JP-2026077748-A - 成形用樹脂材料
Abstract
【課題】本発明の課題は、木質系バイオマス焙焼物または木質系バイオマス炭化物、と熱可塑性樹脂とが均一に混合され、射出成形時に切断や割れ等が生じない粘りが高く、成形が容易である成形用樹脂材料を提供することである。 【解決手段】平均粒径が100μm以下である木質系バイオマス焙焼物または木質系バイオマス炭化物を10~90質量%含有し、さらにポリアミド系樹脂を含有する成形用樹脂材料とする。 【選択図】なし
Inventors
- 小野 裕司
- 小川 秀憲
- 松本 圭
- 石野 陽一
Assignees
- 日本製紙株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260212
Claims (3)
- 平均粒径が100μm以下である木質系バイオマス焙焼物または木質系バイオマス炭化物の粉砕物を10~90質量%含有し、さらにポリアミド系樹脂を含有する成形用樹脂材料。
- 熱可塑性エラストマーとして、スチレン・ブタジエン系ブロック共重合体、エチレン・オクテン系共重合体、プロピレン・エチレン系共重合体のいずれかを含む、請求項1に記載の成形用樹脂材料。
- 生分解性樹脂をさらに含む、請求項1~2のいずれかに記載の成形用樹脂材料。
Description
本発明は、木質系バイオマス焙焼物または木質系バイオマス炭化物、及びポリアミド系樹脂を含有する成形用樹脂材料に関する。 産業資源としてのバイオマス材が注目されている。バイオマス材とは、植物などの生物を由来とした材料を意味する。バイオマス材は有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。しかしこれに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来するため、バイオマス材を使用しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされる。この性質をカーボンニュートラルと呼ぶ。 地球温暖化問題等の地球環境問題を背景として、省資源化、及び廃棄物の原材料を目指すマテリアルリサイクル、そして、生分解性プラスチックに代表される環境循環サイクルの推進が急務となっており、我が国でも改正リサイクル法やグリーン購入法等が整備され、これに対応した製品のニーズも高まっている。 こうした状況において、自動車部品の材料から日用品まで幅広く使用されている樹脂成型品にバイオマス材を配合することは、カーボンニュートラルの理念の実践を促進するところである。例えば、特許文献1にはセルロース、ポリアミド樹脂、熱可塑性樹脂のオリゴマー等の表面改質剤を含有するポリアミド樹脂組成物が記載されている。特許文献2にはセルロース、ポリアミド樹脂、エラストマーを含有する樹脂組成物が記載されている。 特開2021-120468号公報特開2020-29488号公報 本発明の木質系バイオマス焙焼物は、木質系バイオマスを、酸素濃度10%以下で、かつ物質温度240~350℃の条件下で加熱することによって得られる。 本発明の木質系バイオマス炭化物は、木質系バイオマスを、酸素濃度10%以下で、かつ物質温度400~700℃の条件下で加熱することによって得られる。 本発明において、木質系バイオマスの原料の木材としては、広葉樹および針葉樹のいずれもが使用できる。具体的には、これに限定されるものではないが、広葉樹としては、ユーカリ、パラゴムノキ、ブナ、シナ、シラカバ、ポプラ、アカシア、ナラ、イタヤカエデ、センノキ、ニレ、キリ、ホオノキ、ヤナギ、セン、ウバメガシ、コナラ、クヌギ、トチノキ、ケヤキ、ミズメ、ミズキ、アオダモ等が例示され、針葉樹としては、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒ、イエローシーダー(ベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファー(ベイマツ)、シトカスプルース(ベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック等が例示される。 これらの中では、ユーカリ属の木材やパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)が好ましい。ユーカリ属としては、Eucalyptus(以下、E.と略す) calophylla、E. citriodora、E. diversicolor、E. globulus、E. grandis、E. urograndis、E. gummifera、E. marginata、E. nesophila、E. nitens、E. amygdalina、E. camaldulensis、E. delegatensis、E. gigantea、E. muelleriana、E. obliqua、E. regnans、E. sieberiana、E. viminalis、E. marginata、等が挙げられる。 本発明において、原料となる木質系バイオマスの形態は限定されず、例えば、木材チップ、樹皮(バーク)、おが屑、鋸屑などを好適に使用できる。好ましい態様において、サイズが50mm以下の木質系バイオマスを原料とすることができ、例えば、木質系バイオマスを粉砕することによって50mm以下のサイズに調整することができ、1mm以上50mm以下のサイズに粉砕した木質系バイオマスを原料として使用することが好ましい。なお、本発明において、木質系バイオマス粉砕物のサイズとは、篩い分け器の円形の穴の大きさによって篩い分けされたものである。木質系バイオマスを粉砕する場合、例えば、ハンマーミル、ナイフ切削型バイオマス燃料用チッパーで粉砕処理することが好ましい。 本発明においては、木質系バイオマス焙焼物を使用する。一般に焙焼(torrefaction)とは、低酸素雰囲気下で、いわゆる炭化処理よりも低い温度で加熱する処理のことである。通常の木材の炭化処理の温度は400~700℃であるが、本発明においては、240~350℃にて焙焼が行われる。焙焼することによって、その出発原料よりも高いエネルギー密度を有する固体燃料が得られる。 本発明における焙焼の処理条件は、酸素濃度10%以下で、物質温度240~350℃である。ここで、焙焼における物質温度は、焙焼処理装置の出口付近における木質系バイオマスの温度である。本発明においては、酸素濃度が10%以下の条件で焙焼を行うが、酸素濃度が10%を超えると物質収率、熱量収率が低下することがある。また、物質温度が240℃未満では、焙焼物を小さな粒径まで粉砕することが難しく、350℃を超えると、物質収率や熱量収率が低下する。物質温度は240~330℃が好ましく、さらに250~320℃がさらに好ましい。ヘミセルロースは270℃付近で熱分解が顕著になるのに対して、セルロースは355℃付近、リグニンは365℃付近で熱分解が顕著になるので、焙焼の処理温度を170~350℃とすることで、ヘミセルロースを優先的に熱分解して、物質収率と粉砕性を両立できる成形用樹脂材料を製造することが可能になると推察される。 本発明において、焙焼処理を行うための装置は特に限定されないが、ロータリーキルンおよび/または竪型炉が好ましい。なお、酸素濃度を10%以下に調整するため装置内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。焙焼処理の処理時間は特に制限されないが、例えば、1~180分が好ましく、5~120分がより好ましくい、10~60分がさらに好ましい。連続式の装置を用いる場合は、焙焼装置における滞留時間を管理すればよい。 本発明において、焙焼処理を行うための装置として、外熱式の焙焼装置を使用してもよい。例えば、外熱式のロータリーキルンは、キルン内筒の一部または全部をキルン外筒で覆う構造を有するもので、内筒内で木質系バイオマスの焙焼を行い、外筒内で燃料を燃焼させて内筒内部の木質系バイオマスを間接的に加熱する。キルン外筒内の温度は、400~800℃とすることができ、450~750℃とすることが好ましい。キルン外筒内の温度が400℃未満であるとキルン内筒内の木質系バイオマスの熱分解が不十分となり、得られる固体燃料の粉砕性が低下する。一方、800℃を超えるとキルン内筒内の木質系バイオマスの温度が過度に上昇し、得られる固体燃料の物質収率、熱量収率が低下する。 本発明で用いる焙焼物は、原料である木質系バイオマスに対して物質収率で60~90%、熱量収率で70~95%であることが好ましい。また、粉砕性の指標であるJIS M 8801:2004に規定のハードグローブ粉砕性指数(HGI)は25以上が好ましく、30以上がさらに好ましい。HGIが高くなるほど、粉砕され易いことを示している。HGIが25~70の範囲であれば、熱可塑性樹脂と混合して成形処理することが容易になる。 本発明で用いる焙焼物または炭化物は成型物としてもよい。すなわち、木質系バイオマスの粉砕物状の出発原料(焙焼物)をブリケットやペレット状に成型処理する。成型物とすることにより、取り扱いを容易とし、高密度化されるので輸送コストを削減することができる。高密度化処理した後の成形物の嵩密度は500kg/m3以上とすることが好ましく、600kg/m3以上にすることがより好ましい。嵩密度は、JIS K 2151の6「かさ密度試験方法」に従って測定することができる。 本発明において、焙焼物を成型物とするための装置は特に限定されていないが、例えば、ブリケッター(北川鉄工所製)、リングダイ式ペレタイザー(CPM製)、フラットダイ式ペレタイザー(Kahl製、ダルトン製)等が望ましい。 本発明において、焙焼物または炭化物を成型物とする際には、焙焼物の水分率を8~50%とすることが好ましく、さらに10~30%とすることが好ましい。水分が8%より少ないとブリケッターやペレタイザーの内部で閉塞が発生し、安定した成型物の製造ができない。水分率が50%を超えると成型することが困難で、粉体状またはペースト状で排出される。 本発明において、焙焼物または炭化物に対してバインダーを添加してもよい。バインダーは特に限定されていないが、例えば、澱粉やリグニンなどの有機高分子、アクリル酸アミドなどの無機高分子、ふすま(小麦粉製造時に発生する残渣)などの農業残渣を好適に使用できる。木質系バイオマスを効率よく有効利用することを目的としている観点から、バインダー添加部数は少ない方が望ましく、焙焼物100質量部に対して50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。ただし、50質量部以上添加しても高密度化が不可能であるというわけではない。 本発明において、焙焼物または炭化物を熱可塑性樹脂と混錬する前に粉砕することが好ましい。粉砕物または炭化物の平均粒径を100μm以下とすることが必要であり、50μm以下がさらに好ましい。焙焼物または炭化物の粉砕物の平均粒径が100μmより大きいと、樹脂との均一な混合が困難になり、粉砕物と樹脂との混合物を射出する装置出口で、樹脂体が細かく切れる、冷却処理装置への搬出が困難となる、などの問題が生じ得る。なお、平均粒径とは、レーザー光散乱法(レーザー回折法)により測定した体積50%平均粒子径(D50)であり、レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザー2000)等で測定することができる。 焙焼物を粉砕する時に用いる粉砕機は、有機物を粉砕可能な装置であればよく、例えば、これらに限定されないが、ボールミル、ロッドミル、ビーズミル、コニカルミル、ディスクミル、エッジミル、ハンマーミル、乳鉢、ペレットミル、VSIミル、ウィリーミル、ローラーミル、ジェットミル、マスコロイダーなどを用いることができる。 本発明の成形用樹脂材料は、上記の焙焼物と熱可塑性樹脂と酸変性ポリオレフィンとを加熱混練することにより、得ることができる。成形用樹脂材料中の焙焼物の配合率は、カーボンニュートラルを高いレベルで実現するためには、高い方が好ましいが、得られる樹脂材料、成形物品の製造や強度を考慮すると、10質量%以上90質量%以下であることが必要で、20質量%以上90質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。 本発明に用いるポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6(ナイロン6、PA6)、ポリアミド66(ナイロン66、PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド46、ポリアミドXD10(PAXD10)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)等を好ましく用いることができる。 本発明において、ポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂を使用してもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられるが、これらに限定されず、熱により可塑化し成形が可能である樹脂であればいずれも用いることができる。中でも、LDPE(低密度ポリエチレン)などのポリエチレンおよびポリプロピレンは成形性の観点から好ましい。 本発明にお