JP-2026077555-A - 紙
Abstract
【課題】機械パルプ(メカニカルパルプ)の含有量が少なくとも中質紙ライクな風合いを有する紙を提供する。 【解決手段】原紙のパルプ100重量部に対して化学パルプを90重量部以上含有し、メカニカルパルプを10重量部未満含有する紙であって、ISO 8791-4:1992に準拠して求められるPPS平滑度(ソフトバッキング、2000kPa)とPPS平滑度(ソフトバッキング、500kPa)の差が1.1μm以上である。本発明の紙は、書籍用紙や文庫用紙、コミック用紙に好適である。 【選択図】なし
Inventors
- 芳賀 霞
- 有松 洋志
- 齋 勝吾
- 菱沼 記之
- 山口 英世
Assignees
- 日本製紙株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20250623
- Priority Date
- 20241025
Claims (10)
- 原紙のパルプ100重量部に対して化学パルプを90重量部以上含有し、メカニカルパルプを10重量部未満含有する紙であって、 ISO 8791-4:1992に準拠して求められるPPS平滑度(ソフトバッキング、2000kPa)とPPS平滑度(ソフトバッキング、500kPa)の差が1.1μm以上である紙。
- 前記原紙が嵩高剤を含有する請求項1記載の紙。
- 前記PPS平滑度(ソフトバッキング、500kPa)と前記PPS平滑度(ソフトバッキング、2000kPa)の差が1.5μm以上である請求項1または2記載の紙。
- 前記PPS平滑度(ソフトバッキング、500kPa)が3.0μm以上7.0μm以下である請求項1または2記載の紙。
- TAPPI T425(ISO 9426)に規定される式に基づいて算出した比散乱係数が55m 2 /kg以上である請求項1または2記載の紙。
- ISO白色度が50%以上70%以下である請求項1または2記載の紙。
- 紙中灰分が20重量%以下である請求項1または2記載の紙。
- 紙中灰分が5重量%以上である請求項1または2記載の紙。
- 前記原紙が色相の異なる2種以上の色材を含有する請求項1または2記載の紙。
- 前記原紙が黒色色材および黒色以外の色材を含有する請求項1または2記載の紙。
Description
本発明は、機械パルプ(メカニカルパルプ)の含有量が少なくとも中質紙ライクな風合いを有する紙に関する。より具体的には、クッション性が良好で、活版及びオフセット印刷に適した紙に関する。 中質紙はその風合いや色味、作業性等の観点から、これまでコミック用紙や文庫用紙として好まれて使用されてきていた。中質紙には一般的に機械パルプが1~6割程度使用されており、機械パルプは、剛直で低白色度という特性をもつため、機械パルプを1~6割程度含有する中質紙は、剛度が高い、白色度が低い、嵩がでやすいという特徴を有する。 書籍やコミック用紙は、オフセット印刷方式や活版印刷方式で印刷されることが多く、オフセット印刷適性と活版印刷適性を共に有することが求められる。活版印刷は活字を組み合わせて作った版、すなわち活字組版を使った印刷方法であり、凹凸のある版(画線部:凸、非画線部:凹)の凸部分にインキをつけ、用紙に圧力をかけて転写する印刷方式である。オフセット印刷においては、版と圧胴の押し付け圧を変えることが容易であるため、クッション性の低い紙でも印圧を調整することで着肉の程度を変えることができるが、活版印刷においては、作業負担などの観点から、印圧調整は一般的に行われず、用紙自体がクッション性を有していることが求められる。さらに、精細な印刷物を得るためには、適度な平滑性を有した紙である必要がある。 また、書籍用紙は紙の両面に印刷が施されることから、裏抜け(印刷された文字や図柄が裏側に透過してみえること)しにくい紙であること、またページを手でめくりやすいようにこわさも求められる。このような中質系の書籍用紙としては、特許文献1の技術が知られている。 また、機械パルプを使用せずに、中質紙のような嵩高な紙を得ることを目的として、嵩高剤やサイズ剤、炭酸カルシウムを内添する特許文献2の技術も知られている。 特開2019-026985号公報特開2006-052482号公報 原紙 本発明に用いる原紙は、全パルプ100重量部の内、90重量部以上の化学パルプ、好ましくは晒クラフトパルプを含有する。晒クラフトパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、または針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を少なくとも使用することが好ましい。晒クラフトパルプ以外の原料としては、広葉樹または針葉樹の未晒クラフトパルプ(UKP)、サルファイトパルプ、古紙パルプ、リンターパルプ、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、ワラなどの非木材パルプ、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維などを任意の割合で混合して使用することができる。また、全パルプ100重量部の内、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などの機械パルプを10重量部未満含有する。また機械パルプの含有量は、5重量部以下であることがより好ましい。機械パルプを多く含む新聞古紙由来の脱墨古紙パルプは10重量部以下であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましく、含有しないことが最も好ましい。本発明に用いる原紙は、化学パルプを主な原料として使用するため、色材を添加した際の発色性に優れ、高い不透明度を有し裏抜けしにくい紙を得ることができる。また、機械パルプの含有量を全パルプ100重量部の内10重量部未満に限定することで、機械パルプが含有する樹木中のリグニンなどの着色成分に起因する紙面の夾雑物を抑制しつつ、良好なクッション性を有すると共に中質紙ライクな風合いを持ち、環境に配慮した紙を得ることができる。 平滑性及びクッション性 本発明の紙は適度な平滑性とクッション性を有するため、ソフトバッキング/クランプ圧500kPaの条件で測定したパーカープリントサーフ平滑度(以下、PPS平滑度(ソフト/500kPa)ともいう)が、7.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは6.5μm以下である。下限としては3.0μm以上が好ましく、より好ましくは5.0μm以上である。またソフトバッキング/クランプ圧2000kPaの条件で測定したパーカープリントサーフ平滑度(以下、PPS平滑度(ソフト/2000kPa)ともいう)が、5.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは4.5μm以下である。下限としては2.5μm以上が好ましく、より好ましくは3.0μm以上である。PPS平滑度(ソフト/500kPa)及びPPS平滑度(ソフト/2000kPa)が前記範囲である場合、本発明の紙は適度な平滑性を有するため印刷時の着肉性に優れる。 また、クッション性は、[PPS平滑度(ソフト/500kPa)]-[PPS平滑度(ソフト/2000kPa)]の値を指標とすることができる。[PPS平滑度(ソフト/500kPa)]-[PPS平滑度(ソフト/2000kPa)]は、1.0μm以上であることが好ましく、1.1μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることがさらに好ましい。上限としては特に限定されないが、5.0μm以下、より好ましくは3.0μm以下程度である。クランプ圧の異なるPPS平滑度の差が5.0μm超である場合、クランプ圧500kPaで測定したときのPPS平滑度の値が高くなりすぎ、平滑性に劣る紙となってしまう恐れがある。 PPS平滑度は、ISO8791-4:1992「Paper and board-Determination of roughness/smoothness(air leak methods)」に準拠して求められる値である。ISO8791-4:1992「Paper and board-Determination of roughness/smoothness(air leak methods)」に準拠するPPS平滑度の測定は、例えば、Messmer社製パーカープリントサーフラフネステスターを用いて行うことができる。ここで、PPS平滑度は数値が小さいほど紙の凹凸が小さいことを示す。 パーカープリントサーフの測定原理は、幅の狭いリング状の測定面と試料の表面との間を漏れる圧縮空気量を計って計算され、測定中は試料は圧盤により測定面に押しつけられる。従って、測定値は試料の圧縮性が加味される。測定面と試料表面との間隔をGとすると下記の式より平均立体間隔の三乗根として計算し、μm単位で表示する。 G=(12ηbQ/w△P)1/3 η:室温での空気の粘度 b:測定リングの幅 Q:単位時間に流れる空気量 w:測定リングの有効長さ △P:測定リング間の圧力差 上記の測定原理から、PPS平滑度は紙表面の凹凸性を示す。さらに、異なるクランプ圧で測定されたパーカープリントサーフ平滑度の差は、軽く圧力をかけた時の紙表面の凹凸と、強く圧力をかけた時の紙表面の凹凸の差であり、紙のクッション性を示す。差が大きいほど紙のクッション性が優れることを示す。本発明の紙はクッション性に優れるため、紙にクッション性が求められる活版印刷方式での印刷に適した紙を得ることができる。 嵩高剤 本発明の紙は、機械パルプの含有量が少なくとも、機械パルプを多く含有する中質紙のような剛度や手肉感、クッション性を出すために、嵩高剤を含有することが好ましい。嵩高剤の含有量は、パルプ100重量%に対し1.0重量%以下であり、好ましくは0.9重量%以下であり、さらに好ましくは0.8重量%以下であり、より好ましくは0.7重量%未満である。嵩高剤の含有量が1.0重量%以下であると、機械パルプなどの嵩の出やすいパルプを少量しか使用しなくても比較的嵩の高い紙を得ることができ、さらに、クッション性や書籍として使用した時の手肉感、こわさに優れるため、活版印刷方式での印刷に適した紙を得ることができる。さらに、紙を嵩高にすることで、より不透明性の高い紙を得ることができる。嵩高剤の含有量が1.0重量%より多いと、繊維の疎水化が進行して繊維間結合が進まないため、製造時の湿紙強度や製品の層間剥離強度の低下など、強度が低下する恐れがある。下限としては、十分な嵩高効果を得るために0.1重量%以上であることが好ましい。 色材 本発明の紙は、色相の異なる2種以上の色材を含有することが好ましく、黒色色材および黒色以外の色材を含有することがより好ましい。上述のような色材を含有することで、白色度の高い晒クラフトパルプを多く含有しながらも、機械パルプや古紙パルプを多く含有する中質紙のような落ち着いた色調の紙を得ることができ、更に不透明性が向上することから、両面に印刷部が設けられる書籍用紙として使用された場合の、印刷裏抜けを低減することができる。黒色色材としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルカーボン、サーマルブラック等のカーボンブラック顔料、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子、アニリンブラック、チタンブラック、酸化銅、酸化鉄、フタロシアニンブラック等を挙げることができる。本発明においては、染色効率の観点から、内添で色材を含有させることが好ましい。色相の異なる2種以上の色材として使用されるものとしては、染料でも顔料でもよく、例えば赤色、黄色、茶色、緑色、青色、紫色の色相を有する色材等があげられる。 比散乱係数 本発明の紙の比散乱係数は、55m2/kg以上である。比散乱係数は、TAPPI T425(ISO 9426)に規定される式に基づいて算出することができる。比散乱係数は単位坪量当たりの散乱能力を表し、坪量の影響を受けずに紙の不透明性を表すことができる。そのため比散乱係数が高い紙は、裏抜けの生じにくい紙となる。比散乱係数の上限は、限定されないが、通常、90m2/kg程度であろう。灰分や、強度とのバランスから、70m2/kg以下が、より好ましい。比散乱係数は、主に用いるパルプや填料の種類や量などにより適宜調整することができる。 不透明度 本発明の紙の不透明度は、JIS-P8149:2000に従って測定することができる。不透明度の上限値は、限定されないが、書籍用紙の用途に使用することを考慮すると、80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上である。である。また、本発明では、裏抜け値が85%以上であることが好ましい。ここで、裏抜け値は、X-Rite520(エックスライト社製)により印刷面の裏面の反射率を測定して、印刷裏面の反射率を未印刷の裏面の反射率で除した値である。この値が大きいほど、裏抜けが少ないことが示される。 一般的に機械パルプの含有量を減らした紙は、中質紙と比較して嵩がでにくく、同じ坪量の時に裏抜けが悪くなりやすいが、本発明の紙は、坪量、比散乱係数、密度、色材の添加率などを調整することで、不透明度が高く、裏抜けの少ない紙とすることができる。さらに、機械パルプを少量含有させることで、機械パルプによる白色度の低下を抑制しつつ、嵩高剤だけでは達成できない嵩高性、不透明度を達成することができる。 その他内添薬品 本発明の紙料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、種々の内添薬品を添加してよい。内添薬品としては、これに制限されるものではないが、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、その他各種変性澱粉、スチレン-ブタジエン共重合体、ラテックス、酢酸ビニルなどの接着剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホル