JP-2026077624-A - ポリプロピレン系樹脂組成物
Abstract
【課題】リン系難燃剤を複合させたポリプロピレン材料の高難燃化。 【解決手段】要件(A1)プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体及びプロピレンブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体を含む、及び要件(A3)メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が105g/10分より大きい、を満足するポリプロピレン系樹脂(A)と、要件(B1)有機系難燃剤である、を満足する難燃剤(B)と、要件(C1)ガラス繊維である、及び要件(C2)繊維長が4mmを超え、20mm以下のガラス繊維を用いる、を満足する繊維(C)とを含有し、下記条件1を満足するプロピレン系樹脂組成物。 条件1:プロピレン系樹脂組成物は、上記(A)20~70重量%と、上記(B)15~30重量%と、上記(C)15~50重量%とを含有する。 【選択図】なし
Inventors
- 城間 賢悟
Assignees
- 日本ポリプロ株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20251024
- Priority Date
- 20241025
Claims (5)
- 下記要件(A1)及び要件(A3)を満足するポリプロピレン系樹脂(A)と、下記要件(B1)を満足する難燃剤(B)と、下記要件(C1)及び要件(C2)を満足する繊維(C)とを含有し、下記条件1を満足することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。 要件(A1) ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体及びプロピレンブロック共重合体から成る群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体を含む。 要件(A3) ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が105g/10分より大きい。 要件(B1) 難燃剤(B)は、有機系難燃剤である。 要件(C1) 繊維(C)は、ガラス繊維である。 要件(C2) 繊維(C)として、繊維長が4mmを超え、20mm以下のガラス繊維を用いる。 条件1 プロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)20~70重量%と、難燃剤(B)15~30重量%と、繊維(C)15~50重量%とを含有する(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)と、難燃剤(B)と、繊維(C)との合計は100重量%である)。
- ポリプロピレン系樹脂(A)が、下記要件(A2)を更に満足する、請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。 要件(A2) ポリプロピレン系樹脂(A)が少なくとも2種のポリプロピレン系樹脂(Aa)とポリプロピレン系樹脂(Ab)とを含み、かつポリプロピレン系樹脂(Aa)のメルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が60~2000g/10分の範囲である。
- 難燃剤(B)が、リン系難燃剤である請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 難燃剤(B)が、ポリリン酸塩である請求項3に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を含む成形体。
Description
本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、リン系難燃剤とガラス繊維とを含有する遮炎性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。 ポリオレフィン系樹脂は化学的、機械的特性の優位性を生かして建材、自動車部品、包装用資材、家電製品等の各種分野に多用され、その用途も拡大してきている。しかしながら、多くのポリオレフィン系樹脂は可燃性であり、用途によっては難燃化が必要である。 従来から難燃化の手法として広く使用されているものが、臭素系難燃剤と難燃助剤である三酸化アンチモンを組み合わせた系である。 しかし,臭素系難燃剤を使用した難燃化手法はその材料特性上、形状保持性に乏しく、長時間の接炎に耐える事が困難である。それに対してリン系難燃剤、特に燃焼後に炭素質のチャーを形成するリン系難燃剤を使用した難燃化手法は、接炎面が炭化し耐火性を有する事が可能であり、比較的長時間の接炎に耐えられることが期待されている。 一方で、例えば特許文献1,特許文献2の様なリン系難燃剤を使用した材料の場合は、酸素指数やUL94 V試験の様な自消性の検討は多く行われてきているものの、耐火性能について深く検討している例は少なかった。 近年では、特許文献3の様な検討が報告されており、ここでは、リン系難燃剤とガラス繊維を複合させた試験片での耐火性能について検討されている。 しかしながら、特許文献3に開示の技術ではその接炎時間が十分とは言えない。例えば、中国のGB/T 38031-2020規格ではEV車両火災発生時を想定し『バッテリーパックの状態で電池セルが発火後、5分間バッテリーパック外に煙/火が出ない事』という事が規格とされているが、特許文献3の発明では5分以上の耐火性能を議論できていない。すなわち、今後社会から求められる長時間の接炎に耐える事が可能な性能を発現した材料を提供するという問題が、依然として残っている事が分かる。 加えてバッテリー筐体の様な大きな成形体を得る場合、その材料の流動性も重要な因子となる。例えば技術文献4に開示されているように流動性に優れた難燃樹脂組成物の発明もなされている。 しかしながら、この発明に於いても長時間の耐火性については検討がなされていないため、流動性と長時間の耐火性との両立という課題は未だに残っている。 特許4753498号公報特許5462584号公報特許7329528号公報WO2024/029197A1 発明を実施するための態様 本発明は、下記要件(A1)及び要件(A3)を満足するポリプロピレン系樹脂(A)と、下記要件(B1)を満足する難燃剤(B)と、下記要件(C1)及び要件(C2)を満足する繊維(C)とを含有し、下記条件1を満足することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物である。 要件(A1) ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体及びプロピレンブロック共重合体から成る群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体を含む。 要件(A3) ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が105g/10分より大きい。 要件(B1) 難燃剤(B)は、有機系難燃剤である。 要件(C1) 繊維(C)は、ガラス繊維である。 要件(C2) 繊維(C)として、繊維長が4mmを超え、20mm以下のガラス繊維を用いる。 条件1 プロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)20~70重量%と、難燃剤(B)15~30重量%と、繊維(C)15~50重量%とを含有する(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)と、難燃剤(B)と、繊維(C)との合計は100重量%である)。 以下に本発明のプロピレン系樹脂組成物について、各項目の詳細を説明する。 1.プロピレン系樹脂組成物 本発明のプロピレン系樹脂組成物は、下記条件1を満足する。 条件1 プロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)20~70重量%と、難燃剤(B)15~30重量%と、繊維(C)15~50重量%とを含有する(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)と、難燃剤(B)と、繊維(C)との合計は100重量%である)。 ポリプロピレン系樹脂(A)、難燃剤(B)、繊維(C)の詳細については後述する。 本発明のプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)を20~70重量%含有する事が必要であり、好ましくは22,5~65重量%、更に好ましくは25~62重量%、より好ましくは27.5~59.5重量%、特に好ましくは30~57重量%を含有する。難燃剤(B)は15~30重量%含有する事が必要であり、好ましくは16~29.5重量%、更に好ましくは17~29重量%、より好ましくは17.5~28.5重量%、特に好ましくは18~28重量%を含有する。繊維(C)は15~50重量%含有する事が必要であり、好ましくは19~48重量%、更に好ましくは21~46重量%、より好ましくは23~44重量%、特に好ましくは25~42重量%を含有する。 ポリプロピレン系樹脂(A)、難燃剤(B)及び繊維(C)の含有量をこのような範囲とすることにより、長時間の接炎に耐えられる遮炎性と、成形性に優れた流動性を両立することが出来る材料の提供が可能となる。即ち、難燃剤(B)と繊維(C)が多すぎると、遮炎性は向上するものの流動性が悪化し、成形性が低下する傾向となる。逆に難燃剤(B)と繊維(C)が少なすぎると、十分な遮炎性が得られない場合が有る。 (1)ポリプロピレン系樹脂(A) 以下に、本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(A)の詳細について説明する。 要件(A1) 本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体及びプロピレンブロック共重合体から成る群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体を含む。 プロピレンランダム共重合体としては、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体が好ましい。また、プロピレンブロック共重合体としては、プロピレン-α-オレフィンブロック共重合体が好ましい。以下、本明細書においては、プロピレン-α-オレフィンブロック共重合体とプロピレン-α-オレフィンランダムランダム共重合体を単に「プロピレン-α-オレフィン共重合体」と称することがある。 好ましく用いられるプロピレン-α-オレフィン共重合体は、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2~8のα-オレフィンをコモノマーとする共重合体で、通常は、プロピレン含量が70~99.99重量%(すなわちコモノマー含量が0.01~30重量%)、好ましくは80~99重量%(コモノマー含量が1~20重量%)、より好ましくは90~98重量%(コモノマー含量が2~10重量%)のプロピレンとα-オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体である。また、α-オレフィンの異なるランダム共重合体またはブロック共重合体の混合物であってもよい。 また、プロピレンと共重合させるプロピレンを除く炭素数2~8のα-オレフィンであるコモノマーは、1種用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 プロピレン-α-オレフィン共重合体としては、具体的に、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-ペンテン-1共重合体、プロピレン-ヘキセン-1共重合体、プロピレン-オクテン-1共重合体のような二元共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ヘキセン-1共重合体のような三元共重合体などが挙げられ、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1ランダム共重合体などが好ましい。 プロピレンを除く炭素数2~8のα-オレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、2-メチル-1-プロペン、1-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、2-エチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、1-ヘプテン、メチル-1-ヘキセン、ジメチル-1-ペンテン、エチル-1-ペンテン、トリメチル-1-ブテン、1-オクテン等を挙げることができる。 プロピレン-α-オレフィン共重合体のコモノマーとして、上記のようなα-オレフィンを上記の量用いることによって、本発明プロピレン系樹脂組成物における効果を最大限引き出すことが可能となる。 ここでポリプロピレン系樹脂(A)のコモノマーであるプロピレンや、エチレン及び炭素数4~8のα-オレフィン(以下、「本モノマー」と略記することがある)は、バイオマスを原料に製造されたものであってもよいし、ケミカルリサイクル由来のものであってもよい。 ポリプロピレン系樹脂(A)のコモノマーであるプロピレンや、エチレン及び炭素数4~8のα-オレフィンは、バイオマス由来の本モノマーのみでもよいし、化石燃料由来の本モノマーのみでもよい。また、バイオマス由来の本モノマーと、化石燃料由来の本モノマーの両方を含んでもよい。 また、ポリプロピレン系樹脂(A)のコモノマーであるプロピレンや、エチレン及び炭素数4~8のα-オレフィンは、ケミカルリサイクル由来の本モノマーのみでもよいし、化石燃料由来の本モノマーのみでもよい。また、ケミカルリサイクル由来の本モノマーと、化石燃料由来の本モノマーの両方を含んでもよい。 そして、ポリプロピレン系樹脂(A)のコモノマーであるプロピレンや、エチレン及び炭素数4~8のα-オレフィンは、バイオマス由来の本モノマー、ケミカルリサイクル由来の本モノマー及び化石燃料由来の本モノマーを任意に組み合わせて使用することが出来る。 また、ポリプロピレン系樹脂(A)として、リサイクル樹脂を使用することも可能である。ポリプロピレン系樹脂(A)全体に対するリサイクル樹脂の割合は、本願発明の効果を阻害しない範囲で任意に選択することが出来る。リサイクル樹脂としては、廃棄自動車由来、バッテリーケース由来、家電製品由来、コンタクトレンズ重合型由来及び物流資材由来等、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その由来を問わずに何れのリサイクル樹脂も使用することが出来る。またこれらのリサイクル樹脂と、前述のバイオマス由来の本モノマー、ケミカルリサイクル由来の本モノマー及び化石燃料由来の本モノマーを用いたものとを、任意の割合で混合して使用することも可能である。 要件(A3) 本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)が105g/10分より大きい。 メルトフローレート(以下「MFR」とも言う)は、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定される。ポリプロピレン系樹脂(A)のMFRについては、106~1000g/10分が好ましく、107~800g/10分であるのがより好ましく、108~600g/10分が更に好ましく、109~400g/10分が特に好ましい。 メルトフローレート(MFR)をこのような範囲とすることにより、良好な流動性を保ちながら、同時に良好な遮炎性も維持でき、さらに種々の機械物性や成形性等も良好な本発明のプロピレン系樹脂組成物を提供することが出来る。即ち、メルトフローレート(MFR)が105g/10分を下回ると、十分な流動性を得られず、例えば大型の成形品や薄肉の成形品を成形することが困難となるおそれがある。また、メルトフローレートの上限は特に設ける必要は無いが、1000g/10分を上回ると、遮炎性が損なわれるおそれがあるので、ポリプロピレン系樹脂(A)を選択する際の目安とすることが出来る。 なお、ポリプロピレン系樹脂(A)が2種類以上のプロピレン重合体を含む場合は、これら2