JP-2026077591-A - 鋳造物の製造方法、鋳型および鋳型用コーティング剤
Abstract
【課題】ベーニング欠陥を有効に抑制することが可能な鋳造物の製造方法を提供する。 【解決手段】鋳造物の製造方法は、キャビティを有する砂型を準備する工程(S10)と、キャビティに面する砂型の表面に平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、耐火物粒子とを含むコーティング層を形成する工程(S20)と、コーティング層が形成された砂型のキャビティ内に溶融金属を充填する工程(S30)と、溶融金属を凝固させることにより鋳造物を形成する工程(S40)と、を備える。 【選択図】図3
Inventors
- 小川 兼司
- 海山 剛史
- 吉田 誠
- 沖村 泰彦
- 鈴木 逸人
- 鶴谷 知洋
Assignees
- 株式会社小松製作所
- 学校法人早稲田大学
- 地方独立行政法人北海道立総合研究機構
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20251015
- Priority Date
- 20241025
Claims (9)
- キャビティを有する砂型を準備する工程と、 前記キャビティに面する前記砂型の表面に平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、耐火物粒子とを含むコーティング層を形成する工程と、 前記コーティング層が形成された前記砂型の前記キャビティ内に溶融金属を充填する工程と、 前記溶融金属を凝固させることにより鋳造物を形成する工程と、を備える鋳造物の製造方法。
- 前記砂型は、粘結材として合成樹脂を含む、請求項1に記載の鋳造物の製造方法。
- 前記砂型は、粘結材としてフラン樹脂を含む、請求項1に記載の鋳造物の製造方法。
- 前記砂型は、骨材として天然珪砂を含む、請求項1に記載の鋳造物の製造方法。
- 前記シリカ粒子の平均粒径は100nm以下である、請求項1に記載の鋳造物の製造方法。
- 前記コーティング層を形成する工程は、 前記キャビティに面する前記砂型の表面に、前記シリカ粒子と前記耐火物粒子とが液体中に分散した懸濁液を塗布する工程と、 前記懸濁液を乾燥させることにより前記コーティング層を得る工程と、を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の鋳造物の製造方法。
- 前記コーティング層を形成する工程は、 前記キャビティに面する前記砂型の表面に、前記耐火物粒子を含む耐火物層を形成する工程と、 前記耐火物層の表面に、前記シリカ粒子が液体中に分散した懸濁液を塗布する工程と、 前記懸濁液を乾燥させることにより前記コーティング層を得る工程と、を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の鋳造物の製造方法。
- キャビティを有する砂型と、 前記キャビティに面する前記砂型の表面を覆うように配置され、平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、耐火物粒子とを含むコーティング層と、を備える、鋳型。
- 平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、 耐火物粒子と、 前記シリカ粒子および前記耐火物粒子が分散する液体部と、を含む、鋳型用コーティング剤。
Description
本開示は、鋳造物の製造方法、鋳型および鋳型用コーティング剤に関するものである。 鋳鋼、鋳鉄などの金属からなる鋳造物は、砂型などの鋳型を用いた鋳造により製造することができる。砂型は、骨材である砂(天然珪砂や人工砂)と粘土成分や樹脂などの粘結材との混合物を準備し、所望の形状を有するキャビティを形成するとともに、圧力や化学反応によって砂と粘結材とを結合させて作製される。キャビティは、溶融金属を充填して鋳造物を成形するために鋳型内に形成される空間である。 砂型を用いた鋳造物の製造においては、ベーニング欠陥と呼ばれる欠陥が発生する場合がある。ベーニング欠陥は、キャビティに面する砂型の表面に亀裂が発生し、この亀裂に溶融金属が浸入することで生成するバリ状の欠陥である。上記砂型の表面の亀裂は、キャビティ内に溶融金属が充填される際の熱伝達による熱応力などによって発生する。 ベーニング欠陥を抑制するための対策として、特定の構成を有するコーティング層(塗型)をキャビティに面する砂型の表面に形成する方策が提案されている(たとえば特許文献1および2参照)。 特開昭58-81540号公報特開昭62-289343号公報 図1は、鋳型の構造を示す概略断面図である。図2は、キャビティに面する砂型の表面付近の構造を示す概略断面図である。図3は、鋳造物の製造方法の概略手順を示すフローチャートである。図4は、コーティング層形成工程の手順の一例を示すフローチャートである。図5は、コーティング層形成工程の手順の他の一例を示すフローチャートである。図6は、コーティング層の形成を省略した砂型を用いて鋳鉄製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図7は、第1の手順でコーティング層を形成した砂型を用いて鋳鉄製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図8は、第1の手順において、500nmを超える平均粒径を有するシリカ粒子を採用した砂型を用いて鋳鉄製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図9は、第2の手順でコーティング層を形成した砂型を用いて鋳鉄製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図10は、第2の手順において、500nmを超える平均粒径を有するシリカ粒子を採用した砂型を用いて鋳鉄製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図11は、コーティング層へのシリカ粒子の添加を省略した砂型を用いて鋳鋼製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図12は、第3の手順でコーティング層を形成した砂型を用いて鋳鋼製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図13は、第3の手順において、500nmを超える平均粒径を有するシリカ粒子を採用した砂型を用いて鋳鋼製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。図14は、第1の手順において、500nmを超える平均粒径を有するシリカ粒子を採用した砂型を用いて鋳鋼製の鋳造物を作製する実験に対応する鋳造物の表面の写真である。 [実施形態の概要] 本開示の鋳造物の製造方法は、キャビティを有する砂型を準備する工程と、キャビティに面する砂型の表面に平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、耐火物粒子とを含むコーティング層を形成する工程と、コーティング層が形成された砂型のキャビティ内に溶融金属を充填する工程と、溶融金属を凝固させることにより鋳造物を形成する工程と、を備える。 本発明者らは、ベーニング欠陥を有効に抑制する方策について検討を行った。その結果、耐火物粒子に加えて平均粒径500nm以下という微細なシリカ(二酸化珪素;SiO2)粒子を含むコーティング層をキャビティに面する砂型の表面に形成することで、ベーニング欠陥を有効に抑制することができることが明らかとなった。このベーニング欠陥抑制のメカニズムは、特に限定するものではないが、たとえばシリカ粒子として平均粒径500nm以下という微細な粒子が採用されることにより、キャビティ内に溶融金属が充填され、シリカ粒子がガラス化する際の粘結性が大幅に向上したためであると考えることができる。本開示の鋳造物の製造方法では、このような微細なシリカ粒子を含むコーティング層がキャビティに面する砂型の表面に形成されることにより、ベーニング欠陥を有効に抑制することができる。 上記鋳造物の製造方法において、砂型は、粘結材として合成樹脂を含んでいてもよい。本開示の鋳造物の製造方法において使用される砂型の粘結材としては、合成樹脂が好適である。採用可能な合成樹脂としては、たとえばフラン樹脂、フェノール樹脂、アルカリフェノール樹脂、ウレタン樹脂などを挙げることができる。 上記鋳造物の製造方法において、砂型は、粘結材としてフラン樹脂を含んでいてもよい。フラン樹脂を粘結材として含み、化学反応によって硬化する砂型であるフラン自硬性砂型においては、ベーニング欠陥が発生しやすい。ベーニング欠陥を有効に抑制できる本開示の鋳造物の製造方法は、粘結材としてフラン樹脂を含む鋳型を用いた鋳造物の製造方法に、特に好適である。 上記鋳造物の製造方法において、砂型は、骨材として天然珪砂を含んでいてもよい。天然珪砂は、人工砂に比べてコストが低いというメリットを有する一方で、ベーニング欠陥が発生しやすいというデメリットを有する。ベーニング欠陥を有効に抑制できる本開示の鋳造物の製造方法は、骨材として天然珪砂を含む鋳型を用いた鋳造物の製造方法に、特に好適である。 上記鋳造物の製造方法において、上記シリカ粒子の平均粒径は100nm以下であってもよい。このように微細なシリカ粒子を採用することにより、ベーニング欠陥を一層有効に抑制することができる。シリカ粒子の平均粒径は、5nm以上であってもよい。 上記鋳造物の製造方法において、コーティング層を形成する工程は、キャビティに面する砂型の表面に、シリカ粒子と耐火物粒子とが液体中に分散した懸濁液を塗布する工程と、懸濁液を乾燥させることによりコーティング層を得る工程と、を含んでいてもよい。このようにシリカ粒子と耐火物粒子とが溶媒中に分散した懸濁液を用いてコーティング層を形成することにより、工程数の増加を抑制しつつ、本開示の鋳造物の製造方法を実施することができる。 上記鋳造物の製造方法において、コーティング層を形成する工程は、キャビティに面する砂型の表面に、耐火物粒子を含む耐火物層を形成する工程と、耐火物層の表面に、シリカ粒子が液体中に分散した懸濁液を塗布する工程と、懸濁液を乾燥させることによりコーティング層を得る工程と、を含んでいてもよい。このように、耐火物層を形成したうえでシリカ粒子を含む懸濁液を塗布する手順でコーティング層を形成するプロセスによっても、本開示の鋳造物の製造方法を実施することができる。 本開示の鋳型は、キャビティを有する砂型と、キャビティに面する砂型の表面を覆うように配置され、平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、耐火物粒子とを含むコーティング層と、を備える。本開示の鋳型においては、耐火物粒子に加えて微細なシリカ粒子を含むコーティング層がキャビティに面する砂型の表面に形成されている。その結果、本開示の鋳型によれば、ベーニング欠陥を有効に抑制することができる。 本開示の鋳型用コーティング剤は、平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、耐火物粒子と、シリカ粒子および耐火物粒子が分散する液体部と、を含む。本開示の鋳型用コーティング剤をキャビティに面する砂型の表面に塗布し、乾燥させることにより、耐火物粒子に加えて微細なシリカ粒子を含むコーティング層を形成することができる。その結果、本開示の鋳型用コーティング剤によれば、ベーニング欠陥を有効に抑制することができる。 [実施形態の具体例] 次に、本開示の鋳造物の製造方法、鋳型および鋳型用コーティング剤の具体的な実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。 まず、図1および図2を参照して、本開示の一実施の形態における鋳型について説明する。図1は、本実施の形態における鋳型の構造を示す概略断面図である。図2は、キャビティに面する砂型の表面付近の構造を示す概略断面図である。 図1を参照して、本実施の形態における鋳型1は、鋳枠10と、砂型20と、コーティング層30とを備える。砂型20は、溶融金属を充填して鋳造物(たとえば機械部品)を成形するための内部空間であるキャビティ40を有する。鋳型1は、たとえば鋳鋼製または鋳鉄製の部材の製造に用いられる。 鋳枠10は、たとえば木製または金属製の枠である。鋳枠10は、砂型20を外周側から支持する。砂型20は、骨材である砂と、粘結材とを含んでいる。砂としては人口砂を採用してもよいが、本実施の形態では天然珪砂が採用されている。粘結材は、特に限定されるわけではないが、本実施の形態ではフラン樹脂が採用されている。本実施の形態の砂型20は、フラン自硬性砂型である。砂型20は、下型21と、上型22とを含む。下型21は、鋳型1の使用状態において上型22の鉛直方向下側に配置される。上型22は、鋳型1の使用状態において下型21の鉛直方向上側に配置される。 コーティング層30は、キャビティ40に面する砂型20の表面であるキャビティ面20Aの少なくとも一部を覆うように配置される。本実施の形態では、コーティング層30は、キャビティ面20Aの全域を覆うように配置されている。コーティング層30は、キャビティ面20Aの一部のみを覆うように配置されてもよい。上型22と下型21とが鋳枠10内において組み合わされることにより、キャビティ40が形成される。コーティング層30は、たとえば鋳造時において鋳造物と鋳型1との固着(焼着)が発生するおそれのある領域にのみ配置してもよい。 鋳型1には、鋳型1の外部とキャビティ40とを連通する連通路としての流路50が形成されている。流路50は、上型22の表面において開口を有し、当該開口と反対側の端部においてキャビティ40に接続されている。流路50は、溶融金属のキャビティ40への供給路として機能する。 図2を参照して、コーティング層30は、シリカ粒子と耐火物粒子とを含む塗型組成物からなる表面層31と、砂型20を構成する砂粒29の隙間28に塗型組成物が浸透した層である浸透層32とを含む。耐火物粒子としては、たとえば、アルミナなどの酸化物系セラミックス、窒化珪素などの窒化物系セラミックス、およびグラファイトからなる群から選択される少なくともいずれか1つを含むものを採用することができる。シリカ粒子は、500nm以下の平均粒径を有している。シリカ粒子の平均粒径は100nm以下であってもよく、50nm以下、30nm以下、さらには15nm以下であってもよい。コーティング層30は、キャビティ40に面する砂型20の表面であるキャビティ面20Aを覆うように配置されている。コーティング層30は、平均粒径500nm以下のシリカ粒子と、耐火物粒子とを含んでいる。耐火物粒子の平均粒径は、たとえば10μm以上30μm以下とすることができる。 本実施の形態の鋳型1においては、耐火物粒子に加えて微細なシリカ粒子を含むコーティング層30がキャビティ面20Aに形成されている。その結果、本開示の鋳型1は、ベーニング欠陥を有効に抑制することが可能な鋳型となっている。 次に、本実施の形態における鋳造物の製造方法の概略を説明する。図3は、鋳造物の製造方法の概略手順を示すフローチャートである。図4は、コーティング層形成工程の手順の一例を示すフローチャートである。図5は、コーティング層形成工程の手順の他の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の鋳造物の製造方法では、上記本実施の形態の鋳型1を用いた鋳造によって機械部品などの鋳造物が製造される。 図3を参照して、本実施の形態の鋳