JP-2026077807-A - 再生難燃性スチレン系樹脂組成物及び成形品
Abstract
【課題】本発明の目的は、リサイクルされた回収スチレン系樹脂を使用することにより環境負荷を低減し、かつ難燃性に優れ、熱安定性、耐光性が良好である再生難燃性スチレン系樹脂組成物を提供することである。 【解決手段】本発明は、回収スチレン系樹脂(A)及びNOR型ヒンダードアミン系化合物(B)を含む再生難燃性スチレン系樹脂組成物である。 【選択図】なし
Inventors
- 野寺 明夫
Assignees
- PSジャパン株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260217
Claims (1)
- 回収スチレン系樹脂(A)及びNOR型ヒンダードアミン系化合物(B)を含む再生難燃性スチレン系樹脂組成物。
Description
本発明は、再生難燃性スチレン系樹脂組成物及び該再生難燃性スチレン系樹脂組成物を含む成形品に関する。 スチレン系樹脂は、成形性、寸法安定性に加え、耐衝撃性に優れていることから、広範囲な用途に使用されている。中でも難燃性が付与されたポリスチレン系樹脂組成物は、家電機器、OA機器、包装容器、断熱材を始め多岐にわたり使用されており、外装部品や透明部品など意匠性が必要な部材に使用されている。 近年、環境や資源枯渇などの問題より、材料の再資源化が求められるようになり、材料のリサイクルが進められており、マテリアルリサイクルが実施されている。一方、スチレン系樹脂の劣化や着色などにより、マテリアルリサイクル品の高品質化、高機能化はほとんど行われていない。 例えば、特許文献1~3には、スチレン系樹脂にNOR型ヒンダードアミン系化合物を含む難燃性スチレン系樹脂が開示されている。また、特許文献4には回収スチレン系樹脂に樹脂流動性改質剤とリン系難燃剤を配合する再生樹脂組成物が開示されている。 特開2019-183082号公報特開2019-183084号公報特開2020-83971号公報特表2014-173059号公報 以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。 [再生難燃性スチレン系樹脂組成物] 本実施形態は、回収スチレン系樹脂(A)とNOR型ヒンダードアミン系化合物(B)とを含む再生難燃性スチレン系樹脂組成物であることを特徴とする。 これにより、回収スチレン系樹脂(A)に対し、難燃性に優れ、熱安定性、耐光性が良好である再生難燃性スチレン系樹脂組成物を提供することができる。 <回収スチレン系樹脂(A):(A)成分> 本実施形態の再生難燃性スチレン系樹脂組成物は、回収スチレン系樹脂(A)を必須に含有する。 本実施形態の再生難燃性スチレン系樹脂組成物において、回収スチレン系樹脂(A)は、工場回収品などのプレコンシューマー材料、市場回収品などのポストコンシューマー材料などであり、場合によっては長期在庫ペレット、規格外ペレットなども含まれる。また、その回収スチレン系樹脂(A)としては、リン系難燃剤を含む難燃性スチレン系樹脂でも使用可能であり、流動パラフィンや安定剤、着色剤などを含んでいてもよく、他樹脂が積層されているような製品でも使用できる。 プレコンシューマー材とは、スチレン系樹脂製品の生産工程で発生した端材や不良品、及び売れ残ったり品質保証期間を過ぎたりして出荷前に廃棄されたスチレン系樹脂製品を回収して再利用する材料である。ポストコンシューマー材とは、一度市場に出荷され、消費者の使用が終了した後で回収して再利用する材料である。本発明では、環境負荷の小さな製品を製造し、グリーン購入や再資源化率の向上を推進する観点から、スチレン系樹脂組成物中のスチレン系リサイクル材である“回収スチレン系樹脂(A)”は、ポストコンシューマー材であることが好ましい。ポストコンシューマー材として好適な回収スチレン系樹脂(A)の具体例としては、発泡スチロール、押出加工したシート、容器、包装材、CD・MDなどの記録媒体のケース、ボビン、ハンガーなどの雑貨、電気機器及びOA機器のプラスチック部品などが挙げられる。 回収スチレン系樹脂(A)は、用途に応じて未使用のスチレン系樹脂と混合しても構わない。再資源化の観点より、再生難燃性スチレン系樹脂組成物全体に対して50質量%以上回収スチレン系樹脂を含むことが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。 また、回収スチレン系樹脂(A)としては、家電リサイクル法により回収された家電等でスチレン樹脂として回収されたもの、PSなど表記された樹脂製品から回収されたもの、発泡ポリスチレンのように明らかにポリスチレンである回収品等が挙げられる。また必要により、公知の方法である、比重、IR分別などを用いて、回収されたものから回収スチレン系樹脂(A)を選別する回収スチレン系樹脂(A)の選別工程を行ってもよい。 本実施形態で用いることができる回収スチレン系樹脂(A)は、スチレン系単量体と、必要に応じて当該スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体及びゴム状重合体(a)より選ばれる1種以上を重合して得られる樹脂であることが好ましい。換言すると、回収スチレン系樹脂(A)は、スチレン系単量体単位を有する重合体であることが好ましく、スチレン系単量体単位を必須に含み、当該スチレン系単量体単位に対して共重合可能な他のビニル系単量体及び/又はゴム状重合体(a)の単量体単位を任意成分として有する重合体(例えば、ゴム変性スチレン系樹脂及び/又はスチレン系共重合樹脂)であることがより好ましい。また、本実施形態において使用可能な回収スチレン系樹脂(A)は、回収スチレン系樹脂(A)全体に対して、スチレン系単量体単位を70質量%以上含有することが好ましい。したがって、本実施形態の回収スチレン系樹脂(A)としては、スチレン系単量体単位を含む重合体、ゴム変性スチレン系樹脂及びスチレン系共重合樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上含有することが好ましい。 本実施形態における回収スチレン系樹脂(A)の好ましい組成の形態は特に限定されることは無いが、具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリスチレン系重合体(ポリスチレン及び/又はポリスチレン-不飽和カルボン酸系重合体等)を含有するポリマーマトリックス中にゴム状重合体(a)の粒子が分散されたゴム変性スチレン系樹脂、又はスチレン系共重合樹脂が挙げられる。 <<ポリスチレン>> 本実施形態において、回収スチレン系樹脂(A)として使用可能なポリスチレンとはスチレン系単量体を重合した(単独)重合体であり、一般的に入手できるものを適宜選択して用いることができる。ポリスチレンを構成するスチレン系単量体としては、スチレンの他に、α-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特に工業的観点からスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種又は2種以上使用することができる。ポリスチレンは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記のスチレン系単量体単位以外の単量体単位を更に含有することを排除しないが、典型的にはスチレン系単量体単位からなる。 <<ゴム変性スチレン系樹脂>> 本実施形態において、回収スチレン系樹脂(A)として使用可能なゴム変性スチレン系樹脂とは、マトリクスとしてのスチレン系樹脂中にゴム状重合体(a)の粒子が分散したものであり、ゴム状重合体(a)の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。 本実施形態のゴム変性スチレン系樹脂を構成するスチレン系単量体としては、スチレンの他に、例えば、α-メチルスチレン、α-メチルp-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特に、スチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種若しくは2種以上使用することができる。 本実施形態のゴム変性スチレン系樹脂に含まれるゴム状重合体(a)は、例えば、当該ゴム状重合体(a)の内側に上記のスチレン系単量体より得られるスチレン単量体単位を含有する樹脂を内包してもよく、及び/又は、当該ゴム状重合体(a)の表面にスチレン単量体単位を含有する樹脂がグラフトされたものであってよい。 前記ゴム状重合体(a)としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリクロロプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体等のゴム成分を使用できる。また、当該ゴム成分には、ポリスチレン及び/又はポリスチレン-不飽和カルボン酸系重合体等を内包した形態を含んでも良い。なかでも、ゴム状重合体(a)は、ポリブタジエン又はスチレン-ブタジエン共重合体が好ましい。ポリブタジエンには、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン及びシス含有率の低いローシスポリブタジエンの双方を用いることができる。また、スチレン-ブタジエン共重合体の構造としては、ランダム構造及びブロック構造の双方を用いることができる。これらのゴム状重合体(a)は1種若しくは2種以上使用することができる。また、ブタジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴムを使用することもできる。 このようなゴム変性スチレン系樹脂の例としては、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体)等が挙げられる。 ゴム変性スチレン系樹脂がHIPS系樹脂である場合、これらのゴム状重合体(a)の中で特に好ましいのは、シス1,4結合が90モル%以上で構成されるハイシスポリブタジエンである。該ハイシスポリブタジエンにおいては、ビニル1,2結合が6モル%以下で構成されることが好ましく、3モル%以下で構成されることが特に好ましい。 なお、上記イシスポリブタジエンの構成単位に関する異性体としてシス-1,4構造、トランス-1,4構造、又はビニル-1,2構造を有するものの含有率は、赤外分光光度計を用いて測定し、モレロ法によりデータ処理することにより算出できる。 また、上記ハイシスポリブタジエンは、公知の製造法、例えば有機アルミニウム化合物とコバルト又はニッケル化合物を含んだ触媒を用いて、1,3-ブタジエンを重合して容易に得ることができる。 ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体(a)の含有量は、当該ゴム変性スチレン系樹脂総量100質量%に対して、3~20質量%が好ましく、更に好ましくは5~15質量%である。ゴム状重合体(a)の含有量が3質量%未満であるとスチレン系樹脂の耐衝撃性が低下する虞がある。また、ゴム状重合体(a)の含有量が20質量%を超えると難燃性が低下する虞がある。 なお本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体(a)の含有量は、熱分解ガスクロマトグラフイーを用いて算出される値である。 ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体(a)の平均粒子径は、耐衝撃性や難燃性の観点から、0.5~4.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.8~3.5μmである。 なお本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体(a)の平均粒子径は、以下の方法により測定することができる。 四酸化オスミウムで染色したゴム変性スチレン系樹脂から厚さ75nmの超薄切片を作製し、電子顕微鏡を用いて倍率10000倍の写真を撮影する。当該写真中、黒く染色された粒子がゴム状重合体(a)である。写真から、下記数式(N1): 平均粒子径=ΣniDri3/ΣniDri2 (N1) (上記数式(N1)中、niは、粒子径Driのゴム状重合体(a)粒子の個数であり、粒子径Driは、写真中の粒子の面積から円相当径として算出した粒子径である。) により面積平均粒子径を算出し、ゴム状重合体(a)の平均粒子径とする。本測定は、写真を200dpiの解像度でスキャナーに取り込み、画像解析装置IP-1000(旭化成社製)の粒子解析ソフトを用いて測定する。 ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度(これは、ゴム変性スチレン系樹脂の分子量の指標となる)は、0.50~0.85dL/gの範囲にあることが好