JP-2026077455-A - 磁性シート、磁性ロール、および磁性シートの製造方法
Abstract
【課題】高周波帯域のノイズを抑制できる磁性シート、磁性ロール、および磁性シートの製造方法を提供すること。 【解決手段】本発明に係る磁性シートは、磁性層を備える磁性シートであって、前記磁性層は、鱗片形状の軟磁性体粉末と、バインダと、を備え、前記軟磁性体粉末におけるFeの含有率が85質量%以上であり、前記軟磁性体粉末の厚さの積算分布の値がn%(nは変数)となる厚さをt n と表すとき、t 90 -t 10 ≦0.80μmの関係を満たす。 【選択図】図2A
Inventors
- 伊藤 哲夫
- 粟倉 由夫
- 近藤 幸一
- 小野 颯春
Assignees
- 株式会社トーキン
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20241025
Claims (16)
- 磁性層を備える磁性シートであって、 前記磁性層は、鱗片形状の軟磁性体粉末と、バインダと、を備え、 前記軟磁性体粉末におけるFeの含有率が85質量%以上であり、 前記軟磁性体粉末の厚さの積算分布の値がn%(nは変数)となる厚さをt n と表すとき、t 90 -t 10 ≦0.80μmの関係を満たす、 磁性シート。
- 0.10μm≦t 10 ≦0.30μmの関係をさらに満たす、 請求項1に記載の磁性シート。
- 0.30μm≦t 50 ≦0.50μm、かつ0.60μm≦t 90 ≦1.00μmの関係をさらに満たす、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記軟磁性体粉末が、Fe-Si-Cr系合金である、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記軟磁性体粉末の飽和磁束密度Bsが1.0T以上である、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記磁性層の厚さ方向の断面のうち、無作為に選択された75μm×100μmの範囲を観察したSEM画像において、断面の長径が5μm以下を満たす前記軟磁性体粉末が150個以下である、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記磁性層の厚さ方向の断面のうち、無作為に選択された75μm×100μmの範囲を観察したSEM画像において、断面の長径が5μm以下を満たす前記軟磁性体粉末の個数が、前記軟磁性体粉末の個数全体の15%以下である、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記軟磁性体粉末の粒径の積算分布の値が10%となる長さをD 10 と表すとき、3μm≦D 10 の関係をさらに満たす、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記軟磁性体粉末の粒径の積算分布の値がn%(nは変数)となる長さをD n と表すとき、 3μm≦D 10 ≦12μm、かつ12μm≦D 50 ≦15μm、かつ25μm≦D 90 ≦29μmの関係をさらに満たす、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記軟磁性体粉末の粒径の積算分布の値がn%(nは変数)となる長さをD n と表すとき、 D 90 /D 10 ≦10の関係をさらに満たす、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記軟磁性体粉末の粒径の積算分布の値が10%となる長さをD 10 と表すとき、 D 10 /t 10 ≧10の関係をさらに満たす、 請求項1に記載の磁性シート。
- 1~7GHzの周波数帯域にわたって、前記磁性層の比誘電率の実数成分ε’が1300以下である、 請求項1に記載の磁性シート。
- 1~7GHzの周波数帯域にわたって、前記磁性層の比透磁率の実数成分μ’が1以上かつ前記磁性層の比透磁率の虚数成分μ’’が4以上である、 請求項1に記載の磁性シート。
- 前記磁性層を補強する保護層と、 前記磁性層と前記保護層を互いに接着する接着層と、をさらに備える、 請求項1~13のいずれか1項に記載の磁性シート。
- 請求項14に記載の磁性シートをロール状に巻回した磁性ロール。
- 鱗片形状の軟磁性体粉末と、バインダと、を混合してスラリーを作製する工程と、 前記スラリーをシート状に成形する工程と、を備え、 前記軟磁性体粉末におけるFeの含有率が85質量%以上であり、 前記軟磁性体粉末の厚さの積算分布の値がn%(nは変数)となる厚さをt n と表すとき、t 90 -t 10 ≦0.80μmの関係を満たす、 磁性シートの製造方法。
Description
本発明は、磁性シート、磁性ロール、および磁性シートの製造方法に関するものである。 電磁波の干渉対策として、例えば特許文献1に記載のような磁気シールド材を用いる方法が知られている。特許文献1には、FeSiCr合金の粉末を用いた磁気シールド材が開示されている。 特開平9-27693号公報 本実施の形態にかかる磁性シートの一例を示す断面図である。実施例1の磁性シートの断面のSEM画像である。実施例2の磁性シートの断面のSEM画像である。磁性シートによる電磁波の減衰量を測定する測定評価系の概略を示す斜視図である。図3の測定評価系を切断線IV-IVで切断した断面図である。実施例および比較例の磁性シートの、電磁波の減衰量を表すグラフである。実施例および比較例の磁性シートの、比透磁率を表すグラフである。実施例および比較例の磁性シートの、比誘電率を表すグラフである。 以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。また、以下に説明される複数の構成例は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の構成例は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の構成例は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。なお、当然のことながら、図1およびその他の図に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。 <磁性シート> まず、図面を参照しながら本発明にかかる磁性シート(以下、本磁性シートとも記す)について説明する。本磁性シートは、高周波帯域のノイズを抑制するために用いるシートであり、特に2.4GHz以上の電磁波の遮蔽に適している。 図1は、本実施の形態にかかる磁性シート10の一例を示す断面図である。図1に示される磁性シート10は、磁性層100、接着層200、保護層300、接着層400、および金属層500が、この順に積層されて構成されている。 (磁性層) 磁性層100は、ノイズである電磁波を吸収する層である。磁性層100は、鱗片形状の軟磁性体粉末110と、バインダ120と、を備えている。軟磁性体粉末110は、磁性層100の面方向(図1のxy平面方向)に寝るように配向し、バインダ120によって結合されながら分散している。磁性層100は、後述するように軟磁性体粉末110のFe含有量および厚さの分布が制御されているため、特に比誘電率の実数成分ε’と比透磁率の虚数成分μ’’が好適な値をとる。したがって、高周波帯域のノイズを好適に抑制することができる。 磁性層100の比誘電率は、1~7GHzの周波数帯域にわたって実数成分ε’が1800以下であることが好ましく、1300以下であることがより好ましい。実数成分ε’が上記の値より大きくなると、高周波帯域におけるノイズ抑制効果が低下する。 磁性層100の比誘電率は、1~7GHzの周波数帯域にわたって虚数成分ε’’が100以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましい。虚数成分ε’’が上記の値以下であると、磁性層100の表面における高周波帯域の電磁波の反射が抑制される。これにより磁性層100の電磁エネルギー吸収効率が高まり、ノイズ抑制効果が向上する。 また、磁性層100の比透磁率は、1~7GHzの周波数帯域にわたって虚数成分μ’’が4以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。虚数成分μ’’が上記の値以上であると、高周波帯域におけるノイズ抑制効果が向上する。また、1~7GHzのうち一部の周波数帯域において虚数成分μ’’が5以上を示すことが好ましく、10以上を示すことが好ましい。この場合、当該一部の周波数帯域における電磁波を効率的にシールドすることができる。比透磁率の虚数成分μ’’の上限は特に限定されないが、例えば1~7GHzの周波数帯域にわたって50以下であるとすることができる。 また、磁性層100の比透磁率は、1~7GHzの周波数帯域にわたって実数成分μ’が1以上であることが好ましい。実数成分μ’が上記の値以上であると、磁性層100が高周波帯域におけるノイズを吸収し易くなり、ノイズ抑制効果が向上する。 磁性層100の厚さT1は、適宜定められてよいが、磁性シートの取り扱い易さから20μm以上1mm以下とするのが好ましく、100μm以下とするのが好ましい。厚さT1を100μm以下とすることで、ケーブル等への巻き付きやすさを備えつつ、ノイズを十分に抑制できる磁性シートを実現できる。 (軟磁性体粉末) 軟磁性体粉末110のFeの含有率は85質量%以上であり、好ましくは90質量%以上である。Feの含有率を上記の値以上とすることで、磁性層100の比透磁率の虚数成分μ’’を上げ、高周波数帯域におけるノイズ抑制効果をより高めることができる。 軟磁性体粉末110は、Feを85質量%以上含む金属であれば特に限定されないが、Fe-Si-Cr系合金であることが好ましい。軟磁性体粉末110としてFe-Si-Cr系合金を選択することで、比透磁率μおよび磁気共鳴周波数frの制御をより容易に行うことができる。軟磁性体粉末110がFe-Si-Cr系合金である場合、Siの含有量は3.0質量%以上であることが好ましい。Crの含有量は1.0質量%以上であることが好ましい。また、残部にCoまたはNiを含んでいてもよい。 軟磁性体粉末110の飽和磁束密度Bsは1.0T以上であることが好ましく、1.1T以上であることがより好ましく、1.5T以上であることが特に好ましい。軟磁性体粉末110の飽和磁束密度Bsが1.0T以上であると、比透磁率の虚数成分μ’’が大きくなり、高周波帯域におけるノイズの吸収性が向上する。 軟磁性体粉末110の厚さの積算分布の値がn%(nは変数)となる厚さをtnと表すとき、t90とt10はt90-t10≦0.80μmの関係を満たし、好ましくはt90-t10≦0.70μmの関係を満たす。本磁性シートにおいては、t90とt10の差が0.80μm以下と小さいため、軟磁性体粉末110の厚さにばらつきが少ない。これにより、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’が小さく抑えられる。したがって、本磁性シートは高周波帯域のノイズ抑制効果に優れている。 また、t10は0.10μm≦t10≦0.30μmであることが好ましく、特に0.10μm≦t10≦0.20μmであることがより好ましい。t10が0.10μm未満である場合、微小な粉末の割合が大きいため、高周波帯域における磁性層100の比誘電率の実数成分ε’が大きくなってしまう。また、t10が0.30μmを超える場合、相対的に厚い粉末の割合が増えるため磁性層100の充填率が下がり、比透磁率の虚数成分μ’’が小さくなってしまう。 また、t50は0.30μm≦t50≦0.50μmであることが好ましく、0.30μm≦t50≦0.40μmであることがより好ましい。さらに、t90は0.60μm≦t90≦1.00μmであることが好ましく、0.80μm≦t90≦0.90μmであることがより好ましい。上述したt10の範囲に加えて、t50、t90も上記範囲を満たすことで、軟磁性体粉末110の厚さが好適な分布をとる。このように軟磁性体粉末110の厚さのばらつきを抑えつつ、薄い粉末と厚い粉末をバランスよく混合することで、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’、虚数成分ε’’を好適な範囲にすることができる。 なお、上述の各tnの値は、磁性層100の厚さ方向の断面のうち、無作為に選択された75μm×100μmの範囲を観察したSEM画像から、それぞれの軟磁性体粉末110の厚さを求めることで測定することができる。 また、軟磁性体粉末110の粒径の積算分布の値がn%(nは変数)となる長さをDnと表すとき、D10は2μm≦D10であることが好ましく、3μm≦D10であることがより好ましく、5μm≦D10であることが特に好ましい。D10が2μm未満であると、微小な粉末の割合が増え、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’が大きくなってしまう。 また、3μm≦D10≦10μmであることが好ましく、5μm≦D10≦8μmであることがより好ましい。また、10μm≦D50≦20μm以下であることが好ましく、12μm≦D50≦15μm以下であることがより好ましい。また、20μm≦D90≦30μmであることが好ましく、25μm≦D90≦29μmであることがより好ましい。D10、D50、およびD90を上記範囲とすることで、軟磁性体粉末110の粒径が好適な分布をとる。このように軟磁性体粉末110の粒径のばらつきを抑えつつ、大きな粉末と小さな粉末をバランスよく混合することで、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’、虚数成分ε’’を好適な範囲にすることができる。 また、D90とD10の比はD90/D10≦10であることが好ましい。D90/D10≦10であるとき、相対的に粒径が小さすぎるまたは大きすぎる粉末の割合が少ないため、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’、虚数成分ε’’、比透磁率の虚数成分μ’’が好適な値をとる。 また、D10とt10の比はD10/t10≧10であることが好ましく、D10/t10≧20であることがより好ましく、D10/t10≧40であることが特に好ましい。D10/t10が10未満であると、軟磁性体粉末110の粒径に対して厚さが十分薄くないため、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’が大きくなってしまう。 なお、本明細書において、軟磁性体粉末110の粒径とは、軟磁性体粉末110の厚さ方向の断面のうち長径の長さを指す。上述の各Dnの値は、例えば磁性層100の厚さ方向の断面のうち、無作為に選択された75μm×100μmの範囲を観察したSEM画像から、それぞれの軟磁性体粉末110の断面の長径を求めることで測定することができる。 また、磁性層100の厚さ方向の断面のうち、無作為に選択された75μm×100μmの範囲を観察したSEM画像において、断面の長径が5μm以下を満たす軟磁性体粉末110が150個以下であることが好ましい。断面の長径が5μm以下の軟磁性体粉末110の個数を少なく抑えることで、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’を小さくすることができ、高周波帯域におけるノイズ抑制効果を高めることができる。 また、磁性層100の厚さ方向の断面のうち、無作為に選択された75μm×100μmの範囲を観察したSEM画像において、断面の長径が5μm以下を満たす軟磁性体粉末110の個数が、軟磁性体粉末110の個数全体の15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。断面の長径が5μm以下の軟磁性体粉末110の個数の割合を少なく抑えることで、磁性層100の比誘電率の実数成分ε’を小さくすることができ、高周波帯域におけるノイズ抑制効果を高めることができる。 (バインダ) バインダ120は、有機系材料であれば特に限定されず、種々の結合剤を用いることができる。例えば、接着性を有する弾性材料を用いることができ、具体的には、アクリルゴム、またはアクリルゴムとニトリルゴムの混合物を用いることができる。磁性層100に対するバインダ120の割合は、例えば体積比で35%以上65%以下とすることができる。 (難燃剤) 磁性層100は、図示しない難燃剤をさらに含んでいてもよい。難燃剤は、難燃性を有するものであれば特に限定されないが、高温時における安定性の観点から300℃以上の分解温度を有する窒素系化合物を用いることが好ましく、例えばテトラゾール系化合物、メラミン系化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。難燃剤の特に好ましい例と