JP-2026077364-A - 倍力機構を廃止できるコネクタ
Abstract
【課題】倍力機構を備えたコネクタは、特にレバー操作の制御が難しくかん合作業の機械化が困難でした。本発明は、車両の組立工程でコネクタかん合作業の機械化を可能にし、倍力機構を廃止できるようにするものです。 【解決手段】倍力機構を廃止し、コネクタのかん合作業を簡略化します。また、車両の組立工程の後工程などで、汎用の工具・部品によるコネクタのかん合・離脱を可能にします。これらにより、車両の組立工程で自動機および動作補助デバイスなどによるコネクタかん合作業の機械化を可能にし、倍力機構を廃止することができます。また、コネクタ接続の信頼性が向上する環境を提供することができます。 【選択図】図1
Inventors
- 大高 一人
Assignees
- 大高 一人
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (4)
- かん合接続される一対のコネクタにおいて、一方のコネクタの相手ハウジング収容壁に開口部を設け、相手ハウジングを押し出す際の支持部を設け、他方のコネクタのハウジングに前記押し出す際の支持部とかん合方向に対向した押し出し部を設け、汎用工具によるコネクタのかん合・離脱を可能としたことで、倍力機構を廃止できるコネクタ。
- 前記一方のコネクタのハウジングに相手ハウジングを引き込む際の支持部を設け、前記他方のコネクタのハウジングに前記引き込む際の支持部とかん合方向に対向した引き込み部を設け、汎用工具によるコネクタのかん合・離脱を可能としたことで、倍力機構を廃止できる請求項1に記載のコネクタ。
- 前記押し出す際の支持部と押し出し部および前記引き込む際の支持部と引き込み部に貫通穴を設け、請求項1に記載の開口部を廃止した構成を含む、汎用工具および/または汎用部品によるコネクタのかん合・離脱を可能としたことで、倍力機構を廃止できる請求項2に記載のコネクタ。
- 前記他方のコネクタに、前記一方のコネクタへかん合する際の押圧部を設け、コネクタのかん合作業を効率化することで、倍力機構を廃止できる請求項1から3に記載のコネクタ。
Description
本発明は、倍力機構を廃止できるコネクタに関する。 従来のコネクタには、かん合力を低減するために倍力機構を備えた構造が存在します。この倍力機構により、コネクタのかん合・離脱作業が容易になります(例えば、特許文献1:特開2002-359028参照)。 しかし、倍力機構を廃止し汎用工具(ドライバー)を使ってコネクタのかん合・離脱を行う構造も存在します。この構造では、特定の専用工具を必要とせず、汎用工具が使えることで作業の柔軟性、部品点数・重量の削減効果が得られます(例えば、特許文献2:特開2012-134008参照)。 また、倍力機構を廃止し汎用部品(ボルト、ナット)を使ってコネクタのかん合・離脱を行う構造も存在します。この構造では専用の部品・工具を必要とせず、汎用の部品・工具が使えることで作業の柔軟性、部品点数・重量の削減効果が得られます(例えば、特許文献3:特開平9-245884参照)。 特開2002-359028号公報特開2012-134008号公報特開平9-245884号公報特開平10-125394号公報特開平10-106688号公報特開平10-55855号公報特開平11-329582号公報特開2009-181796号公報特開2000-40548号公報特許第5731752号公報 本願発明の実施形態を示す機械化した際のかん合作業説明図。(a)仮セット開始、(b)本係止開始。同実施例1の汎用工具式作業説明図。(a)ドライバーによる離脱、(b)プライヤによるかん合カバーあり、(c)同カバーなし。同コネクタの作業説明図。(a)離脱開始、(b)離脱完了。同実施例2の汎用工具式説明図。(a)コネクタかん合作業、(b)構成部品(平面視)、(c)同(底面視)。同コネクタの作業説明図。(a)かん合開始、(b)かん合完了。同実施例3-1の汎用部品式説明図。(a)対象汎用部品、(b)構成部品。同コネクタの作業説明図。(a)離脱準備、(b)離脱開始、(c)離脱完了。同コネクタの作業説明図。(a)かん合準備、(b)かん合開始、(c)かん合完了。同実施例3-2の汎用工具式作業説明図。(a)離脱完了、(b)同断面図。同実施例3-3の車体パネル係止コネクタへ応用例説明図。(a)仮セット開始、(b)本係止開始、(c)組付け完了。同実施例4の防水コネクタへ応用例説明図。(a)離脱作業、(b)部品構成。同コネクタの断面図。(a)ロックアーム動作フロー図(詳細図B)かん合開始、(b)同かん合途中、(c)同かん合完了。同実施例5の説明図。(a)構成部品、(b)適用汎用部品、(c)かん合完了、(d)かん合開始。従来の低挿入コネクタ。(a)特許文献1、(b)特許文献2、(c)特許文献3、(d)特許文献4。 車両の組立工程におけるコネクタかん合作業を、多関節ロボットにより機械化した際の実施例を図1~5に基づいて説明します。 図1(a)は、作業者70が他方のコネクタ20を保持し、姿勢補正を行った後、一方のコネクタ10へ仮セットする状態を示しています。 同(b)は、一方のコネクタ10へ仮セットされた他方のコネクタ20を、多関節ロボット80が電線保護カバー50の押圧部51を押してコネクタ10へ押込み、コネクタかん合作業を完了する状態を示しています。なお、本作業は動作補助デバイスを装着した作業者が行うことも可能です。 作業者70による、一方のコネクタ10への他方のコネクタ20の仮セット作業は、オス端子30とメス端子40が初期接触(図5のa参照)してから更に押し込むことで、端子同士の接触荷重によりコネクタ20が仮セット状態から抜けることはありません。 なお、車両におけるコネクタの組付け場所・条件により、コネクタかん合作業を完了するまでに抜けが懸念される場合は、相手ハウジング収容壁10hに仮係止構造を設け保持力を増すなどの対策を追加します(参考:特許文献5の段落番号0028突起40、窓39参照)。 多関節ロボット80によるかん合作業は、事前に押込み開始の待機位置をプログラムしておき、電線保護カバー後端面の押圧部51をカメラ83で取得した画像を画像処理システムで解析し、押圧部を認識した後、押込みを開始します。押込み中は、加速度センサ84と力覚センサ82でコネクタのかん合状態を検出しながら、所定位置まで押込みます。 なお、多関節ロボット80は作業者70と協調作業を行うため、産業用ロボット規制の安全要求事項の厳守と、コネクタかん合に必要な押込み荷重設定を含めリスクアセスメントに基づいた安全確保が必要です。安全確保の対応として緊急停止装置の設置などに加え、作業者とロボットが同じ空間で作業しない工程設計にすることでリスクを減らし、安全性を高めることができます。 多関節ロボット80のロボットアーム先端には、一例として把持作業用の平行開閉型グリッパー81(エンドエフェクタ)を取り付けます。電線保護カバーが付いていない場合は、左右の開閉爪81aで他方のコネクタ20の電線保護カバー入込み防止突起(図4のb、cの25a、4か所)を押込みます。なお、カバー入込み防止突起25aと抜け防止突起25bは、左右の開閉爪の汎用性を高めるレイアウトに設定します。 電線保護カバー50が付いている場合は、開閉爪を保持している平行開閉型グリッパー基部81bで同カバー後端面の押圧部51を押込みます。 〔電線保護カバー〕 電線保護カバー50はハウジングに対しコネクタかん合方向と直行する方向からスライドさせて組付けます(図4のa、b参照)。ハウジングの入込み防止突起25aと抜け防止突起25bの間に同カバーの抜け防止突起55bをスライドさせます。同カバーのスライド係止突起55cが同係止突起のテーパとスリット55dにより外側に変位し同突起25bに乗り上げ、同突起(25b)を通過後に復元し、スライド係止部25cに係止することでスライド方向の外れを防止します。 また、電線保護カバー50を取り外す際は、同カバーの治具挿入部55eから精密ドライバーを挿し込み、スライド係止突起55cを外側に変位させ係止を解除することでスライドが可能となり取り外しできます。 コネクタかん合する際は電線保護カバー後端面の押圧部51を押すことで、ハウジングの入込み防止突起25aと同カバーの入込み防止部55aが当接して他方のコネクタ20を押込みます。 また、電線が外力により引っ張られた際は、ハウジングの抜け防止突起25bに電線保護カバーの抜け防止突起55bが当接し、ハウジング20hからの電線保護カバー50の外れを防止します。 本電線保護カバー50はコの字形状の断面(図4のc参照)を採用し押圧部51の平面を広く取り、自動機でコネクタかん合する際に安定した押圧面を確保しています。本断面形状を採用した場合、部品を成形する際に成形後の後収縮によりコの字形状が内倒れし(図4のc矢印a方向の倒れ)、ハウジングへの組付け作業性を低下させることがあります。 本実施例では電線保護カバーの内倒れを見込んだ設定にしているため、ハウジングへ組付ける際、端部55fをハウジング角部25fが拾い倒れを矯正します。これにより、コの字形状の断面を採用しハウジングへの良好な組付け性、および安定した押圧面の確保ができます。なお、必要に応じて端部55fに面取りを設け、角部25fのR大型化などを行います。 なお、内倒れの対策は冷却速度が遅いコの字形状の角部を偏肉させ、他部位の冷却速度に合わせることで収縮を均一化し倒れを防止する方法があります。この場合、角部が偏肉により壁厚が薄くなることで、押圧部を押した際に変形し電線にダメージを与える恐れがあります。 また、別の倒れ対策としてコの字形状をU字・V字(特許文献6の図1参照)にする方法もありますが、何れも押圧部の平面を広くできないため、自動機側でかん合方向に対する傾き補正の制御が必要となり、機械化を可能にすることにあまり寄与しません。 本実施例が採用しているスライド式の係止構造に対し、電線保護カバーの係止部を外側に広げてハウジングに組付ける構造があります(特許文献7の図1の22参照)。本構造はカバーをハウジングに組付ける際にカバーとハウジング間に電線を挟み込む恐れがあります。また、電線が外力により引っ張られた際、カバー側の係止アーム22(参照公報の符号)が外側に開き易く、開き防止突起(本願発明の実施例4の図11のbの315g)を設けた場合、係止アーム22と開き防止突起が干渉してカバー組付けができないため、倍力機構を廃止しスライドによる電線保護カバーの組付けが容易になった際はスライド式係止構造を推奨します。 〔コネクタのかん合保証〕 センサでコネクタのかん合状態を検出する際は、加速度センサ84による変位量と力覚センサ82による反力からコネクタのかん合波形を生成し、本かん合波形を基にかん合状態を確認することができます。その際、確認結果は品質管理システムに入力しデータベースに保存します(参考:特許文献8の図6のS24参照)。 本実施例の多関節ロボット80のアクチュエータは電動式を想定しているため、加速度センサによる変位量検出は各関節部のサーボモータに内蔵されている角加速度センサ(エンコーダ)からの出力情報を基に算出します。 なお、正規かん合状態は、コネクタのかん合波形の反力ピーク発生後にハウジング同士(図5のaの壁16、26)が突き当たり(同図のb参照)、変位量(ストローク)がほぼゼロで反力(荷重)が急激に上昇したことを以て判断します(参考:特許文献9の図8グラフ参照)。その後は速やかに押込みを止めて作業を終了します。 また、反力ピーク発生後の急激な反力上昇は、一方のコネクタ10の相手ハウジング収容壁10h内に異物が入り込み、相手ハウジング20hとの間で挟み込んだ際にも発生する可能性があるため、反力ピークと急激な反力上昇までの変位量を設計値に基づいた管理、および/または後述の〔ロックアームによるかん合保証方法)で管理することを推奨します。それにより、コネクタ外れによる回路の導通不良を防止し、コネクタ接続の信頼性が向上します。 さらに、端子接触状態の確認を兼ねて反力値も管理することを提案します。その際、回路数はもとより端子接触荷重の実力値による管理が理想と考えます。特に多極コネクタの場合、ワイヤーハーネス状態での取り扱いによるオス端子タブ31a(図3のa参照)の変形、およびメス端子舌片部41a(同図参照)の変形が考えられます。 これらにより非正規状態での端子同士の接触および接触荷重の不足などによる回路抵抗の上昇の可能性があるため、反力値の管理はこれらの発生防止につながることが期待できます。 以上が、倍力機構を廃止してコネクタのかん合作業を簡略化し、かん合作業一連を作業者と自動機で分担することで、車両の組立工程におけるかん合作業を機械化した実施例の説明です。 次に、倍力機構の廃止に伴い、車両の組立工程の後工程および機械化設備のない組立工程などでのコネクタかん合・離脱の実施例を説明します。 《実施例1》汎用工具(ドライバーおよびプライヤなど)によるコネクタ離脱・かん合の実施例について図2~3に基づき説明します。なお、ほか実施例も含めハウジングへ端子を組付けした状態を省略してあります。 かん合接続される一対のコネクタにおいて、一方のコネクタ10の相手ハウジング収容壁10hに開口部10aを設け、相手ハウジング20hを押し出す際の支持部13を設けます。 他方のコネクタ20のハウジング20hに前記押し出し支持部13とかん合方向に対向した押し出し部23を設けた構成とし、汎用工具60をテコとした倍力機構によりコネクタの離脱が可能になります。 図3の(a)はコネクタをかん合した状態で、離脱を開始するために汎用工具60(マイナスドライバー)の先端部61を、押し出す際の支持部13と押し出し部23の隙間に挿し込んだ状態です。 押し出す際の支持部13は支点となるため、壁厚13t