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JP-2026077514-A - 磯焼けした藻場の再生液、及び磯焼けした藻場の再生方法

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Abstract

【課題】山から栄養豊かな水が流れ込まなくなって海藻が育たなくなり磯焼けした藻場を再生させる再生液、及び磯焼けした藻場の再生方法を提供する。 【解決手段】上記の磯焼けした藻場の再生液は、糖蜜水溶液をアスペルギルス属と、バシラス属と、ラクトプランティバシラス属と、エンテロコッカス属と、ノカルディア属と、シュードモナス属と、ラルストニア属と、リゾープス属と、ロドコッカス属と、ロドスピリルム属と、を用いて培養した培養液と、フルボ酸と、第一鉄イオン(Fe 2+ )と、クエン酸と、pH調整液と、水とを含むみ、上記の磯焼けした藻場の再生方法は、海岸を外洋と仕切る仕切り壁を施工し、前記再生液と海水とを混合し、所定期間養生した後、前記養生した液体を前記仕切り壁よりも海岸側に流入させることを特徴とする。 【選択図】 図1

Inventors

  • 木村 将人

Assignees

  • 木村 将人

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20241025

Claims (5)

  1. 下記の10菌属に属する細菌群を、糖蜜を発酵助剤として培養した培養液と、フルボ酸と、クエン酸と、第一鉄イオンと、水と、を含むpH4乃至9の混合液であって、 前記10菌属が、 (1)アスペルギルス属(Aspergillus) (2)バシラス属(Bacillus) (3)ラクトプランティバシラス属(Luctplantibacillus) (4)エンテロコッカス属(Enterococcus) (5)ノカルディア属(Nocardia) (6)シュードモナス属(Pseudomonas) (7)ラルストニア属(Ralstonia) (8)リゾープス属(Rhizopus) (9)ロドコッカス属(Rhodococcus) (10)ロドスピリルム属(Rhodospirillum) であることを特徴とする磯焼けした藻場の再生液。
  2. 100質量%の全質量に対し、0.1質量%濃度乃至5.0質量%濃度の糖蜜水溶液を前記10菌属に属する10菌種の細菌群を用いて培養した5.0質量%乃至20.0質量%の培養液と、0.0001質量%乃至0.01質量%のフルボ酸と、分子量換算で0.01質量%乃至0.5質量%の第一鉄イオン(Fe 2+ )と、0.01質量%乃至0.5質量%のクエン酸と、液性をpH4~9に保つpH調整液と、残部の水と、を含む混合液であることを特徴とする請求項1に記載の磯焼けした藻場の再生液。
  3. 更に海藻粉末を0.1質量%乃至2.5質量%含むことを特徴とする請求項2に記載の磯焼けした藻場の再生液。
  4. 前記クエン酸は、0.1乃至1.0質量部のクエン酸を含む果物の果実、果汁、又は果汁の絞り粕であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磯焼けした藻場の再生液。
  5. 海岸を外洋と仕切る仕切り手段を施工する第1処理と、 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磯焼けした藻場の再生液に海水を加えて所定期間養生する第2処理と、 前記仕切り壁よりも海岸側に前記第2処理で養生した海水を加えた再生液を流入させる第3処理とを備え、 前記第2処理及び第3処理を期間を開けて繰り返すことを特徴とする磯焼けした藻場の再生方法

Description

本発明は、磯焼けした藻場の再生液、及び磯焼けした藻場の再生方法に係り、より詳しくは、磯焼けして衰退又は消失した藻場を再生させる再生液、及びその再生液を用いる磯焼けした藻場の再生方法に関する。 我国は周囲を海に囲まれ、従来は沿岸漁業が盛んであったが、近年は全国各地で沿岸漁業の不振が続いている。その原因の一つに挙げられているのが、沿岸部に「磯焼け」という現象が多発しているという問題である。磯焼けとは、海藻が繁茂していた浅海の岩石、転石域(藻場)において、海藻の群落が季節的消長や多少の経年的変化を超えて、著しく衰退するか、又は消失した状態となる現象である。 藻場の磯焼けが起きる原因としては、土地の開発が進んで山から海に流れ込む栄養豊かな水が減少し、磯でプランクトンが生存できなくなったことが原因であると指摘されている(例えば非特許文献1を参照)。 すなわち、植物プランクトンが炭酸ガスと水とから太陽エネルギーを用いて炭化水素を光合成し、動物プランクトンがその炭化水素を公知のクエン酸回路(図1を参照)によって分解して炭酸ガスと水とエネルギーとを生成して動物プランクトンの生命を維持する。 これにより、磯においてプランクトンが増殖し、海老や海などの海底生物が増加し、海藻が繁茂するようになり、魚が回遊するようになる、という「正の増殖回路」が発生し、それによって沿岸漁業が活性化される。 ここで、クエン酸回路は、第一鉄イオン(Fe+2)を含む触媒を利用している(例えば非特許文献2を参照)。従って、第一鉄イオンが欠乏するとクエン酸回路は働かなくなる。しかし、第一鉄イオン(Fe+2)は、空気中の酸素によって酸化されて第二鉄イオ(Fe+3)に変化し、更に固体の酸化第二鉄(Fe2O3)に変化してクエン酸回路の触媒活性を失い、また、通常の条件では第一鉄イオン(Fe+2)を山から海へ運搬することはできない。 従来は、第一鉄イオン(Fe+2)はフルボ酸に保護されて山から海に運搬されていた。しかし、近年は土地開発が進んで山から海へのフルボ酸の移動がなくなり、それに伴ってクエン酸回路で運搬される第一鉄イオンの量が減少し、クエン酸回路が停止して動物プランクトンが生存できなくなり、海老やカニなどの海底生物が死滅し、海藻も育たなくなり、海藻を餌にする回遊魚が来なくなり、牡蠣などの海底生物が死滅し、海藻に産卵する小魚も寄り付かなくなるという「負の増殖回路」が発生して磯焼けが発生する。 磯焼けした藻場の再生方法としては、特許文献1に製鋼スラグと、高炉スラグと、窒素含有堆肥用原料と、を原料として鉄イオンを供給する海藻着生基盤用の水中沈設用水和固化体が記載されている。しかし、特許文献1に記載された水和固化体は、第二鉄イオン(Fe3+)である製鋼スラグと高炉スラグを主成分とするものであって、第一鉄イオン(Fe2+)をほとんど含まないために効果が長続きせず、磯焼けした藻場を長期的に再生できるものではなかった。 特許第5665254号公報 牡蠣の森と生きる 畠山重篤 中央公論新社 発売日 2019年5月21日沿岸域でのスーパーオキシドを介した有機鉄からのFe(II)生成機構-クエン酸鉄錯体を用いて構築したFe(II)生成速度論モデル 藤井学ら、水環境学会誌 31(No2) P101-108、2008 クエン酸回路の図である。 以下に、本発明の磯焼けした藻場の再生液及び磯焼けした藻場の再生法について説明する。この記載は、本発明を説明するためのものであって、この記載によって本発明の技術範囲を限定するものではない。本発明は、本発明の技術範囲から逸脱しない範囲で多様に変更して実施することが可能である。 [磯焼けした藻場の再生液] 本発明の磯焼けした藻場の再生液は、10菌属に属する10菌種の細菌群を、糖蜜水溶液を発酵助剤として用いて養生した培養液と、第一鉄イオン(Fe2+)と、クエン酸と、フルボ酸と、再生液の液性をpH4~9に保つpH調整液と、所望により海藻粉末と、残部の水と、を含む混合液である。 [培養液] <使用菌種> 本発明は、糖蜜を発酵助剤として発酵させた以下の10菌属の10菌種の細菌群の培養液と、を含むことができる。 ここで、10菌属は、アスペルギルス属(Aspergillus)、バシラス属(Bacillus)、ラクチプランティバシラス属(Lactiplantibacillus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ノカルディア属(Nocardia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ラルストニア属(Ralstonia)、リゾープス属(Rhizopus)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、及びロドスピリルム属(Rhodospirillum)である。 再生液を製造するのに用いる細菌群は、前記の10属の菌属に属する10種の細菌群の全てを含んでいる必要がある。10属の菌属に属する10菌種の全ての細菌を含むことにより、細菌相互の発酵作用を増大させることができる。 <糖蜜> 培養液の発酵助剤として用いる糖蜜は広義には糖分を含む液体であるが、ここではサトウキビなどの原料糖から不純物を取り除いた糖液であることが好ましい。糖蜜は良好な発酵助剤であって、上記の10属10種の細菌によって急速に発酵されて炭酸ガスと水に分解され、それと同時にアミノ酸発酵など多くの発酵が活性化される。糖蜜の水溶液の濃度は0.1質量%濃度~5.0質量%濃度であることが好ましい。糖蜜の水溶液の濃度が0.1質量%濃度未満では発酵助剤としての十分な効果を示すことができず、5.0質量%濃度を超える濃度の糖質水溶液を用いても、発酵助剤としての効果は加えた量に比例せず、経済的に好ましくない。 <培養液の量> 培養液の量は、再生液の全質量を100質量%とした場合に、5.0質量%~20.0質量%であることが好ましい。培養液の量が5.0質量%未満では磯焼けした藻場再生する能力が不足し、培養液を、20.0質量%を超えて加えても、磯焼けした藻場を再生する能力は加えた培養液の量に比例せず、経済的に好ましくない。 [第一鉄イオン] クエン酸回路は第一鉄イオン(Fe+2)を含む触媒を利用しており(例えば非特許文献2を参照)クエン酸回路にとって必須のイオンである。 第一鉄イオン(Fe2+)の含有量は、第一鉄イオン(Fe2+)の分子量(55.85)を分子量として換算して0.01質量%~0.5質量%であることが好ましい。第一鉄イオン(Fe2+)が0.01質量%未満ではクエン酸回路の反応が進みにくくなり、第一鉄イオンを分子量換算で0.5質量%を超えて加えても、反応速度のそれ上の改善が認められない。 [クエン酸] クエン酸は、化1に示す構造式を有するトリカルボン酸であって、図1に示すクエン酸回路の入り口にあたる化合物である。本発明者は、フルボ酸とクエン酸の物性の相似性に着目した。即ち、フルボ酸とクエン酸は、共に水溶性のポリカルボン酸であって還元性を有し第1鉄イオン(Fe2+)と安定した塩を作ることができる。また、クエン酸はクエン酸回路の入り口にあたる化合物であるから、クエン酸を供給することによって第1鉄イオン(Fe2+)が減少してもクエン酸回路の活性化が可能となる。 クエン酸の含有量は、0.01質量%~0.5質量%であることが好ましい。クエン酸の含有量が0.01質量%未満では、クエン酸回路を活性化することができず、0.5質量%を超えて加えても、クエン酸回路はそれ以上活性化されない。 [フルボ酸] フルボ酸は、土壌又は石炭質から希アルカリでフミン酸を抽出除去した後に、無機酸で抽出したとき、酸性の上澄み液に黄色ないし橙黄色となって存在する物質であって、水、エタノールに可溶の無定型の酸性物質で、単一の化学構造式を有するものではなく、組成、分子量も一定したものでもなく、さらに原料及び採取条件により組成、分子量が変化するものである。また、フルボ酸は第一鉄イオン(Fe2+)との親和性が高く、以前は陸地から海へ第一鉄イオン(Fe2+)を移動させる役割を担っていた。 フルボ酸の含有量は0.0001質量%~0.01質量%であることが好ましい。フルボ酸の含有量が0.0001質量%未満では反応液中の第一鉄イオン(Fe2+)の量が減少してクエン酸回路の反応が進みにくくなり、フルボ酸を0.01質量%を超えて加えても反応速度の改善は認められず、フルボ酸は高価なので経済的に好ましくない。 [pH調整液] 本発明の磯焼けした藻場への再生液は、更に、再生液の液性をpH4~9に保つpH調整液と残部の水とを含んで製造される。ここで、pH調整液は、本発明の目的で支障なく用いることができるものであればいずれでもよい。 [海藻粉末] 本発明の再生液は、培養液と、フルボ酸と、クエン酸と、第一鉄イオン(Fe2+)と、再生液の液性をpH4~9に保つpH調整液と、残量の水との水溶液に海水を加えて所定期間養生した上で、養生して気体を海中に流入する工程を有するので、再生液は海藻粉末を加えて懸濁液として安定化することが好ましい。海藻粉末の含有量は0.1~2.5質量%であることができる。海藻分滅の量が0.1質量%未満では懸濁液を安定化することができず、2.5質量%を越えて加えても安定化する効果は向上しないので経済的に好ましくない。 [磯焼けした藻場の再生方法] 本発明の磯焼けした藻場の再生手段は、本発明の再生液を用いてクエン酸回路を活性化させることにより、プランクトンを増殖させ、プランクトンが増殖すると海藻が繁茂するようになり、海老・蟹や貝などの海底生物が増加し、それを食べたり産卵するために魚が回遊するようになる、というクエン酸回路の正常化する方法である。 一方、本発明を実施するための阻害要因として、流入された再生液の外洋への流失、再生した海藻の幼生が外洋から来た魚や海洋生物によって食べられてしまう食害、及び再生液が充分に撹拌されていないために、流入させた再生液の分布の位置による不均一及び時間的分布の不均一が生じることを挙げることができる。 これらの阻害要因を排除し、再生液の有効成分が所定以上の濃度で所定以上の期間残存するようにする目的で、本発明は、海岸を外洋と仕切る仕切り手段を施工する第1処理と、磯焼けした藻場の再生液に海水を加えて希釈し所定期間養生する第2処理と、仕切り壁よりも海岸側に前記第2処理で養生した液体を流入させる第3処理とを備え、第2処理及び第3処理を、期間を開けて繰り返すことを特徴とする。 (第1処理) 本発明の藻場の再生方法は、流入させた再生液の外洋への流失を防ぐため、及び外洋から来た魚や海洋生物によって食べられてしまうことを防ぐために藻場を外洋と仕切る手段を設けることが好ましい。 藻場を外洋と仕切る手段はその目的に適うものであれば特に制限されるものではないが、例えばコンクリート製の壁が良好である。また、漁港等の防波堤やリアス式海岸等の地形を利用することもできる。 このように外洋と仕切ることにより、再生液が外洋に流れ出ることがないため有効に藻場の再生を行うことができる。 (第2処理) 上述した藻場の再生液に海水を加えて所定期間養生する。養生期間は養生した液体の性状によって判断し、例えば3日間から10日程度とする。 (第3処理) 第3処理は前記仕切り壁よりも海岸側に前記第2処理で養生した液体を流入させる。 以上の第2処理及び第3処理を、期間を開けて繰り返すことにより藻場を再生する。