JP-2026077781-A - LGR5及びEGFRに結合する抗体とトポイソメラーゼI阻害剤との組合せを用いる癌の治療
Abstract
【課題】本発明は、癌の治療に関する手段及び方法に関する。 【解決手段】本発明は、癌の治療に使用するための、EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログを説明し、こうした抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログは、トポイソメラーゼI阻害剤と共に投与される。 【選択図】なし
Inventors
- マーク・スロスビー
- アーネスト・アイザック・ワッサーマン
Assignees
- メルス・ベー・フェー
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260216
- Priority Date
- 20190819
Claims (20)
- 癌の治療に使用するための、EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログであって、トポイソメラーゼI阻害剤と共に投与される、抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記癌が、結腸直腸癌、肺癌、胃腸癌又は卵巣癌である、請求項1に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記癌が結腸直腸癌である、請求項1又は2に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ、並びに前記トポイソメラーゼI阻害剤が、対象に同時に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログが、前記トポイソメラーゼI阻害剤に先立って前記対象に投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- EGFRに結合する前記可変ドメインのVH鎖が、図8に表されるVH鎖MF3755のアミノ酸配列、又は最大15個、好ましくは多くて10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、1個、好ましくは多くて5個、4個、3個、2個、1個の、前記VHに対する挿入、欠失、置換、又はこれらの組合せを含むアミノ酸修飾を有する、図8に表されるVH鎖MF3755のアミノ酸配列を含み、LGR5に結合する前記可変ドメインのVH鎖が、図8に表されるVH鎖MF5816のアミノ酸配列、又は最大15個、好ましくは多くて10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、1個、好ましくは多くて5個、4個、3個、2個、1個の、前記VHに対する挿入、欠失、置換、又はこれらの組合せを含むアミノ酸修飾を有する、図8に表されるVH鎖MF5816のアミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- LGR5に結合する前記可変ドメインが、図1に表されるヒトLGR5配列のアミノ酸残基21~118内に位置するエピトープに結合する、請求項1~6のいずれかに一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- ヒトLGR5の43位、44位、46位、67位、90位及び91位のアミノ酸残基が、LGR5への前記LGR5結合可変ドメインの結合に関与する、請求項7に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記LGR5結合可変ドメインが、43A、44A、46A、67A、90A及び91Aから選択されるアミノ酸残基変異のうちの1つ以上を含むLGR5タンパク質に少量結合する、請求項7又は8に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- EGFRに結合する前記可変ドメインが、図2に表されるヒトEGFR配列のアミノ酸残基420~480内に位置するエピトープに結合する、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- ヒトEGFRのI462位、G465位、K489位、I491位、N493位及びC499位のアミノ酸残基が、EGFRへの前記EGFR結合可変ドメインに関与する、請求項10に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記EGFR結合可変ドメインが、I462A、G465A、K489A、I491A、N493A及びC499Aから選択されるアミノ酸残基置換のうちの1つ以上を含むEGFRタンパク質に少量結合する、請求項10又は11に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記トポイソメラーゼI阻害剤が、カンプトテシン又はその誘導体である、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記トポイソメラーゼI阻害剤が、イリノテカン又はトポテカンである、請求項1~13のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記抗体がADCC増強型である、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 前記抗体がアフコシル化されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ。
- 細胞の増殖を許容する系でEGFR及びLGR5を発現する前記細胞の増殖を阻害するための方法であって、前記方法が、トポイソメラーゼI阻害剤、並びにEGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ、を有する系を提供することを含む、方法。
- 対象における癌の治療方法であって、トポイソメラーゼI阻害剤、並びにEGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログを、その必要がある対象に同時に又は連続投与することを含む、治療方法。
- 前記癌が、結腸直腸癌、肺癌、胃腸癌、又は卵巣癌である、請求項18に記載の癌の治療方法。
- 前記癌が結腸直腸癌である、請求項18に記載の癌の治療方法。
Description
本発明は、癌の治療に関する手段及び方法に関する。本発明は特に、LGR5及びEGFRに結合する抗体とトポイソメラーゼ阻害剤との組合せで、対象の癌を治療する方法に関する。本発明は更に、かかる方法で使用するための組合せ、及び胃腸癌の治療のための薬剤を製造するのに使用するための組合せに関する。 結腸直腸癌(CRC)は、世界で3番目に一般的な癌である。CRCに関していくつかの新規治療が進歩している一方、その多くは臨床試験に失敗しており、転移性CRCは依然としてほとんどが不治である。クリニックでの進行性CRC向けの現状での標準治療としては、癌細胞の本質的な機能を遮断し、分裂細胞を死滅させる化学療法レジメンが挙げられる。 蓄積された証拠は、治療により誘発された寛解後の癌増大及び再生が、化学療法治療を回避する癌幹細胞の集団により引き起こされることを示唆している。理論に拘束されるものではないが、これらの幹細胞の維持はWNTシグナル伝達回路により調節されると考えられている。 理論に拘束されるものではないが、癌細胞の増殖及びアポトーシス回避を増強させる原因であると考えられているCRCにおける第2の発癌性経路は、EGFR(上皮成長因子受容体)経路である。複数の抗EGFR薬は、転移性CRC(mCRC)の標的治療について、ある特定レベルの有効性を実証した。しかしながら、CRCの不均一性が要因となり、下流KRAS遺伝子における発癌性変異は抗EGFR治療に対する抵抗性を与え(全mCRC患者のうち約40%)、野生型KRASを有する患者の半数は、抗EGFR治療に対する生得的な抵抗性を有し、抗EGFR治療に対して感受性がある癌の患者の大半は、後に耐性癌を示す。 Merus社のBiclonics(登録商標)抗体プログラムでは、WNTシグナル伝達経路における幹細胞マーカである、EGFR及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役受容体)を標的とする多重特異性抗体を開発した。このような多重特異性抗体の有効性は、患者由来CRCオルガノイドモデル及びマウスPDXモデルを使用し、インビトロ及びインビボでそれぞれ評価された。EGFR及びLGR5を標的とする多重特異性抗体は、腫瘍増大を阻害することが示された。このような阻害抗体の効力は、癌由来の細胞により、LGR5のRNA発現レベルと相関することが示された。 本発明は、トポイソメラーゼI阻害剤と組み合わせられ、EGFR及びLGR5を標的とする多重特異性抗体の投与を含む併用療法が、多重特異性抗体又はトポイソメラーゼ抗体の効果を別々に比較した場合、驚くほど有効であることを示す。こうした併用療法は、CRC患者では治療により誘発された寛解後の腫瘍転移及び/又は腫瘍の再生を阻害し、より長期の寛解を達成することができる。 本発明は、癌の治療に使用するための、EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログを提供し、こうした抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログは、トポイソメラーゼI阻害剤と共に投与される。癌は、好ましくは結腸直腸癌、肺癌、胃腸癌又は卵巣癌であり、好ましくは結腸直腸癌である。抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ並びにトポイソメラーゼI阻害剤は、好ましくは対象に同時に投与される。 一態様では、抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログは、トポイソメラーゼI阻害剤に先立って対象に投与される。 EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメインは、図8に表されるVH鎖MF3755のアミノ酸配列を含んでもよく、又は最大15個、好ましくは多くて10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、1個、好ましくは多くて5個、4個、3個、2個、1個のアミノ酸修飾を有する、図8に表されるVH鎖MF3755のアミノ酸配列を含んでもよい。このアミノ酸修飾は、当該VHに対する挿入、欠失、置換、又はこれらの組合せを含む。LGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインは、図8に表されるVH鎖MF5816のアミノ酸配列を含んでもよく、又は最大15個、好ましくは多くて10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、1個、好ましくは多くて5個、4個、3個、2個、1個のアミノ酸修飾を有する、図8に表されるVH鎖MF5816のアミノ酸配列を含んでもよい。このアミノ酸修飾は、当該VHに対する挿入、欠失、置換、又はこれらの組合せを含む。抗体は好ましくは、両方の当該可変ドメインを含む。 LGR5に結合する可変ドメインは好ましくは、図1に表されるヒトLGR5配列のアミノ酸残基21~118内に位置しているエピトープに結合する。一実施形態では、ヒトLGR5の43位、44位、46位、67位、90位及び91位のアミノ酸残基は、LGR5への提供されたLGR5結合可変ドメインの結合に関与する。LGR5結合可変ドメインは好ましくは、43A、44A、46A、67A、90A及び91Aから選択されるアミノ酸残基変異のうち1つ以上を含むLGR5タンパク質に少量結合する。 EGFRに結合する可変ドメインは好ましくは、図2に表されるヒトEGFR配列のアミノ酸残基420~480内に位置しているエピトープに結合する。一実施形態では、ヒトEGFRのI462位、G465位、K489位、I491位、N493位及びC499位のアミノ酸残基は、EGFRへの提供されたEGFR結合可変ドメインに関与する。EGFR結合可変ドメインは好ましくは、I462A、G465A、K489A、I491A、N493A及びC499Aから選択されるアミノ酸残基置換のうち1つ以上を含むEGFRタンパク質に少量結合する。 本明細書に記載の、提供される抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログは、好ましくは、本発明では上で説明されるようなエピトープ結合特性を有するLGR5結合可変ドメインと、本明細書上記のエピトープ結合特性を有するEGFR結合可変ドメインとの両方を含む。 一実施形態では、トポイソメラーゼI阻害剤は、カンプトテシン又はその誘導体である。別の好ましい実施形態では、トポイソメラーゼI阻害剤はイリノテカン又はトポテカンである。 抗体は、好ましくはADCC誘導抗体である。一実施形態では、抗体は、ADCC増強抗体である。一実施形態では、抗体はアフコシル化されている。 本発明はまた、細胞の増殖を許容する系でEGFR及びLGR5を発現する細胞の増殖を阻害するための方法を提供する。この方法は、トポイソメラーゼI阻害剤、並びにEGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む、抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログを有する系を提供することを含む。 トポイソメラーゼI阻害剤、並びにEGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログを、その必要がある対象に同時に又は連続投与することを含む、対象における癌の治療方法が更に提供される。 癌は、好ましくは結腸直腸癌、肺癌、胃腸癌又は卵巣癌である。好ましい実施形態では、癌は結腸直腸癌である。 本発明はまた、EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン、及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ、並びにトポイソメラーゼI阻害剤を含む医薬組成物を提供する。抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ、並びにトポイソメラーゼI阻害剤は、単剤で提供されることができる。抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ、並びにトポイソメラーゼI阻害剤はまた、別個の製剤で提供されることができる。別個の製剤で提供される場合、両方の薬剤は同時に又は連続投与されることができる。 EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン、及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む、抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ;トポイソメラーゼI阻害剤、並びに本明細書に記載の治療で抗体及びトポイソメラーゼI阻害剤を使用するための指示を含むキットが更に提供される。 対象における胃腸癌の治療に使用するための、EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン、及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログが更に提供される。抗体は、トポイソメラーゼI阻害剤と共に、同時に、別々に又は連続投与される。 一態様では、本発明は、対象における癌の治療のための薬剤の製造に使用するための、EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログを提供し、抗体は、トポイソメラーゼI阻害剤と共に、同時に、別々に又は連続投与される。治療は、好ましくは結腸直腸癌、肺癌、胃腸癌又は卵巣癌に対するものであり、好ましくは結腸直腸癌に対するものである。 対象における胃腸癌の治療では、同時に、別々に、又は連続使用するための組み合わせられた製剤として、EGFRの細胞外部分に結合する可変ドメイン、及びLGR5の細胞外部分に結合する可変ドメインを含む抗体又はその機能性部分、誘導体及び/若しくはアナログ、並びにトポイソメラーゼI阻害剤を含む製品もまた、本明細書にて提供される。 本明細書をより容易に理解できるようにするために、特定の用語が最初に定義される。詳細な説明を通して、追加の定義が記載される。特に明記しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有し、免疫学、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術及び薬理学の従来の方法が採用される。 本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。用語「含む(including)」、並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。 本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、抗原上のエピトープに結合する1つ以上のドメインを含有するタンパク質の免疫グロブリンクラスに属するタンパク質分子を意味し、このようなドメインは、抗体の可変領域に由来するか又は配列相同性を共有する。抗体は、典型的には、基本的な構造単位で構成されており、それぞれに2つの重鎖及び2つの軽鎖を有する。治療用の抗体は、好ましくは、可能な限り治療される対象の天然抗体(例えば、ヒト対象の場合のヒト抗体)に近いものである。本発明による抗体は、いかなる特定のフォーマット又はそれを調製する方法にも限定されない。 「二重特異性抗体」は、抗体の1つのドメインが第1の抗原に結合する一方で、抗体の第2のドメインが第2の抗原に結合し、当該第1及び第2の抗原が同一ではない、本明細書に記載の抗体である。用語「二重特異性抗体」はまた、1つの重鎖可変領域/軽鎖可変領域(VH/VL)の組合せが抗原上の第1のエピトープに結合し、第2のVH/VLの組合せが第2のエピトープに結合する抗体を包含する。この用語は更に、VHが、第1の抗原を特異的に認識することができ、免疫グロブリン可変領域においてVHと対合しているVLが、第2の抗原を特異的に認識することができる抗体を含む。得られたVH/VL対は、抗原1又は抗原2のいずれかに結合する。このようないわゆる「ツーインワン抗体」は、例えば、国際公開第2008/027236号、同第2010/108127号、及びSchaefer et al(Cancer Cell 20,472-486、October 2