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JP-2026077770-A - ウイルス誘発急性呼吸窮迫症候群の処置

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Abstract

【課題】ウイルス誘発急性呼吸窮迫症候群の処置の提供 【解決手段】本発明は、ウイルス誘発急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を有する被験体に、複能性成体前駆細胞(MAPC)を投与することによって、ウイルス誘発ARDSを処置する方法であって、上記MAPCは、広い分化潜在性および長期の複製能を有する非胚性幹・非生殖細胞である、方法に関する。ARDSを誘発するウイルスは、Betacoronavirus(例えば、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスまたは中東呼吸器症候群(MERS)または重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2))であり得る。 【選択図】なし

Inventors

  • アンソニー イー. ティン
  • エリック ディー. ジェンキンス
  • アリス バレンティン-トーレス

Assignees

  • 株式会社ヘリオス

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20260213
Priority Date
20200423

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。

Description

背景 現在のCOVID-19パンデミックおよびその病因についてより多くの情報が明らかになってくるにつれて、悪化した制御されない免疫応答が、疾患病理において有害な役割を果たすことは明らかであるである。COVID-19は、ARDSを生じる重度の肺炎症を引き起こし得る。重症COVID-19が引き起こしたARDSを有する患者は、サイトカインストーム症候群に罹り得ることが提唱されている(Mehtaら, Lancet 2020, 395(10229):1033-1034)。この場合、T細胞およびマクロファージが引き起こすサイトカイン(例えば、IL-6、TNFα、IFNγ、IL-2、IL-7、およびIL-17)は、軽度COVID-19症例と比較した場合に、重症COVID-19を有する患者の血漿において上昇することが報告されている(Huangら, Lancet 2020, 395(10223):497-506; Qinら, Clin. Infect. Dis. 2020, 71(15):762-768; Chenら, Lancet 2020, 395(10223):507-513)。さらに、T細胞および単球/マクロファージの動員と関わるCXCL10、CCL2、およびCCL3、ケモカインはまた、増加する(Mehtaら, Lancet 2020, 395(10229):1033-1034; Huangら, Lancet 2020, 395(10223):497-506; Qinら, Clin. Infect. Dis. 2020, 71(15):762-768)。これらのサイトカインのうちのいくつかの増強遺伝子発現はまた、COVID-19患者の気管支肺胞洗浄液中で観察されている。これは、肺における炎症応答の増大を示唆する(Xiongら, Emerg. Microbes Infect. 2020, 9(1):761-770; Liaoら, medRxiv 2020, Nature Medicine 2020, 26:842-844)。 末梢血中の免疫細胞の頻度の分析は、重症COVID-19を有する患者が、CD4およびCD8 T細胞の両方のリンパ球減少症に罹っていることを示した。これらの患者のT細胞は、活性化マーカー(例えば、CD69およびCD38)の発現の増加とともに、高レベルのT細胞疲弊マーカー(例えば、PD-1およびTim-3)を発現する(Zhouら, bioRxiv 2020, doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.12.945576)。COVID-19 PBMCのRNA-seq分析は、増大したアポトーシスシグナル経路を示した。これは、リンパ球アポトーシスの増加が、リンパ球減少症の原因であり得ることを示唆する(Xiongら, Emerg. Microbes Infect. 2020, 9(1):761-770)。T細胞疲弊は、慢性的な抗原刺激に対する応答として生じ、それは、慢性ウイルス感染症の間で広く記載されている。COVID-19の間に、T細胞が、炎症促進性応答の増大および持続に起因して疲弊し、T細胞アポトーシスを導くことが提唱されている。気管支肺胞CD8 T細胞が、軽度疾患を有する患者と比較して、重症COVID-19を有する患者においてクローン性拡大の制限とともに低減されることが観察された。これは、CD8 T細胞応答の障害を示唆する。これらの患者における過剰なリンパ球減少症はまた、観察された、制御されない炎症応答に寄与する制御性T細胞の低減を生じた(Qinら, Clin. Infect. Dis. 2020, 71(15):762-768)。 血中リンパ球は、重症患者において低減される一方で、単球/マクロファージは、重症COVID-19患者の肺において非常に富化されるようである(Liaoら, medRxiv 2020, Nature Medicine 2020, 26:842-844)。これらの患者に由来する末梢血単球の表現型分析は、これらの細胞が拡大され、高度に活性化され、軽度COVID-19および健常コントロールより高レベルの炎症促進性サイトカインを分泌することを示した(Zhangら, J. Leukoc. Biol. 2021, 109(1):13-22, MedRxiv 2020)。中間体(CD14+およびCD16+)および非古典的(CD14- CD16+)単球の増加は、ICU患者において観察された。これは、重症COVID-19患者における単球組成が変化していることを示唆する(Liaoら, medRxiv 2020, Nature Medicine 2020, 26:842-844)。 Mehtaら, Lancet 2020, 395(10229):1033-1034Huangら, Lancet 2020, 395(10223):497-506Qinら, Clin. Infect. Dis. 2020, 71(15):762-768Chenら, Lancet 2020, 395(10223):507-513Xiongら, Emerg. Microbes Infect. 2020, 9(1):761-770Liaoら, medRxiv 2020, Nature Medicine 2020, 26:842-844Zhouら, bioRxiv 2020, doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.12.945576Zhangら, J. Leukoc. Biol. 2021, 109(1):13-22, MedRxiv 2020 詳細な説明 1つの実施形態において、ウイルス誘発ARDSを処置する方法は、ウイルス誘発ARDSを有する被験体に、上記ARDSを処置するために、十分な量で、十分な時間にわたって、有効な経路によってMAPCを投与するステップを包含する。 1つの実施形態において、上記ARDSを誘発したウイルスは、Betacoronavirusである。 1つの実施形態において、上記ARDSを誘発したウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスまたは中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスまたは重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である。 1つの実施形態において、上記被験体は、ヒトである。 1つの実施形態において、最初の投与から上記被験体において測定されるパラメーターは、以下である:28日目および60日目での死亡率;28日目までの人工呼吸器非使用日数;死亡および侵襲的機械換気が不要の日数を併せた、28日目までの生存および人工呼吸器非使用;7日目および28日目で生存し、人工呼吸器を使っていない被験体のパーセンテージ;0日目(注入前)から3日目および7日目までの連続臓器不全評価スコア(Sequential Organ Failure Assessment score)の変化;0日目から60日目までの人工呼吸器非使用日数;0日目から28日目および60日目までのICU非在室日数;0日目、3日目および7日目の白血球集団;0日目、1日目、3日目および7日目の炎症性生体マーカー;ならびにベースライン(0日目)から1日目、2日目、3日目、および7日目(ならびに2用量のMAPCを受けている被験体に関しては4日目、5日目、および6日目)までの酸素化レベル(PaO2/FiO2比)、酸素化指数、ピーク圧およびプラトー圧、ならびにPEEP要件の変化。これらは、既知の過去の平均(historical average)に基づいて、処置されていない集団(すなわち、MAPC注入なし)との比較であり得る。 1つの実施形態において、投与レジメンでは、9億~12億のMAPC細胞が0日目に、または場合によって0日目に提供され、かつ第1の用量の72~96時間後に9億~12億 MAPC細胞の追加の用量が提供される。 1つの実施形態において、投与の経路は、静脈内である。 1つの実施形態において、上記MAPCは、同種異系である。 1つの実施形態において、上記MAPCは、骨髄に由来する。 1つの実施形態において、上記MAPCは、ヒトである。 1.処置可能なウイルス - インフルエンザ、(SARS-CoV、MERS-Co V、SARS-CoV2)を含むコロナウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ライノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、ならびに直接的な内皮損傷からまたは間接的にはサイトカインストーム/敗血症症候群を通じて生じるARDSが合併し得る重篤な全身性の疾病(ウイルス性出血熱)を引き起こし得るウイルス(例えば、フィロウイルス(例えば、エボラ、マールブルグ)、アレナウイルス(LCMV、ラッサ、フニン、ルジョなど)、ブニヤウイルス(リフトバレー熱ウイルスおよびクリミア-コンゴ出血熱ウイルス、ならびにハンタウイルス)、およびフラビウイルス(黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルス、ジカウイルスなど))。 2.急性呼吸窮迫症候群(ARDS) - 肺における血管透過性の増大によって特徴 づけられる炎症性の肺傷害の重症形態。臨床的には、ARDSは、心不全または体液過剰によって十分には説明されない、重症低酸素血症および胸部画像化での両側性陰影の存在によって定義される。具体的には、それは、ベルリン定義(またはベルリン基準のキガリ修正案(Kigalimodification)(例えば、Rivielloら, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2016, 193(1):52-59)を参照のこと)によって定義される。 3.ARDSのベルリン(およびキガリ修正案)定義- a.タイミング - 発症は、既知の臨床的傷害または新たなもしくは悪化しつつある呼吸器症状から1週間以内でなければならない。 b.画像化(胸部X線写真またはコンピューター断層撮影スキャンまたは超音波(キガリ修正案)) - 胸部X線写真における肺浮腫と一致する両側性陰影。 c.浮腫の原因 - 全ての利用可能なデータを使用して処置する医師が判断する場合に、心不全または体液過剰によって十分に説明されない呼吸不全 d.酸素化 i.軽度ARDS - 200mmHg<PaO2/FIO2≦300mmHgと、PEEPまたはCPAP≧5cm H2O;またはSpO2/FIO2≦315(キガリ修正案) ii.中程度ARDS - 100mmHg<PaO2/FIO2≦200mmHgと、PEEP≧5cm H2O iii.重症ARDS - PaO2/FIO2≦100mmHgと、PEEP≧5cm H2O 1.略語: CPAP、持続的気道陽圧;FIO2、吸気酸素濃度;PaO2、動脈血酸素分圧;PEEP、呼気終末陽圧。 4. 1つの実施形態において、患者は、以下のとおりに選択され得る: 調節不全の免疫応答 - ARDSの症例において、肺胞毛細血管関門の破壊をもたらし、低酸素血症、炎症、および非心原性肺水腫によって特徴づけられる肺傷害を生じる免疫系プロセスの分子制御の不適応変化。 5. 1つの実施形態において、患者は、以下のとおりに選択され得る: 増悪しつつあるARDS - PEEP≧5cm H2OでPaO2/FiO2≦300mm