以上とすることが更に好ましい。また、本発明では、熱可塑性樹脂100質量部に対する第一の顔料および第二の顔料の合計含有量を0.7質量部以下と少なくした場合でも、高い刺激強度を得ることができる。こうした観点からは、熱可塑性樹脂100質量部に対する第一の顔料および第二の顔料の合計含有量を0.6質量部以下とすることが更に好ましい。 また、第一の顔料の含有量の第二の顔料の含有量に対する比率(第一の顔料の含有量/第二の顔料の含有量)は、0.05~0.7であることが好ましく、0.07~0.5であることが更に好ましい。 樹脂成形品に使用する顔料は、2種以上使用するのが好ましく、3種以上がより好ましい。例えば、顔料を1種のみ(特に緑色、青色、紫色の顔料)を使用した場合でも、高濃度であれば透過率が下がり反射光は黒色となり、特定の波長のみを透過させることは可能である。しかし、2種よりも3種、更に多くの顔料を使用することで、より少ない添加量で同様の効果を得ることができる。さらに、特定の波長の吸収と透過を選択的に制御することで、色相の再現域も広げることができる。顔料の添加量が多すぎると、機械強度の低下を起こしてしまうため、好ましくない。 (明度L*値および彩度C*値) 一般に色調を表す方法として、国際照明委員会(CIE)が策定した、目で見える色を色空間として表現する、CIE L*a*b*表色系(色空間)がある。このCIE L*a*b*表色系においては、色を3つの座標で表現し、明度が「L*」、赤(マゼンタ)~緑が「a*」(正がマゼンタ、負が緑味)、黄~青が「b*」(正が黄味、負が青味)にそれぞれ対応する。 L*値とは、色の明度(明るさ)を表す指標の一つで、0から100までの範囲で示され、0は完全な黒(無反射)、100は完全な白(全反射)を表す。漆黒性に優れた成形品を得るためには、反射光のD65光源2度視野での明度L*値が30以下であることが好ましく、28以下がより好ましい。 彩度C*値は樹脂成形品からの反射光の彩度が低いことを示す指標の一つで、反射光が色付いていないことを示す指標であり、a* b*で示された点と原点との距離で表される。値が大きいほど鮮やかな色であり、値が低いほど、反射光の彩度が低く、漆黒であることを表す。C* 値は、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。なお、樹脂成形品の明度L*値および彩度C*値の測定方法は実施例の項目に記載した。 (全光線透過率) 全光線透過率Y値は、材料やフィルムなどを通過する光の割合を示す指標の一つである。全光線透過率が4%以下であれば、成形品の反射色が漆黒の場合、下地の色の影響を少なくすることができ、漆黒性を保つことができる。また、全光線透過率が0.01%以上であれば、成形品を透過した光源、例えばLED白色光源から発せられた光が特定の色調を呈することができる。全光線透過率は0.02%以上3.5%以下がより好ましく、0.04%以上3%以下がさらに好ましい。一方、全光線透過率Y値が4%超であると、透過光の色が薄くなり、目的の色を得られない。なお、樹脂成形品の全光線透過率の測定方法は実施例の項目に記載した。 (主波長および補色主波長) 主波長および補色主波長とは、単色光の色相を波長から連想するために用いられ、CIE(国際照明委員会:Commi