JP-2026077602-A - 熱電対を用いて温度を判定する方法及び装置
Abstract
【課題】熱電対の冷接点の温度を判定するための改良された方法を提供する。 【解決手段】熱電対の冷接点の温度を判定する方法であって、i)位置p1にある、温度T1における熱電対であって、熱電対が、各々が測温端と冷端とを備える2本のサーモワイヤを備え、サーモワイヤが、測温接点において、サーモワイヤの測温端で互いに接続されている、熱電対を準備することと、ii)位置p1における温度を測定するように構成された温度センサを準備することと、iii)温度センサを用いて時点t1における温度T1を測定することと、iv)時点t1における熱電対の電圧信号V1を測定することと、v)温度T1と電圧信号V1とに基づいて、時点t1におけるサーモワイヤの冷端の温度Tcold(t1)を判定することと、を含む。 【選択図】図2
Inventors
- グイード ネイエンス
- ゲルト-ヤン ベックス
Assignees
- ヘレウス エレクトロナイト インターナショナル エヌブイ
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20251020
- Priority Date
- 20241025
Claims (15)
- 熱電対の冷接点の温度を判定する方法であって、 i)位置p1にある、温度T1における熱電対であって、 前記熱電対が、各々が測温端と冷端とを備える2本のサーモワイヤを備え、 前記サーモワイヤが、測温接点において、前記サーモワイヤの測温端で互いに接続されている、 熱電対を準備することと、 ii)位置p1における温度を測定するように構成された温度センサを準備することと、 iii)前記温度センサを用いて時点t1における前記温度T1を測定することと、 iv)前記時点t1における前記熱電対の電圧信号V1を測定することと、 v)前記温度T1と前記電圧信号V1とに基づいて、前記時点t1における前記サーモワイヤの前記冷端の温度T cold (t1)を判定することと、 を含む、方法。
- 前記温度T cold (t1)が、0℃の冷接点及び温度T1の測温接点を有する熱電対について取得される電圧信号と測定された前記電圧信号V1との間の差ΔV(t1)の計算に基づいて判定される、請求項1に記載の方法。
- 前記熱電対が、位置p1から第2の位置p2に移動されるように構成されている、請求項1に記載の方法。
- 前記サーモワイヤのうちの少なくとも1本が、タングステン(W)又は貴金属を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記熱電対が高速熱電対である、請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法を実施するように適合された熱電対システム。
- 熱電対を用いて高温環境の温度を判定する方法であって、請求項1に記載の熱電対の冷接点の温度を判定する方法のステップと、 vi)前記熱電対を位置p1から前記高温環境にある温度T2における第2の位置p2に移動させることと、 vii)時点t2における前記熱電対の電圧信号V2を測定することと、 viii)前記時点t1における前記冷接点の前記温度T cold (t1)と前記電圧信号V2とに基づいて、前記時点t2における、前記高温環境の前記温度T2を判定することと、 を含む、方法。
- 温度T2が、前記電圧信号V2を示す温度値T hot を、前記時点t1において判定された前記冷接点の前記温度T cold (t1)に加算することによって判定される、請求項7に記載の方法。
- 熱電対を用いて高温環境の温度を判定する方法であって、 i)位置p1にある、温度T1における熱電対であって、 前記熱電対が、各々が測温端と冷端とを備える2本のサーモワイヤを備え、 前記サーモワイヤが、測温接点において、前記サーモワイヤの測温端で互いに接続されている、 熱電対を準備することと、 ii)位置p1における温度を測定するように構成された温度センサを準備することと、 iii)前記温度センサを用いて時点t1における前記温度T1を測定することと、 iv)前記時点t1における前記熱電対の電圧信号V1を測定することと、 v)0℃の冷接点及び温度T1の測温接点を有する熱電対について取得される電圧信号V 0℃ (T1)と測定された前記電圧信号V1との間の差ΔV(t1)を計算することと、 vi)前記熱電対を位置p1から前記高温環境にある温度T2における第2の位置p2に移動させることと、 vii)時点t2における前記熱電対の電圧信号V2を測定することと、 viii)前記電圧信号V2と、0℃の冷接点及び温度T1の測温接点を有する熱電対について取得される前記電圧信号V 0℃ (T1)と前記時点t1において測定された前記電圧信号V1との前記差ΔV(t1)と、に基づいて、前記時点t2における前記高温環境の前記温度T2を判定することと、 を含む、方法。
- 請求項7又は9に記載の方法を実施するように適合された熱電対装置。
- 熱電対の冷接点の温度を判定するための熱電対システムであって、 I)位置p1にある熱電対であって、 前記熱電対が、各々が測温端と冷端とを備える2本のサーモワイヤを備え、 前記サーモワイヤが、測温接点において、前記サーモワイヤの測温端で互いに接続されており、 前記冷端が、冷接点において、一対の接続手段に接続されている、 熱電対と、 II)位置p1における温度を測定するように構成された温度センサと、 III)各々が冷接点接続端と反対側の端とを備える一対の接続手段であって、前記サーモワイヤの前記冷端が、前記冷接点において、前記一対の接続手段の前記冷接点接続端に接続されている、一対の接続手段と、 IV)処理手段であって、前記処理手段の反対側の端において前記接続手段に接続されており、 a)前記サーモワイヤの前記冷端の温度を判定するために、前記熱電対の信号及び前記温度センサの信号を処理するように構成されており、かつ/又は、 b)前記熱電対の信号及び前記温度センサの信号を処理し、かつ、0℃の冷接点及び温度T1の測温接点を有する熱電対について取得される電圧信号V 0℃ (T1)と、測定された電圧信号との間の差ΔVを計算する、ように構成されている、 処理手段と、 を備える、熱電対システム。
- 両方の接続手段が同じ材料から作られている、請求項11に記載の熱電対システム。
- 前記サーモワイヤのうちの少なくとも1本がタングステン(W)又は貴金属を含む、請求項11に記載の熱電対システム。
- 前記熱電対が高速熱電対である、請求項11に記載の熱電対システム。
- 高温環境の温度を判定するための熱電対装置であって、 請求項11に記載の熱電対システムと、 V)前記熱電対を位置p1から第2の位置p2に移動させるように構成された移動手段であって、 前記熱電対が、位置p1から前記高温環境にある前記第2の位置p2に移動されるように構成されており、 前記処理手段が、前記第2の位置p2における前記熱電対の前記信号と、 a)前記開始位置p1における前記冷接点の前記温度、及び/又は、 b)0℃の冷接点及び温度T1の測温接点を有する熱電対について取得される前記電圧信号V 0℃ (T1)と測定された電圧信号V1との間の前記差ΔVと、 を処理することによって前記高温環境の温度を判定するように構成されている、移動手段と、 を備える、熱電対装置。
Description
本発明は、熱電対の冷接点の温度を判定する方法、高温環境の温度を判定する方法、本発明の方法を実施するように適合された熱電対システム、及び熱電対装置に関する。 特に鉄鋼業界で採用されている金属製造プロセスの際、金属溶融物のいくつかのパラメータ、例えば浴(bath)の化学的性質又はそのような溶融物の温度は、冶金プロセスの制御にとって重要である。これらの変数を連続的に及び/又は定期的に監視できることは、経済上の理由と品質上の理由との両方から非常に望ましい。正確な監視により、過熱によって生じるエネルギー消費及び過剰処理によって生じる材料消費を大幅に低減することができる。これらのプロセス関連パラメータを判定する方法及び装置は、当該分野で知られており、ほとんどの場合、少なくともセンサを搭載した使い捨てプローブの使用を伴う。典型的には、プローブはドロップインセンサの形で、又はランス組立体によって、溶融物の表面の下に置かれる。 産業用途において、特に高温の測定が必要とされる場合に、温度センサとして熱電対が頻繁に採用される。熱電対は、「熱」接点と呼ばれる接点で接続された、異なる材料の2つの導体を含む。自由端と熱接点との間に温度勾配が存在するとき、ゼーベック効果により、導体の自由端に電圧が発生する。この電圧は、熱電対の材料の組み合わせと、冷接点とも呼ばれる自由端と熱接点との間の温度差とに依存する。したがって、冷接点の温度とシステムの温度特性が知られていれば、この電圧を採用して熱接点の温度を判定することができる。測定対象の温度に応じて、異なる材料の組み合わせが一般に知られており、例えば、S型熱電対(Pt/PtRh10)、R型熱電対(Pt/PtRh13)、又はC型熱電対(WRe5/WRe26)が標準化されている。 熱電対システムは、通常、いくつかの構成要素、すなわち、熱電対自体と、ワイヤ又はケーブルと、熱電対回路の信号を受信して処理するのに好適な処理器械と、基準点の温度、典型的には冷接点の温度を測定するための少なくとも1つのセンサとを備える。 実際の熱電対と遠隔に位置する測定器械との間の距離を橋渡しするために適用されるワイヤは、3つのグループに分けることができる。第1のタイプのワイヤは、熱電対自体の導体と同じ材料から作られる延長ワイヤである。多くの用途において、熱電対の導体は白金又は白金合金などの貴金属から構成されており、センサ及び適合する延長ワイヤが高価なものになる。こうした高価な材料の使用を低減するために、補償ワイヤが広く使用されて、システムのコストを制限する。補償ワイヤは、それらが使用される熱電対ワイヤとほぼ同じ熱電特性を有する材料で作られており、すなわち、200℃未満の温度では、対応する熱電対によるものと同じ熱電電圧が発生する。そのような補償ワイヤの動作温度がある特定の範囲内に保たれるならば、補償ワイヤによって、コストと性能との間に許容可能な妥協点が得られる。例えば、Pt10Rhワイヤと組み合わせた純Ptワイヤを含むS型熱電対の場合、使用される補償ワイヤは、Cuワイヤ及びCuNiワイヤである。ところが、これらの補償ワイヤもまた、高価であり得る。更に、それらは、ある特定の種類の熱電対には利用できないこと、又は、例えば剛性が高すぎるために、意図された用途の装備には好適でない特性を有することがある。また、温度の測定対象の環境に適合しないこともある。特に高温用途の場合、好適なワイヤが入手可能でないことがある。 全ての事例において、補償ワイヤを用いた熱電対の較正が必要である。更に、熱電対は、意図された用途に関しては一度しか使用できない使い捨て品であり、同じことがそれぞれの補償ワイヤにも当てはまる。 したがって、延長ワイヤ又は補償ワイヤを使用せずに熱電対を使用する方法及び装置が望ましい。 熱電対用途のための第3のタイプのワイヤは接続ワイヤであって、それらは電気接続のために使用される単純な導電体であり、広く入手可能である。 熱電対で温度を測定するためには、例えば外部の追加のセンサで測定することによって冷接点の温度を知ること、又は冷接点を、知られている温度まで調節することのいずれかが必要である。最も単純な事例では、例えば氷浴の中にあるなど、冷接点は0℃である。冷接点が0℃でない場合、実際の熱接点温度を判定するために冷接点の温度をつきとめなければならない。例えば、欧州特許第2428780(A2)号は、冷接点の近傍に取り付けられた温度センサを採用する方法を開示している。国際公開第2015032592(A1)号は、温度測定に関連付けられる処理装置において基準温度を測定することによって冷接点の温度を判定する方法を開示している。 代替的に、補償方法を適用することができる。そのような補償は、冷接点補償と呼ばれる。遠隔環境での高温を判定すべき場合には、冷接点温度の測定が可能でないことがあり、又は、複雑な器械に関連付けられているため、測定手順が高価になり、誤差を起こしやすくなることもある。 したがって、延長ワイヤ又は補償ワイヤを使用せずに熱電対の冷接点の温度を判定する方法及びシステムが望ましい。 本発明の1つの目的は、熱電対の冷接点の温度を判定するための改良された方法を提供することである。 更なる目的は、延長ワイヤ又は補償ワイヤを利用することなく、熱電対を用いて温度を判定する方法を提案することである。 なお更なる目的は、この方法の適用のコストを低減することである。更に、この方法は、全ての種類の熱電対に適用可能となる。 加えて、温度判定のためのこの方法は、高温測定に適用可能となる。更に、この方法は、遠隔の測定場所において適用可能となる。 本発明の更なる目的は、汎用的に使用できる改良された熱電対システムを提供することである。更に、この熱電対システムは、特に貴金属から作られた熱電対が使用される用途において、コストを低減する。 更なる目的は、高温環境の温度を判定するための熱電対システムを備える熱電対装置を提供することである。 更に、好適な延長ワイヤ又は補償ワイヤを必要としない熱電対システム及び装置が提供される。この熱電対システム及び装置は、ある特定の種類の熱電対又は限定された温度範囲に制限されることなく使用可能となる。 第1の態様では、本発明は、熱電対の冷接点の温度を判定する方法であって、 i)位置p1にある、温度T1における熱電対であって、 熱電対が、各々が測温端と冷端とを備える2本のサーモワイヤを備え、 サーモワイヤが、測温接点において、サーモワイヤの測温端で互いに接続されている、熱電対を準備することと、 ii)位置p1における温度を測定するように構成された温度センサを準備することと、 iii)温度センサを用いて時点t1における温度T1を測定することと、 iv)時点t1における熱電対の電圧信号V1を測定することと、 v)温度T1と電圧信号V1とに基づいて、時点t1におけるサーモワイヤの冷端の温度Tcold(t1)を判定することと、を含む、方法を提供する。 この方法のステップiii)~v)は、ステップi)及びii)の後に行われ、ステップv)は、ステップiii)及びiv)の後に行われると理解されるべきである。 驚くべきことに、関連付けられた電気信号と併せた、熱電対の熱接点の温度の外部測定は、冷接点の基準温度を判定するのに好適であることが分かった。一般的に適用される方法とは対照的に、熱接点の温度のみが測定され、冷接点の温度の測定は必要ではない。現行技術の方法では、冷接点の温度が基準温度として測定又は制御される。本発明の方法及び関連付けられる熱電対システムは、熱電対に特定される補償ワイヤを必要とすることなく、簡略化された測定装備を可能にする。 本出願において、特定の値又はパラメータを「測定する」ことと「判定する」こととの間で区別がなされる。「測定」は、獲得されたデータを更に処理することなく、直接それぞれの装置によってそれぞれのパラメータ又は値が取得されるステップとして理解されるべきである。測定中に、例えばアナログ信号からデジタル信号の、信号の変換が含まれてもよい。パラメータ又は値が「判定される」場合、適切な手段によって取得された信号が更に処理されて、所望のパラメータ又は値が取得される。そのような処理ステップは、例えば、計算ステップ、数学関数の適用、及び/又は参照グラフ若しくは表との照合であってもよい。 本発明の方法は、2本のサーモワイヤを含む熱電対を準備することを含む。当業者には知られているとおり、2本のサーモワイヤは、異なる材料で作られる。換言すれば、第1のサーモワイヤは第1の材料を含み、第2のサーモワイヤは第1の材料とは異なる第2の材料を含む。サーモワイヤは、金属、例えば白金(Pt)のような貴金属、タングステン(W)のような金属、あるいは合金、例えば白金-ロジウム(PtRh)合金のような貴金属合金、又は例えばレニウム(Re、WRe)と組み合わせたWを含む合金、を含むことができる。本発明の範囲内では、貴金属は、白金金属、金及び銀からなる群から選択される金属である。白金金属は、いわゆる白金族の金属、すなわち白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びルテニウム(Ru)である。 原理的には、本発明の方法は、サーモワイヤのあらゆる対、又は熱電対のあらゆるタイプで実施することができる。好ましくは、サーモワイヤのうちの少なくとも1本はタングステン(W)又は貴金属を含み、より好ましくは、サーモワイヤのうちの少なくとも1本はタングステン(W)を含む。 タングステンを含むサーモワイヤは、サーモワイヤの直径が細い場合であっても脆弱性が低いので、本発明に特に好適である。細い直径を有するサーモワイヤは、応答時間が短いので好ましい。「細い」直径とは、0.01~0.5mmの範囲の範囲の直径であると理解されるべきである。 好ましくは、サーモワイヤは、0.01~0.5mmの範囲、好ましくは0.05~0.4mmの範囲、更により好ましくは0.1~0.3mmの範囲の直径を有する。 好ましい実施形態では、熱電対は、タイプC熱電対(WRe5及びWRe26サーモワイヤ)、タイプD熱電対(WRe3及びWRe25サーモワイヤ)、又はタイプG熱電対(W及びWRe26サーモワイヤ)である。本出願内の合金組成は重量%(wt%)で示されて合計100%になり、例えば、WRe5合金は5wt%のRe、W、及び不可避不純物からなる。本文脈において、「不可避不純物」は、使用される原材料中に存在する不純物又はサーモワイヤ製造工程に由来する、微量の化学元素及び/又は化合物である。サーモワイヤの合金は、0~100重量ppm、例えば10~100重量ppmの範囲の総量の、不可避不純物を含み得る。 好ましくは、熱電対はタイプB熱電対ではない。タイプB熱電対は、PtRh30の第1のサーモワイヤと、PtRh6の第2のサーモワイヤと、を備える。タイプB熱電対は、銅製補償ワイヤで動作させることができ、本発明の方法の有利な効果を低減する。更に、タイプB熱電対は、限定された冷接点温度範囲(0~40℃)内でのみ適用可能であり、したがって、高温環境での測定には好適でない。 サーモワイヤは各々、測温端と冷端とを備え、測温接点において、サーモワイヤの測温端で互いに接続される。 サーモワイヤは、例えば、溶接、はんだ付け、ねじ止め、ねじり、又は、測温端間の電気的接触を確立するのに好適な他の手段によって接続されてもよい。 サーモワイヤの冷端は互いに接続されず、間隔を置いて配置されると理解されるべきである。両方の冷端を併せて、熱電対の冷接点を形成する。典型的には、両方の冷端は同じ温度レベルにある。本出願内では、「冷接点」は、サーモワイヤの「冷端」と同義に使用される。 好ましい実施形態では、熱電