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JP-2026077342-A - 耐火性樹脂成形物

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Abstract

【課題】充分な耐火性能と製造のしやすさとを両立できる耐火性樹脂成形物を提供することを目的とする。 【解決手段】耐火性樹脂成形物は、合成樹脂からなる結合剤と、前記結合剤以外の成分である非結合剤により構成され、前記非結合剤が、ポリリン酸アンモニウムと、多価アルコールと、酸化チタンとを含み、前記酸化チタンが針状酸化チタンを含有する。このような構成によれば、耐火性樹脂成形物を所望の形状(ペレット、シートなど)に成形して使うことができるため、施工が容易である。また、耐火性能と製造時の混錬の容易性とを両立できる。 【選択図】なし

Inventors

  • 加藤 圭一
  • 服部 絵美

Assignees

  • 三商株式会社

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20241025

Claims (3)

  1. 合成樹脂からなる結合剤と、前記結合剤以外の成分である非結合剤により構成され、 前記非結合剤が、ポリリン酸アンモニウムと、多価アルコールと、酸化チタンとを含み、 前記酸化チタンが針状酸化チタンを含有するものである、耐火性樹脂成形物。
  2. 前記針状酸化チタンのアスペクト比(繊維長÷繊維径)が8以上25以下である、請求項1に記載の耐火性樹脂成形物。
  3. 前記酸化チタン100質量部中の針状酸化チタンの含有量が5~70質量部であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の耐火性樹脂成形物。

Description

本明細書によって開示される技術は、耐火性樹脂成形物に関する。 鉄骨等の建築材を被覆する耐火性の被覆材として、結合剤、難燃剤、発泡剤、炭化材および充填剤等を混錬してシート状とした被覆材が提案されている(特許文献1参照)。この被覆材は、建築物の火災によって高温にさらされると、発泡、炭化して断熱層を形成し、この断熱層によって建築材を保護する。 国際公開2013/008819号公報 実施形態を説明する。本実施形態の耐火性樹脂成形物は、合成樹脂からなる結合剤と、結合剤以外の成分である非結合剤とを混錬し、任意の形状に成形することによって製造され、建築材等、耐火性が要求される施工対象物を被覆する耐火性の被覆材として好適に用いられる。非結合剤は、難燃剤としてのポリリン酸アンモニウムと、炭化材としての多価アルコールと、増粘剤としての酸化チタンとを含む。前記酸化チタンはさらに針状酸化チタンを含む。この耐火性樹脂組成物は、火災時の燃焼熱によって発泡して炭化し、断熱層を形成する。 結合剤としての合成樹脂の種類は、特に限定されないが、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)、EEA(エチレン-酢酸エチル共重合体)等のエチレン共重合体樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル樹脂、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム等の合成ゴム等を用いることができる。特に、練り込み特性に優れるエチレン共重合体樹脂を用いることが好ましい。結合剤としてEVAを用いる場合には、充分な発泡倍率を得るために、VA比率(酢酸ビニルの含有率)が30~50質量%であることが好ましい。 非結合剤のうち、ポリリン酸アンモニウムは、難燃剤であり、火災時の燃焼熱により脱水縮合して発泡する。この脱水縮合は吸熱反応であり、この吸熱反応により、鉄骨等の被覆対象に火災時の燃焼熱が伝導することを遅らせることができる。吸熱反応はポリリン酸アンモニウムの脱アンモニア反応である。 多価アルコールは、炭化剤であり、ポリリン酸アンモニウムと同様に、火災時の燃焼熱により脱水縮合して発泡する。多価アルコールの種類は、特に限定されないが、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールを好ましく用いることができる。 酸化チタンは、増粘剤であり、火災時に形成された断熱層が、施工対象物からたれ落ちることを抑制して断熱層の強度を維持する。使用される酸化チタンの比表面積が大きいほどたれ落ち抑制効果が大きいが、製造時の混錬が困難となる。針状酸化チタンを含有させることにより酸化チタンの含有量を増大させずともたれ落ち抑制効果を得ることができる。 針状酸化チタンは白色の針状結晶体であり、針状酸化チタンのアスペクト比が小さいほど発泡抑制効果は高い。アスペクト比は繊維長÷繊維径で計算され、アスペクト比が8以上25以下であることが好ましい。 針状酸化チタンの繊維長は1~10μmであることが好ましく、繊維径は0.1~0.5μmであることが好ましい。 針状酸化チタンは市販のものを用いても良い。例えば、EC-485(チタン工業社製)、FTL(石原産業社製)、品番なし(富士チタン工業社製)等が挙げられる。 酸化チタン100質量部中の針状酸化チタンの含有量は5~70質量部であることが好ましい。 非結合剤は、上記の他に、離型剤(脂肪酸エステル)、滑剤、加工助剤(ポリカルボジイミド等)等を含んでいても構わない。 火災時に充分な厚さの断熱層を形成し、吸熱反応によって燃焼熱の伝導を遅らせる効果を大きくするためには、ポリリン酸アンモニウムや多価アルコールの含有量が大きい方がよく、断熱層のたれ落ち抑制効果を大きくするためには酸化チタンの含有量が大きい方がよい。しかし、これらの成分の含有量を大きくすると、相対的に結合剤の含有量が小さくなり、製造時の混錬が困難となるが、酸化チタンが針状酸化チタンを含むことにより、酸化チタンの含有量を増大させずとも断熱層のたれ落ち抑制効果を大きくすることができる。また、結合剤100質量部に対して、非結合剤が200質量部以上400質量部以下であれば、耐火性能と製造時の混錬の容易性とを両立させることができる。 本実施形態の耐火性樹脂成形物は、メラミンなどの発泡剤を含んでも構わない。 本実施形態の耐火性樹脂成形物は、上記の材料を、例えば単軸押出機や二軸押出機を用いて溶融混練し、得られた混練物を紐または棒状に押し出したストランドを水冷してペレタイズすることにより得られるペレットであってもよく、上記の材料を、例えばバンバリーミキサー、ニーダーミキサーを用いて溶融混練し、得られた混練物を延伸ロール等で板状に成形したものを棒状にカットしてペレタイズすることにより得られるペレットであってもよく、これらの方法で得られたペレットをプレス成形、押出成形、射出成形等の公知の成形方法により任意の形状に成形した成形物であってもよく、あるいは、溶融混練物をペレット化することなく例えばバンバリーミキサー、ニーダーミキサーを用いて溶融混練し、得られた混練物を延伸ロール等で板状に成形する等、公知の成形方法により任意の形状に成形した成形物であってもよい。 本実施形態の耐火性樹脂成形物を、構造部材の耐火構造に好適に適用した一例を、以下に説明する。 構造部材としての鉄骨柱(例えば角形鋼管)の表面全体にエポキシ樹脂接着剤を塗付し、耐火性樹脂層を配置する。耐火性樹脂層は、シート状に成形された、上記の構成の耐火性樹脂成形物を、鉄骨柱の表面に貼り付けることによって形成された層である。 前記接着剤はエポキシ樹脂に限定されず、他の合成樹脂を用いて接着しても良い。例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、EVA樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらは溶剤を含まない形態(例えば、無溶剤液状やホットメルト等)で用いることが好ましい。このように構成することで、接着剤中の溶剤揮発によるシートの膨れを防止することができる。また、接着剤に代えて両面テープで貼り合わせても良いし、シート状に成形された耐火性樹脂成形物の片面に予め粘着層を設けておき、鉄骨柱に貼り付けても良い。耐火性樹脂成形物への粘着層の配置は押出ラミネート、ドライラミネート、あるいは両面テープの貼り付け等でも構わない。 上記のような耐火構造部材の施工方法の一例を、以下に説明する。 まず、上記した耐火性樹脂成形物の材料を、二軸押出機を用いて混練する(混練工程)。得られた混練物を紐または棒状に押し出したストランドを水冷してペレタイズすることによりペレットを得る。このペレットを、単軸押出機に投入して、幅60~1200mm、厚さ2mmのシート状に成形する(成形工程)。なお、溶融混練物をペレット化することなくシート状に成形することも可能である。 得られたシート状の成形物を、上記の構成の構造部材において、鉄骨柱の表面に貼り付けて耐火性樹脂層を形成させる(施工工程)。 火災が生じると、耐火性樹脂層が発泡して膨張するとともに炭化し、断熱層を形成する。この断熱層が構造部材への熱の伝達を抑制する。 <試験例> [使用機器、使用材料] 二軸混練押出機として、株式会社神戸製鋼所製「HYPERKTX」を使用した。 結合剤としてEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)樹脂(VA比率=40質量%)、PP(ポリプロピレン)樹脂、EEA(エチレン-酢酸エチル共重合体)樹脂、または塩化ビニル樹脂を使用した。 非結合剤のうち、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム、炭化剤としてペンタエリスリトール、増粘剤として酸化チタン、発泡剤としてメラミン、加工助剤として脂肪酸エステル、可塑剤としてアジピン酸系ポリエステルを使用した。 [試験方法] 表1および表2に示す各成分を、オープンニーダーを用いて180℃で溶融混錬し、二軸混練押出機を用いてローラーヘッドを通してシート状に成形した後、冷却して厚さ2mmのシート状組成物を得、該シート状組成物を50mm角にカットした。 練込み容易性を、オープンニーダーで30分以内に練ることができたものを〇、30分超60分以内のものを△、60分を超えても練ることができないものを×として評価した。 続いて、得られたシートを鋼板に両面テープで貼り付けて試験体とし、電気炉内に電気炉内に垂直に立てかけて500℃で1時間加熱して、断熱層を形成させた。電気炉から試験体を取り出して断熱層に40mm角、質量13gのケイ酸カルシウム板を1枚ずつ載せていき、断熱層の形状保持性を評価した。評価は、ケイ酸カルシウム板を6枚以上載せても断熱層がつぶれないもの(13g×6枚=78g、78g÷0.0016m2≒5kPa)を〇、2枚以上5枚以下でつぶれたものを△、1枚でつぶれたものを×として評価した。また発泡倍率についても測定を行った。さらに、加熱終了後の断熱層が垂れ落ちていないかどうかを評価した。断熱層の上端のずれが5mm以内のものを〇、上端が5mm超10mm以内のものを△、10mm超のものを×とした。結果を表1および表2に示した。 なお、表1および表2における各成分の配合比を示す数値の単位は質量部である。 また、表1および表2における酸化チタン(粒状)は平均粒子径0.25μm、吸油量20g/100gであり、酸化チタン(針状)1は平均繊維長1.68μm、平均繊維径0.13μm(アスペクト比12.9)であり、酸化チタン(針状)2は平均繊維長2.86μm、平均繊維径0.21μm(アスペクト比13.6)であり、酸化チタン(針状)3は平均繊維長5.15μm、平均繊維径0.27μm(アスペクト比19.1)である。いずれの針状酸化チタンも吸油量35~60g/100gである。 [結果と考察] 酸化チタン中に針状酸化チタンを含む試験例1~22では、混錬物を良好にペレットとして成形することができた。また、断熱層は良好に形状を保持しており、たれ落ちも観察されなかった。発泡倍率は5倍~29倍であり、例えば構造部材における鉄骨柱の表面に貼り付けられた場合に必要な耐火性能を確保することとを両立するために十分であった。特に、結合剤をEVA樹脂またはEEA樹脂とし、酸化チタン中の針状酸化チタンの含有量が7.7~26質量%である試験例8~13、15、17、19、21は発泡倍率が20倍以上であるにもかかわらず、断熱層のたれ落ちが生じなかった。試験例26は練り込みに時間がかかったものの、断熱層は良好に形状を保持しており、たれ落ちも観察されなかった。 酸化チタンとして針状酸化チタンを含まない試験例1では練り込みは容易で十分な発泡倍率が得られたものの、断熱層の形状保持性が十分でなく、たれ落ちが観察された。酸化チタンを欠く試験例23、ポリリン酸アンモニウムを欠く試験例24、ペンタエリスリトールを欠く試験例25では発泡倍率が充分ではなかったり、断熱層のたれ落ちが観察されたりした。 断熱層の形状保持、十分な発泡倍率、断熱層のたれ落ち抑制という性能をバランスよく発揮させるために、酸化チタン中に針状酸化チタンを含むことが好ましいと考えられた。 <他の実施形態> 本明細書によって開示される技術は上記記述によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。 耐火性樹脂組成物は、所望の形状に成形することにより種々の用途に用いることができる。例えば、シート状に成形して、鉄骨構造物の耐火被覆材として用いることができる。また、テープ状に成形して、窓枠、扉枠等の隙間に配置し、火災時に膨張して空隙を埋めることで火炎の裏面貫通を防ぐために用いたり、樹脂製・木製窓枠の外表面に設けて火災時の燃焼熱から樹脂枠・木枠にチャックすることを防止する耐火被覆テープとして用いたりすることができる。また、板状に成形して、軽量防火シャッターとして用ることもできる。また、フィルム状に成形して、リチウムイオン電池等の蓄電池が発火した場合に燃焼を抑制するフィルム、溶接時の火花から保護するシートと