JP-2026077634-A - がん処置のためのベクター
Abstract
【課題】がん細胞に対する免疫活性化を向上させる方法を提供する。 【解決手段】単一のがん特異的CD8+T細胞エピトープをコードするヌクレオチド配列を含むアデノウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターであって、ベクターが、膨張性メモリCD8+T細胞応答を誘導する能力があり、ベクターが、さらなるがん特異的T細胞エピトープをコードする核酸を含まない、アデノウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターを提供する。該ベクターを含む免疫原性組成物、該組成物の治療有効量を投与するステップを含む、がんを処置または防止する方法も提供する。 【選択図】図1
Inventors
- リー,リアン・ナイ
- チンナカンナン,センティル
- クレナーマン,ポール
Assignees
- キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20251128
- Priority Date
- 20191016
Claims (20)
- 単一のがん特異的CD8+ T細胞エピトープをコードするヌクレオチド配列を含むアデノウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターであって、ベクターが、膨張性メモリCD8+ T細胞応答を誘導する能力があり、ベクターが、さらなるがん特異的T細胞エピトープをコードする核酸を含まない、アデノウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクター。
- CX3CR1+、KLRG-1+、CD44+、CD62L-を含む群から選択されるマーカーによって特徴づけられるCD8+ T細胞の産生を誘導する能力がある、請求項1に記載のベクター。
- CX3CR1+、KLRG-1+、CD44+、CD62L-、CD27-(low)、CD127-(low)を含む群から選択されるマーカーによって特徴づけられるCD8+ T細胞の産生を誘導する能力がある、請求項1に記載のベクター。
- がん特異的CD8+ T細胞エピトープをコードするヌクレオチド配列が、12個~45個のヌクレオチド塩基対を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のベクター。
- がん特異的CD8+ T細胞エピトープをコードするヌクレオチド配列が、24個~45個のヌクレオチド塩基対を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のベクター。
- がん特異的CD8+ T細胞エピトープが腫瘍関連抗原に由来する、請求項1~5のいずれか一項に記載のベクター。
- T細胞エピトープががん細胞において変異している、請求項1~6のいずれか一項に記載のベクター。
- T細胞エピトープががん細胞において過剰発現している、請求項1~7のいずれか一項に記載のベクター。
- T細胞エピトープが、TRP-1、CEA、TAG-72、9D7、Ep-CAM、EphA3、テロメラーゼ、メソテリン、SAP-1、Melan-A/MART-1、チロシナーゼ、CLPP、サイクリン-A1、サイクリン-B1、MAGE-A1、MAGE-C1、MAGE-C2、SSX2、XAGE1b/GAGED2a、CD45、グリピカン-3、IGF2B3、カリクレイン-4、KIF20A、レングシン、メロエ、MUC5AC、サバイビン、PRAME、SSX-2、NY-ESO-1/LAGE1、gp70、MC1R、TRP-1/-2、β-カテニン、BRCA1/2、CDK4、胎児タンパク質SIM1からなる群から選択される腫瘍関連抗原に由来する、請求項1~8のいずれか一項に記載のベクター。
- T細胞エピトープが配列番号2(SLLMWITQC)を含む、請求項9に記載のベクター。
- がん特異的CD8+ T細胞エピトープが、結腸直腸がん、前立腺がん、食道がん、肝臓がん、腎がん、肺がん、乳がん、乳がん、膵臓がん、脳がん、肝細胞がん、リンパ腫、白血病、胃がん、子宮頚がん、卵巣がん、甲状腺がん、黒色腫、癌腫、頭頚部がん、皮膚がん、上咽頭がん、エプスタインバー駆動型がん、ヒトパピローマウイルス駆動型がん、および軟組織肉腫に特異的である、請求項1~6のいずれか一項に記載のベクター。
- ヒト血清型5(AdHu5)である、請求項1~11のいずれか一項に記載のベクター。
- CMVプロモーターを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のベクター。
- TATAボックスを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のベクター。
- E1およびE3タンパク質を欠損する、請求項1~14のいずれか一項に記載のベクター。
- 請求項1~15のいずれか一項に記載のベクターを含む、免疫原性組成物。
- 請求項1~15のいずれか一項に記載の少なくとも2個のベクターを含む、免疫原性組成物。
- 各ベクターが異なるがん特異的CD8+ T細胞エピトープをコードする、請求項17に記載の組成物。
- 1つまたは複数の追加の活性成分、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、またはアジュバントを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1~15のいずれか一項に記載のベクターまたは請求項16~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を含む、宿主細胞。
Description
本発明は、膨張性メモリCD8+ T細胞応答を誘発する能力があるベクターに関する。膨張性メモリCD8+ T細胞応答を誘発するこれらのベクターは、がんの処置に用いるのに適している。本発明はまた、そのベクターを作製するための方法、および膨張性メモリCD8+ T細胞応答を誘導するための方法にも関する。 免疫のCD8 T細胞アームを活性化することを目指す抗がん戦略は、顕著な効力を示している。慢性感染に対する良好なCD8 T細胞応答のための必要条件とがんに対するものとの間には、かなりの重複がある-それらは、耐久性があり、機能的であり、持続的であり、正しい部位へホーミングし、長期のTCR刺激による疲弊に抵抗できなければならない。 エピトープに基づいたがんワクチンは、特定の腫瘍関連抗原に対するT細胞応答を活性化するために用いられている一つの戦略である。当初は、ペプチドに基づいた単一エピトープワクチンが用いられたが、これらは自然免疫系を十分には活性化しなかったため、不良な臨床応答を示した。免疫活性化を増強するために、複数のエピトープが一緒に投与される、複数ペプチドのワクチンが開発された。 複数エピトープを投与するこのアプローチはまた、アデノウイルスベクターを用いて実施されている。大きな導入遺伝子をコードする能力を有するアデノウイルスベクターを用いることにより、複数エピトープが、コードされ、かつコンカテマーとして送達され得る(BeiおよびScardino.、J Biomed Biotechnol 2010;2010:102758)。あるいは、完全長抗原がコードされ、かつ送達され得る。しかしながら、がん細胞に対する免疫活性化を向上させる必要性がなおも存在する。 AH1 CD8+ T細胞腫瘍エピトープをコードするAdHu5複製欠損ベクターでのBalb/cマウスの免疫化は、末梢において耐久性のあるCD8+ T細胞応答を刺激する。図1Aは、MHC-1結合性CT26特異的がんエピトープを発現するAdHu5ベクターの作製に用いられる構築物の概略図である。図1Bは、AH1(左)およびAd-I8V(右)ワクチン接種されたマウス由来の血液における%CD8+ AH1テトラマー+(tet+) 細胞を示すFACSプロットである。図1Cは、2つの独立した実験からの7日目(左)および50日目(右)における血液中のAH1テトラマー特異的CD8+ T細胞応答を示す図である。図1Dは、同じ試料由来の血液におけるCD8+ AH1-tet+(左)およびAH1-tet-(右)集団の示されたマーカーの存在を示すFACSプロットである。図1Eは、2つの独立した実験からの7日目(左)および50日目(右)における同じ群由来のAH1-tet- CD8+ T細胞と比較したAH1-tet+ CD8+ T細胞の表現型を示す図である。Geo M FI=幾何平均蛍光強度。膨張性メモリAH1特異的T細胞は、Ad-AH1での予防的ワクチン接種後も治療的ワクチン接種後も、Balb/cマウスにおいてCT26腫瘍成長の阻害を示す。(A)予防的ワクチン接種(P1およびP2の2回、独立して実施された)および治療的ワクチン接種(T1)についての実験設定を示す図である。星は、触知できる腫瘍の存在を示す。(B~D)予防的(P1およびP2)(BおよびC)および治療的ワクチン接種設定(T1)(D)における異なる群(群あたりN=5)についての腫瘍成長曲線を示す図である。T1において、矢印は、ワクチン接種の時点を示す。Ad-AH1(1×108IU)でワクチン接種されたマウスは緑色、Ad-AH1 Low(1×107IU)はオレンジ色、Ad-AH1(1×108IU)+Ad-GSW11(1×108IU)は赤色、Ad-GSW11(1×108IU)は薄紫色、Ad-I8V(1×108IU)は灰色、ナイーブマウスは黒色で示されている。TF=腫瘍なし。(E、G、L)曝露後18日目における群間での腫瘍サイズの統計的有意差を示す図である。点は、個々のマウスを示す。(F、H、J)グラフは、腫瘍が明らかな腫瘍成長を示す日(対照については曝露後7日目、Ad-AH1ワクチン接種マウスについては曝露後18日目)からの線形回帰により決定された腫瘍成長曲線の傾きを示す。(K)腫瘍成長速度は、比成長速度を決定するように再計算された。移植と人道的なエンドポイントとの間の腫瘍成長速度は、以下の方程式を用いて計算された比成長速度(SGR、%/日)のパラメータを用いて定量化された:[15]SGR=ln(V2/V1)/(t2-t1)、式中、V1およびV2は、移植後1日目(V1は0.01mmに固定された)(t1=0日目)およびエンドポイント(t2)、それぞれにおける腫瘍体積である。AH1特異的CD8+ T細胞は、腫瘍と脾臓の間で存在量および表現型の両方が異なる。(A)Ad-AH1ワクチン接種マウス由来の腫瘍(上部パネル)および脾臓(下部パネル)における%CD8+ AH1-tet+ 細胞を示す代表的なFACSプロット。陰性対照について、腫瘍および脾臓試料が、完全な範囲の蛍光色素コンジュゲート型抗体、および腫瘍試料についての無関係のH2-Ld結合テトラマー(pp89)または脾臓試料についてのテトラマーなし(tetなし)を用いて染色された。(B)グラフは、予防的(左パネル)および治療的(右パネル)ワクチン接種マウスからの腫瘍(上部パネル)および脾臓(下部パネル)における%CD8+ AH1-tet+ 細胞を示す。(C)予防的ワクチン接種マウス(Ad-AH1)および対照マウス(Ad-I8Vおよびナイーブ)からの腫瘍および脾臓におけるAH1特異的CD8+ T細胞の表現型を示すヒートマップ。細胞における値は、2つの独立した実験(N=5~10)の平均を示す。幾何的MFIにより定量化されたマーカーは、0~100%スケールに標準化されている。(A)Ad-AH1ワクチン接種マウス由来の腫瘍において、制御性T細胞(CD4+ FoxP3+ 細胞)の存在は、予防的ワクチン接種後(左)も治療的ワクチン接種後(右)も対照マウスと比較して低いように思われる。Ad-AH1およびAd-AH1+Ad-GSW11ワクチン接種マウスからのデータはグループ化され、同様に、Ad-I8Vワクチン接種マウスおよびナイーブマウスがグループ化された(それぞれ、ワクチン接種および対照により示されている)。(B)AdHu5-AH1-MG免疫化は、腫瘍におけるTrm tet+ 細胞のパーセンテージを増加させる。単独かまたは組み合わせてのAdHu5-AH1-MGで免疫されたマウスは、対照マウス(ナイーブまたは無関係のAdHu5構築物(AdHu5-I8V-MGまたはAdHu5-GSW11)で免疫された)と比較してレジデントメモリ表現型を有する腫瘍におけるAH-1特異的CD8 T細胞(TIL)のパーセンテージの増加を示している。AdHu5-AH1-MG免疫化は、腫瘍成長の間、機能的なままである、脾臓におけるAH-1+ CD8 T細胞を誘導する。脾細胞およびTILを、AH-1ペプチドで刺激して、IFN-ガンマ分泌に基づいたそれらの細胞傷害性潜在能力を測定した。免疫化動物由来のAH-1ペプチド特異的脾細胞は、ペプチド刺激に応答することができる(AおよびB)。対照的に、TILにおけるCD8 T細胞は、ペプチド刺激に応答しなかった(CおよびD);しかしながら、PMA-イオノマイシンに応答して分泌されたIFN-gのレベルもまた低く、腫瘍におけるCD8 T細胞下方制御の全般的な状態を示している。(A)図は、各動物(点で示されている)についての腫瘍成長曲線の傾きと血液(左)、脾臓(中央)におけるCD8+ AH-1特異的T細胞のパーセンテージ、および腫瘍におけるCD8+ AH1 tet+ 細胞の絶対数(右)との間での相関を示す。データは、2つの独立した予防的実験(P1およびP2)および単一の治療的実験(T1)について示されている。より低い腫瘍成長速度が、腫瘍曝露後の脾臓および血液におけるAH1特異的CD8+ T細胞のレベルの増加と相関しているが、腫瘍におけるAH-1特異的CD8 T細胞の絶対数とは弱く相関している。(B)は、比成長速度に関する様々なコンパートメント由来の抗原特異的細胞の比較を示す。(A)完全長gp90をコードするAdHu5ベクター(AdHu5-gp90FL)での治療的免疫化は、類似したレベルの腫瘍制御を与えない。各群における腫瘍の比成長速度は、Mann Whitney検定を用いて比較された。*p<0.05、**p<0.005。(B)治療的および予防的免疫化により腫瘍を排除したマウスは、循環中のAH-1特異的細胞を有し続けている。6カ月前に腫瘍を完全に排除したマウスの血液がサンプリングされ、テトラマー染色によりAH1+ CD8 T細胞について染色された。AdHu5-NY-ESO-1157-165ミニ遺伝子構築物で免疫されたHHDマウスは、膨張性メモリ表現型を有するNY-ESO-1157-165 Tet+ CD8 T細胞の長命の循環する集団を発生した。(A) NY-ESO-1157-165 Tet+ 細胞のレベルは、HHDマウスの群(群あたりN=4~5)が1×108IU AdHu5-NY-ESO-1miniまたは1×109I.U.AdHu5-NY-ESO-1-FLで免疫された後の血液においてテトラマー染色により測定された。用いられた構築物の概略図が示されている。これらの細胞は、(B)メモリサブセットを決定するためにCD44およびCD62L、膨張性細胞のマーカー(C)CX3CR1および(D)KLRG-1、ならびに疲弊のマーカー(E)PD-1、(F)Tim3、および(G)Lag-3に関して、表面染色により表現型を決定された。示された結果は、2つの独立した実験の1つからの群あたり4~5匹のマウスからである。AdHu5-NY-ESO-1157-165ミニ遺伝子構築物で免疫されたHHDマウスは、膨張性メモリ表現型を有するNY-ESO-1157-165 Tet+ CD8 T細胞の長命の循環する集団を発生した。(A) NY-ESO-1157-165 Tet+ 細胞のレベルは、HHDマウスの群(群あたりN=4~5)が1×108IU AdHu5-NY-ESO-1miniまたは1×109I.U.AdHu5-NY-ESO-1-FLで免疫された後の血液においてテトラマー染色により測定された。用いられた構築物の概略図が示されている。これらの細胞は、(B)メモリサブセットを決定するためにCD44およびCD62L、膨張性細胞のマーカー(C)CX3CR1および(D)KLRG-1、ならびに疲弊のマーカー(E)PD-1、(F)Tim3、および(G)Lag-3に関して、表面染色により表現型を決定された。示された結果は、2つの独立した実験の1つからの群あたり4~5匹のマウスからである。AdHu5-NY-ESO-1157-165ミニ遺伝子の単回投与でプライムされたマウスは、腫瘍曝露後、より高いパーセンテージの循環NY-ESO-1157-165 Tet+ CD8 T細胞を発生し、腫瘍成長のより良い制御を示している。(A)1×108IU AdHu5-NY-ESO-1miniかまたは1×109I.U.AdHu5-NY-ESO-1-FLのいずれかでの免疫化後53日目(実線)または99日目(破線)において、動物に1×106(実線))かまたは5×105(破線)のいずれかのHHD-NY-ESO-1肉腫細胞を皮下(s.c)注射した。陰性対照として、マウスの群を1×108I.U.の無関係のAdHu5-ミニ遺伝子構築物で免疫するか(N=5)またはナイーブのままにしてお