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JP-2026077552-A - 嵩高パルプ及び嵩高紙

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Abstract

【課題】本発明の課題は、嵩高効果が高く褪色を抑えた嵩高パルプを提供することである。 【解決手段】本発明によって、嵩高効果が高く褪色を抑えた嵩高パルプ及び嵩高紙を提供することができる。本発明に係る嵩高パルプは、化学パルプを含有する嵩高パルプであって、CSFが500ml以上、平均キンク指数が1.3(1/mm)以上である。 【選択図】なし

Inventors

  • 堤 絵梨
  • 深沢 光司

Assignees

  • 日本製紙株式会社

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20250616
Priority Date
20241025

Claims (8)

  1. 化学パルプを含有する嵩高パルプであって、CSFが500ml以上、平均キンク指数が1.3(1/mm)以上である嵩高パルプ。
  2. 平均フィブリル面積が1.0%以下である請求項1記載の嵩高パルプ。
  3. 平均フィブリル周囲長比が2.0%以下である、請求項1または2に記載の嵩高パルプ。
  4. 前記化学パルプがクラフトパルプである、請求項1または2に記載の嵩高パルプ。
  5. CSFが750ml以下である、請求項1または2に記載の嵩高パルプ。
  6. 請求項1に記載の嵩高パルプをパルプ100重量%に対して70重量%以上含有する、嵩高紙。
  7. 密度が0.5g/cm 3 以下である、請求項6に記載の嵩高紙。
  8. 嵩高剤を含有する、請求項6に記載の嵩高紙。

Description

本発明は嵩高パルプに関する。特に本発明は、嵩高性が高く褪色などの問題が起こりにくい化学パルプを原料とした嵩高パルプ及びそれを含有する嵩高紙に関する。 地球温暖化防止や持続可能な社会の構築には、温室効果ガスの排出抑制やCO2の吸収・固定の促進、さらには循環型資源であるバイオマスの利用促進が重要である。温室効果ガスの排出抑制には、非化石燃料への燃料転換や省エネルギーの推進が効果的であり、製紙業界においては、パルプや紙の製造工程における温室効果ガスの排出抑制に関する取り組みが始められている。さらに、紙の流通過程においても輸送エネルギーの削減などのため軽量化に対する要求が高くなってきている。 しかし、単純に軽量化すなわち紙の坪量を下げると紙の厚さが低下し、製品としてのボリューム感や、美観、加工適正が損なわれるため好ましくない。紙ユーザーに求められている軽量化とは、紙重量を低下させながら、紙厚は低下させないこと、より好ましくは紙厚を高くすることであり、紙の軽量嵩高化が近年の重要な技術課題である。 紙の低密度化(嵩高化)の方法の一つとして製紙用パルプに関しての検討があげられる。 一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直で効果的であることが知られている。しかし、機械パルプを使用した場合には、パルプ化工程における石油由来エネルギーの使用量が高いことが知られており、また製品としては化学パルプと比較しパルプの白色度が低いため、全体として紙の白色度が低下する、製品の紙の色が黄色くなる(褪色する)などの問題があった。 また、抄紙の観点から非塗工紙や塗工原紙を嵩高化(低密度化)する手法として、嵩高剤の使用による方法が知られている。公知の嵩高剤として、例えば、特定のアルコール及び/またはそのポリオキシアルキレン付加物を含有する紙用嵩高剤(特許文献1)、非イオン界面活性剤(特許文献2)、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献3)などが知られており、これらの紙用嵩高剤を板紙に応用した技術(特許文献4)も提案されている。 また、前述したような輸送コスト削減等の観点から、塗工紙の軽量化に対する要望が高くなってきている。低塗工量にもかかわらず、特に優れた白紙外観および剛度を有し、印刷・製本作業適性を有する低坪量微塗工紙に関する技術が開示されている(特許文献5) 国際公開98/03730号パンフレット特開平11-200283号公報特許第2971447号公報特許第3041294号公報特開2004-124289号公報 本発明の嵩高パルプは、紙を低密度化(嵩高化)するために用いられるパルプであり、化学パルプを原料とし、特定の平均キンク指数を有するパルプである。 <嵩高パルプ> 本発明の嵩高パルプは、特定の平均キンク指数を有する化学パルプであり、一つの態様において、所定の平均キンク指数、平均キンク角、フィブリル面積、フィブリル周囲長を有する化学パルプである。 原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、および脱墨パルプが挙げられる。木材パルプとしては、特に限定されないが、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプが挙げられる。非木材パルプとしては、特に限定されないが、例えば、コットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、竹、バガス等の非木材系パルプが挙げられる。原料パルプは、上記の1種を単独でも2種以上混合して用いてもよい。なお、原料パルプに、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、ポリノジック繊維等の再生繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機繊維を混用してもよい。原料パルプは、入手のしやすさという観点から、木材パルプが好ましい。また、原料パルプは、木材パルプの中でも、退色を抑制する観点から、好ましくは化学パルプであり、より好ましくはクラフトパルプであり、さらに好ましくはユーカリ、アカシア等の広葉樹クラフトパルプ、およびマツ、スギ等の針葉樹クラフトパルプから選択される1種以上であり、よりさらに好ましくは広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)および針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)から選択される1種以上である。 <平均キンク角、平均キンク指数> 平均キンク角とは、直線状にある繊維に対して折れ曲がり度合いを示す平均値であり、例えば、Olson,J他著、“An Analyzer for Fibre ShapeandLength”(Journal ofPulp and Paper Science,21巻11号,1995年,J367頁~J373頁)に定義されている角度の平均値である。平均キンク指数は、一定角度範囲毎のキンクの数に、角度の増加に応じた重みづけをし、繊維長の総和で除することで、算出している。本発明の平均キンク角度および平均キンク指数は、パルプを水中で十分に離解したのち、例えばLorentzen & Wettre社製ファイバーテスターを用いて測定することができる。 嵩高パルプの平均キンク角は48°以上が好ましく、49°以上がより好ましく、50°以上がさらに好ましい。前記範囲とすることで、より嵩高な紙を得ることができる。また、平均キンク指数(Kink index)は、1.3(1/mm)以上である。前記平均キンク指数が1.3(1/mm)未満であると、パルプ繊維の折れ曲がりが少なく、紙にしたときに十分な嵩高効果が得られない。また、前記平均キンク指数が10(1/mm)を超えると、パルプ繊維の折り曲がりが多すぎる、すなわち繊維のダメージが多すぎるため、紙力の低下を引き起こす恐れがある。したがって、本発明においては、パルプの平均キンク指数を10以下にすることが好ましく、8以下や6以下とすることがより好ましく、4以下や2.5以下としてもよい。 なお、上記の平均キンク指数は、樹種やパルプを叩解する際のパルプ濃度によって調整可能であり、具体的には、叩解時のパルプ濃度を高くするほど、平均キンク指数が高くなり、紙基材を構成するパルプ繊維に、折れ曲がった繊維が多く存在することとなる。 本発明における平均繊維長、平均繊維幅、平均フィブリル周囲長比は、何れも長さ加重平均値である。これらは市販の繊維長測定装置を用いて、光学的自動分析法により測定することができる。具体的には水に分散させた状態の繊維を撮影し、自動的に画像解析される。長さ加重平均繊維長は、測定されたn本の繊維長の2乗の総和をn本の繊維長の総和で除して得られる。長さ加重平均繊維幅は、測定されたn本の繊維の面積の総和、すなわち、n本の繊維幅(W)と繊維長(L)を乗じて得られる値(A)の総和をn本の繊維長の総和で除して得られる。フィブリル周囲長比(FPR)は、フィブリルの周囲長(FP)を幹繊維の周囲長(P)とフィブリルの周囲長(FP)の和で除した値(FP/(FP+P))である。幹繊維とはフィブリルではない元の繊維を指す。周囲長(P)は幹繊維の繊維長(L)と幅(W)の和を2倍した値(2(L+W))である。フィブリル周囲長(FP)は、フィブリルの繊維長(FL)と巾(FW)の和を2倍した値(2(FL+FW))である。長さ加重平均繊維長、長さ加重平均繊維幅、長さ加重平均フィブリル周囲長比は自動的に算出される。 本発明の嵩高パルプの長さ加重平均繊維長は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上である。また、平均繊維幅は、好ましくは15μm以上であり、より好ましくは30μm以下である。前記範囲のパルプ繊維とすることで、繊維一本ごとの強度や剛性が高く、嵩高性の高いパルプとすることができる。なお、平均繊維長の上限は特に制限されないが、例えば、5mm以下や4mm以下であり、3mm以下や2mm以下としてもよい。 <ファイン率> ファイン分の割合(ファイン率)は、パルプを水中で十分に離解したのち、例えばLorentzen & Wettre社製ファイバーテスターを用いて測定することができる。なお、本明細書において、繊維長が0.2mm以下であるパルプ繊維を「ファイン分」と呼ぶことがある。 嵩高パルプの濾水度(カナダ標準フリーネス、CSF:Canadian Standard Freenessともいう)としては、パルプのフィブリル化を抑制し、パルプの剛性を保持する観点から、500ml(CSF)以上とすることが好ましく、より好ましくは600ml以上である。上限としては750ml以下が好ましく、700ml以下がより好ましい。500ml未満の場合、短繊維化やフィブリル化進みすぎており、嵩高効果を十分に得ることができない恐れがある。また、CSFが高すぎると、水切れが良すぎて抄造時に良好な地合いが形成されず、強度や裏抜が劣る紙となってしまう恐れがある。なお、嵩高紙を調製する際の原料パルプの繊維特性はと、嵩高紙を離解して得られた離解パルプの繊維特性と大きく異なるものではなく、例えば原料パルプの長さ加重平均繊維長を調整することで、紙基材を構成するパルプの長さ加重平均繊維長を適宜調整することができ、その他の繊維特性についても同様である。パルプの離解はJIS P8220-1:2012に準拠した方法で行うことができる。 なお、紙から、平均キンク指数や繊維長、濾水度などのパルプ特性を分析する場合は、以下の方法でパルプサンプルを調成することができる。 (紙からのパルプサンプル調成方法) 紙から40cm×40cmの紙片を切り出し、それをイオン交換水に浸し、固形分濃度2質量%に調整した上で、24時間浸漬する。24時間浸漬した後、JIS P8220-1に従って、標準型離解機(熊谷理機工業製)を用いて、パルプを繊維状に離解する。印刷層を有する場合であっても、印刷層を含めた構成にて離解を行っても差し支えない。得られたパルプ繊維のサンプルを用いて、各種のパルプ特性の分析に供することができる。 本発明の嵩高パルプは、パルプや嵩高紙の褪色を抑制する観点から、1つ以上の公知の漂白工程によりパルプを漂白したクラフトパルプ(BKP)を用いることが好ましい。この場合には、過酸化水素、オゾン、過酢酸等の酸化剤あるいはハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。 <嵩高紙> 本発明の嵩高パルプを原料として紙を製造することで、嵩高紙を得ることができる。本発明に係る嵩高紙は、嵩高パルプを用いることによって低密度化されており、一つの態様において紙の密度が0.50g/cm3以下である。本発明の嵩高紙は、機械パルプなどのリグニンやヘミセルロース分を多く含む原料を使用しなくても嵩高な紙を得ることができるため、長期保存や紙が日にさらされた際の退色を抑制することができる。本発明の嵩高紙は、非塗工紙、塗工原紙、白板紙として使用することができ、非塗工紙としては、新聞用紙、上質紙、印刷用紙、PPC用紙、出版用紙、書籍用紙、板紙などに使用することが好ましい。特に従来機械パルプを多く使用していた、新聞用紙、出版用紙、書籍用紙に使用することがさらに好ましい。また、本発明の嵩高紙は顔料塗工層を設ける塗工原紙としても使用することができ、微塗工紙、A2コート紙、A3コート紙等に使用すること