JP-2026077540-A - 増粘剤の製造方法
Abstract
【課題】本発明の目的は、増粘剤として好適に利用でき、分子量が高いために少量の添加で所望の粘度を得ることができ、さらに溶解後に糸引きのない増粘剤を製造することである。 【解決手段】メタクリル樹脂を90質量%以上含む増粘剤の製造方法であって、単量体をベルツ複雑度指数(BertzCT)40以上の2種類以上の連鎖移動剤を用いて重合して前記メタクリル樹脂を生成する工程を含み、前記メタクリル樹脂の重量平均分子量が、400,000~1,000,000である、増粘剤の製造方法。 【選択図】なし
Inventors
- 岩田 昂
- 千葉 大二郎
- 三枝 俊亮
Assignees
- 旭化成株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20250303
- Priority Date
- 20241025
Claims (7)
- メタクリル樹脂を90質量%以上含む増粘剤の製造方法であって、 単量体をベルツ複雑度指数(BertzCT)40以上の2種類以上の連鎖移動剤を用いて重合して前記メタクリル樹脂を生成する工程を含み、 前記メタクリル樹脂の重量平均分子量が、400,000~1,000,000である、 増粘剤の製造方法。
- 前記連鎖移動剤のうち少なくとも1種類が、ベルツ複雑度指数(BertzCT)150以上の連鎖移動剤である、請求項1に記載の増粘剤の製造方法。
- 前記連鎖移動剤のうち少なくとも2種類が、ベルツ複雑度指数(BertzCT)40以上150未満の連鎖移動剤と、ベルツ複雑度指数(BertzCT)150以上の連鎖移動剤とである、請求項1又は2に記載の増粘剤の製造方法。
- 前記メタクリル樹脂の重量平均分子量が、800,000~1,000,000である、請求項1又は2に記載の増粘剤の製造方法。
- 前記メタクリル樹脂が、ビーズ状であり、D90(90%粒子径)が、300未満である、請求項1又は2に記載の増粘剤の製造方法。
- 前記連鎖移動剤のうち少なくとも1種類が、 チオール基を有し、かつメタクリル酸メチル(MMA)3量体末端に結合した際のC-S結合の結合解離エネルギーΔHが50kcal/mol以上の連鎖移動剤である、 請求項1又は2に記載の増粘剤の製造方法。
- メタクリル樹脂を90質量%以上含む増粘剤の製造方法であって、 単量体をベルツ複雑度指数(BertzCT)150以上の連鎖移動剤を用いて重合して前記メタクリル樹脂を生成する工程を含み、 前記メタクリル樹脂の重量平均分子量が、400,000~1,000,000である、 増粘剤の製造方法。
Description
本発明は、増粘剤の製造方法に関する。 塗料又は接着剤等の製造においては、製品の粘度を調整してハンドリング性を向上させる目的から有機系の増粘剤が用いられる。有機系の増粘剤の中でも、メタクリル系樹脂組成物を用いた増粘剤は、透明樹脂として高い透明性及び耐候性を有しているうえ、アルキルシアノアクリレート等との親和性及び耐薬品性にも優れている。メタクリル系樹脂組成物は、透明性を維持しながら迅速にモノマー中に溶解することから、接着剤用増粘剤として広く利用されている。 接着剤の中でも特にシアノアクリレート系接着剤は、主成分であるアルキルシアノアクリレートが有する高いアニオン重合性によって、わずかな水分又は不純物等の微弱なアニオンによって重合を開始し、各種材料を短時間で強固に接合することができる。そのため、瞬間接着剤として、工業用、医療用及び家庭用等の広範な分野において使用されている。 メタクリル系樹脂組成物はシアノアクリレート系接着剤等に一般的に用いられ、より分子量の高いメタクリル樹脂は少量の添加で所望の粘度を得ることができ、接着剤等に与える影響がちいさくなるため好ましい。 しかし、分子量が非常に高いメタクリル系樹脂を増粘剤として有機溶剤に溶解すると、使用時や小分け時に、糸引きが発生するという課題があった。 メタクリル系樹脂を含む増粘剤として、例えば、特許文献1には、メタクリル樹脂の共重合成分のアクリル酸アルキル単量体単位のアルキル基の炭素数が4以上であるアクリル系増粘剤が開示されている。 特許文献2には、メタクリル酸メチル中で50℃/95%Rh下で曝した際の安定性に優れたメタクリル系樹脂を含む増粘剤が開示されている。 特許文献3には、シアノアクリレート系接着剤組成物中に200,000~500,000の重量平均分子量を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルを増粘剤として含有することが記載されている。 国際公開第2022/07068号特開2018-178076号公報特公平4-15267号公報 以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。 [増粘剤] 本実施形態の増粘剤は、メタクリル樹脂を少なくとも含む。増粘剤は、メタクリル樹脂のみを含んでいてもよいし、メタクリル樹脂と、その他の樹脂とを含んでいてもよい。増粘剤は、樹脂成分が、メタクリル樹脂のみであることが好ましい。また、増粘剤は、メタクリル樹脂を1種単独で、又は2種以上組み合わせて含んでいてもよい。一例では、増粘剤は、樹脂成分として、単一のメタクリル樹脂のみからなることがより好ましい。増粘剤中のメタクリル樹脂の含有量は90質量%以上であり、95質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましい。増粘剤はメタクリル樹脂からなる(メタクリル樹脂の含有量が100質量%である)ことが特に好ましい。 本実施形態の増粘剤は、シアノアクリレート系接着剤用増粘剤であることが好ましい。 (メタクリル樹脂) 本実施形態の増粘剤に含まれるメタクリル樹脂は、重量平均分子量が400,000~1,000,000である。 <重量平均分子量> メタクリル樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量Mwが、400,000以上1,000,000以下である。Mwが400,000未満では、シラップ(メタクリル樹脂を溶解した溶液)を所定の粘度にするためのメタクリル樹脂の使用量が増えるため、得られる接着剤等の機械特性が劣る場合もあるため、好ましくない。一方、Mwは、増粘剤として使用する際の糸引き抑制性の観点から、1,000,000以下である。少量添加で所望の粘度が得られることから、Mwは、405,000超が好ましく、410,000以上がより好ましく、420,000以上がさらに好ましく、430,000以上がさらに好ましく、550,000以上がさらに好ましく、800,000以上がさらに好ましく、980,000以下が好ましく、950,000以下がより好ましい。 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、メタクリル樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比である分子量分布Mw/Mnは、1.7以上2.5以下であることが好ましい。製造の容易さの観点から、より好ましくは1.8以上である。また、溶解時の溶け残り抑制、溶解性向上の観点から、より好ましくは2.5未満、さらに好ましくは2.4以下、とりわけ好ましくは2.3以下、特に好ましくは2.3未満である。 なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、GPCで測定される。あらかじめ、単分散の重量平均分子量が既知である試薬として入手可能な標準メタクリル樹脂と、高分子量成分から溶出される分析ゲルカラムを用い、溶出時間と重量平均分子量から検量線を作成しておく。その検量線から各試料の分子量を測定することが出来る。具体的に、後述の実施例に記載の方法により測定してよい。 <連鎖移動剤> メタクリル樹脂は、ラジカル重合法で製造され、分子量を調整するために、連鎖移動剤が使用される。本実施形態では、ベルツ複雑度指数(BertzCT)40以上の連鎖移動剤が用いられ、それにより、増粘対象の安定性、接着剤、特にシアノアクリレート系接着剤に溶解した際の保管安定性を改良することができる。ベルツ複雑度指数(BertzCT)は、好ましくは100以上である。保管安定性改良の観点からベルツ複雑度指数(BertzCT)150以上の連鎖移動剤を用いることもより好ましい。連鎖移動剤としてはチオール基を有するものが好ましい。チオール基を有する連鎖移動剤を用いた場合、重合時には連鎖移動剤のチオール基SHのHが外れ、ポリマー末端に結合しC-S結合が生成される。 ベルツ複雑度指数40以上150未満の連鎖移動剤としては、チオール基を有する化合物のうち、ベルツ複雑度指数が40以上150未満と計算される化合物を用いることができ、例えば、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、チオグリコール酸メトキシブチル、2-エチルへキシル-3-メルカプトプロピオネート等のメルカプタン類が好ましく用いられる。ベルツ複雑度指数150以上の連鎖移動剤としては、チオール基を有する化合物のうち、ベルツ複雑度指数が150以上と計算される化合物を用いることができ、例えば、3-メルカプトプロピオン酸トリデシルが挙げられる。 連鎖移動剤は、単量体の合計質量100質量%に対して、0.001~1質量%の範囲で用いてよい。連鎖移動剤の量は望む分子量に依存して決定される。 ベルツ複雑度指数(BertzCT)は、分子構造により計算できる。具体的にはライブラリRDKitを用いて分子構造を入力して計算できる。 前記メタクリル樹脂は、2種類以上の連鎖移動剤を用いて重合することが好ましい。本発明にあっては驚くべきことに、分子量を調整するために1種類の連鎖移動剤の量を増やすよりも、2種以上の連鎖移動剤を少量ずつ用いた方が、増粘対象の安定性、特にシアノアクリレート系接着剤に溶解した際の保管安定性を改良することができることを見出した。前記メタクリル樹脂が、ベルツ複雑度指数40以上150未満の連鎖移動剤と、150以上の連鎖移動剤とを用いて重合することが好ましく、ベルツ複雑度指数100以上150未満の連鎖移動剤と、ベルツ複雑度指数150以上の連鎖移動剤とを用いて重合することがより好ましい。また、前記メタクリル樹脂は、単独又は2種類以上の、ベルツ複雑度指数(BertzCT)150以上の連鎖移動剤を用いて重合してもよい。 <C-S結合の結合解離エネルギー> また、連鎖移動剤としては、少なくとも1種類が、チオール基を有し、かつメタクリル酸メチル(MMA)3量体末端に結合した際のC-S結合の結合解離エネルギーΔHが50kcal/mol以上の連鎖移動剤であることが好ましい。結合解離エネルギーは後述する実施例に記載の方法で計算できる。 <単量体> メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する単量体単位(以下、単に「メタクリル酸メチル単量体単位」ともいう。)90~99.9質量%、及びアクリル酸アルキルに由来する単量体単位(以下、単に「アクリル酸アルキル単量体単位」ともいう。)0.1~10質量%を含有することが好ましい。より好ましくはメタクリル酸メチル単量体単位が92~99.8質量%及びアクリル酸アルキル単量体単位が0.2~8質量%であり、さらに好ましくはメタクリル酸メチル単量体単位が95~99.7質量%及びアクリル酸アルキル単量体単位が0.3~5質量%である。メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単量体単位及びアクリル酸アルキル単量体単位以外のその他の単量体単位を含んでいてもよいし、含まなくてもよい。 アクリル酸アルキル単量体単位は、炭素数4以上のアルキル基を有することが好ましい。炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキル単量体単位としては、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル等の炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル単量体単位が好ましい。メタクリル樹脂のシアノアクリレート溶液のにおい低減の観点から、アクリル酸アルキル単量体単位のアルキル基の炭素数は、4~8が好ましい。入手のしやすさ、シアノアクリレートへ溶解時のにおい低減の観点から、アクリル酸n-ブチル単量体単位が特に好ましい。 メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単量体単位と炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキル単量体単位とのみから構成されていてもよいし、メタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位等のその他の単量体単位をさらに含んでいてもよい。 その他の単量体単位としては、メタクリル酸メチルと共重合可能なビニル単量体であってよく、具体的には、アルキル基の炭素数が2~18のメタクリル酸アルキル;アルキル基の炭素数が1~3のアクリル酸アルキル;アクリル酸やメタクリル酸等のα,β-不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル;スチレン、α-メチルスチレン、ベンゼン環に置換基を有するスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;無水マレイン酸、マレイミド、N-置換マレイミド;等が挙げられ、これらは、1種単独で或いは2種類以上を併用して用いることができる。におい抑制の観点から、アルキル基の炭素数が1~3のアクリル酸アルキルを含有する場合は、メタクリル樹脂を構成する全単量体単位100質量%に対して、アルキル基の炭素数が1~3のアクリル酸アルキル単量体単位の質量割合が、0.1質量%未満であることが好ましく、含有しないことがより好ましい。 メタクリル樹脂100質量%に対する、メタクリル酸メチル単量体単位の質量割合は、溶解した時(例えば、アルキルシアノアクリレートに溶解した時)のにおい抑制の観点から、90~99.9質量%であることが好ましい。より好ましくは95~99.8質量%、さらに好ましくは97~99.8質量%、特に好ましくは98~99.8質量%である。 メタクリル樹脂100質量%に対する、アクリル酸アルキル単量体単位の質量割合は0.1~10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.2~5質量%、さらに好ましくは0.2~3質量%、特に好ましくは0.2~2質量%である。10質量%超であると、溶解した時(例えば、アルキルシアノアクリレート等へ溶解した時)に、残存するアクリル酸アルキル単量体やそれに由来する不純物等により特異なにおいが発生する傾向にあり、好ましくない。0.1質量%未満では、アクリル酸アルキル単量体単位を共重合させて得ら