JP-2026077766-A - 除草剤耐性作物の栽培地における雑草の防除方法
Abstract
【課題】除草剤耐性作物の栽培地に発生する雑草を防除する方法を提供すること。 【解決手段】除草剤耐性作物の栽培地における雑草を防除する方法であって、除草剤耐性作物がワタであり、前記除草剤耐性作物の種子を播種する工程と、フルミオキサジン及びエピリフェナシルからなる群より選ばれる少なくとも1種の除草剤を前記除草剤耐性作物の栽培地に処理する工程を含み、前記除草剤耐性作物が細菌PPO遺伝子を有する、雑草防除方法。 【選択図】なし
Inventors
- 神 義伸
Assignees
- 住友化学株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260213
Claims (2)
- 除草剤耐性作物の栽培地における雑草を防除する方法であって、除草剤耐性作物がワタであり、前記除草剤耐性作物の種子を播種する工程と、フルミオキサジン及びエピリフェナシルからなる群より選ばれる少なくとも1種の除草剤を前記除草剤耐性作物の栽培地に処理する工程を含み、前記除草剤耐性作物が細菌PPO遺伝子を有する、雑草防除方法。
- 除草剤耐性作物が細菌PPO遺伝子、tdo遺伝子、pat遺伝子、cp4 epsps遺伝子及びdmo遺伝子を有するGh_CSM63718系統またはMON96012系統のワタである請求項1に記載の方法。
Description
本発明は、除草剤耐性作物の栽培地における雑草の防除方法に関する。 現在、雑草の防除を目的として多数の除草剤が使用されており、例えば、フルミオキサジンとエピリフェナシルが知られている(特許文献1~2、非特許文献1参照)。また、遺伝子組換え技術によって特定の除草剤に耐性となった作物(除草剤耐性作物)と、特定の除草剤を組み合わせて雑草を防除する方法が知られている(特許文献3~7、非特許文献2~4参照)。 米国特許第4640707号明細書米国特許第6537948号明細書米国特許出願公開第2019/0241903号明細書国際公開第2023/150754号明細書国際公開第2024/137408号明細書国際公開第2025/128414号明細書国際公開第2025/254813号明細書 Pest Manag. Sci. 81 (2025), 2463-2468Pest Manag. Sci. 75 (2019), 2086-2094Pest Manag. Sci. 76 (2020), 1031-1038Pest Manag. Sci. 78 (2022), 2816-2827 本発明の雑草防除方法は、除草剤耐性作物の種子を播種する工程と、除草剤を除草剤耐性作物の栽培地に処理する工程を含む。 本発明の雑草防除方法(以下、本発明方法と記す)は、 (1)除草剤耐性作物の種子を播種する工程(以下、工程(1)と記すことがある)、および (2)除草剤耐性作物の種子を播種する前、播種すると同時、および/または播種した後に、フルミオキサジン及びエピリフェナシルからなる群より選ばれる少なくとも1種を除草剤耐性作物の栽培地に処理する工程(以下、工程(2)と記すことがある)を含む。 フルミオキサジンは公知の化合物であり、米国特許第4640707号明細書に記載の方法などの、公知の方法で製造することができる。エピリフェナシルは公知の化合物であり、米国特許第6537948号明細書に記載の方法などの、公知の方法で製造することができる。 以下、フルミオキサジン、及びエピリフェナシルを総称して本発明化合物と記すことがある。 本発明方法において使用される除草剤耐性作物には、ワタ (以下、ワタを本発明作物と記すことがある)が含まれる。 本発明作物のワタは、(i)細菌PPO遺伝子、tdo遺伝子、pat遺伝子、cp4 epsps遺伝子およびdmo遺伝子を有するGh_CSM63718系統のワタ、または、(ii)細菌PPO遺伝子、tdo遺伝子、pat遺伝子、cp4 epsps遺伝子及びdmo遺伝子を有するMON96012系統のワタが挙げられるが、それらに限定されない。 Gh_CSM63718系統の有する細菌PPO遺伝子は特許文献(国際公開第2025/254813号明細書)または非特許文献(Pest Manag. Sci. 76 (2020), 1031-1038、Pest Manag. Sci. 78 (2022), 2816-2827)において公知であり、Enterobacter cloacae由来のH_N90遺伝子(GenBank accession number MN102108) である。tdo遺伝子は非特許文献(Pest Manag. Sci. 78 (2022), 2816-2827)において、ジャポニカイネ由来のHIS1遺伝子の改変遺伝子として開示されており(GenBank accession number ON092642)、メソトリオンなどのトリケトン系HPPD阻害剤への耐性を付与する。 pat遺伝子(bar遺伝子と呼ばれることもある。)は、Streptomyces viridochromogenes 由来のグルホシネート耐性を付与する遺伝子であり、例えばMON87429系統(bar遺伝子等を有する遺伝子組換え除草剤耐性トウモロコシ)などに使用されている。cp4 epsps遺伝子はAgrobacterium tumefaciens strain CP4由来であり、グリホサートへの耐性を付与する。dmo遺伝子はStenotrophomonas maltophilia strain DI-6由来であり、ジカンバへの耐性を付与する MON96012系統は2025年11月26日に農林水産省および環境省が開催した「令和7年度 第1回生物多様性影響評価総合検討会」においてカルタヘナ法に基づく第一種使用規程の承認が審議された系統であり、2026年2月6日に公示された「遺伝子組換え農作物の第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集について(案件番号550004270)」の審査報告書(資料5)において公知であり、Gh_CSM63718系統と同様、Enterobacter cloacae由来のH_N90遺伝子、tdo 遺伝子(イネ (Oryza sativa) 由来のトリケトンジオキシゲナーゼ(TDO蛋白質)をコード)、pat 遺伝子(Streptomyces viridochromogenes 由来のホスフィノスリシン N-ア セチルトランスフェラーゼ(PAT 蛋白質)をコード)、改変 cp4 epsps 遺伝子(Agrobacterium sp. CP4 株由来の改変 5-エノールピルビ ルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(改変 CP4 EPSPS 蛋白質)をコード)、および、改変 dmo 遺伝子(Stenotrophomonas maltophilia 由来の改変ジカンバモノオキ シゲナーゼ(改変 DMO 蛋白質)をコード)が導入された遺伝子組換えワタである。MON96012系統はOECD UI(遺伝子組換え植物の安全性審査の単位としてOECDに登録されている識別記号)として、「MON-96012-6」が付与されている。 これらの本発明作物のワタはHT4ワタと呼ばれることもある。 HT4ワタに、さらにイカホリンメチル耐性遺伝子を導入したものも本発明作物として使用できる。 遺伝子を組換える操作において、複数の遺伝子を導入する場合、ベクター内部に導入遺伝子をタンデムに配置する。並んだ遺伝子の5’上流には通常プロモーターがあり、3’下流には通常ターミネーターがある。個々の遺伝子の内部は、上流に何らかのシグナルタンパクをコードする塩基配列がありそれに続いて下流に酵素ドメインをコードする塩基配列があることもあるが、酵素ドメインをコードする塩基配列のみであることもある。シグナルタンパクの具体例は色素体標的ペプチドとミトコンドリア標的ペプチドである。例えば、非特許文献(Pest Manag. Sci. 75 (2019), 2086-2094、Pest Manag. Sci. 76 (2020), 1031-1038)には、FT_T遺伝子と細菌PPO遺伝子のそれぞれに色素体標的ペプチドが付与された事例が開示されている。このような、ベクターに挿入された配列を発現カセットと呼ぶこともある。発現カセットの構造や塩基配列は、ATCC(American Type Culture Collection)などの遺伝資源保存機関に寄託された、それぞれの系統の保存サンプルにおいて確認することができる。 本発明方法における「系統」(イベント)とは遺伝子組換え技術において用いられる用語である。遺伝子組換えの操作においては、通常、特定の遺伝子(単数または複数)が、特定の品種の1つの細胞に対して(複数遺伝子の場合はそれぞれ)1コピー導入される。その細胞が再分化してなる1個体が自殖して産する、導入遺伝子座においてホモ接合となった種子集団は、「系統」を物理的に認識できる1つの形態である。当該種子集団は緑色植物や細胞と違い、永年的に生存させることが容易であるため系統の保存に適し、また自殖させることで実質的に同一ゲノムを再生産できるので系統の維持にも適している。同一材料で同一の遺伝子組換え操作を繰り返して得た別の種子集団は、保有遺伝子や表現型において一致しても別系統のものとみなされる。また、1回の操作で複数の細胞が、それぞれ遺伝子導入を受け、それぞれに由来した複数個体(その後、複数の種子集団)が得られることがあるが別系統のものとみなされる。遺伝子導入の機会が異なればゲノム上の導入箇所が通常異なるからである。仮に、CRISPR-CAS9などのNBT(new breeding technique)による精密な操作によって、複数細胞のそれぞれのゲノム上の同一箇所に遺伝子を導入できたとしても、遺伝子導入を受けた細胞が異なり、その後の細胞培養や再分化の系譜が同一ではないので別系統とみなされる。このように、遺伝子導入の「機会」の同一性が系統を特定するため、系統の別名をイベント(event)と言う。 前記では、例えばダイズにおいては、特定の1つの系統名を挙げて最適なものの1つとしながら、一方で様々な品種群(伸育型、種皮の色など)がありうる、としている。これは、以下のような機序による。育成された系統は、育種母本としてその後交雑育種に使用される。例えば、系統を作出する際に無限伸育型のダイズを用いても、当該系統と、非組換えの有限伸育型品種との交雑育種によって、導入遺伝子を有する有限伸育型品種を作出できる。また、同一品種群の無限伸育型に属しながら、導入遺伝子を有する、様々な成熟群の品種もまた、同様に作出できる。 以上のことから、系統が各品種に保有(comprise)される、という表現をすることもある。したがって、商業的に作付けられる系統は、通常、多数の品種において共通して保有されている。本発明方法を特定の系統において実施する、とは、その系統を保有するすべての品種における実施を包含・開示することを意味する。また、そのように育成された品種において、特定の系統を保有する植物体、細胞、などの表現も可能である。前記で述べた「種子集団が系統の一形態である」との趣旨に照らすと、例えば細胞の中に種子があるような奇異な表現となるが、当該種子集団もまた系統を保有するものと解される。 系統には特定の商標が付与されることもある。例えば、ダイズの系統であるMON89788系統には「Genuity(登録商標) Roundup Ready 2 Yield(商標)」の商標が付与されている(GMO Approval Database)。様々なダイズ品種が、Genuity(登録商標) Roundup Ready 2 Yield(商標)ダイズと呼ばれたり(実際の品種名はさらに別の記号(例えばAG25X9)で特定される)、それぞれの植物体がGenuity(登録商標) Roundup Ready 2 Yield(商標)ダイズと呼ばれたりするのは、以上のような、「系統」の用法によるのであって、Genuity(登録商標) Roundup Ready 2 Yield(商標)系統を保有するダイズと解される。 本発明作物は、遺伝子組換え技術を用いて害虫耐性形質を付与されていてもよい。以下に挙げる商業的な系統との交雑によって付与されてもよいし、当該系統が有する遺伝子を導入されることによって付与されてもよい。 遺伝子組換え技術により鱗翅目害虫に対する抵抗性を付与された植物としては、例えば、土壌細菌であるBacillus thuringiensis(以後Bt菌と略す)由来の殺虫性タンパク質であるデルタ-エンドトキシン(δ-endotoxin)をコードする遺伝子を導入した本発明作物がありうる。鱗翅目害虫に対する抵抗性を付与するデルタ-エンドトキシンとして、例えば、Cry1A、Cry1Ab、改変されたCry1Ab(一部を欠損したCry1Ab)、Cry1Ac、Cry1Ab-Ac(Cry1AbとCry1Acが融合されたハイブリッドタンパク質)、Cry1C、Cry1F、Cry1Fa2(改変されたcry1F)、moCry1F(改変されたCry1F)、Cry1A.1