JP-2026077757-A - CEACAM5およびCD47に対する二重特異性抗体
Abstract
【課題】CEACAM5およびCD47に対する二重特異性抗体の提供。 【解決手段】本発明は、ヒト癌胎児性抗原CEACAM5およびヒトCD47に結合する二重特異性抗体に関する。また、本発明は、このような二重特異性抗体をコードするポリヌクレオチド、およびベクター、ならびにこのようなポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関する。本発明はさらに、このような抗体を選択および生産するための方法、ならびに疾患の処置においてこのような抗体を使用する方法に関する。本発明はまた、単剤療法および併用療法における二重特異性抗体の治療的使用に関する。 【選択図】なし
Inventors
- ヴァネッサ ビュアトワ
- アーニャ ゼッキンガー
- ディルク ホーゼ
Assignees
- ランカプ バイオ ベータ リミテッド
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260212
- Priority Date
- 20201218
Claims (1)
- 明細書に記載の発明。
Description
配列表の参照 本出願と共に提出された電子的に提出された配列表の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。 発明の分野 本発明は、ヒト癌胎児性抗原CEACAM5(CEA)およびヒトCD47に結合する二重特異性抗体(CEAxCD47二重特異性抗体)に関する。加えて、本発明は、このような二重特異性抗体をコードするポリヌクレオチド、およびベクター、ならびにこのようなポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関する。本発明はさらに、このような抗体を選択および生産するための方法、ならびに疾患の処置においてこのような抗体を使用する方法に関する。本発明はまた、特にCEAxCD3 T細胞二重特異性抗体(TCB)および/またはPD-1もしくはPD-L1の阻害剤を用いた単剤療法および併用療法におけるCEAxCD47二重特異性抗体の治療的使用に関する。 発明の背景 CEAは、染色体19q13上のCEACAMおよび妊娠特異的糖タンパク質(PSG)サブグループに分けられた22個の遺伝子によってコードされるヒトの12個の密接に関連したタンパク質を含むCEA関連細胞接着分子(CEACAM)のファミリーに属する(Beauchemin N&Arabzadeh A,Cancer Metastasis Rev.2013)。CEACAMは、細胞-細胞認識などの様々な生理学的プロセスに関与し、組織構造の形成および新生血管形成からインスリン恒常性の調節、およびT細胞増殖に及ぶ細胞プロセスをモジュレートする;CEACAMはまた、宿主特異的ウイルスおよび細菌に対する受容体として同定されている(Kuespert Kら、Curr Opin Cell Biol.2006)。CEA(CEACAM5またはCD66e;UniProtKB-P06731)は、胚発生および胎児発生の初期に存在し、正常な成体組織におけるその発現を維持する。その主な発現部位は、結腸の円柱上皮細胞および杯細胞、特に陰窩の上3分の1および自由管腔表面にある。 CEAは、結腸直腸、胃、肺、および膵臓の癌(Beauchemin N&Arabzadeh A,Cancer Metastasis Rev.2013に概説されている)を含むがこれらに限定されない上皮起源の腫瘍で(過剰に)発現し、その頂端発現を失い、細胞表面全体に分布する(Hammarstrom,Semin Cancer Biol 1999)。 ヒトPD-1軸アンタゴニストと、T細胞を再配向させ活性化する抗CEA/抗CD3二重特異性抗体との組み合わせによりCEA発現がんを処置するための方法は、米国特許出願公開第20140242079号および国際公開第2017118657号(これらはそれぞれ、その全体が参照により組み込まれる)に記載されており、臨床結果は、ASCO年次会議2017で提示された(Taberneroら、J Clin Oncol 35,2017(suppl;abstr 3002))。 免疫チェックポイント経路の2つまたはそれを超える異なる標的に結合する免疫チェックポイントアンタゴニストと、CEAおよびT細胞表面抗原に結合するT細胞再誘導剤とを投与することにより腫瘍を処置する方法は、国際公開第2015112534号に記載されている。CEACAM5および顆粒球に結合するクラスI抗体は、米国特許出願公開第20110064653号に記載されている。 ヒトCD47(UniProtKB-Q08722(CD47_ヒト;IAP))は、リガンドであるトロンボスポンジン-1(TSP-1)およびシグナル調節タンパク質アルファ(SIRPα;CD172a;UniProtKB P78324)に結合する膜貫通タンパク質であり、免疫系に対する、特にSIRPαを発現するマクロファージに対する「私を食べないで」シグナルとして作用することができる。腫瘍細胞の表面上のCD47へのSIRPαの結合の強力な阻害(低いIC50)は、マクロファージによる腫瘍細胞の食作用を増加させるための手段である。CD47は、アポトーシス、増殖、接着、および遊走を含む様々な細胞プロセスに関与している。さらに、免疫応答および血管新生応答において重要な役割を果たす。CD47は、血液腫瘍および固形腫瘍の両方を有する患者由来の腫瘍細胞において過剰発現される。CD47に対する抗体は、現在の技術水準に記載されており、リンパ腫および固形腫瘍などの血液悪性腫瘍、例えば胃がんを含む様々な腫瘍実体において有望な前臨床および初期臨床活性を示している(Weiskopf K.、European Journal of Cancer 76(2017)100-109;Huang Y他、J Thorac Dis、2017;9(2):E168-E174;Kaurら、Antibody Therapeutics、3(2020)179-192)。CD47に結合するIgG1サブクラスの抗体は、Fc依存的に血小板の枯渇および赤血球(RBC)およびヘモグロビンの減少をもたらし得る(例えば、米国特許出願公開第20140140989号を参照のこと)。この有害効果を回避するために、国際公開第2017196793号では、抗CD47抗体のIgG4サブクラスの突然変異体型(FcγR結合を減少させるためにS228P突然変異およびL235E突然変異を有するIgG4PE)が記載されている。大幅に減少したFcγR結合およびエフェクター機能を有するこのような抗CD47抗体は、このような血小板枯渇をもたらさない。CD47およびCD20に対する単一ドメイン二重特異性抗体は、von Bommel PEら(Oncoimmunol.7(2018)e386361およびPiccione ECら、mAbs 7(2015)946-956)により記載されている。Dheilly Eら(Mol.Thera.25(2017)523-533;国際公開第2014087248号も参照のこと)は、CD19およびCD47に対する二重特異性抗体について記載している。 配列番号5の共通の重鎖(VH-CH1)および配列番号10のCD47相互作用可変軽鎖領域VLを含むCEACAM5およびCD47に対する二重特異性抗体は、国際公開第2019234576号、欧州特許第19213002号および米国特許第62943726号に記載されている(それらの全体が参照により組み込まれる)。CD19およびCD47に対する二重特異性抗体であって、配列番号5の共通重鎖と、配列番号10のCD47相互作用可変軽領域VLとを含む二重特異性抗体は、国際公開第2014087248号(その全体が参照により組み込まれる)に記載されている。国際公開第2018098384号は、CD47およびCEACAM5を同時標的とする二重特異性抗体に関する。欧州特許第3623388号は、CD47とSIRPαとの間の相互作用を遮断するための低親和性を有する腫瘍標的アームおよび融合タンパク質を含む二重特異性結合分子に関する。国際公開第2018/057955号は、CD47とメソテリンの両方に結合し、共通の重鎖を含む二重特異性抗体に関する。国際公開第2019016411号は、CD47および腫瘍抗原を標的とする(tareting)二重特異性抗体分子に関する。 血液悪性腫瘍の処置においてかなりの進歩がなされている。これは、いくつかのタイプの進行性固形腫瘍の処置においてなされた進歩とは対照的である。局所的に進行したまたは特に転移性の固形がんタイプの処置における一定の進歩にもかかわらず、結腸直腸がん、膵臓がん、肺がんなどの進行がんに罹患している患者の無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)は依然としてかなり限られており、通常、治癒はない。多くの期待ががん免疫療法に寄せられており、限定的であるが確かな成功がある。腫瘍は、Tエフェクター細胞およびマクロファージのような他の免疫細胞による破壊からそれらの細胞を保護する手段を発達させる。過去10年間のがん免疫療法ベースの戦略は、これらの腫瘍保護手段に対抗し、がん細胞に対してT細胞を再配向させのにいくらか成功した。そのような戦略の最も顕著な例は、特定の免疫チェックポイントの阻害剤/活性化因子である。例えば、PD-1軸アンタゴニストのようなチェックポイント阻害剤は、Tエフェクター細胞を再活性化して特定の固形がんと闘うことが示されている。しかし、すべての固形腫瘍タイプがPD-1軸アンタゴニストに反応性であるわけではなく、反応性の種類においてさえ、例えば、抗PD-1またはPD-L1抗体による処置からの関連利益を有する患者は、多くの場合、50%よりもかなり少ない。例えば、進行性結腸直腸がんを有する患者の10%未満がPD-1軸の阻害剤による治療の対象となる(特に、がんにおけるマイクロサテライト不安定性MSIを示す進行性結腸直腸がん患者の約4%にはいくらかの利益がある)。 キメラ抗原受容体(CAR)T細胞による養子T細胞療法およびT細胞二重特異性抗体による治療は、血液悪性腫瘍において有望な臨床結果をもたらした。しかし、様々な固形腫瘍において養子T細胞療法、例えばCAR T細胞を用いた臨床研究は、大部分は奏効率を示さなかったか、またはごくわずかな奏効率を示した(例えば、Xuら、Expert Review of Anticancer Therapy 2017,17,1099-1106;Greenbaumら、Biol Blood Marrow Transplant 2020 Oct;26(10):1759-1769)。 米国特許出願公開第20140242079号、国際公開第2017055389号、米国特許出願公開第20140242080号、およびBacacら(Clin.Cancer Res.,22(13)、3286-97(2016))(それぞれ参照によりその全体が組み込まれる)は、CEAxCD3 T細胞二重特異性抗体を記載する。国際公開第2017055389号のT細胞二重特異性抗体は、前臨床研究でcibisatamabと比較して、T細胞活性化の効力/有効性が大幅に増加したことを示し、これらのより高い効力のCEAxCD3 T細胞二重特異性抗体の1つは臨床開発中であった(NCT03539484におけるRO7172508)。本明細書で使用される場合、「TCB2014」は、米国特許出願公開第20140242080号に記載されているような2+1フォーマットでCEAおよびCD3に結合する二重特異性抗体を指し、CDRとして、米国特許出願公開第20140242080号の配列番号270~276および290~296に示されるCDR(参照によりその全体が組み込まれる、米国特許出願公開第20140242079号の配列番号4~10および24~30のCDRも参照のこと)を含む。TaberneroらのASCO年次総会2017(J Clin Oncol 35,2017(suppl;abstr 3002))での発表には、CEAxCD3二重特異性抗体RO6958688(cibisatamab)を単剤治療および抗PD-L1抗体アテゾリズマブと組み合わせた進行/転移性結腸直腸がん患者の第1相臨床データが含まれていた。安定な疾患および部分応答が、cibisatamabの単剤療法、およびPD-L1阻害剤であるアテゾリズマブとの併用療法で見出されている。2017年以降、cibisatamab CEAxCD3についての新しい臨床データは発表されていない。Q3W 100mg cibisatamabとPD-L1阻害剤であるアテゾリズマブ、およびB細胞殺傷抗CD20抗体オビヌツズマブによる前処置(cibisatamabについて報告されているような抗薬物抗体ADAの形成を避けるため