JP-2026077881-A - 樹脂フィルムおよびその製造方法、ならびに金属化樹脂フィルム、プリント配線板
Abstract
【課題】耐半田性および密着性に優れる、新規の樹脂フィルム等を提供することを目的とする。 【解決手段】ポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とを含む層Aが、線膨張係数が20ppm/℃以下の耐熱性樹脂フィルムである層Bの少なくとも一方の面に形成されており、前記ポリイミド樹脂の線膨張係数が30ppm/℃以上、100ppm/℃以下である樹脂フィルム、とすることにより上記課題を解決することができる。 【選択図】なし
Inventors
- 伊藤 卓
Assignees
- 株式会社カネカ
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260302
- Priority Date
- 20210512
Claims (9)
- ポリアミド酸とフュームド金属酸化物とを含むフュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液であって、 前記フュームド金属酸化物の、前記ポリアミド酸100重量部に対する配合部数が10重量部から130重量部であり、 前記ポリアミド酸溶液をポリイミドフィルムとした場合の線膨張係数が30ppm/℃以上、100ppm/℃以下であり、 前記ポリアミド酸をポリイミド樹脂の単層フィルムとした場合の300℃における貯蔵弾性率が1×10 8 Pa以上である、フュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液。
- 前記ポリアミド酸のイミド化物であるポリイミド樹脂が非溶解性ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のフュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液。
- 前記フュームド金属酸化物がフュームドシリカであることを特徴とする請求項1に記載のフュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液。
- 前記フュームド金属酸化物の見掛比重が20グラム/リットル以上220グラム/リットル以下であることを特徴とする請求項1に記載のフュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のフュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液をイミド化して得られる、ポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とを含む層。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のフュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液のイミド化物であるポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とを含む層Aが、線膨張係数が20ppm/℃以下の耐熱性樹脂フィルムである層Bの少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする樹脂フィルム。
- 前記層Bがポリイミド樹脂を含むことを特徴とする請求項6に記載の樹脂フィルム。
- 請求項1~4のいずれか1項のポリアミド酸溶液を線膨張係数が20ppm/℃以下の耐熱性樹脂フィルムである層Bに塗布し、前記ポリアミド酸溶液を乾燥し、かつイミド化することを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のフュームド金属酸化物分散ポリアミド酸溶液を線膨張係数が20ppm/℃以下の耐熱性樹脂フィルムとなる前記層Bの前駆体溶液と共押出し、前記ポリアミド酸溶液および前記前駆体溶液を乾燥し、かつイミド化することを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
Description
本発明は、樹脂フィルムおよびその製造方法、ならびに金属化樹脂フィルム、プリント配線板に関する。 絶縁基板上に金属導体からなる回路を備えるプリント配線板は、プリント配線板上に各種電子部品が実装され、電子機器の機能を発現させる部品として広く使用されている。電子機器の高機能化、高性能化、小型化に伴い、プリント配線板には、回路配線のさらなる狭ピッチ化が求められている。具体的に、電子機器の内部にコンパクトに折り曲げて収納できる(a)フレキシブルプリント配線板、(b)リジッドフレックス基板、(c)多層フレキシブル基板、および(d)COF(チップオンフィルム)等の可撓性のあるフィルム部分に狭ピッチの回路形成がなされたプリント配線板が求められている。 狭ピッチの回路形成に対応する方法として、特許文献1では、キャリア付きの薄膜の銅箔をポリイミドシートと貼り合わせる方法が開示されている。 また、特許文献2では、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング方等の物理的蒸着法を用い、ポリイミドフィルム上に金属層を形成する方法が開示されている。 また、特許文献3では、シリコーン構造を含むポリイミド樹脂とヒュームドシリカとを含む材料の上に無電解めっきで直接銅めっきを行った例が開示されている。 特開2005-76091号公報特許第6706013号公報特許第5037168号公報 〔本発明の一実施形態の技術的思想〕 本発明者らが鋭意検討した結果、上述した先行技術文献1~3に記載の技術には、以下に示すような改善の余地または問題点があることを見出した。 例えば、特許文献1では、絶縁基材と銅箔との密着性を確保するために意図的に銅箔表面に凹凸が形成されている。そのため、特許文献1では、銅層厚みが通常銅箔の限界よりも薄いとはいえ、エッチング工程での回路形状に与える悪影響はあり、狭ピッチ化の限界があり、また伝送特性に与える悪影響がある。 また、特許文献2の技術では、ニッケル、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン等の金属を物理蒸着法により基材表面に形成する。しかし、特許文献2の技術によると、回路形成の際に銅用のエッチング液でエッチングしただけでは、ニッケル、クロム、チタン等の金属を完全には除去できず、完全に除去する為に別のエッチング液を用いる必要があり、工程上煩雑であるという問題があった。 また、特許文献3は、低粗度の表面に無電解めっき層を形成できる樹脂フィルムについて開示されているものの、耐半田性などに改善の余地のあるものであった。 本発明は、本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐半田性および密着性に優れる、新規の樹脂フィルム及びその製造方法、並びに当該樹脂フィルムから得られる金属化樹脂フィルム及びプリント配線板を提供することである。本発明の一実施形態は、例えば、優れた半田耐熱性を示し、狭ピッチの回路形成に対応できる材料(樹脂フィルム)およびその方法、具体的には優れた半田耐熱性を有し、かつ低粗度の表面に対する強い密着性を示す無電解めっき層を形成できる樹脂フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の一実施形態は、当該樹脂フィルムから得られる金属化樹脂フィルム及びプリント配線板を提供することも目的とする。 〔樹脂フィルム〕 本発明の一実施形態に係る樹脂フィルムは、ポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とを含む層Aが、線膨張係数が20ppm/℃以下の耐熱性樹脂フィルムである層Bの少なくとも一方の面に形成されており、前記ポリイミド樹脂の線膨張係数が30ppm/℃以上、100ppm/℃以下であることを特徴とする。 本発明の一実施形態に係る樹脂フィルムは、前記構成を有することにより、耐半田性および密着性に優れるという利点を有する。一例として、本明細書では、密着性はピール強度(N/cm)により評価し、耐半田性は吸湿半田耐熱性で評価している。 ポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とを含む層A(層Aと表すこともある)について説明する。 <ポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物を含む層A(層A)> 本発明の一実施形態の層Aはポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とを含むことを必須要件とする。また、当該構成にすることにより樹脂フィルムと無電解金属めっき層との密着性、特に加熱等行うことなく、無電解金属めっき層形成直後の状態での密着性を大きく改善することができる。密着性の発現メカニズムの考え方につき以下に記載する。 無電解金属めっきのプロセスは複数の独立した薬液浴で構成されている。これら薬液浴は所定の条件(濃度、温度等)で管理されており、被めっき物の表面は浸漬、シャワーリング等の方法でこれら薬液と所定時間接触し、同表面は化学的な変化、場合により物理的な形状変化が生じる。これら薬液は種々の成分を含んでおり、pHも薬液種により様々であり、強アルカリ性、強酸性を示す薬液もある。一方、本発明の一実施形態に必須のポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とはいずれもこれら薬液と相互作用があり、化学構造の変化および物理的な形状の変化を生じており、無電解金属めっきとの密着性改善に影響していると考えている。フュームド金属酸化物およびポリイミド樹脂は、共にアルカリ性環境で化学的に変化を受ける。例えば、フュームド金属酸化物は、アルカリ性環境で溶解し、イオン状金属酸化物を生成する。例えば、ポリイミド樹脂は、アルカリ性環境でイミド環の開裂反応によりイオン性を示すアミド酸基を生成する。これらイオン性化合物(イオン状金属酸化物およびイオン性を示すアミド酸基など)は無電解金属めっき浴中の金属イオンと反応し、「フュームド金属酸化物」-「金属(例えば銅)」-「ポリイミド樹脂」の3成分に由来する化合物がポリイミド樹脂と金属めっきとの界面に形成され得る。当該化合物が密着性に寄与しており、結果としてポリイミド樹脂と金属めっきとの密着性は高くなると考えている。 一方、ポリイミド樹脂およびフュームド金属酸化物のアルカリ性環境での溶解速度は、それぞれ、ポリイミド樹脂の化学構造および凝集構造、並びに、フュームド金属酸化物の化学構造および比表面積等により影響されると考えられる。本発明の一実施形態のポリイミド樹脂とフュームド金属酸化物とを含む層Aをアルカリ性環境に晒した場合、ポリイミド樹脂およびフュームド金属酸化物それぞれの溶解速度に応じた溶解が起こる。本発明の一実施形態のA層はポリイミド樹脂相に埋没した状態でフュームド金属酸化物が存在する構造となっている。そのため、本発明の一実施形態の層Aをアルカリ性環境に晒した場合、ポリイミド樹脂およびフュームド金属酸化物それぞれのアルカリ性薬品に対する溶解速度に応じ、層Aの表面にフュームド金属酸化物の粒子径と同程度の微細な凹凸が生成され、結果として層Aの表面積が増加し得る。この層Aの表面積の増加も密着強度の改善に寄与しているものと考えている。 また、本発明の一実施形態に必須のフュームド金属酸化物は一次粒子が凝集した構造を有しており、ポリイミド樹脂相に埋没した状態で存在している。また、本発明の一実施形態に必須のフュームド金属酸化物の、ある構造単位の一部は表面に露出および/または表面近傍に存在しており、その他の部分はバルク方向に存在していることで両者が強固に結着し、密着強度の改善に寄与しているものと考えている。つまり、(i)前記「フュームド金属酸化物」-「金属(例えば銅)」-「ポリイミド樹脂」の3成分に由来する化合物が存在する界面の面積が増えること、および(ii)フュームド金属酸化物はポリイミド樹脂相に埋没し、強固に結着していること、が無電解金属めっきとの密着強度の増大に寄与しているものと考えている。なお、本発明は、密着性の発現メカニズム関する上述した考え(推測)になんら限定されるものではない。 <層Aのポリイミド樹脂> 次に層Aに用いるポリイミド樹脂につき説明する。ポリイミド樹脂は化学骨格中にイミド基を含んでいることが特徴である。ポリイミド樹脂中の当該イミド基(官能基)がフュームド金属酸化物、および金属元素(例えば、銅元素)と相互作用し、無電解金属めっき層との密着性を向上すると考えている。従い、本発明の一実施形態の効果である密着性の発現の為には、ポリイミド樹脂がイミド基を含んでいることが必須要件である。一方で、本発明者らは、鋭意検討過程で、層Aに用いるポリイミド樹脂の線膨張係数が密着性に影響し、具体的には30ppm/℃以上である場合に良好な密着性を示すことを独自に見出し、本発明の一実施形態に至っている。本明細書において、ポリイミド樹脂の線膨張係数は、層Aに用いるポリイミド樹脂をフィルム状にしたときの面方向の線膨張係数であり、ポリイミド分子鎖の層A内での面内配向の程度を反映したものである。ポリイミド樹脂の線膨張係数が小さいほどポリイミド分子鎖が面方向に配向していることを示し、逆に大きいほど厚み方向にもポリイミド分子鎖が配向していることを示している。 ポリイミド樹脂の線膨張係数は使用するモノマー種により制御することができることが知られている。ポリイミド樹脂の線膨張係数を小さくするためには、剛直な化学構造を有するモノマーを使用し、その組成比を高くすることが有効である。剛直な化学構造を有するモノマーを使用し、その組成比を高くすることにより、フィルム状に加工(成型)した際に面方向にポリイミド分子鎖が配向し、更にその分子鎖が厚み方向に堆積した状態が形成され得る。 上述したように、層Aのポリイミド樹脂の線膨張係数が小さすぎる場合、樹脂フィルムと無電解金属めっき層との密着性が低下するという知見を、本発明者らは独自に見出した。この理由は定かではないが、以下のように推測される。剛直な化学構造を有するモノマーを使用し、当該モノマーの組成比を高くしたモノマー混合物から得られるポリイミドをアルカリ性薬液に晒した場合、表面近傍のポリイミド分子はイミド環の開裂反応によりポリアミド酸に変性し、面方向に配向したポリアミド酸分子が厚み方向に堆積した状態が形成される。ポリアミド酸分子鎖同士の凝集力はポリイミド分子鎖同士の凝集力と比較し弱い。その為、前記ポリイミドをアルカリ性薬液に晒して得られるフィルムの表面に無電解金属めっき層(膜)を形成し、密着性を評価した場合、凝集力が弱いポリアミド酸分子鎖間で層状に破壊した界面で剥離し、結果としてフィルムとめっき層(膜)との密着強度は低くなる傾向がある、と推測される。なお、本発明は、かかる推測になんら限定されるものではない。 逆に、ポリイミド樹脂の線膨張係数を大きくするためには、柔軟な化学構造を有するモノマーを使用し、その組成比を高くすることが有効である。柔軟な化学構造を有するモノマーを使用し、その組成比を高くすることにより、フィルム状に成型した際にポリイミド分子鎖は面方向に配向するだけではなく、厚み方向にも配向する、つまりランダム配向を示す傾向がある。 上述したように、層Aのポリイミド樹脂の線膨張係数が大きい(例えば、30ppm/℃以上)場合、樹脂フィルムと無電解金属めっき層との密着性が増強するという知見を、本発明者らは独自に見出した。この理由は定かではないが、以下のように推測される。柔軟な化学構造を有するモノマーを使用し、当該モノマーの組成比を高くしたモノマー混合物から得られるポリイミドをアルカリ性薬液に晒した場合、表面近傍のポリイミド分子はイミド環の開裂反応によりポリアミド酸に変性するが、厚み方向にも高分子鎖の共有結合が数多く存在しており、従い、分子鎖同士の凝集力が高い状態を保っている。それ故、前記ポリイミドをアルカリ性薬液に晒して得られるフィルムの表面に無電解金属めっき膜を形成し、密着性を評価した場合、上述のようにポリイミドの線膨張係数が小さく、面内分子配向が進んだポリイミドの場合のようにポリアミド酸分子鎖間で層状に剥離したりするこ