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JP-2026077593-A - 被子植物の原形質流動活性化剤、成長促進剤、及び成長促進方法

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Abstract

【課題】遺伝子組み換えに頼らない被子植物の原形質流動活性化剤の提供。 【解決手段】サポニンを有効成分として含有する被子植物の原形質流動活性化剤。 【選択図】図4

Inventors

  • 富永 基樹
  • 内田 柊哉

Assignees

  • 学校法人早稲田大学

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20251016
Priority Date
20241025

Claims (9)

  1. サポニンを有効成分として含有する被子植物の原形質流動活性化剤。
  2. 0.05mg/mL~2.0mg/mLのサポニンの濃度で使用される請求項1に記載の原形質流動活性化剤。
  3. 前記サポニンが大豆サポニン及びキラヤサポニンから成る群から選択された少なくとも1つを含む請求項1又は2に記載の原形質流動活性化剤。
  4. サポニンを有効成分として含有する被子植物の成長促進剤であって、前記サポニンがキラヤサポニンを含み、かつ0.05mg/mL~0.5mg/mLのキラヤサポニン濃度で施用される、被子植物の成長促進剤。
  5. サポニンを有効成分として含有する被子植物の成長促進剤であって、前記サポニンが大豆サポニンを含み、かつ0.1mg/mL~2.0mg/mLの大豆サポニン濃度で施用される、被子植物の成長促進剤。
  6. 0.05mg/mL~0.5mg/mLの濃度のキラヤサポニンを含有する組成物を施用することを含む、被子植物の成長促進方法。
  7. 0.1mg/mL~2.0mg/mLの濃度の大豆サポニンを含有する組成物を施用することを含む、被子植物の成長促進方法。
  8. 被子植物の播種後、少なくとも一週間、前記組成物を施用する請求項6又は7に記載の成長促進方法。
  9. 前記被子植物が野菜類又はスプラウトを含む請求項6又は7に記載の成長促進方法。

Description

本開示は、被子植物の原形質流動活性化剤、成長促進剤、及び成長促進方法に関する。 食糧や飼料の増産や地球温暖化対策として、安価で汎用性が高くかつ安全な植物の成長促進技術やバイオマス増産技術の開発が期待されている。 例えば特許文献1及び非特許文献1,2では、原形質流動の主な駆動力であるシロイヌナズナのミオシンXI-2にシャジクモミオシンXIを融合させた高速型ミオシンXI-2と、ミオシンXI-2にヒトミオシンVを融合させた低速型ミオシンXI-2を開発した。高速型ミオシンXI-2を発現させたシロイヌナズナでは植物が大型化し、低速型ミオシンXI-2を発現させたシロイヌナズナでは植物が小型化し、原形質流動の高速化が植物バイオマス増産又は制御に資することが示された。 このように、遺伝子組換え技術やゲノム編集技術を用いた植物バイオマスの増産が進められているが、それらの技術を適用できる植物材料には制限があり、さらに生態系への影響などが懸念される。そこで遺伝子組み換えに頼らないバイオマス増産法として、環境に負荷が少ない化学物質を利用した手法が注目されている。 一方、非特許文献3には、2%サポニン溶液でカナダモの葉を18時間から24時間の間処理し、原形質流動を活性化させたことが報告されている。 米国特許出願公開2013/007915号 Developmental Cell 27, 345-352, November 11, 2013 DOI: 10.1016/j.devcel.2013.10.0Current Opinion in Plant Biology 27, 104-110, October, 2015 DOI: 10.1016/j.pbi.2015.06.017The New Phytologist, Vol. 21, No. 2 (Apr. 25, 1922), pp. 107-112 コマツナの根毛細胞における原形質流動の写真(A)蒸留水、(B)0.1mg/mL サポニン、コマツナの根の表皮細胞における原形質流動速度。各区n=39,Student's t-test,p<0.05(異記号間は有意差あり)コマツナの根の表皮細胞のうち原形質流動を発生している細胞の頻度。各区n=29,Student's t-test,p<0.05(異記号間は有意差あり)蒸留水又は0.1mg/mLサポニン水溶液を施用し、播種から7日後のコマツナの苗の写真。ブロッコリースプラウトの根毛細胞と根の表皮細胞における原形質流動速度。(A)1時間処理、(B)3時間処理。蒸留水又は0.1mg/mLサポニン水溶液を施用し、播種から7日後のブロッコリースプラウトの苗の写真。蒸留水施用区と0.1mg/mLサポニン水溶液施用区における播種から8日後のブロッコリースプラウトの生育の比較。(A)葉面積、(B)主根長。各バーのn=15。播種から7日後のブロッコリースプラウトの葉の成長に対する、濃度依存的なサポニンの効果。播種から7日後のブロッコリースプラウトの主根と胚軸の成長に対する、濃度依存的なサポニンの効果。異なるサポニンによるコマツナの原形質流動速度の変化。(A)キラヤサポニン。エラーバーは標準誤差。Student's t-test,n=左から右に53,47,51,50,蒸留水(DW)とそれぞれのサポニン溶液の区について検定(*両側p<0.05, **両側p<0.01)(B)大豆サポニン、エラーバーは標準誤差。Student's t-test,n=左から右に39,30,33,33,蒸留水(DW)とそれぞれのサポニン溶液について検定 (*両側p<0.05, **両側p<0.01)異なるサポニンによるコマツナの原形質流動頻度の変化。(A)キラヤサポニン。エラーバーは標準誤差。Student's t-test,nは左から右にそれぞれ20,18,18,18。DWとそれぞれのサポニン溶液について検定(*両側p<0.05, **両側p<0.01,†は片側p<0.05)。(B)大豆サポニン、エラーバーは標準誤差。Student's t-test, n=15, 蒸留水(DW)とそれぞれのサポニン溶液の区について検定(*両側p<0.05, **両側p<0.01)種々の濃度のキラヤサポニン溶液で生育した、播種から10日目のコマツナの(A)茎の長さ及び(B)葉面積。エラーバーは標準誤差。Student's t-test, 各区のn=30、蒸留水(DW)とそれぞれのサポニン溶液の区について検定(*両側p<0.05, **両側p<0.01、n.s.有意差なし)種々の濃度の大豆サポニン溶液で生育した、播種から10日目のコマツナの葉面積。エラーバーは標準誤差。Student's t-test, 各区のn=20、蒸留水(DW)とそれぞれのサポニン溶液の区について検定(**両側p<0.01、†片側p=0084、n.s.有意差なし)水耕栽培中のレタスの写真。DW:蒸留水、S:0.1mg/mL 大豆サポニン、Q:0.1mg/mL キラヤサポニン。各群の苗の子葉面積。エラーバーは標準誤差。Student's t-test, n=60 蒸留水(DW)とそれぞれのサポニン溶液の区について検定(*p<0.05, **p<0.01)キラヤ(Q)サポニンのコマツナの葉面積への効果。エラーバーは標準誤差。Student t, DW-Q1 : n= 20個体, Q2 : n= 4, Q5 : n =1、検定を行ったものに関しては、DWとそれぞれのサポニン溶液についてそれぞれ検定(n.s.: p>0.05, ** : 両側p<0.01).ダイズ(S)サポニンのコマツナの葉面積への効果。エラーバーは標準誤差。Student t, DW : n= 30個体, S0.1と0.5 : n= 20, S1-5 : n =10, DWとそれぞれのサポニン溶液について検定(n.s. p>0.05,*両側p<0.05, **両側p<0.01)キラヤ(Q)サポニンのレタスの葉面積への効果。エラーバーは標準誤差。Student t, DW-Q0.5 : n= 20, Q1 : n =17, Q2 : n = 8, Q5 : n =1 DWとそれぞれのサポニン溶液について検定(*両側p<0.05, **両側p<0.01)ダイズ(S)サポニンのレタスの葉面積への効果。エラーバーは標準誤差。Student t, DW-S0.5 : n= 30個体, S1と2 : n= 20, S5 : n =17, DWとそれぞれのサポニン溶液について検定(n.s. p>0.05, **両側p<0.01) 本明細書において、「含む」又は「含有する」は、「実質的にのみからなる」及び「のみからなる」も包含する概念である。 本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。また、本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値又は実施例から一義的に導き出せる値に置き換えてもよい。更に、本明細書において、「~」で結ばれた数値は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。 植物を大型化することにより、食糧不足の改善、光合成量の増加による地球温暖化の抑制、バイオエタノールをはじめとする代替エネルギーとしての利用などに応用可能性がある。しかし、屋外での遺伝子組み換え植物の栽培は法規制の点から難しい。そこで、本発明者らは、遺伝子組み換えを用いず、環境に害のない化学物質の添加で植物の原形質流動を活性化することを思い付いた。 非特許文献3では、2%サポニン溶液でカナダモの葉を処理し、原形質流動が活性化しているが、本発明者らは、カナダモよりはるかに進化した陸上植物である被子植物でも、サポニンにより原形質流動が活性化することを見出した。さらに驚いたことには、2%(つまり約20mg/mL)よりもずっと低濃度で被子植物の原形質流動速度が上昇することを見出した。 以下、本開示に包含される実施形態についてさらに説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の代表的な実施形態を示したものであり、これにより発明の範囲が限定されることはない。 本明細書において、サポニンはサポゲニンと糖から構成される配糖体を指す。サポニンとしては、大豆サポニン、キラヤサポニン、茶種子サポニン、ユッカサポニン、甘草サポニン、知母サポニン、ニンジンサポニン、キキョウサポニン、セネガサポニンなどの各種サポニンが挙げられ、安価かつ容易に入手可能である点から、大豆サポニン、キラヤサポニン、及び茶種子サポニンから成る群から選択される少なくとも一つが好ましく、大豆サポニン及びキラヤサポニンから成る群から選択される少なくとも一つがより好ましい。 大豆サポニンは、アグリコンに1又は2個の糖が付加されたトリテルペノイドサポニンであり、ソヤサポゲノールAをアグリコンとするサポニンAグループとソヤサポゲノールBをアグリコンとするサポニンBグループに分類される。本発明のサポニンは、サポニンAグループの大豆サポニンと、サポニンBグループの大豆サポニンのいずれであってもよいが、原形質流動活性化又は植物の成長促進の点で、サポニンBグループの大豆サポニンが好ましい。サポニンBグループの大豆サポニンは、該ソヤサポゲノールBの配糖体であって、該ソヤサポゲノールBのC-22位がヒドロキシ基であり、かつ該ソヤサポゲノールBのC-3ヒドロキシ基に糖が結合している配糖体及びソヤサポゲノールBの配糖体であって、ソヤサポゲノールBのC-3位のヒドロキシ基に糖が結合し、C-22位ヒドロキシ基にマルトールが結合した配糖体を含む。 本明細書において、被子植物とは、単子葉植物又は双子葉植物のいずれでもよく、また、草本性植物又は木本性植物のいずれでもよい。 草本性植物としては、例えば、穀類、芝草類、又は野菜類を挙げることができる。野菜類としては、根菜類、葉菜類、果菜類等を挙げることができる。また、カメリナ(Camelina sativa)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ナンヨウアブラギリ(Jatropha curcas)、アブラヤシ(oil palm, Elaeis)などの商業作物を挙げることができる。 水耕栽培用に適した被子植物としては、小松菜、レタス、ルッコラ、水菜、ほうれん草、春菊等の葉菜類、パセリ、バジル等のハーブ類、イチゴ及びトマト等の果菜、スプラウトが挙げられる。 木本性植物としては、例えば、常緑広葉樹、落葉広葉樹等を挙げることができる。 本明細書において、スプラウトとは、発芽野菜とも称し、穀類、豆類、又は野菜の種子を発芽させた新芽を指し、通常、水耕栽培で育成される。 本開示は、サポニンを有効成分として含有する被子植物の原形質流動活性化剤を提供する。 本開示の原形質流動活性化剤は、好ましくは水耕栽培用である。このため、本発明の生育促進剤は、例えばブロック状、粉末状、顆粒状、液状等の任意の形態を有してもよく、直接、若しくは水又は有機溶媒などの溶媒に希釈して被子植物に施用される。 いくつかの実施形態において、本開示の原形質流動活性化剤は、施用される被子植物の原形質流動をより活性化させるために、好ましくは0.05mg/mL~2.0mg/mLのサポニンの濃度で使用され、より好ましくは0.05mg/mL~1.0mg/mLのサポニンの濃度で使用され、より好ましくは0.05mg/mL~0.5mg/mLのサポニンの濃度で使用され、より好ましくは0.05~0.4mg/mLのサポニンの濃度で使用され、より好ましくは0.05~0.3mg/mLのサポニンの濃度で使用され、より好ましくは0.05~0.2m